Japanese - Letters of Herod and Pilate

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ヘロデとピラトの手紙

ヘロデ王からピラト総督への手紙。

ヘロデ王からエルサレム総督ポンティウス・ピラトへ: 平和を。

私は非常に心配しています。これらのことをあなた に書き送るのは、あなたがこれを聞いて、私のため に悲しんでくださるかもしれないからです。私の愛 する娘ヘロディアが、氷の張った池で遊んでいたと き、氷が彼女の足元で砕け、彼女の全身が沈み、頭 が切り落とされて氷の表面に残ってしまいました。

そして今、彼女の母親は彼女の頭を膝の上に抱えて います。私の家中が大変悲しんでいます。私はイエ スという人について聞いて、あなたのところへ行き、 ただ彼と会って、彼の言葉が人の子らの言葉と似て いるかどうか聞きたいと思ったのです。しかし、私 がバプテスマのヨハネに対して行った多くの悪事と、 キリストを嘲笑したために、私は義の報いを受けて いることは確かです。私は地上で多くの他人の子ら の血を流したからです。それゆえ、神の裁きは正し いのです。人は皆、自分の思いどおりに報いを受け るのです。しかし、あなたは神人を見るにふさわし い者であったので、私のために祈るのはあなたの務 めです。

私の息子アズボニウスもまた、死の瞬間の苦しみの 中にいます。

わたしも水腫を患っているので、苦悩と大きな試練 の中にいます。また、水のバプテスマを導入したヨ ハネを迫害したので、大きな苦悩の中にいます。で すから、兄弟よ、神の裁きは正しいのです。

また、私の妻は、娘を失った悲しみのあまり、左目 が見えなくなってしまいました。私たちが正義の目 をくらませようとしたからです。悪を行う者に平安 はない、と主は言われる。祭司たちと律法学者たち にはすでに大いなる苦難が臨んでいる。彼らが正し い方を汝らに引き渡したからだ。異邦人が相続人と なることに同意したこと、これが世の終わりである。 光の子らは追い払われるであろう。主とその子につ

いて宣べ伝えられたことを守らなかったからである。 それゆえ、あなたは腰に帯を締め、妻と共に夜も昼 もイエスを思い起こしながら正義を受けなさい。そ うすれば、王国はあなた方異邦人のものとなる。な ぜなら、私たち(選ばれた)民が正しい方を嘲笑し たからである。

ピラトよ、もし私たちの願いが聞き入れられるので あれば、私たちがかつて権力を握っていたのですか ら、どうか私の家族を丁寧に埋葬してください。私 たちは祭司たちではなく、あなたによって埋葬され るべきです。聖書に書いてあるように、しばらくす るとイエス・キリストの再臨の時に復讐が襲うのです から。

さようなら、あなたの妻プロクラとともに。

娘のイヤリングと私自身の指輪をあなたに送ります。 これらは私の死の記念となるでしょう。すでに私の 体からは虫が湧き出ており、見よ、私は現世の裁き を受けつつあり、来たるべき裁きを恐れています。 なぜなら、私たちはこの両方において生ける神の御 業の前に立っているからです。しかし、この現世の 裁きは一時的なものであり、来たるべき裁きは永遠 の裁きです。

総督ピラトへの手紙の終わり。

ピラトからヘロデ王への手紙。

ピラトからヘロデ王へ:平和を。

よく知り、見なさい。あなたがイエスを私に引き渡 した日、私は自分を憐れみ、手を洗って(自分が無 実であることを)証言しました。彼は三日後に墓か らよみがえり、あなたの御心を果たしました。あな たは私を彼の磔刑に共にあずかることを望まれたか らです。しかし今、私は処刑人や彼の墓を見張って いた兵士たちから、彼が死からよみがえったことを 知りました。そして特に、私は伝えられたことを確 信しました。彼はガリラヤに同じ姿で現れ、同じ声、 同じ教えで、正気の弟子たちと共に、何つ変わる ことなく、大胆に彼の復活と永遠の王国を宣べ伝え ました。

そして見よ、天と地は喜び祝う。そして見よ、私の 妻プロクラは、イスラエルの人々が持っていた悪意 のゆえに、私がイエスを彼らに引き渡すようにとあ なたが命じたとき、彼女に現れた幻を信じている。

さて、私の妻プロクラは、イエスが復活してガリラ ヤに現れたと聞いて、墓の番をしていた百人隊長ロ ンギヌスと十二人の兵士を連れて、まるで大いなる 見せ物に行くかのようにキリストの御顔に挨拶に行 き、弟子たちと共にいるキリストに会いました。

