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OVNI 985

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オヴニー・パリの新聞

引いてある。 "バカンス中の仕事場" は博士 の小さな寝室のとなりにあっ て、夜中に目を 覚ますとここ で過ごしたという。 ナポレオン3世の依頼でワ インの酸化について研究し、 低温殺菌(pasteurisation) を開発した後も、博士は近く の村にブドウ畑を買い、地元 のワイン生産者たちの協力の もと、ブドウの病気や発酵の 研究を続けた。その畑に行っ てみると、バラが 咲き、鈴虫 たちが鳴いていた。青空の下 の 研究室(畑)を訪れた後、 口にふくんだジュラの地酒は また格別の味がした。(六)

[特集]spécial パスツール博士の故郷、ジュラへ。

パスツール博士の故郷、

ルイ・パスツールは1822年、 フランス東部ジュラ県 のドー ルで生まれた。父方の 祖先は17~18世紀は同県ルミュイ村 の粉挽き、母方の実家も同県マルノ村と、 ジュラに 根を張っ た一族 の末裔だ。 ルイの父親ジャン ジョゼフはナポレオン の軍隊を離れた後1816年、 ドールに皮なめしの 作業所と店

ルイ・パスツール生家の前を流れる運河。水が澄み、水中の魚た ちがよく見える。生家は左岸。今は遊歩道があるが、パスツール の時代は、建物が直接水に接していた。 ドールの家の階下には、皮なめしの 作業所が今でも保存されている。

を構えた。運河沿いに10軒ほど同業 者 が 集まった一角で、建物は運河に

接し、 その水 に動物の皮を浸して洗

浄した。今も建物の 地下に保存され た作業場を見ることができる。革 の 乾燥は最上階、最終加工は一階。ル

イが生まれたのも一階の部屋だった。

通り沿 いの 壁には、 パスツールの

生家であることを示すプレートがある。

博士は1883年、61歳でこのプレート

アルボワの実家/ バカンス(と研究)の家。

Montigny-les-Arsures

Le Clos de Rosières - La vigne Pasteur

パスツール家はルイが7歳の時アルボワに引っ越してき た。 やはり父親の 仕事 のための川沿 いの 家。 ルイは特 に勉強ができる子ではなかったがパステル画に秀で、20 歳くらいまでに家族やアルボワの市長や金物屋など、町 の人々の肖像画を描いた。 じっくりと観察し丁寧に描き こんだ肖像画は40点ほど今に残っており、パリ、ドール、 アルボワで見ることができる。アルボワの中学校、ブザ ンソン王立中学校からパリ高等師範学校へ進学。1849

アルボワの家で家族と。 Collection : Musée Pasteur

パスツールのブドウ畑。プレートに「1878年に パスツールが実験を行った」と書かれている。 パスツールの畑のブドウで造られるワイン。

年代行教員としてス トラスブール 大学 に 迎えられ そこで出 会 った 大学学区長 の 娘マリー 5 ヵ月後 に結婚、5人の子ども に 恵 まれる。妻 マ

ジュラへ。

の除幕式に参加し、「父よ、母よ、 今 は 亡き私 の 愛 する人 たち す べてはこの小さな家で、つつまし く暮らしたあなた 方のおかげで す.....」と重労働に携わりながら自 分 を 育 ててくれた 親 を 讃 えた。 博物館内にはパスツールの 代表 的な実験の数々がジオラマととも に紹介されている。 パスツールの記念切手、勲章、パスツー ルの名を冠したカマンベールチーズ、ヘアローション、テレホ ンカードまでが展示されている。

ルイ・パスツールが描いた母ジャンヌ=エチエネットと、 父ジャン=ジョゼフ・パスツール。 Collection : Musée Pasteur

Maison natale de Louis Pasteur : 43 rue Pasteur 39100 Dole Tél : 03.8472.2061 www.terredelouispasteur.fr 2/7から11/1は毎日開館。 ・5〜9月は9h30-12h30/14h-18h(2〜4月と10月は14h-18h)。 ドール駅からは徒歩15分〜20分。

リーは実験を手伝 い、共 に旅 をし、夫 の口述した研究内容をメモした。 ルイは 46歳で脳卒中を患い半身麻痺となるが、 マリーは常にルイをサポートした。 ルイは、毎年この家に帰省した。好み の壁紙、家具、置物でブルジョワ階級ら しい 家に改造し、家の 脇 を 流 れる川の 名にちなんで、《キュイザンスの城 》と呼 んだ。サロン ビリヤード室、料理は地下の厨房からエ レベーターで上階 の 食堂 へ。上階にも応接室、子ども 部屋は晩年は孫たちの部屋に。寝室は、当時ブルジョ ワ層に多かったという夫婦別室。博士 の寝室の 壁を隔 てた研究室には、 ガスを引いて微生物の 培養室も作っ た。現存するパスツールの 研究室のなかでも、最も保 存状態がいいのだというなのだそうだ。

