オヴニー・パリの新聞
1er mai 2025
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オービュッソン︑ 宮崎駿を織る︒
972
五月のバラ香る
N°
グラースへ︒
毎月 1 日発行
一
月からミモザ、次にす
みれ、オレンジの花と
つづく。4月はアヤメ、
5月はバラ...。南フランスの温暖
な気候、豊かな水と肥沃な土地
に恵まれたグラースでは、一年 を通して折々の花が咲く。それ
らの花を加工して香水や香料を
作る会社は70社ほどあり、およ そ5千人が働く。関連分野の企
業を含めると雇用は1万人という、 この地方の一大産業だ。
16世紀、カトリーヌ・ド・メディ シスがイタリアからもたらした香
りのついた革手袋はフランスの 宮廷で大流行し、12世紀から皮
なめしが盛んだったグラースでも 同様のものが作られるようになっ た。1614年には〈革手袋と香水
の同業者組合〉が設けられたが、 のちに組合の皮革と香水部門が 分離してから、グラースでは香 水文化が大きく花開いた。
世界のいたるところで香水が 作られていても、原料の植物栽 培から、加工や調香の知識と技
能、製造まで、全工程がひとつ の町に集まっている例は稀で、 2018年、グラースの 香 水 製 造 のノウハウは、ユネスコの無形 文化遺産に登録された。 グラースの花畑で香水の原料 となる「5月のバラ」が咲く季節 がやってきた。山の、南向きの 斜面に築かれた古都グラースで はバラ祭が開催され、旧市街の 広場や小路が、バラの香りであ ふれるころだ。 (集) ©Musées de Grasse, Photo G.Carlo BARBIERO