ヘロデとピラトの手紙 彼らが立ち止まり、驚いてイエスを見つめていると、 イエスは彼らを見つめて言われた。「何事ですか。 あなたたちは私を信じるのですか。はっきり言って おくがよい。神が先祖に与えた契約には、滅びた者 は皆、あなたたちが見た私の死によって生きると書 いてある。そして今、あなたたちは十字架につけた 私が生きていることを知っている。私は墓に納めら れるまで、多くの苦しみを受けた。しかし今、私の 言うことを聞き、私の父、私の内におられる神を信 じなさい。私は死の縄を解き、陰府の門を破った。 私の再臨は、この後である。」

妻プロクラとロマ人たちはこれらのことを聞くと、 泣きながら私に告げに来ました。彼らも、パウロに 悪事を企てた時、パウロに敵対していたからです。 それで私も苦しみながら床に伏し、喪服を着て、妻 と共にローマ人五十人を連れてガリラヤへ行きまし た。

わたしは道を行く途中で、これらのことを証言しま した。ヘロデがわたしを通してこれらのことを行っ たこと、わたしと相談し、わたしに武器を取って彼 に対抗するよう強要し、すべてを裁く方を裁き、正 しい者の主、正しい方を鞭打たせようとしたのです。

ああ、ヘロデよ、わたしたちが彼に近づくと、天か ら大きな声が聞こえ、恐ろしい雷鳴が響き、地は震 え、エルサレムの神殿でさえ聞いたことのないよう な甘い香りが漂ってきました。わたしが道で立ち止 まっている間、主は弟子たちと語り合っているわた しを見ておられました。しかしわたしは心の中で祈 りました。あなたがたがわたしに引き渡した方が、 万物の主であり、万物の創造主であることを知って いたからです。しかし、わたしたちは主を見ると、 皆、主の足元にひれ伏しました。そしてわたしは大 声で言いました。「主よ、わたしは座って、真理を もってすべてのものの復讐をなさるあなたを裁いた ことで、罪を犯しました。」見よ、わたしはあなた が神であり、神の子であることを知った。そしてわ たしはあなたの神性ではなく、あなたの人間性を見 た。しかしヘロデはイスラエルの子らと共に、わた しにあなたに悪を行うよう強要した。それゆえ、イ スラエルの神よ、わたしを憐れんでください。

そして私の妻は、非常に悲しんで言いました。「天 と地の神、イスラエルの神よ、ポンティウス・ピラト の行いによってではなく、イスラエルの子らの意志 によってでもなく、祭司の子らの思いによってでも なく、あなたの栄光のうちに私の夫を覚えていてく ださい。」

すると主が近づき、私と妻、そしてロマ人たちを よみがえらせました。私は主を見つめ、十字架の傷 跡があるのを見ました。そして主は言われました。 「すべての義なる父祖たちが受けたいと望みながら、 見ることができなかったもの 時の主、人の子、

いと高き方の子、永遠の存在である方が、死人の中 からよみがえり、創造し、永遠に確立したすべての ものによって、高い所で栄光を与えられたので す。」

1.アウグストゥス、ティベリウス、そしてガインの 時代に活躍した著述家の人、ユスティヌスは第三 講話の中でこう記している。「エルサレムで十字架 につけられたキリストを産んだガリラヤのマリアは、 夫と別れたことがなかった。ヨセフは彼女を捨てな かった。ヨセフは妻を持たずに、前の妻との間に生 まれた五人の息子と共に聖潔を続けた。そしてマリ アは夫を持たずに聖潔を続けた。」

2テオドロスは総督ピラトにこう書き送った。「パ レスチナの人々から十字架刑に処せられたと、あな たの前に訴えられた男は誰ですか?もし多くの人々 が正当な要求をしたのなら、なぜあなたは彼らの正 当な要求に同意しなかったのですか?もし彼らが不 当に要求したのなら、どうしてあなたは律法を破り、 正義からかけ離れたことを命じたのですか?」

ピラトはイエスに人をやってこう言わせた。「彼は 奇跡を行ったので、十字架につけるつもりはなかっ た。しかし、告発者たちが、『彼は自らを王と称し ている』と言ったので、十字架につけたのだ。」

