Japanese - 4th Book of Maccabees

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マカバイ記第4巻

導入

この本は、古代の僭主政治の薄暗い恐怖から響き渡 る、恐ろしい雷鳴のようだ。シリアの僭主アンティ オコスによる迫害を題材とした章である。アンティ オコスは「狂人」エピファネスと呼ばれた。ロマ 紀元1世紀には、そのような僭主が二人記録されて いる。もう人は、第二の輝かしい狂人カリグラで ある。

この文章は演説の形式をとっている。スピチの起 伏は綿密に計られ、論旨は圧倒的で、論理は揺るぎ なく、突き刺すような鋭さは深く、論理展開は冷静 で、まさに雄弁の極みと言えるだろう。

基調は「勇気」である。著者は、霊感を受けた理性 の哲学について熱く語るところから始める。私たち はこの20世紀を理性の時代と考え、神話の時代と対 比させようとするが、本書のような著作はそうした 前提に挑むものである。おそらく紀元前1世紀に存 在したであろう著者が、2000年前と同様に今日でも 力強い、明快な理性の哲学を述べているのである。

拷問室での観察の様子は容赦ない。穏やかなものに 耳を澄ませた現代の耳には、それは恐ろしい響きを 放つ。次々と繰り出される拷問の描写(数世紀後の スペイン異端審問の道具を彷彿とさせる)は、私た ちの耳には衝撃的なまでに詳細に描かれている。老 人、七人の兄弟、そして母といったストイックな登 場人物が登場しても、この雄弁家が勇気を呼び起こ す激しさは少しも和らげられない。

キリスト教会の古代の教父たちは、この本(私たち はシリア語訳からそれを入手しています)を高い道 徳的価値と教えのある作品として大切に保存してお り、この本を読んで殉教の精神に目覚めた初期のキ リスト教の殉教者の多くにも間違いなくよく知られ ていました。

第1章

古代哲学の概説。霊感を受けた理性について。文明 はかつてないほど高度な思考に到達した。「抑圧」 についての考察。第48節は人類哲学全体を要約して いる。

1私が論じようとしている問題は、極めて哲学的なも のであり、すなわち、霊感を受けた理性が情熱に対 する最高の支配者であるかどうかという問題です。 そして、その哲学について、私はあなた方に真剣に 真剣に注意を向けていただきたいと思います。

2というのは、この主題は知識の分野として般的 に必要であるばかりでなく、最も偉大な美徳、つま り自制心を称賛することを含んでいるからである。

3つまり、理性が節制や暴食、色欲に反する情熱を制 御できることが証明されれば、理性は悪意など正義 に反する情熱や、怒りや苦痛や恐怖など男らしさに 反する情熱を支配することも明らかに示されるので す。

4しかし、もし理性が情熱を制御できるのなら、なぜ 忘却や無知を制御できないのかと疑問に思う人もい るかもしれません。それらの目的は嘲笑を投げかけ ることなのです。

5その答えは、理性が心自体に内在する欠陥を支配す るのではなく、正義や男らしさ、節制や判断力に反 する情熱や道徳的欠陥を支配するということである。 そして、その場合の理性の作用は情熱を根絶するこ とではなく、私たちが情熱にうまく抵抗できるよう にすることである。

6理性が情熱を支配していることを証明した多くの例 を、さまざまな情報源から引用して、皆さんの前に 挙げることもできますが、私が提供できる最も優れ た例は、徳のために死んだエレアザール、七人の兄 弟、そして聖母マリアの高潔な行いです。

7というのは、彼らは皆、苦痛を軽蔑し、死に至るま で、理性が情熱よりも優れていることを証明したか らである。

8ここで、私たちが祝うこの日に道徳的な美と善への 愛のために亡くなった、母と共に亡くなった男性た ちの美徳を称賛してもよいが、むしろ彼らが獲得し た栄誉を祝福したい。

9彼らの勇気と忍耐力は、世界全体だけでなく、彼ら を処刑した者たちからも称賛され、彼らは我が国が 受けていた暴政の崩壊の立役者となった。彼らはそ の忍耐力によって暴君を打ち負かし、彼らを通して 祖国は浄化されたのである。

10しかし、私はいつものように般論を述べた後、 すぐにこのことについて議論する機会を設け、その 後、全知なる神に栄光を捧げながら、彼らの物語に 進むことにします。

11そこで、私たちが問うべきことは、理性が情熱に 対する最高の主人であるかどうかということです。

12しかし、私たちは理性と情熱とは何か、情熱には いくつの形態があるのか、そして理性がそれらすべ てに優位であるかどうかを定義しなければなりませ ん。

13明確な熟慮をもって知恵ある人生を好む心こそが 私の理由であると私は考える。

14知恵とは、神と人に関する事物とその原因につい ての知識であると私は考えます。

15私はこれを、律法のもとで獲得された教養である と考えています。これを通して私たちは、神に関す る事柄をしかるべき敬意をもって学び、また、この 世の利益のために人に関する事柄を学びます。

16さて、知恵は、判断力、正義、勇気、自制といっ た形で現れます。

マカバイ記第4巻

17しかし、判断力や自制心こそがそれらすべてを支 配するものであり、実際、それによって理性が情熱 に対する権威を主張するのです。

18しかし、情熱には、快楽と苦痛という二つの包括 的な源泉があり、どちらも本質的には肉体だけでな く魂にも属しています。

19そして、快楽と苦痛の両方に関して、情熱が特定 の順序を持っている場合が多くあります。

20このように、欲望が快楽に先立ち、満足がそれに 続き、恐怖が苦痛に先立ち、苦痛の後には悲しみが 来るのです。

21また、怒りは、人が自分の感情の流れをたどって みれば、喜びと苦しみが混じった情熱であることが わかります。

22また、快楽の下には、最も多様な情熱を示す道徳 的堕落が存在します。

23それは、魂の中では、虚栄、貪欲、虚栄心、争い、 陰口となって現れ、身体の中では、異国の肉を食べ ること、大食い、隠れた暴食となって現れます。

24さて、快楽と苦痛は、肉体と魂から生える二本の 木のようなもので、これらの情熱から多くの枝が生 えてきます。そして、各人の理性が庭師の長として、 雑草を取り除いたり、刈り込んだり、縛ったり、水 を流してあちこちに導いたりして、気質と情熱の茂 みを飼い慣らします。

25理性は美徳を導くものであると同時に、情熱を支 配するものでもある。

26まず第に、理性が節制の抑制作用によって情熱 に優位に立つようになることに留意してください。

27節制とは、欲望を抑制することだと私は考えてい ます。しかし、欲望には精神的なものもあれば肉体 的なものもあり、どちらの欲望も理性によって明ら かに制御されています。禁断の食物に誘惑されたと き、私たちはどのようにしてそこから得られる快楽 を手放せるようになるのでしょうか。

28理性には欲望を抑制する力があるのではないでし ょうか。私の意見では、そうだと思います。

29したがって、律法によって禁じられているあらゆ る種類の水生動物や鳥、獣、肉類を食べたいという 欲求を感じたとき、私たちは理性の優位性によって それを控えます。

30なぜなら、我々の欲望の性向は節度ある精神によ って抑制され、抑制され、身体のすべての動きは理 性の制御に従うからである。

31そして、自然の欲求が 美の結実を楽しむ魂の渇望は満たされるのでしょう か?

32まさにこれこそ、私たちが高潔なヨセフを称賛す る理由です。なぜなら、彼は理性と精神的な努力に よって、肉欲の衝動を抑えたからです。肉体的な欲 望が強い年齢の若者であったにもかかわらず、彼は 理性によって情熱の衝動を抑えたのです。

33そして理性は性欲だけでなくあらゆる種類の欲望 の衝動を抑制することが証明されています。

34律法にはこう書いてある。「隣人の妻をむさぼっ てはならない。また、隣人の所有物を何つむさぼ ってはならない。」

35確かに、法が私たちに貪欲にならないように命じ るとき、それは、正義に反する情熱を制御するのと 同じように、貪欲な欲望を制御することが理性にで きるという議論を強力に裏付けるものであると私は 思います。

36理性が明らかに情熱の主人でなければ、生まれつ き大食いで、貪欲で、酒飲みである人間が、その性 質を変えるように教えることができるだろうか。

37確かに、人は律法に従って生活を整えるとすぐに、 その性質に反して、利子なしで困っている人にお金 を貸し、7年目には借金を帳消しにするなど、けちな ことをするでしょう。

38そしてもし彼が倹約家であるならば、彼は理性の 作用を通じて法に支配され、彼の刈り株を拾い集め たり、彼のブドウ畑から最後のブドウを摘み取った りすることを控えるでしょう。

39そして、残りのすべてに関して、私たちは理性が 情熱や感情の主人の立場にあることを認識すること ができます。

40律法は親に対する愛情よりも優先されるので、人 は両親のために自分の徳を放棄してはならない。ま た律法は妻に対する愛情よりも優先されるので、妻 が罪を犯した場合は夫が妻を叱責しなければならな い。また律法は子供に対する愛情を左右するので、 子供に悪さをすれば夫が罰しなければならない。ま た律法は友情の要求を左右するので、友人が悪事を 働いた場合は夫が彼らを叱責しなければならない。