ルイが通った中学校。後ろの城は ワイン博物館になっている。

Maison et le laboratoire de Louis Pasteur 83 rue de Courcelles 39600 Arbois Tél : 03.8466.1172 www.terredelouispasteur.fr/la-maison-delouis-pasteur-a-arbois/ アルボワ駅からは一本道を歩いて15分ほど。

ナポレオン3世が1860年、英ヴィクトリア女王と通商

条約を締結 すると、 フランスワインは英国のワイン 市場

獲得の好機を得る。ところがワインは運搬中に酸っぱく

なるという問題 があった。皇帝は、「乳酸発酵に関する

報告」という論文を発表していたリール大学の学長パス

ツールに研究を依頼する。博士はアルボワのブドウ畑に

足を運んだり、異なるワインを顕微鏡で観察した。そこ

から ブドウ果汁 がワインになるのと、酢になるのは異

なる微生物の働きであることをつきとめ、55℃~60℃で

殺菌すればワインの劣化を避けられるとし、1865年には 特許 をとった。 この 低温殺菌は、 パスツールPasteur

の 名をとって pasteurisationと命名された。今 はワイ ンには使われないが、 ビールや 乳製品には適用されて

アルボワから車で3分ほど。ロジエールの畑はパスツールの 家と同じく科学アカデミーが所有し、管理はワイナリー、アンリ・ メール社に委託されている。10年前から農業研究機関「仏国 立農業・食料・環境研究所(INRAE)」がブドウの病気の研究 を行うため、40haの南向きの畑に、シャルドネ(白)、地元 品種のトルソー(赤)とサヴァニャン(白)など約3千株を植 えた。その資金集めのため、この畑のブドウで作られたワイン 150本が科学アカデミーのカーヴからオークションにかけられ た。一体どんな味なのだろう。 パスツール生家。

いる。食品産業を大きく変える発見だった。

また、1878年7月には、パスツールの「微 生物原因説*」に懐疑的な化学者の記事が科 学誌に掲載されたため、博士 は近くの 村に実 験のためのブドウ畑を買う。ガラスの小さな温室で ブドウの果実が形成されるや、いっぽうのブドウは消毒 したガーゼで房を包み、もう片方は包まないで実が大き くなるのを待 つ。収穫、搾汁した後、 ガーゼで 包 んで あったブドウ汁は発酵せず、包まなかったブドウの汁は 発酵した。空気中にただよう酵母がぶどうに付着して発 酵をおこすのであって、ブドウの中から自然に発酵成分 が 出てくるものではないと、「自然発生説」 を覆したの だった。

ガーゼに包んだまま熟れたブドウと 包まなかったブドウ。 ドールの博物館の展示から。

Les Archives 橋の上のテラス。

Les Archives 橋の上のテラス。 キュイザンス川のせせらぎを聞きながら乾杯。

キュイザンス川のせせらぎを聞きながら乾杯。

「ビウ」をかついで行進する人たち。 ビウは100kgくらい重いことも。 ©Audrey.T-Biou

パリからの行き方

パリLyon駅からDoleまでは TGVで2h10。

ペリカンはアル ボワのシンボル。 ペリカンは食べ 物がない時は胸 部を切って子に血 を与えるといわれ、 献身と寛容、連帯な どを表すという。

ArboisやPolignyへはローカル 線で移動。

www.sncf-connect.com

アルボワ観光局

Office de tourisme et de commerce Cœur du Jura, bureau d'Arbois 17 rue de l'hôtel de ville39600 ARBOIS

Tél. : 03.8473.0134

ジュラワインの都・アルボワ ブドウ畑で試飲会

アンリ・ルメールでの試飲会。10人くらいでにぎやかに。

パスツール博士のブドウ畑を管理するワイナリー「アン リ・メール」。町の中心リベルテ広場の建物では、予 約なしでも参加できる試飲コースがある(※パスツール 博士の畑は入っていません)。

アルボワの町の、おたのしみ。

アルボワの町の、おたのしみ。

この町に品のよさを感じるのはパストゥール博士の故郷 ゆえの先入観もあるかもしれないが、緑の丘や川にかこま れた調和のとれた風景を眺めて歩いているだけで嬉しくなる ような町だ。今年は「アルボワ」ワインがAOC(原産地統 制呼称)を承認されて90年にあたり、7月18日にはその お祝い。アルボワは、シャトーヌフ・デュ・パップ、カシ、タヴェ ルなどと共にAOCの制度が始まったと同時に初めて承認さ れた6の呼称のひとつなのだ。