3ヨセフスはこう記している。「アグリッパ王は銀 の織物でできた衣をまとい、カイサリア劇場でこの 光景を目にした。人々は彼の衣が光るのを見て、 『これまでは人間として恐れていたが、今やあなた は人間の本性をはるかに超えた存在となった』と言 った。すると彼は、天使が自分の上に立っているの を見て、彼を死に至らしめるように打ちのめし た。」

ピラトからヘロデへの手紙の終わり。

ポンティウス・ピラトがローマ皇帝に我らの主イエ ス・キリストについて書いた手紙。

ポンティオ・ピラトからティベリウス・カエサルへの 挨拶:

我が最後の時、汝に完全に知らせたイエス・キリスト に対し、民衆の意志により、ついに厳しい罰が下さ れた。我は不本意で不安であった。実に、これほど 善良で厳格な人物は、かつて存在したことも、これ からも存在しないであろう。しかし民衆は驚くべき 努力を払い、すべての書記官、首長、長老たちは、 この真実の使者を十字架につけることに同意した。 彼ら自身の預言者たちは、我らのシビュラのように、 反対を勧めていた。そして彼が絞首刑に処されると、 超自然的な兆候が現れ、哲学者たちの判断では全世 界を破滅の危機に陥れた。彼の弟子たちは栄え、そ の振る舞いと節制によって師を裏切ることはなかっ

ヘロデとピラトの手紙 た。いや、彼らは彼の名において最も慈悲深い存在 である。もし私が、ほとんど激怒していた民衆の間 で暴動が起こることを恐れていなかったら、おそら くこの男は今も我々と共に生きていたであろう。し かし、私は、自分の性向よりも、むしろあなたの威 厳に対する忠誠心からそう強いられたので、あらゆ る告発から無罪の義人の血が、人々の悪意によって 不当に、しかも聖書の解釈によれば彼ら自身の破滅 のために売られ、苦しめられるのを阻止しようと全 力を尽くしませんでした。

さようなら。4月5日。

ピラト総督の報告書、我らの主イエス・キリストにつ いて。ローマの皇帝アウグストゥスに送られた。

主イエス・キリストがパレスチナとフェニキアの総督 ポンテオ・ピラトのもとで十字架につけられたそのこ ろ、ここに記されているような事がエルサレムで起 こり、ユダヤ人たちは主に対してこのような行為を 行った。そこでピラトは、この記録をローマの皇帝 に送り、個人的な報告書を添えてこう記した。

最も強力で、威厳があり、神聖で、畏怖すべきアウ グストゥス帝、東部州の行政官ピラトへ。

非常に素晴らしい情報を受け取りました。それゆえ に、私は恐れおののきております。私が統治するこ の州、その都市のつであるエルサレムにおいて、 ユダヤ人の群衆がことごとくイエスという男を私の ところに引き渡し、数々の告発を行いましたが、彼 らは首尾貫した証拠によってそれを立証すること ができませんでした。しかし彼らは特につの異端 の罪で彼を告発しました。それは、イエスが安息日 は安息日ではなく、また彼らが守るべき日でもない と言われたというものでした。イエスはその日に多 くの病人を癒し、盲人を見えるようにし、足の不自 由な人を歩かせ、死者を蘇らせ、らい病人を清め、 体を動かすことも神経を張り詰めることもできず、 ただ話すことと説教することしかできなかった中風 の人を癒し、彼らに歩いたり走ったりする力を与え、 御言葉のみによって彼らの病を取り除かれたのです。 我々の神々には想像もつかない、もうつの偉大な 御業があります。彼は死後四日目の男を、ただ言葉 のみで呼び起こし、蘇らせました。死体は腐敗し始 め、繁殖した蛆虫によって腐敗し、犬のような悪臭 を放っていました。しかし、墓に横たわる男を見て、 彼は走り出すように命じました。死人は全く躊躇す ることなく、花婿が部屋から出てくるように、豊か な香りを漂わせながら墓から出て行きました。さら に、異邦人であり、明らかに悪霊に取り憑かれ、砂 漠に住み、自らの肉を食い尽くし、家畜や這うもの のようにさまよっていた者たちでさえ、彼は都市の 住民へと変え、言葉によって彼らを理性的にし、賢 く、力強く、名声ある者へと備えさせ、彼らの中に