41そして、理性が法を通じて憎しみさえも克服する ことができ、人が敵の果樹園を伐採することを控え、 敵の財産を略奪者から守り、散らばった財産を集め るとき、それを逆説的なものと考えてはならない。

42そして、理性の法則は、より攻撃的な情熱や悪徳、 野心、虚栄心、見せびらかし、自尊心、陰口にも同 様に及ぶことが証明されています。

43自制心は怒りを撃退するのと同じように、これら すべての卑劣な情熱を撃退します。怒りさえも制覇 するからです。

44実際、モーセはダタンとアビラムに対して怒った とき、怒りを自由に表現せず、理性によって怒りを 制御しました。

45というのは、私が言ったように、節度ある心は情 熱に勝利することができ、ある感情を和らげながら、 他の感情を完全に打ち砕くことができるからです。

46そうでなければ、なぜ私たちの賢明な父ヤコブは、 シメオン家とレビ家がシケム族を理不尽に虐殺した ことを責めて、「彼らの怒りは呪われよ」と言った のでしょうか。

47なぜなら、もし理性が彼らの怒りを抑える力を持 っていなかったら、彼はこのようには言わなかった だろうからである。

48神は人間を創造した時、人間の中に情熱と性向を 植え付け、また同時に、心を感覚の真ん中の王座に

マカバイ記第4巻 据え、すべてのことにおいて人間の神聖な導き手と しました。そして心に律法を与え、その律法によっ て人間が自らを律すれば、節度があり、公正で、高 潔で、勇敢な王国を統治することになります。

第2章

欲望と怒りの支配。ダビデの渇きの物語。古代史の 感動的な章。ユダヤ人に豚を食べさせようとする野 蛮な試み。古代の銀行に関する興味深い言及(第21 節)。

1さて、もし理性が情熱を制御できるのなら、なぜ忘 却と無知を制御できないのかと問う人がいるかもし れません。

2しかし、この議論は極めて滑稽である。なぜなら、 理性はそれ自体の情熱や欠陥を支配するのではなく、 肉体の情熱や欠陥を支配するとされているからだ。

3たとえば、あなた方のうち誰も私たちの自然な欲望 を根絶することはできませんが、理性は欲望の奴隷 になることから逃れることを可能にします。

4あなたたちの誰も、魂から怒りを根絶することはで きませんが、理性が怒りに対抗して助けることは可 能です。

5あなた方の誰も悪意ある性質を根絶することはでき ませんが、理性は悪意に左右されることを防ぐ強力 な味方となることができます。

6理性は情熱を根絶するものではなく、情熱に敵対す るものなのです。

7ダビデ王の渇きの例は、少なくともこの点を層明 らかにするのに役立つかもしれません。

8というのは、ダビデは日中ペリシテ人と戦い、我 が国の戦士たちの助けで彼らの多くを殺した後、夕 方、汗水流して苦労して王家の天幕に戻った。その 周りに私たちの先祖の全軍が陣取っていた。

9こうして軍勢は皆夕食についたが、王はひどい喉の 渇きに襲われ、水はいくらあってもそれを満たすこ とができなかった。

10それどころか、敵が所有していた水に対する不合 理な欲望がますます激しくなり、彼を燃え上がらせ、 無力化し、滅ぼしたのです。

11そのとき、王の護衛兵が王の欲求に不満を漏らし たとき、勇敢な二人の若者が、王が自分の欲求を満 たさないことを恥じて、武具を身に着け、水差しを 持って敵の城壁をよじ登り、門の衛兵に気づかれず にこっそりと通り抜け、敵の陣地全体を捜索した。

12そして彼らは勇敢にも泉を見つけ、そこから王の ために水を汲みました。

13しかしダビデは、まだ渇きに苦しんでいたにもか かわらず、血と同等とみなされるそのような飲み物 は、自分の魂にとって重大な危険であると考えた。

14そこで、彼は自分の理性と欲望に反して、神への 捧げ物として水を注ぎ出したのです。

15節度ある精神は、情熱の命令に打ち勝ち、欲望の 炎を消し、肉体の激痛が極めて強くてもそれに打ち

勝ち、道徳的な美しさと理性の良さによって情熱の 支配をすべて軽蔑して挑むことができるからです。

16さて、今、自制心のある理性の物語を語る機会が 私たちに訪れました。

17我々の父祖たちが律法を正しく遵守して大いなる 平和を享受し、幸福な境遇にあって、アジアの王セ レウコス・ニカノルが神殿奉仕のための税金を認可し、 我々の政体を認めていたまさにそのとき、部の 人々が党派的に全体の和平に反抗し、我々をさまざ まな災難に巻き込んだ。

18オニアは高潔な人であり、当時大祭司で終身その 職にあったが、シモンという人が彼に対して党派を 組織した。しかし、あらゆる中傷にもかかわらず、 民衆のせいでオニアに損害を与えることができなか ったので、シモンは祖国を裏切る意図を持って国外 に逃亡した。

19そこで彼は、シリア、フェニキア、キリキアの総 督アポロニウスのもとへ行き、こう言った。「私は 王に忠誠を誓っておりますので、エルサレムの宝物 庫には、神殿の金庫に属さない、セレウコス王の正 当な財産である数千ドルの私金が保管されているこ とをお知らせするためにここに来ました。」

20アポロニウスは事の顛末を詳しく調査した後、シ モンの王への忠誠を讃え、セレウコスの宮廷に急ぎ、 彼にその貴重な財宝を明らかにした。そして、事の 処理を命じられると、呪われたシモンと非常に強力 な軍隊を伴って、直ちに我が国に進軍し、国庫の私 的預金を押収するために王の命令で来たと告げた。

21我々の民はこの発表に激怒し、神殿の宝物庫に預 けた金品を奪われるのは言語道断であるとして、激 しく抗議し、あらゆる妨害行為を行った。

22しかし、アポロニウスは脅迫をしながら神殿に侵 入した。

23そのとき、神殿の祭司たちや女子供らは、神に、 聖所が破壊されているので救い出してくださるよう 懇願した。アポロニウスが武装した軍勢を率いて金 品を押収するために進軍したとき、馬に乗った天使 たちが天から現れ、その腕から稲妻を放ち、彼らに 大いなる恐怖と戦慄を与えた。

24そしてアポロニウスは異邦人の庭で半死半生で倒 れ、両手を天に差し伸べ、涙を流しながらヘブライ 人たちに、自分のためにとりなしをし、天の軍勢の 怒りを鎮めてくれるよう懇願した。

25彼は、自分が罪を犯して死に値する者であったが、 もし命を与えられたなら、聖所の祝福をすべての人 にほめたたえるだろうと言った。

26この言葉に心を動かされた大祭司オニアスは、他 の場合には非常に慎重であったにもかかわらず、セ レウコス王がアポロニウスが神の正義ではなく人間 の策略によって倒されたと考えないように、彼のた めに仲裁を行った。

27こうして、アポロニウスは驚くべき救出の後、自 分に起こったことを王に報告するために出発した。

28しかしセレウコスが死ぬと、その息子のアンティ オコス・エピファネスが王位を継承したが、彼は傲慢

マカバイ記第4巻 で恐ろしい男であった。彼はオニアスを聖職から解 任し、代わりに弟のイアソンを大祭司に任命したが、 その任命の見返りとしてイアソンは彼に年間3660タ ラントを支払うという条件が付された。

29そこで、ヤソンを大祭司に任命し、民の指導者と した。

30そして彼(ヤソン)は、律法に完全に反抗して、 私たちの民に新しい生活様式と新しい憲法を導入し ました。そのため、彼は私たちの父祖の山に体育館 を建設しただけでなく、実際に神殿の儀式を廃止し ました。

31そのため、神の正義は怒りに燃え上がり、アンテ ィオコス自身を我々の敵として引き立てたのです。

32というのは、彼がエジプトでプトレマイオスと戦 争をしていたとき、エルサレムの人々が彼の死の知 らせを聞いて大いに喜んだことを聞くと、彼はすぐ に彼らに向かって進軍したからである。

33そして彼は町を略奪した後、我々の父祖の律法に 従って生きている者には死刑を宣告する布告を出し た。

34しかし、彼は、律法に対する私たちの民の忠誠心 を打ち砕くのに彼のすべての布告が役に立たないこ とを知り、彼のすべての脅迫と刑罰が完全に軽蔑さ れたので、息子に割礼をした女性でさえ、彼らがど のような運命をたどるかを事前に知っていたにもか かわらず、その子孫とともに岩からまばたきで投げ 落とされました。