いる破壊的な汚れた霊の敵たちと共に彼らの食物を 摂取させ、海の深みに投げ入れました。

また、片手の萎えた人がいた。手だけでなく、体の 半分は石のようで、人間の姿も体の形も整っていな かった。しかしイエスは、この男を言で癒し、完 全に治した。また、長年の長血を患っていたある女 も、静脈と動脈が衰弱し、人の体を持つことができ ず、死人のようになって毎日口がきけなくなってい た。そのため、その地方の医者は皆、彼女を治すこ とができなかった。彼女には生きる望みが残されて いなかったからである。しかし、イエスが通り過ぎ られたとき、彼女は背後からイエスの衣の裾に触れ、 不思議なことに力を得た。すると、その瞬間、彼女 の疲れ果てた手足に力がみなぎり、まるで何の苦し みも経験しなかったかのように、故郷の町カペナウ ムに向かって走り始め、六日間の旅路でそこにたど り着いた。

わたしは、最近イエスが安息日に行われたことを知 らされた。そして、イエスはこれよりもさらに大き な奇跡を行われた。それでわたしは、わたしたちが 崇拝する神々よりも、イエスによってなされた、さ らに大きな不思議な業を目撃した。

しかし、ヘロデ、アケラオ、フィリポ、アンナス、 カヤパ、そしてすべての民衆は、彼を私に引き渡し、 私が彼を裁こうとして、私に対して大騒動を起こし ました。それで、私は彼を鞭打った後、十字架につ けるように命じました。しかし、彼に悪事を働く理 由も、悪事を働く理由も見いだせなかったのです。

さて、イエスが十字架につけられたとき、全世界が 暗闇に包まれ、太陽は半日の間隠され、星は現れて も輝きがなく、月は血に染まったかのように輝きを 失い、死者の世界は呑み込まれました。そのため、 ユダヤ人が倒れたとき、彼らが神殿の聖域と呼んで いた場所そのものは、ユダヤ人自身の目には見えま せんでしたが、彼らは地面に裂け目ができ、雷鳴が 絶え間なく轟くのを感じました。そして、この恐怖 のさなか、死者がよみがえり、ユダヤ人自身が証言 し、それはアブラハム、イサク、ヤコブ、十二族長、 モセ、ヨブであり、彼らは約三千五百年前に死ん でいたと言われています。そして、わたし自身も、 肉体をとって現れるのを見た者が非常に多く、ユダ ヤ人が犯した罪と、ユダヤ人とその律法の破壊のゆ えに、ユダヤ人のために嘆き悲しんでいた。

地震の恐ろしさは、準備の日の午後六時から午後九 時まで続きました。週の初めの日の夕方、天から音 がして、天は他のどの日よりも七倍明るくなりまし た。そして夜の三時に、太陽はかつてないほど明る く輝き、半球全体を照らしました。すると、嵐の中 で稲妻が突然ひらめくように、背が高く、栄光に満 ちた無数の人々が叫び声を上げました。その声は、

ヘロデとピラトの手紙 非常に大きな雷鳴のように聞こえました。「十字架 につけられたイエスは復活されました。ハデスの深 淵に囚われていた者たちよ、ハデスから上って来な さい。」地の裂け目は底なしのようでした。地の基 そのものが現れ、天で叫んでいた者たち、そして復 活した死者の中で肉体を持って歩いていた者たちが 現れました。そして、死者と縛られたハデスを皆蘇 らせた方がこう言われました。「私の弟子たちに言 いなさい。彼はあなたたちより先にガリラヤへ行か れる。そこであなたたちは彼に会うであろう。」

そして、その夜、光は輝きを失わなかった。多くの ユダヤ人は地の裂け目の中で呑み込まれ、死んでい った。そのため、翌日にはイエスに敵対していた 人々のほとんどは姿を消した。また、私たちの誰も 見たことのない人々が蘇る幻影を見た者もいた。エ ルサレムにはユダヤ人の会堂が一つだけ残っていた。

なぜなら、その廃墟の中で彼らは皆姿を消したから だ。

それゆえ、私はその恐怖に驚愕し、非常に恐ろしい 震えに襲われましたので、そのとき見たことを書き 留めて閣下に送りました。また、ユダヤ人たちがイ エスに対して行ったことも書き添えて、閣下に送り ました、私の主よ。

ユダヤ総督ポンティウス・ピラトの報告書。ロマの ティベリウス・カエサルに送られた。

最も強力で、威厳があり、恐るべき神聖なアウグス トゥス、東部州の行政官、ポンティウス・ピラトへ。

敬愛なる王よ、私は恐れおののきながらも、この書 簡によって、現状を、そしてその結果が示すように、 あなたの慈悲深い御前にお伝えしようと決意いたし ました。我が主君、私があなたの平静の御命令に従 い、東方の都市のつ、エルサレムと呼ばれるこの 地を統治していた時、ユダヤ人の民衆が全員集まり、 イエスという名の男を私に引き渡し、数え切れない ほどの告発をしてきましたが、何つ彼を有罪とす ることはできませんでした。ただ、安息日は彼らの 正当な休息日ではないとイエスが主張したという異 端の主張がつありました。

さて、イエスが十字架につけられると、全世界が暗 闇に包まれました。太陽は完全に隠され、まだ昼で あるにもかかわらず、空は暗くなりました。そのた め、星々は輝きを失っていたものの、見えました。 ですから、閣下もご存知でしょうが、全世界で人々 は午後六時から夕方までランプを灯していました。 そして、血のような月は満月であったにもかかわら ず、晩中輝くことはありませんでした。星々とオ リオン座は、ユダヤ人が犯した罪のために、彼らの ために嘆き悲しんでいました。

そして、週の初めの日に、夜の三時ごろ、太陽はか つてないほど輝き、全天は明るくなった。そして、 いなずまが嵐の中にひらめくように、高貴な身のこ なしで、美しい装いをし、言葉では言い表せないほ どの栄光を放つ人々が空中に現れ、無数の天使たち も叫んで言った。「いと高きところには栄光、神に あれ。地には平和、み心にかなう人々にあれ。陰府 の深みで奴隷となっている者たちよ、陰府から上が れ。」すると、彼らの声によって、すべての山と丘 は揺れ動き、岩は裂け、地に大きな裂け目ができて、 深淵の底まで見えるようになった。

さて、その人は多くの治癒と善行を行った。盲人を 見えるようにし、らい病人を清め、死者を蘇らせ、 全く動くことができず声だけが出て骨が全部元の位 置に戻った中風の人を癒し、また、御言葉のみで命 じて、歩いたり走ったりする力を与えた。また、私 たちの神々の間でも異例であった、さらにもうつ の不思議な力ある御業を行った。四日も死んでいた ラザロを死人の中から蘇らせたのだ。傷口にうじが わき起こり、すでに死体が腐っていたにもかかわら ず、御言葉のみで、死人を蘇らせるよう命じたのだ。 そして、墓の中に横たわっていた悪臭を放つ体に走 り出すように命じると、花婿が部屋から出てくるよ うに、甘い香りを漂わせながら墓から出てきた。ま た、悪霊にひどく悩まされ、荒野に住み、手足の肉 を食い、這うものや野獣の中を歩き回っていた人々 を、町々でそれぞれの家に住まわせ、言葉で彼らを 理性的にし、知恵と尊厳のある者に変えられた。汚 れた霊や、彼らの中にいる悪霊に悩まされていた 人々を、豚の群れの中に送り込んで海に送り込み、 彼らを溺れさせられた。また、片手が萎えて、苦し みながら暮らし、体の半分も健全でない人を、言葉 だけで癒された。また、長い間出血を患っていたあ る女は、出血のために骨の関節がすべて見え、ガラ スのように光っていた。すべての医者が彼女を望み もせずに追い返し、清めてあげなかったからである。 彼女には健康になる望みが全くなかったからである。 しかしある時、イエスが通りかかったとき、彼女は イエスの衣の裾の後ろから触れた。すると、たちま ち彼女の体は元通りになり、何の病気もないかのよ うに癒された。そして、自分の町パネアスに向か って急いで走り始めた。これらのことは実際に起こ ったのである。ユダヤ人たちは、イエスがこれらの ことを安息日に行われたと報告した。そして私は、 私たちが拝んでいる神々よりも大きな奇跡が、イエ スによって行われたのを見た。そこで、ヘロデ、ア ケラオ、フィリポ、アンナス、カヤパ、そしてすべ ての民衆が、イエスを裁判にかけるために私に引き 渡した。多くの者が私に対して騒動を起こしたので、 私はイエスを十字架につけるように命じた。

そして、恐怖の渦の中、死者たちが蘇るのを見た。 それを見たユダヤ人たちは言った。「私たちは、約 2500年前に死んだアブラハム、イサク、ヤコブ、そ

ヘロデとピラトの手紙 して十二族長たちを見た。そして、ノアの肉体をは っきりと見たのだ。」群衆は皆、歩き回りながら、 大声で神への賛美歌を歌い、「死人の中から蘇られ た私たちの神、主は、すべての死者を生き返らせ、 ハデスを滅ぼし、滅ぼされました」と言った。