35そのため、彼の布告が民衆から軽蔑され続けたた め、彼は個人的に拷問によって各人に個別に不浄な 肉を食べるよう強制し、こうしてユダヤ教を放棄さ せようとした。

36そこで、暴君アンティオコスは、顧問たちを伴っ て、ある高台で裁判に臨み、武装した軍隊を周囲に 整列させ、護衛兵に命じてヘブライ人全員をそこへ 引きずり出し、豚の肉や偶像に捧げられた物を食べ るよう強要した。しかし、汚れたもので身を汚すこ とを拒む者は、拷問にかけられ、死刑に処された。

37そして、多くの人が強制的に連れ去られた後、最 初に、その中から人の男がアンティオコスの前に 連れてこられました。彼はエレアザルという名のヘ ブライ人で、生まれながらの祭司であり、法律の知 識に通じ、高齢で、その哲学によって暴君の宮廷の 多くの人々によく知られていました。

38アンティオコスは彼を見ながら言った。「ああ、 尊敬すべき人よ、私があなたに拷問を始める前に、 私はあなたに一つの助言をしたいと思います。あな たは豚の肉を食べて命を救いなさい。私はあなたの 年齢と白髪を尊敬していますが、長い間その白髪の ままでいまだにユダヤ教に固執しているということ は、あなたを哲学者とは思えません。

39自然が慈しみ深く私たちに与えてくれたこの動物 の肉は、実に素晴らしいものです。なぜそれを忌み 嫌うのでしょうか。無垢な喜びを味わわないのは愚 かであり、自然の恵みを拒むのは間違っているので す。

40しかし、あなたが真実について空虚な空論をしな がら私にさえも反抗し、あなた自身の罰を受けるよ うなことがあれば、それはあなたにとってさらに大 きな愚かさになると思います。

41あなたは、その不合理な哲学から目覚めようとは しないのか?計算の無意味さを捨て去り、成熟した 年齢にふさわしい別の心構えを身につけ、真の便宜 の哲学を学び、私の慈悲深い助言に従い、あなた自 身の尊い年齢を憐れんではならないのか?

42また、このことも考えなさい。たとえ、あなた方 のこの宗教に目を光らせている何らかの権力者が存 在したとしても、強制されて犯した罪については、 常にあなた方を赦すであろう。」

43暴君に不法に汚れた肉を食べるよう促されたエレ アザルは、発言の許可を求めました。許可を得ると、 彼は法廷で次のように演説を始めました。

44アンティオコスよ、我々は神の法を我が国の法と して受け入れており、法に従うこと以上に我々に課 せられた強い義務はないと考えます。

45ですから、私たちは、どんなことがあっても律法 に違反しないことを、絶対に正しいことだと考えま す。

46しかし、あなたが示唆するように、私たちの律法 が本当に神聖なものではないとしても、私たちがそ れを神聖なものだとむなしく信じていたとしても、 私たちが敬虔であるという評判を破壊することは正 しくないでしょう。

47ですから、汚れたものを食べることを、わたした ちにとって小さな罪だと考えてはいけません。なぜ なら、律法に違反することは、それが小さなことで あれ、大きなことであれ、同じように凶悪だからで す。なぜなら、どちらの場合も、同じように律法は 軽視されているからです。

48そしてあなた方は、あたかも我々が理性に反する 生き方をしているかのように、我々の哲学を嘲笑す るのです。

49そうではありません。律法は私たちに自制を教え、 私たちがすべての快楽と欲望の主人となり、すべて の苦痛に喜んで耐えられるように男らしさを徹底的 に訓練します。また、律法は正義を教え、さまざま な性向をもって公平に行動するようにし、また、義 を教え、存在する神だけを敬うようにするのです。

50ですから、私たちは汚れた肉を食べません。私た ちの律法は神から与えられたものだと信じているの で、世界の創造主が律法の制定者として、私たち人 間の性質に応じて私たちを思いやってくれることも 知っているのです。

51神は、わたしたちの魂にとって都合のよいものを 食べるようにとわたしたちに命じ、それに反する食 物を食べることを禁じられました。

52しかし、あなたが私たちに律法を犯すことを強制 するだけでなく、私たちにとってまったく忌まわし いこの汚れを嘲笑うような食べ方を私たちに強制す ることは、暴君の行為です。

53しかし、あなたは私をこのように嘲笑してはなら ない。たとえあなたが私の目をえぐり出し、私の内 臓を焼き尽くしても、私は律法を守るという先祖た ちの神聖な誓いを破らない。

54私は老齢によってそれほど無力ではないが、正義 が危機に瀕しているとき、若さの力が私の理性に戻 る。

55だから、棚を強く締め、炉を熱く吹き上げよ。私 は老齢を惜しむほどではないが、父祖の律法を自ら 破るつもりはない。

56私の教師であった律法よ、私はあなたを偽りませ ん。愛する自制心よ、私はあなたを見捨てません。

知恵を愛する理性よ、私はあなたを恥じ入らせませ ん。また、尊敬される聖職と律法の知識よ、私はあ なたを否定しません。

57あなたは、私の老年の清らかな口と、生涯にわた る律法への忠実を汚さないでください。私の父祖た ちは、死に至るまでのあなたの苦しみを恐れること なく、私を清く迎え入れてくれるでしょう。

58あなたは確かに不義な人々に対しては暴君であろ う。しかし、正義に関する私の決意を、言葉や行い によって左右してはならない。」

第3章

温厚な老人エレアザルは、非常に不屈の精神を示し ており、2000年後に私たちがこれらの言葉を読んで も、それは消えることのない炎のように思える。

1しかしエレアザルが暴君たちの勧告に対してこのよ うに雄弁に答えると、彼を取り囲んでいた衛兵たち は彼を拷問場所へと乱暴に引きずっていった。

2そしてまず彼らは、神聖な美しさで飾られていた老 人の衣服を剥ぎ取った。

3それから彼らは彼の両腕を縛り、鞭打った。使者が 彼に向かって立って叫んだ。「王の命令に従え!」

4しかし、この偉大な魂の持ち主で高潔な男、まさし くエレアザルは、夢の中で責め苦に遭っている時の ように心を動かされることはなかった。そう、老人 は目をしっかりと天に上げたまま、鞭で肉体が引き 裂かれ、血に染まり、脇腹が傷だらけになるまで耐 えた。そして、体が痛みに耐えられなくなって地面 に倒れたときでさえ、彼は理性をまっすぐに保ち、 揺るぎない態度を保っていた。

5すると、彼が倒れると、酒瓶番の一人が足で彼の脇 腹を激しく蹴り、起き上がらせようとした。

6しかし彼は苦痛に耐え、強制を軽蔑し、拷問に耐え、 罰を受ける勇敢な運動選手のように、老人は拷問者 たちを負かした。

7彼の額には汗が浮かび、彼は息を荒くして喘いでい たが、彼の魂の高潔さは、彼を苦しめる者たち自身 からも賞賛されるほどであった。

8そこで、王の廷臣の何人かは、彼の老齢を哀れみ、 友人に同情し、また彼の勇気に感心して、彼のもと へ行き、こう言った。

9「エレアザルよ、なぜ、この苦しみの中で、狂った ように自らを滅ぼそうとするのか。我々は煮えたぎ る肉を持って来よう。だが、あなたは豚の肉を食べ るふりをして、自らを救おうとするのか。」

10そしてエレアザルは、彼らの助言が彼の拷問をさ らに増すかのように、大声で叫んだ。「いいえ。私 たちアブラハムの子らは、臆病な心で、自分たちに ふさわしくない部分を偽造するような邪悪な考えを 決して持ちませんように。」

11確かに、私たちが老齢に至るまで真理に従って生 き、そのように生きているという評判を合法的な形 で守ってきたのに、今や私たち自身が変わって不信 心の若者たちの模範となり、彼らに不浄な肉を食べ るように勧めるとなると、それは理性に反します。

12もし私たちがもう少し長く生きながら、その間、 臆病であるとすべての人から嘲られ、暴君からは非 男らしいと蔑まれながら、死ぬまで神の法を守れな かったら、それは恥ずべきことである。

13それゆえ、アブラハムの子らよ、あなたたちは正 義のために立派に死ぬ。しかし暴君の手下たちよ、 あなたたちはなぜ自分の仕事を中断するのか。』

14そこで彼らは、イエスが拷問に打ち勝ち、処刑人 たちの憐れみにも動じないのを見て、イエスを火の 中に引きずり込んだ。

15そこで彼らは彼をそこに投げ込み、残酷で巧妙な 手段で彼を焼き、悪臭のするスープを彼の鼻に注ぎ ました。

16しかし、火が彼の骨にまで達し、彼がまさに息絶 えようとしたとき、彼は神に向かって目を上げて言 った。

17神よ、あなたはご存じです。たとえ私が自らを救 うことができたとしても、あなたの律法のために火 の苦しみに身を委ねて死んでいくのです。どうか、 あなたの民に慈悲をお与えください。そして、私た ちの罰が彼らのための償いとなりますように。私の 血を彼らの清めとし、私の魂を彼らの魂の贖いとし て取り戻してください。