ですから、我が主君、王よ、その夜、光は消えるこ とはなかったのです。しかし、多くのユダヤ人が死 に、その夜、深淵に沈み、呑み込まれ、彼らの遺体 さえも見ることはできなかったのです。つまり、イ エスに反対したユダヤ人たちが苦しんだということ です。エルサレムには一つの会堂だけが残りました。

イエスに反対していたすべての会堂が圧倒されたか らです。

それゆえ、その恐怖によって、私は驚き、大いに震 えながら、まさにそのとき、彼ら全員が行ったこと を書き留めるように命じ、それをあなたの力強い御 方に送りました。

ピラトの裁判と有罪判決。

さて、手紙がローマの町に届き、多くの者が立って カエサルに読み上げられると、皆が恐怖に陥った。

ピラトの罪によって、世界中に暗闇と地震が起こっ たからである。カエサルは激怒し、兵士を派遣して ピラトを囚人として連行するよう命じた。

彼がローマ人の都市に連れてこられ、カエサルは彼 の到着を聞くと、神殿で元老院、全軍、そして全軍 勢の軍勢を率いて、ピラトに入口に立つよう命じた。

カエサルはピラトに言った。「不敬虔なる者よ、あ の男がこれほどの偉大なるしるしを行ったのを見な がら、なぜこのようなことを敢えてしたのか?悪事 を敢えて行うことで、あなたは全世界を破滅させた のだ。」

ピラトは言った、「王よ、独裁者よ、私はこれらの 事について罪を犯してはいない。性急で罪を犯して いるのは、ユダヤ人の群衆である」。シーザーは言 った、「では、彼らは誰か」。ピラトは言った、 「ヘロデ、アケラオ、フィリポ、アンナス、カヤパ、 そしてユダヤ人のすべての群衆です」。シザは 言った、「なぜ彼らの計画を実行したのか」。ピラ トは言った、「彼らの国民は反逆的で、不服従であ り、あなたの権力に服従しません」。シーザーは言 った、「彼らが彼をあなたに引き渡したとき、あな たは彼を安全にして私のところに送るべきだった。 あなたが報告したような、正しくて偉大で良い奇跡 を行ったこのような人を十字架につけることに同意 すべきではなかった」。1このような奇跡によって、 イエスはユダヤ人の王、キリストとして現れたので す。

シーザーがこう言ってキリストの名を唱えると、 神々の群れは皆、斉にひれ伏し、シザが元老 院と共に座っていたその場で塵のように崩れ落ちた。 シーザーの傍らに立っていた人々は皆、この言葉と 神々の倒れたことを恐れて震え上がり、何が起こっ たのかと不思議に思いながら、皆自分の家へ帰って 行った。シザはピラトに、イエスの真実を知る ために、身を隠しておくように命じた。

翌日、カエサルは元老院全員とともにカピトリオン に座り、再びピラトに尋問しようとした。カエサル は言った。「真実を言え、最も不敬虔な者よ。お前 がイエスに対して犯した不敬虔な行為によって、お 前の悪行がここでも明らかになり、神々が滅ぼされ たのだ。では、十字架につけられたのは誰なのか、 言ってみろ。その者の名がすべての神々を滅ぼした のだ。」ピラトは言った。「確かに、その者の記録 は真実だ。私自身も、その者の行為によって、彼が 我々が崇めるすべての神々よりも偉大であると確信 している。」カエサルは言った。「では、なぜお前 は彼に対してそのような大胆な行為を行ったのか。 彼を知らないわけでも、私の政治に危害を加えよう としたわけでもないのか。」ピラトは言った。「私 は、無法で不敬虔なユダヤ人の違反と反乱のために そうしたのだ。」

そしてカエサルは激怒し、元老院と役人たち全員と 会議を開き、ユダヤ人に対して次のような布告を出 すよう命じた。

東の国で第一の地位を占めるリシアヌス殿へ。

エルサレムとその周辺都市に住むユダヤ人がごく最 近行った大胆な行為と不法行為について、私は知ら された。彼らはピラトにイエスと呼ばれる神を十字 架につけるよう強要し、その重大な罪によって世界 は暗黒に染まり、破滅に陥った。それゆえ、一隊の 兵士を率いて直ちに彼らの元へ赴き、この布告によ って彼らを奴隷にすることを決意せよ。彼らに服従 し、彼らに立ち向かい、あらゆる国々に散らして奴 隷にし、彼らの民族をユダヤ全土からできるだけ早 く追い払うことによって、まだこのことが明らかに されていない場所で、彼らが悪に満ちていることを 示せ。