18そして、これらの言葉とともに、聖人は拷問の下、 そして死に至る拷問に対してさえも理性で貫かれた 法のために、気高く自分の魂を明け渡したのです。

19ですから、疑いなく、霊感を受けた理性は情熱を 支配します。なぜなら、もし情熱や苦しみが理性に 勝っていたら、私たちは情熱や苦しみを理性の優れ た力の証拠として信じていたはずだからです。

20しかし、今や理性が情熱を克服したので、理性に 情熱を制御する力があると考えるのが自然です。

21そして、少なくとも理性が私たちの外から来る苦 痛を克服する場合には、理性がその支配権を握って いることを認めるのは正しい。なぜなら、それを否 定するのは馬鹿げているからだ。

22そして私の証明は、理性が苦痛よりも優れている だけでなく、快楽に対しても優れていることを示し ています。理性は快楽に屈することはありません。

4巻 第4章

この章では、いわゆる「理性の時代」とは、理性の 哲学が2000年の歴史を持つことを意味するかもしれ ない。7人の息子とその母親の物語。

1我らが父エレアザルの理性により、彼は情熱の海で 聖なる船を操縦する優れた舵取りのように、暴君の 脅迫に翻弄され、拷問の荒波にさらわれても、死に 対する勝利の港へと航海するまで、瞬たりとも聖 なる舵を曲げることはなかった。

2数多くの巧妙な兵器で包囲された都市の中でも、聖 なる魂が鞭と拷問台と炎で攻撃されたとき、聖なる 男ほど見事に自らを防御した都市はかつてなかった。 彼は、聖性の盾である理性によって、自分の魂を包 囲していた者たちを動かした。

3我々の父エレアザルは、心の膜を甲高い海の断崖の ように定め、情熱の波の狂気的な始まりを打ち破っ た。

4祭司職にふさわしい祭司よ、あなたは聖なる歯を汚 さず、敬虔さと清浄のためだけに充てられた腹を汚 れた肉で汚さなかった。

5ああ、法の告白者、神の生命の哲学者よ!死に至る までの苦しみに直面しても、自らの血と名誉ある汗 をもって法に仕え、法を守るのが職務である者は、 このような者でなければならない。

6父よ、あなたは栄光に至るまでの堅固な態度によっ て、私たちの律法への忠誠心を強めてくださいまし た。そして、神聖さを称えて語りながら、その言葉 を偽らず、拷問よりも強力な老いぼれよ、その行い によって神の哲学の言葉を確証してくださいました。

7おお、炎よりも緊張した尊敬すべき長老よ、情熱の 偉大な王エレアザルよ。

8というのは、私たちの父祖アロンが香炉を手に、集 まった会衆の中を駆け抜けて火の天使に向かってこ れを打ち負かしたように、アロンの息子エレアザル は火の溶ける熱によって焼き尽くされても、理性に おいて揺るぎなかったからである。

9しかし、何よりも驚くべきことは、彼は老人であり、 体の筋は弛緩し、筋肉は弛緩し、神経は弱っていた が、理性の精神において再び若者となり、イサクの ような理性で、多頭の拷問をインポテンツに変えた ということである。

10ああ、祝福された歳月よ、ああ、尊敬すべき白髪 よ、ああ、律法に忠実で死の印によって完成された 人生よ!

11確かに、老人が正義のために死に至る苦しみを軽 蔑するのであれば、霊感を受けた理性が情熱を導く ことができると認められなければなりません。

12しかし、すべての人が理性的に啓発されているわ けではないので、すべての人が情熱を制御できるわ けではない、と答える人もいるかもしれません。

14したがって、理性の弱さの結果として情熱の奴隷 のように見える人がいることには何も矛盾はありま せん。

15哲学者であり、哲学の規則すべてに正しく従い、 神に信頼を置き、徳のためにすべての困難に耐える ことは祝福されたことだと知っている者であれば、 正義のために自分の情熱を克服しない者がいるでし ょうか。

16賢明で自制心のある人だけが、情熱を勇敢に制御 できるのです。

17そうです、このようにして、正義に従った理性に よって哲学者となった少年たちでさえ、さらにひど い拷問に打ち勝ったのです。

18というのは、最初の試みで明らかに敗北し、老人 に汚れた肉を食べさせることができなかった暴君は、 本当に激怒して、警備兵にヘブライ人の若者のうち 他の者を連れてくるように命じ、もし彼らが汚れた 肉を食べるのであれば食べた後に彼らを解放し、も し拒否するならばさらに残酷に拷問するように命じ たからである。

19そして、暴君のこの命令により、7人の兄弟とそ の年老いた母親が囚人として彼の前に連れてこられ た。彼らは皆、ハンサムで、慎ましく、高貴な生ま れで、総じて魅力的だった。

20そして、暴君は、彼らが母親を真ん中に、祝祭の 聖歌隊のように立っているのを見て、彼らに注目し、 その高貴で気品ある態度に感銘を受けて、彼らに微 笑みかけ、彼らを近くに呼び寄せて言った。

21「若者たちよ、私はあなたたち人人の幸福を 祈り、あなたたちの美しさに感心し、このように大 勢の兄弟を高く尊敬しています。ですから、私は、 すでに苦しんでいるあの老人の狂気に固執しないよ うにあなたたちに勧めるだけでなく、私に屈し、私 の友情にあずかるようあなたたちに懇願します。

22わたしの命令に従わない者たちをわたしは罰する ことができるのと同じように、わたしに従う者たち をわたしは前進させることができるからである。

23あなたが祖先の政治法を拒否するならば、私に仕 える中で重要な地位と権威を与えられることを確信 してください。

24ギリシャ的な生活に加わり、新しい道を歩み、若 さを楽しみなさい。あなたがたが不従順でわたしを 怒らせるなら、わたしはあなたがたに恐ろしい刑罰 を課し、あなたがた全員を拷問で殺さざるを得なく なるでしょう。

25だから、あなたたちを憐れんでください。あなた たちを敵視する私でさえ、あなたたちの若さと美し さゆえに、あなたたちを憐れんでいます。

26あなたたちは、わたしに従わなければ、苦しみの 中で死ぬ以外に何もないということを、よく考えな いのか。』

13しかし、心を尽くして正義を第とする者だけが、 肉の弱さを克服することができます。彼らは、私た ちの族長アブラハム、イサク、ヤコブが死んだので はなく、神のために死ぬのではなく、神のために生 きると信じています。

27こう言って、イエスは拷問の道具を持って来るよ うに命じ、恐怖によって汚れた肉を食べさせようと した。

28しかし、衛兵たちが車輪、関節脱臼器、拷問台、 骨砕き器、投石機、大鍋、火鉢、つまみねじ、鉄の 爪、くさび、焼印を取り出すと、暴君は再び話し、 こう言った。

29「若者たちよ、恐れを抱いたほうがよい。そうす れば、あなたたちが崇拝する正義が、あなたたちの 不本意な罪を許してくれるだろう。」

30しかし、彼らは彼の説得を聞き、彼の恐ろしい手 段を見ても、恐れを示さないばかりか、実際に彼ら の哲学を暴君に対抗する形で整え、彼らの正しい理 性によって彼の暴政を屈服させた。

31しかし、考えてみてください。もし彼らの中に臆 病者や臆病者がいたとしたら、彼らはどのような言 葉を使ったでしょうか。それは次のような意味では なかったでしょうか。

32「ああ、私たちはなんと惨めな、愚かな生き物な のでしょう。王が私たちを招き、親切な待遇を申し 出ても、私たちは従わないのでしょうか。

33なぜ私たちはむなしい欲望に駆られ、命を失うよ うな不服従を敢えて行うのでしょうか。兄弟たちよ、 私たちは恐ろしい道具を恐れ、拷問の脅しをよく考 え、こうした空虚な自慢と致命的な自慢を捨てるべ きではないでしょうか。

34私たちは自分の若さを憐れみ、自分の母の老いを 思いやり、もし従わなければ死ぬということを心に 留めましょう。

35神の正義でさえ、もし私たちが恐れて王に屈服せ ざるを得ないなら、慈悲を与えてくれるでしょう。 なぜ私たちはこの大切な命を捨て、この甘美な世界 を奪い去るのでしょうか。

36必要に逆らって努力したり、むなしい自信を持っ て拷問を招いたりしないでください。

37律法自体も、私たちが拷問器具を恐れているから といって、自ら進んで私たちを死刑に処するわけで はありません。

38王に従えば平和な生活が送れるのに、なぜこのよ うな争いがわたしたちを激怒させ、致命的な強情さ がわたしたちに好意を抱かせるのでしょうか。』

39しかし、拷問を予期した若者たちは、そのような 言葉は口にしなかったし、そのような考えも頭に浮 かばなかった。

40彼らは情欲を軽蔑し、苦痛を克服したからである。 第5章

古代の暴政の極限の残虐さを暴く、恐怖と拷問に満 ちた一章。第26節は深遠なる真実である。

1そして、暴君が汚れた肉を食べるようにと人々に勧 め終えるとすぐに、皆が声をつにして、まるで魂 をつにして、彼にこう言った。

2「ああ、暴君よ、なぜ躊躇するのですか。私たちは 先祖の戒めを破るくらいなら、死ぬ覚悟です。」

3なぜなら、もし私たちも律法に従って歩まず、モー セを私たちの助言者としなかったなら、私たちの先 祖たちをも恥じ入らせることになるからです。

4ああ、私たちに律法を犯すように勧める暴君よ、私 たちを憎みながら、私たち自身以上に憐れまないで ください。

5わたしたちは、律法を破ったことと引き換えに命を 与えてくださったあなたの憐れみを高く評価してい ます。命は死よりも耐え難いものです。

6あなたは、まるで少し前にエレアザルから何も学ん でいなかったかのように、拷問による死の脅迫で私 たちを怖がらせようとしています。

7しかし、ヘブライ人の老人たちが正義のために、死 ぬまで拷問に耐えたのであれば、私たち若者は、私 たちの老いた教師も打ち勝ったあなたの強制による 拷問を軽蔑しながら死ぬ方が、よりふさわしいので す。

8それゆえ、暴君よ、試練を与えよ。正義のために 我々の命を奪うとしても、拷問によって我々を傷つ けているとは思わないでくれ。

9なぜなら、私たちはこの邪悪な誘惑とそれに対する 私たちの忍耐によって、徳の賞を得るからです。し かし、あなたは私たちの残酷な殺害のために、神の 正義の手によって、永遠に十分な火の責め苦を受け るでしょう。」

10若者たちのこの言葉は、暴君の怒りを倍加させた。 彼らの不服従だけでなく、彼らの恩知らずであると 彼が考えたことに対しても。

11そこで、彼の命令に従って、鞭打者たちは彼らの うちの長男を連れ出し、その衣服を剥ぎ取り、両手 と両腕を革ひもで縛った。

12しかし彼らは疲れるまでイエスを鞭打ったが、何 も得ることができなかったので、イエスを車輪に投 げつけた。

13そして、その高貴な若者は骨が折れるまで拷問に かけられた。そして、次々と関節が壊れていくにつ れて、彼は暴君をこう非難した。

14「おお、最も忌まわしい暴君よ、天の正義の敵で あり、残忍な心を持つ者よ、あなたは私をこのよう に苦しめるが、それは人殺しのためでも不信心のた めでもなく、神の法を守ったためである。」

15衛兵たちが彼に言った。「食事をすることに同意 しなさい。そうすれば、あなたたちの拷問から解放 されるだろう」。彼は彼らに言った。「哀れな手下 たちよ、あなたたちのやり方では、私の理性を捕ら えることはできない。私の手足を切り落とし、私の 肉を焼き、私の関節をねじ曲げてみろ。あらゆる拷 問を通して、私はあなたたちに、徳においてヘブラ イ人の子らだけが無敵であることを示すだろう。」

16彼がこう話している間にも、彼らは熱い炭を彼の 上に置き、拷問を激化させて、彼をさらに強く車輪 の上に押し付けた。

17そして車輪全体が彼の血で汚れ、積み上げられた 石炭は彼の体液の落下によって消え、引き裂かれた 肉が機械の車軸の周りを走り回った。

マカバイ記第4巻

18そして、肉体はすでに崩壊しつつあったが、この 偉大な魂を持つ若者は、アブラハムの真の息子のよ うに、少しもうめき声をあげず、まるで火によって 不朽のものに変容するかのように、その苦痛を気高 く耐え、こう言った。

19兄弟たちよ、わたしの模範に倣いなさい。決して わたしを見捨てず、高潔な魂を持つ兄弟愛を捨てな いで下さい。

20正義のために神聖で名誉ある戦いを戦いなさい。 それによって、私たちの父祖たちを見守った公正な 神が、その民に慈悲を与え、呪われた暴君に復讐し てくださいますように。」

21そして、これらの言葉とともに、聖なる若者は息 を引き取った。

22しかし、皆が彼の魂の不変性に驚いている間に、 衛兵は息子たちの中で二番目に年上の男を連れてき て、鋭い爪のついた鉄の手で彼をつかみ、エンジン とカタパルトに固定した。

23しかし、彼らが「拷問するよりは食べるか」とい う問いに対する彼の高潔な決意の答えを聞くと、こ れらの黒豹のような獣たちは鉄の爪で彼の筋肉を引 き裂き、頬の肉をすべて引き裂き、頭の皮を剥ぎ取 った。

24しかし彼はこの苦しみに耐えながら言った。「私 たちの先祖の義のためなら、どんな死もなんと甘い ことか。」

25そして暴君に向かって彼は言った、「ああ、最も 冷酷な暴君よ、あなたの暴政の傲慢な意図が私の正 義のための忍耐によって克服されたのを見て、今、 あなた自身が私よりもひどい拷問を受けているよう に思わないか?

26なぜなら、私は苦痛の中でも美徳から得られる喜 びによって支えられているのに、あなたは不信心を 誇りながら苦しみの中にいるからです。ああ、最も 忌まわしい暴君よ、あなたも神の怒りの罰から逃れ ることはできないでしょう。」

27そして彼が勇敢に栄光ある死を迎えたとき、三番 目の息子が連れて来られ、多くの人々が彼にそれを 味わって助かるよう熱心に懇願した。

28しかし彼は大声で答えた。「あなたがたは、私と 死んだ兄弟たちを同じ父が生み、同じ母が私たちを 産み、同じ教えで私が育てられたことを知らないの か。

29私は兄弟愛という高貴な絆を捨てません。

30ですから、もしあなたたちが何か拷問の道具を持 っているなら、それを私のこの体に当ててください。 私の魂には、たとえあなたたちが望んだとしても、 あなたたちは達することはできないのです。」

31しかし彼らは、その男の大胆な言葉に激怒し、脱 臼道具でその男の手足を外し、手足を関節からねじ り出し、腱を切断し、さらにその男の指、腕、脚、 肘関節をねじり上げた。

33そして彼らは彼の背骨をねじり、彼は自分の肉が 細長く垂れ下がり、内臓から大量の血が流れ出てい るのを見た。

34そして死の間際に彼は言った。「ああ、最も忌ま わしい暴君よ、私たちは神から受けた教育と美徳の ゆえにこのように苦しむのです。しかしあなたは、 その不信心と残酷さのゆえに、終わりのない苦しみ を受けるでしょう。」

35そして、この男が兄弟たちにふさわしく死んだと き、彼らは四番目の男を呼び出して、彼に言った。 「あなたも兄弟たちと同じように狂ってはいけませ ん。王の言うことを聞いて自分を救いなさい。」

36しかしイエスは彼らに言われた。「わたしを卑怯 者にするほどの激しい火は、あなたたちには備わっ ていない。

37私の兄弟たちの祝福された死によって、暴君の永 遠の運命によって、そして正義の人たちの栄光ある 命によって、私は私の高貴な兄弟愛を否定しません。

38暴君よ、拷問をでっち上げなさい。そうすれば、 私がすでに拷問を受けた者たちの兄弟であることを、 あなたは知ることができるでしょう。

39これを聞いた血に飢えた、殺人的な、まったく忌 まわしいアンティオコスは、舌を切り取るよう命じ た。

40しかし彼は言った。「たとえあなたが私の話し手 を取り去ったとしても、神は口のきけない者の言う ことを聞いてくださるのです。」

41見よ、わたしは舌を出す用意をしている。それを 切り捨てよ。そうすれば、わたしの理性を黙らせる ことはできないだろうから。

42私たちは、神の目的のためなら喜んで自分の体の 一部を切断しても構いません。

43しかし、神はすぐにあなたを追われるでしょう。 あなたは、神に賛美の歌を歌っていた舌を切り取っ たからです。』

44しかし、この男も拷問によって苦しみの死を遂げ ようとしたとき、5番目の男が飛び出してこう言った。 「暴君よ、私は徳のために拷問を要求することを躊 躇しません。

45そうです、私は自ら進み出て、私をも殺し、あな たが天の正義に対して負うべき罰を、さらに多くの 悪行によって増やすつもりです。

46ああ、徳の敵、人類の敵よ、何の罪でこのように 我々を滅ぼすのか?