そしてこの勅令が東の国に届くと、リキアヌスはそ の勅令を恐れて従い、ユダヤ人の国全体を滅ぼし、 ユダヤに残っていた者を異邦人の間に散らされた者 とともに奴隷にした。これは、リキアヌスが東の国 のユダヤ人に対してこれらのことを行ったことをカ エサルに知らせ、カエサルを喜ばせるためであった。

そして、再びシザはピラトを尋問することを決 意し、アルビウスという名の隊長にピラトの首をは ねるように命じて言った。「彼がキリストと呼ばれ

ヘロデとピラトの手紙 る正しい人に手をかけたように、彼もまた同じよう に倒れ、救いは得られないだろう。」

ピラトはその場所に着くと、静かに祈って言った。 「主よ、私を邪悪なヘブライ人と共に滅ぼさないで ください。私はあなたに手を下すべきではありませ んでした。無法なユダヤ人の国民のためでした。彼 らは聖書に対して暴動を起こしましたが、あなたは 私が知らずにそれをしたことをご存知です。ですか ら、私のこの罪のゆえに私を滅ぼさないでください。 また、主よ、私の中にある悪と、私の死の時に私と ともに立っているあなたのしもべプロクラの中にあ る悪を心に留めないでください。あなたは彼女に、 あなたが十字架に釘付けにされるべきであると預言 するように教えました。彼女をも私の罪で罰しない でください。どうか私たちを赦し、あなたの義人の 分に加えてください。」ピラトが祈りを終えると、 天から声がした。「すべての世代、異邦人の部族は あなたを祝福するでしょう。預言者たちによって私 について語られたこれらのことが、あなたの下です べて実現したからです。わたしが再臨するとき、あ なたはわたしの証人として現れなければならない。

そのとき、わたしはイスラエルの十二部族と、わた しの名を告白しなかった者たちを裁く。総督はピラ トの首を切り落とした。すると、見よ、主の御使い がそれを受け取った。妻プロクラは御使いが来てピ ラトの首を受け取るのを見て、喜びに満たされ、す ぐに息を引き取り、夫と共に葬られた。

イエスを有罪としたピラトの死。

さて、ローマ皇帝ティベリウス・カエサルは重病に苦 しんでいたが、エルサレムにイエスという名の医者 がいて、言葉だけであらゆる病を治すと聞いていた。

ユダヤ人とピラトがその医者を殺したことを知らず、 皇帝は側近のウォルシアヌスという名にこう命じた。

「一刻も早く海を渡り、我が従者であり友であるピ ラトに、この医者を遣わして私を元の健康に戻すよ う伝えよ。」皇帝の命令を聞くと、ウォルシアヌス はすぐに出発し、命じられたとおりピラトのもとへ 行った。そして彼はティベリウス・カエサルから託さ れたことをピラトに告げて言った。「ローマ皇帝テ ィベリウス・カエサル、汝の主は、この町に言葉だけ で病を治す医者がいると聞き、その医者を遣わして 病気を治して下さるよう切に懇願しておられる。」 ピラトはこれを聞いて非常に恐れた。自分がねたみ のためにイエスを殺させたのだと知っていたからで ある。ピラトは使者に答えてこう言った。「この男 は犯罪者であり、民衆をことごとく従わせる男であ った。それで町の賢人たちに相談した結果、十字架 につけたのだ。」使者が宿に戻ると、イエスと知り 合いだったベロニカという婦人に出会った。そして ピラトは言った。「婦人よ、この町に、言葉だけで 病人を癒す医者がいたのに、なぜユダヤ人たちは彼 を殺したのか。」彼女は泣き出して言った。「ああ、

主よ、ピラトはねたみから私の神、私の主である私 を引き渡し、罪に定め、十字架につけるように命じ たのです。」するとピラトはひどく悲しんで言った。 「主が私を遣わされた目的を果たすことができない ことを、私は大変残念に思います。」