47私たちがすべての創造主を崇拝し、その高潔な律 法に従って生きていることが、あなたにとって悪い ことのように思えますか。

48しかし、もしあなたが人間の願望を理解し、神の 前に救いの希望を抱いているなら、これらのことは 拷問ではなく名誉に値するのです。

49見よ、今、あなたは神の敵であり、神を礼拝する 者たちに戦いを挑んでいる。』

32しかし、彼らはどうしても彼の魂を絞め殺すこと ができず、彼の皮膚を剥ぎ取り、指先も緒に剥ぎ 取り、スキタイ風に頭皮を剥ぎ取って、すぐに彼を 車輪のところに連れて行った。

マカバイ記第4巻

50彼がこう話している間に、警備員たちは彼を縛り、 投石機の前に連れて行き、彼を膝の上に縛り付け、 そこに鉄の留め金で固定し、回転する「くさび」の 上で彼の腰をねじり上げ、彼はサソリのように完全 に反り返って、すべての関節が外れてしまいました。

51そして、息が苦しく、肉体が苦痛に震える中、彼 は叫んだ。「栄光に満ちた暴君よ、あなたの意志に 反して私に授けてくださった恩恵は栄光に満ち、私 はさらに名誉ある拷問を通して法への忠誠を証明で きるようになりました。」

52そしてこの男も死ぬと、6人目の少年が連れて来 られ、暴君が食事をして解放される意思があるかど うか尋ねたところ、彼はこう答えた。

53「私は同胞ほど年老いていないが、心は老いてい る。我々は同じ目的のために生まれ育ち、同じ大義 のために死ぬ運命にある。だから、もしあなたが、 汚れた肉を食べないことを理由に我々を拷問するつ もりなら、拷問でいい。」

54彼がこれらの言葉を話している間に、彼らは彼を 車輪のところまで連れて行き、慎重に彼を引き伸ば し、彼の背骨を脱臼させ、彼の下に火をつけた。

55そして彼らは、鋭く熱した串を作り、それをイエ スの背中に突き刺し、また、脇腹を刺し貫いて、内 臓までも焼き尽くした。

56しかし、彼は拷問の最中に叫んだ、「ああ、聖徒 にふさわしい競争だ。正義のために、これほど多く の兄弟たちが、拷問の競争に参加し、敗北を喫した のだ!」

57暴君よ、正しい理解力は征服できないものである。

58徳の鎧をまとって、私は兄弟たちと共に死に赴き、 拷問の考案者であり、真に正義の敵であるあなたを 罰するために、私の中にさらに人の強力な復讐者 を加えます。

59我々六人の若者は、汝の暴政を打倒した。我々の 理性を変えたり、不浄な肉を食べさせたりできない 汝の無力さこそが、汝の打倒ではないのか? 60あなたの火は我々にとって冷たく、あなたの拷問 道具は我々を苦しめず、あなたの暴力は無力です。

61衛兵は我々にとって、暴君の衛兵ではなく、神の 法の衛兵である。それゆえ、我々の理性は未だに征 服されていないのだ。」

第6章

兄弟の絆と母の愛。

1そして、この子も釜に投げ込まれて祝福された死を 遂げたとき、七番目の息子、すなわち彼らのうちの 末の子が進み出て言った。

2しかし、暴君は兄弟たちに激しく憤慨していたにも かかわらず、少年を憐れみ、すでに縛られているの を見て、彼を近くに連れてきて説得しようとした。 「兄弟たちの愚行の果てが分かっただろう。彼らは 不服従のために拷問の末に死刑に処されたのだ。も しお前も従わないなら、惨めな拷問を受け、時が来 る前に死刑に処されるだろう。しかし、従うなら私

の友となり、王国の政務において高い地位に昇進さ せよう。」

4そして、このように彼に懇願しながら、彼はその少 年の母親を呼び寄せ、多くの息子を失った悲しみか ら、生き残った少年に従順になって救われるように 勧めさせた。

5しかし、後で述べるように、母親はヘブライ語でそ の少年を励まし、少年は衛兵に「私を解放してくだ さい。王と王の友人全員と話せます」と言いました。

6そして彼らはその少年の願いを聞いて喜び、急いで 彼を解放しようとした。

7そして、赤く熱した火鉢に駆け寄って、「ああ、不 敬虔な暴君よ」と彼は叫んだ。「すべての罪人の中 で最も不敬虔な者よ、神の手からあなたの祝福と王 権を奪い、神のしもべを殺し、正義の信奉者を拷問 することを恥じないのか?

8これらのことのゆえに、神の正義はあなたを、より 急速で永遠の火と、永遠にあなたを捕らえることの ない苦痛とに引き渡すのです。

9野獣のような心を持つ哀れな者よ、人間でありなが ら、自分と同じ感情を持ち、同じ要素から作られた 人々を連れて行き、彼らの舌を引き裂き、このよう に鞭打ち、拷問することを恥ずかしく思わないのか。

10しかし、彼らが高潔な死を遂げて神に対する正義 を果たした方で、あなたは、徳の戦士たちを不当 に殺害したことに対して、「災いが来た」と悲しげ に叫ぶであろう。』

11そして、死の淵に立って、彼は言った。「私は兄 弟たちが立てた証言に背く者ではない。

12そして私は、私の先祖の神が私の国民に慈悲を施 してくださるようにと祈ります。

13そして神はあなたを、この現世でも、またあなた が死んだ後でも罰するであろう。」

14そして、彼はこのように祈りながら、赤く熱した 火鉢の中に身を投げ、息を引き取ったのです。

15したがって、7人の兄弟が死に至るまでの拷問を 軽蔑したのであれば、霊感を受けた理性が情熱に対 する最高の支配者であることが普遍的に証明されま す。

16というのは、もし彼らが自分の情欲や苦しみに屈 して汚れた肉を食べていたなら、それによって彼ら は征服されたとわたしたちは言うべきであったから です。

17しかし、この場合はそうではありませんでした。 それどころか、神の目に認められた理性によって、 彼らは情熱を克服したのです。

18そして、心の優位性を否定することは不可能であ る。なぜなら、彼らは情熱と苦痛に勝利したからで ある。

19焼かれる苦しみを前にしてひるまなかったこれら の人々に対して、私たちは正しい理性が情熱を支配 していることを認めずにはいられないだろう。

20港のモグラの塔が波の襲撃を撃退し、港に入る 人々に静かな入口を提供するのと同じように、若者

マカバイ記第4巻 の7つの塔を持つ正しい理性は正義の港を守り、情 熱の嵐を撃退しました。

21彼らは正義の聖歌隊を結成し、互いに励まし合い ながら言った。

22兄弟たちよ、私たちは律法のために兄弟のように 死にましょう。

23同じ炉の試練を軽蔑したアッシリアの宮廷の三人 の子供たちに倣いましょう。

24正義の証明の前で臆病になってはなりません。』

25そして、ある者は『兄弟よ、元気を出しなさい』 と言い、別の者は『勇気を出してやりなさい』と言 い、また別の者は昔のことを思い出して、『あなた がたがどのような家系の出であるかを思い出しなさ い。また、イサクが義のために、だれの父の手によ って自らを犠牲として差し出したかを思い出しなさ い』と言いました。

26そして、彼らは皆、互いに顔を見合わせて、明る く、非常に大胆に言った。「私たちは、私たちに魂 を与えてくださった神に、心から献身し、私たちの 体を律法の遵守に貸しましょう。

27自分は人を殺そうとしている者を恐れてはなりま せん。神の定めに背く者たちには、永遠の苦しみの 中で、大きな苦闘と魂の危険が待ち受けているから です。

28それでは、情熱を制御する神の理性で武装しまし ょう。

29このわたしたちの受難の後、アブラハム、イサク、 ヤコブがわたしたちを迎え入れ、わたしたちの先祖 は皆わたしたちを讃えるであろう。」

30兄弟たちが引きずり出されるとき、まだ順番が来 ていない者たちは、人人にこう言った。「兄弟 よ、わたしたちをはずかしめないでください。また、 すでに死んだ兄弟たちに嘘をつかないで下さい。」

31兄弟愛について、あなたがたは知らないわけでは ない。それは、神聖で全知なる摂理が、父祖を通し て生み出された者たちに受け継がせたものであり、 母の胎内を通してすでに彼らに植え付けられている ものである。その中で兄弟たちは同じ時代を生き、 同じ時に形をとり、同じ血で養われ、同じ魂で活気 づけられ、同じ時期にこの世に生まれ、同じ泉から 乳を飲み、それによって兄弟の魂は両腕で胸を抱き ながら緒に育てられる。そして、共通の養育、 日々の交わり、その他の教育、そして神の律法に基 づく訓練を通して、彼らはより層強く結びついて いるのである。

32このように兄弟愛が自然に強かったため、七人の 兄弟の互いの一致はさらに強固なものとなりました。 同じ律法で教えられ、同じ美徳に鍛錬され、正しい 生活の中で共に育てられた彼らは、互いに層豊か に愛し合っていました。道徳的な美と善に対する共 通の熱意は、互いの致をさらに深めました。それ は、彼らの敬虔さと相まって、兄弟愛をさらに熱烈 なものにしたのです。

33しかし、彼らの性質、仲間意識、そして高潔な性 格が兄弟愛の熱を強めたにもかかわらず、生き残っ

た息子たちは、自分たちの宗教を通じて、拷問台に かけられて死ぬまで拷問を受けている同胞の姿を認 め、それどころか、同胞が苦痛に立ち向かうことを 奨励し、自らの拷問を軽蔑するだけでなく、同胞に 対する兄弟愛の情熱を克服しようとした。

34おお、理性ある心よ、王よりも王らしく、自由人 よりも自由な者よ、七人の兄弟の調和のとれた、神 聖で敬虔さの基調によく調和した心よ!

35七人の若者は誰人として臆病にならず、死を前 にしてひるむ者もなく、まるで不死への道を走るか のように、皆拷問による死へと急いだ。

36手足が魂の促しに応じて動くように、あの聖なる 若者たちは、宗教の不滅の魂に促されたかのように、 宗教のために調和して死へと向かったのです。

37ああ、兄弟たちの調和した七重の聖なる交わり よ!

38というのは、世界の創造の七日間が宗教を終わら せたように、若者たちは聖歌隊のように七つの仲間 を終わらせ、拷問の恐怖を無にしてしまったからで ある。

39私たちは今、これらの若者の苦しみを聞くと身震 いします。しかし、彼らはそれを自分の目で見ただ けでなく、差し迫った脅威を言葉で聞いただけでな く、実際にその苦痛を感じて、それに耐え抜いたの です。しかも、火による拷問には、これより大きな 苦痛があるでしょうか。

40火の力は鋭く、激しいので、彼らの肉体はたちま ち消滅した。

41そして、女性の魂でさえ、さらに多様な苦痛を嫌 うのに、あの男たちの場合、理性が拷問に打ち勝っ たとしても不思議ではない。7人の若者の母親は、子 供たちそれぞれに与えられた苦痛に耐えたのだから。

42しかし、母親の心の思いがいかに多様であるかを 考えてみてください。その子に対する気持ちが彼女 の全世界の中心となるのです。

ここでは、理性のない動物でさえ、その子に対して 人間と同様の愛情と愛着を抱いています。

43たとえば、鳥の中で、私たちの屋根の下に隠れて いる飼いならされた鳥は、雛を守ります。また、山 の頂上や岩の割れ目、木の穴、枝などに巣を作り、 そこで雛を孵す鳥も、侵入者を追い払います。

44そして、もし追い払うことができなかったら、彼 らは愛情のあまり雛の周りを飛び回り、自分たちの 言葉で雛を呼び、できる限りの方法で雛を助けます。

45そして、蜂でさえ巣を作る季節になると侵入者を 撃退し、子供たちに近づく者を剣のように針で刺し、 死ぬまで戦うのを見ると、理性のない動物たちの間 で子孫を愛する例え話がどうして必要になるだろう か。

46しかし、アブラハムのような心を持つ若者たちの 母である彼女は、子供たちに対する愛情によって目 的を変えることはありませんでした。

4巻 第7章 母と父の愛情の比較、この章には雄弁の山頂がいく つかあります。

1息子たちの理性よ、情熱を支配する者よ!ああ、 宗教よ、それは母親にとって子供よりも大切なもの だった!

2母親は、宗教と、暴君の約束に従って今彼女の7人 の息子を生かしておくことという二つの選択肢を前 にして、むしろ、神に従って永遠の命に救う宗教を 好みました。

3ああ、親の子に対する情熱的な愛情を、私はどのよ うに表現したらよいだろうか。私たちは、子の優し い性質に、私たちの魂と姿の驚くべき類似性を刻み 込む。そして何よりも、母親の子に対する同情心は 父親よりも深い。

4というのは、女性は男性よりも心が優しく、子供を 多く産めば産むほど、子供に対する愛情も豊かにな るからである。

5しかし、すべての母親の中で、七人の息子のうちの 彼女は他の誰よりも愛情にあふれていた。七回の出 産で胎内の子に対する母性的な優しさを感じ、それ ぞれの子を産む際の多くの苦しみのために深い愛情 を抱かざるを得なかったにもかかわらず、彼女は神 への畏れから、子供たちの現在の安全を拒絶したの である。

6そうです。そしてそれ以上に、彼女の息子たちの道 徳的な美しさや善良さ、そして律法への従順さを通 して、彼女に対する母の愛はより強くなったのです。

7というのは、彼らは公正で、節度があり、勇敢で、 心の広い者であり、互いを愛し、また母親を愛して いたので、死に至るまで律法を守り母親に従ったか らである。

8しかし、母性本能に屈する誘惑に何度も駆られたに もかかわらず、恐るべき様々な拷問が彼女の理性を 変える力を持つことは度もなかった。むしろ、母 親は息子たち人人に、そして全員に、宗教のた めに死ぬよう促した。

9ああ、聖なる自然、親の愛、子に対する親の思い、 育児の報酬、そして母の征服しがたい愛情よ! 10母親は、子供たちが人ずつ拷問にかけられ、火 あぶりにされるのを見ても、宗教のために心を揺る がさなかった。

11彼女は、息子たちの肉が火で焼け、その手足の先 が地面に散らばり、頭から頬まで引きちぎられた肉 の覆いが仮面のように散らばっているのを見た。

12ああ、母よ、今や産みの苦しみよりも激しい苦し みを知った者よ!ああ、女の中でただ人、その胎 から生まれたのは完全な信仰心だった女性よ!

13あなたの長子は息を引き取っても、あなたの決意 を変えることはなかった。あなたの次男も、拷問を 受けているあなたを憐れみの目で見ていたが、あな たの三男も息を引き取った。

14あなたは、苦しみの中で、それぞれの目が同じ苦 しみを大胆に見つめているのを見ても、また、震え

る鼻孔に死が近づいている兆候を見ても、涙を流さ なかった。

15あなたは、息子たちの肉が次々と切り裂かれ、手 が次々と切り落とされ、頭が次々と皮を剥がされ、 死体が死体の上に投げ出され、あなたの子供たちの 拷問を見るためにその場所が見物人でいっぱいにな っているのを見たが、涙を流さなかった。

16セイレンの調べも、白鳥の歌も、その甘美な響 きほど、聞く者の耳を魅了することはない。苦しみ の中から母親に語りかける息子たちの声ほどに。

17息子たちが拷問台と火の責め苦に遭っている間、 母親はどれほど多くの、どれほどひどい責め苦に遭 っていたことか。

18しかし、霊感を受けた理性は、彼女の苦しみの情 熱の下で彼女の心に男の力を貸し、母への愛の現在 の切望を考慮に入れないように彼女を高めた。

19そして、彼女は7人の子供たちの破滅と彼らが受 けるさまざまな苦しみを目の当たりにしたにもかか わらず、気高い母親は神への信仰によって喜んで子 供たちを手放しました。

20というのは、彼女は心の中で、まるで評議会の部 屋にいる巧みな弁護者たちのように、性質、親であ ること、母の愛、そして拷問台にかけられた自分の 子供たちを眺めていたからである。そしてまるで母 親である彼女は、子供たちの件で、つは死に票を 投じ、もうつは生かしてやるという二つの票の中 から選択を迫られていたかのように、そのとき七人 の息子たちをしばらく救うことではなく、アブラハ ムの真の娘として、神を畏れるアブラハムの勇気を 思い起こしたのである。

21人類の母よ、我々の法の擁護者よ、我々の宗教の 擁護者よ、そしてあなた自身の内なる闘いにおける 賞の獲得者よ!

22ああ、女よ、抵抗においては男よりも気高く、耐 え忍ぶにおいては戦士よりも勇敢だ!

23ノアの箱舟が、世界を飲み込む大洪水の中で、全 生物を担いで、激しい波に耐えたように、法の守護 者であるあなたも、激情の波に四方八方から打ちの めされ、息子たちの拷問によって強烈な風のように 緊張しながらも、宗教のために襲いかかった嵐を気 高く乗り越えたのです。

24したがって、高齢の女性で、7人の息子の母親が、 子供たちが拷問されて死ぬのを見るのを耐えたとし たら、霊感を受けた理性が情熱に対する最高の支配 者であることは明らかです。

25したがって、私は、男性が苦しみに打ち勝っただ けでなく、女性も最も恐ろしい拷問を軽蔑したこと を証明しました。

26ダニエルの周りのライオンはそれほど獰猛ではな く、ミシャエルの燃え盛る炉もそれほど熱くはなか ったが、七人の息子が拷問を受けているのを見て、 彼女の中に母性本能が燃え上がったのであった。

27しかし、母親は宗教に導かれた理性によって、ど れほど多くて強かったとしても、自分の情熱を鎮め ました。

28というのも、もしこの女性が母親であるにもかか わらず精神的に弱かったなら、彼女は彼らのために 泣き、おそらく次のように言ったかもしれないとい うことも考えるべきである。

29「ああ、私は三度も惨めになり、三度以上も惨め になった。七人の子を産んだのに、子供がいないの だ。」

30わたしは七度も身ごもったが、むだであった。十 か月の重荷を七度も負ったが、何の益もなく、わた しの乳飲みは実を結ばず、わたしの乳飲み子は悲し んだ。

31息子たちよ、私はあなたたちのために、多くの労 働の苦しみと、あなたたちを育てるための困難な心 配に耐えてきたが、それは無駄だった。

32ああ、わたしの息子たちの中には、まだ結婚して いない者もおり、結婚した者にも子供がいなかった。 わたしは決してあなたたちの子供たちに会うことも ないし、祖父母と呼ばれることもないだろう。