ヴェロニカは彼に言いました。「主が説教に行かれ、 私が不本意にも主の御前に出られなかった時、私は 主の御前に出られない間も、せめて主の御姿が慰め となるように、主の絵を描いてもらいたいと思いま した。そして、絵を描いてもらうためにキャンバス を画家のところへ持っていくと、主が私に会い、ど こへ行くのかと尋ねられました。私が旅の目的を告 げると、主はキャンバスを返してくれと言い、尊い 御顔が描かれたキャンバスを返してくださいました。 ですから、もしあなたの主がこの絵を敬虔にご覧に なれば、すぐに健康の恩恵を享受されるでしょ う。」

この種の肖像は金や銀で手に入れられるのでしょう か?と彼は尋ねました。いいえ、と彼女は言いまし た。しかし、敬虔な信仰心からそうしました。です から、私はあなたと緒に行き、この肖像をシザ ーに見せてあげ、戻ってきます。

そこでウォルシアヌスはヴェロニカと共にローマへ 赴き、皇帝ティベリウスにこう告げた。「汝が長く 待ち望んでいたイエスを、ピラトとユダヤ人たちは 不当な死に引き渡し、嫉妬のあまり十字架にかけて しまったのです。そこで、ある婦人が私と共に、そ のイエスの肖像を持って来ました。もし汝がそれを 熱心に見つめるならば、まもなく健康の御利益を得 るでしょう。」そこでカエサルは道に絹の布を敷き 詰め、肖像画を彼に差し出すよう命じた。そしてそ れを見た途端、彼は元の健康を取り戻した。

その後、ポンティウス・ピラトは皇帝の命により逮捕 され、ロマに連行された。皇帝はピラトがロマ に来たことを聞き、激しい怒りに燃え、ピラトを自 分の元へ連れてきた。ピラトはイエスの継ぎ目のな い上着を携えて来て、皇帝の前でそれを着ていた。 皇帝はピラトを見るとすぐに怒りを鎮め、すぐに立 ち上がり、皇帝に厳しく言葉をかけることはできな かった。皇帝がいない時にはあれほど恐ろしく獰猛 に見えたピラトも、皇帝の前では比較的穏やかに見 えた。

彼を帰すと、すぐに激しく怒り、胸の怒りを彼に打 ち明けなかったことを嘆き、自分は惨めだと言い放 った。そしてすぐに彼を呼び戻し、彼は死の子であ り、地上に生きる資格がないと誓い、抗議した。そ して彼を見ると、すぐに挨拶をし、心の怒りをすべ て捨て去った。

ヘロデとピラトの手紙 皆は驚き、彼自身も驚愕した。ピラトが留守の間、 彼がピラトに対してこれほど激怒していたのに、ピ ラトが同席している間は、彼に厳しく言い返すこと ができなかったからである。ついに、神のお告げか、 あるいは何人かのキリスト教徒の説得か、彼はピラ トから上着を剥ぎ取り、すぐに再び元の激しい怒り をピラトにぶつけ始めた。皇帝がこのことに非常に 驚いていると、人々はそれが主イエスの上着であっ たことを告げた。そこで皇帝は、賢人たちと相談し てどうすべきかを決めるまで、ピラトを牢獄に留め ておくように命じた。そして数日後、ピラトに対し て最も不名誉な死刑を宣告された。これを聞いたピ ラトは自分の短剣で自殺し、その死によって自らの 命を絶った。

ピラトの死が知らされると、シーザーは「まことに 彼は不名誉な死を遂げた。誰の手も彼を容赦しなか ったのだ」と言った。そこでピラトは大きな石に縛 り付けられ、テヴェレ川に沈められた。しかし、邪 悪で汚れた彼の体を喜んだ邪悪な霊や汚れた霊たち がみな水中で動き回り、空には恐ろしい稲妻と暴風 雨、雷鳴と雹を引き起こしたので、みなは恐ろしい 恐怖に襲われた。そのためロマ人はピラトをテヴ ェレ川から引きずり出し、嘲笑しながらヴィエンヌ に運び、ローヌ川に沈めた。ヴィエンヌはいわばゲ ヘナの道を意味し、当時は呪いの場所であったから である。そして悪霊たちがそこにいて、同じことを 行った。

そこで、彼らは悪魔にこれほど悩まされることに耐 えられなくなり、呪いの器を自分たちから引き離し、 ロサニアの領土に埋めようと送りました。しかし、 前述の煩わしさにひどく悩まされたため、彼らはそ れを自分たちから離し、山々に囲まれたある池に沈 めました。ある人々の話によると、その池からは今 でも様々な悪魔的な仕掛けが噴出していると言われ ています。

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