33ああ、私は多くの美しい子供たちに恵まれたのに、 今は未亡人となり、悲しみに暮れています。私が死 んだら、埋葬してくれる息子もいないのです。』

34しかし、神を畏れる聖なる母は、彼らのうちの誰 に対しても、このような嘆き悲しむことはなく、死 を免れるように誰かに懇願することも、死にゆく者 として彼らを嘆くこともなかった。むしろ、彼女は 断固たる魂を持ち、息子たちをもう度不死の生命 へと呼び戻そうとするかのように、むしろ彼らに、 信仰のために死ぬように懇願し、懇願した。

35ああ、母よ、宗教の大義における神の戦士よ、老 いてなお女性であるあなたは、忍耐力によって暴君 を打ち負かし、言葉だけでなく行為においても人間 よりも強いとされました。

36実に、あなたが息子たちと共に拘束されていたと き、あなたはそこに立って、エレアザルが拷問を受 けているのを見ていた。そして、あなたはヘブライ 語で息子たちに話していた。

37「息子たちよ、この戦いは崇高なものである。あ なたたちは、我々の国家のために証言するために召 集されたのだから、我々の父祖の律法のために熱心 に戦いなさい。」

38というのは、この老人が宗教上の苦しみに耐えて いる間に、あなた方若者がその苦痛を恐れてひるん でしまったら、それは恥ずべきことである。

39あなたたちは神のためにこの世に生まれ、人生を 楽しんできたのだから、神のためにあらゆる苦しみ に耐えるのはあなたたちへの義務であるということ を覚えておきなさい。私たちの父アブラハムも神の ために、私たちの国の祖先である息子イサクを犠牲 にすることを急いだ。そしてイサクは、父が自分に 向けてナイフを上げているのを見ても、ひるまなか った。

40そして、義人ダニエルはライオンに投げ込まれ、 アナニア、アザリヤ、ミシャエルは火の炉に投げ込 まれましたが、彼らは神のために耐えました。

41そして、あなたたちも神に対して同じ信仰を持っ ているのだから、心配してはいけない。なぜなら、 正義を知っているあなたたちが苦痛に耐えられない のは理にかなっていないからだ。」

42これらの言葉で、七人の子の母は、神の定めに背 くよりはむしろ死ぬように、自分の息子たち一人ひ とりを励ましました。彼ら自身も、アブラハム、イ サク、ヤコブ、そしてすべての族長たちが生きてい るように、神のために死ぬ人は神のために生きると いうことを、よく知っていました。

第8章

有名な「正義の闘士たち」。マカバイ記第四巻と呼 ばれる勇気の物語はここで終わります。

1番兵のうち数人は、彼女も捕らえられて処刑されよ うとしたとき、誰も彼女の体に触れないように、火 葬場に身を投げたのだと主張した。

2ああ、母よ、あなたはあなたの七人の息子たちとと もに暴君の力を打ち砕き、その邪悪な策略を無に帰 し、信仰の高潔さの例を示しました。

3あなたは、柱となるあなたの息子たちの上に、屋根 のように堂々と建てられ、苦しみの地震もあなたを 揺るがすことはなかった。

4ですから、純粋な魂の母よ、あなたの忍耐の希望は 神の手によって確かなものなので、喜んでください。

5天の星々の中で月が堂々と立っているのとは比べも のにならない。あなたは、星のような七人の息子た ちの道を照らして義に導き、神の前に栄誉のうちに 立っておられる。そして、あなたは彼らとともに天 に座しておられる。

6あなたの子を産むのはアブラハムの子によるのです。

7そして、もし私たちが、ある芸術家のように、あな たの信心深さの物語を描くことが合法であったなら、 正義のために死に至るまで数々の拷問に苦しむ七人 の息子の母親を見て、観客は震え上がったのではな いでしょうか。

8そして実際、我々の国民の将来の世代への記念碑と して、彼らの眠る場所にこれらの言葉を刻むのはふ さわしいことであった。 ここに老僧が眠る そして、年老いた女性 そして彼女の7人の息子たち 暴君の暴力によって ヘブライ国家を滅ぼすことを望んでいる。 彼らは我々の国民の権利を擁護した 神に頼り、耐える 至るまでの苦しみ。

9実に、彼らが戦ったのは聖なる戦いでした。その日、 徳は彼らを忍耐によって試し、永遠の命に至る不朽 の勝利という賞を彼らの前に示しました。

10しかし、戦いの先頭に立ったのはエレアザルであ り、七人の息子の母が彼女の役割を果たし、兄弟た ちが戦った。

マカバイ記第4巻

11暴君は彼らの敵であり、世界と人間の生活は傍観 者であった。

12そして、正義は勝利者を勝ち取り、その闘士たち に冠を与えた。真の律法の闘士たちを見て、誰が驚 かなかっただろうか。

13彼らに驚かなかった者はいるだろうか。暴君自身 とその全議会は、彼らが今や神の御座の傍らに立ち、 祝福された時代を生きているという彼らの忍耐力に 感嘆した。

14モーセはこう言っています。「自らを聖別した者 は皆、あなたの御手の下にある。」

15そして、神のために自らを清めたこれらの人々は、 この栄誉を受けただけではなく、彼らを通して敵は もはや我が民に対して力を持たないようになり、暴 君は罰を受け、我が国は浄化され、彼らはいわば我 が国の罪の身代金となったのです。そして、これら の義人の血と彼らの死による贖罪を通して、神の摂 理は、以前はひどい扱いを受けていたイスラエルを 救いました。

16僭主アンティオコスは、彼らの美徳の英雄的行為 と、拷問に耐える彼らの姿を見て、その忍耐を兵士 たちに公然と見せ、戦場や包囲の戦闘において名誉 と英雄的精神を鼓舞し、その結果、敵を略奪し、打 ち倒した。

17イスラエル人よ、アブラハムの子孫よ、この律法 に従い、あらゆる点で正義を貫き、霊感を受けた理 性が、我々自身の内部からだけでなく、外部から来 る情熱や苦痛をも支配していることを認識せよ。そ の意味で、正義のために自らの肉体を拷問に引き渡 した人々は、人類の称賛を得ただけでなく、神の遺 産に値するとみなされたのである。

18そして彼らを通して国は平和を獲得し、私たちの 国に律法の遵守を回復し、敵から都市を奪取しまし た。

19そして、暴君アンティオコスは地上で復讐に遭い、 死をもって罰せられる。

20というのは、パウロはエルサレムの住民を強制し て異邦人のように生活させ、先祖の慣習を捨てさせ ることに全く失敗したので、エルサレムを去ってペ ルシャ人に向かって進軍したからである。

21さて、七人の息子の母である義なる女が、その子 供たちに語った言葉は次のとおりである。

22『私は純潔な乙女であり、父の家から迷い出るこ となく、エバの骨盤を守っていました。

23荒野の誘惑者も、野原の欺瞞者も、私を堕落させ ることはできず、偽りの惑わす蛇も、私の処女の純 潔を汚すことはなかった。私は若い頃、夫と共に暮 らしていたが、この息子たちが成長した後、彼らの 父親は亡くなった。

24彼は幸福であった。子供に恵まれた人生を送り、 子供を失った悲しみを決して知らなかったからであ る。

26そして彼は熱心な祭司ピネハスについて私たちに 話し、またアナニア、アザリヤ、ミシャエルが火の 中で歌った歌をあなた方に教えました。

27そして、彼はライオンの穴でダニエルに栄光を与 え、彼を祝福し、イザヤの言葉をあなたたちの心に 思い起こさせた。

28「たといあなたは火の中を通ったとしても、その 炎はあなたを傷つけることはない。」

29彼は詩篇作者ダビデの言葉を私たちに歌いました。 「義人の苦難は多い。」

30彼は私たちにソロモンの格言を引用しました。 「彼は、その意志を行うすべての人にとって命の木 です。」

31彼はエゼキエルの言葉を確証した。「これらの枯 れた骨は生き返るだろうか。」彼はモーセが教えた 歌を忘れなかった。それは「わたしは殺し、また生 かす。これがあなたの命、あなたの日々の祝福であ る。」と教えている。

32ああ、ギリシャ人の残酷な暴君が野蛮な火鉢に火 を燃やし、怒りを沸騰させてアブラハムの娘の7人 の息子を投石機に乗せて拷問にかけ、彼らの両目を 盲目にし、舌を切り取り、さまざまな拷問で彼らを 殺したその日は、残酷でありながらも残酷ではなか った。

33このために、神の裁きはこの呪われた悪人を追及 してきたし、これからも追及し続けるであろう。

34しかし、アブラハムの息子たちは、勝利した母親 とともに、神から純粋で不滅の魂を受け継いで、先 祖の場所に集められました。神に永遠に栄光があり ますように。

25彼は、まだ私たちと緒にいたとき、あなたたち に律法と預言者のことを教え、カインに殺されたア ベルのこと、燔祭としてささげられたイサクのこと、 獄中のヨセフのことなどを読んで聞かせてくれまし た。

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