この町に品のよさを感じるのはパストゥール博士の故郷 ゆえの先入観もあるかもしれないが、緑の丘や川にかこま れた調和のとれた風景を眺めて歩いているだけで嬉しくなる ような町だ。今年は「アルボワ」ワインがAOC(原産地統 制呼称)を承認されて90年にあたり、7月18日にはその お祝い。アルボワは、シャトーヌフ・デュ・パップ、カシ、タヴェ ルなどと共にAOCの制度が始まったと同時に初めて承認さ れた6の呼称のひとつなのだ。

そしてこの町最大の祭といえば毎年9月の第一日曜日に 開催される「ル・ビウ」。祭の前日、ワイン生産者がよりすぐ りのブドウで巨大なブドウ(ル・ビウ=最も美しいの意)を つくり、それを神輿のように担いで教会まで行進し、アルボ ワの聖人サン・ジュストに捧げて豊作を祈る(その後はアペ リティフがふるまわれる)。近隣の4つの町でも順番に開催 されるから、ぜひ行ってみたい。今年は9/5と9/6。

Domaine Maire et Fils Rue de l'hôtel de ville 39605 ARBOIS Tel : 03 8466 1234 火〜土:10h-12h30/13h30-18h30 《予約なしでも参加可能》 ・ジュラワイン3種試飲(30分 /無料) ・ジュラワイン入門(1h /5.50€) 6種のジュラワイン 試飲 ・サヴァニャンから造られる5種のワイン(1h /11.50€) ・100% ヴァン・ジョーヌ(1h/17€)5種のヴァ ンジョーヌ。

《予約必要》 ・ワインとうまいもの(2h /大人30€/子ども 10€)。 4つの味 (甘、苦、塩、酸味) のつまみとワイ ンの組合せ。家族向き。

アンリ・メールの畑のなかでも 最高とされる畑でデギュスタシ オン。畑からして美しい。

・テロワールの道 Trajet des terroirs (2h - 39€) アンリ・メールのブドウ畑2ヵ所を車でまわり 6種試飲。

狂犬病とパスツール研究所。

狂犬病とパスツール研究所。

狂犬病にかかったウサギの脊髄を乾燥させたものを みつめるパスツール博士。狂犬病ワクチンの始まりとなる。 アルベルト・エデルフェルト画。

9歳のジョゼ フ・マイスター 少年は、パン屋を 営む父親のためにブ ラッスリーへ酵母を買い に行く途中、犬に噛まれた。少年の母親はパス ツール博士の噂を耳にし、当時ドイツ領だった アルザス地方から息子を連れてパリへ。病院を まわった末に高等師範学校で博士に会い、接 種を依頼する。パスツール博士は8年ほど実験 を重ねてきたが医師ではないから人間の接種は できない。しかし医師と相談の末、狂犬病にか かったウサギの脊髄を弱毒化したものを10日 間、14回接種することに。回を重ねるごとに毒 素の強いものを接種してゆく。接種の成功が報 じられると、注射をしてもらおうと人々が研究室 に殺到した。アメリカ、ロシアからもやってきた。

9歳のジョゼ フ・マイスター 少年は、パン屋を 営む父親のためにブ ラッスリーへ酵母を買い に行く途中、犬に噛まれた。少年の母親はパス ツール博士の噂を耳にし、当時ドイツ領だった アルザス地方から息子を連れてパリへ。病院を まわった末に高等師範学校で博士に会い、接 種を依頼する。パスツール博士は8年ほど実験 を重ねてきたが医師ではないから人間の接種は できない。しかし医師と相談の末、狂犬病にか かったウサギの脊髄を弱毒化したものを10日 間、14回接種することに。回を重ねるごとに毒 素の強いものを接種してゆく。接種の成功が報 じられると、注射をしてもらおうと人々が研究室 に殺到した。アメリカ、ロシアからもやってきた。

こうして世界から寄付金が集まり、パスツール 研究所が創設されることになった。

こうして世界から寄付金が集まり、パスツール 研究所が創設されることになった。

この少年については後日談がある。大人になっ

この少年については後日談がある。大人になっ

てパスツール研究所の守衛となるのだ。博士は 1895年に亡くなっていたが、第二次世界大戦で 1940年にドイツ軍がパリに侵攻した際、マイス ターは独兵士たちが研究所に入るのを阻止しよ うとした。博士は1870年の普仏戦争でフラン スが負けた時ドイツ嫌いになったというから(そ れでフランス産のうまいビールを造る!と奮起し たとも)、頑張って研究所を守っただろう。マイ スターはしかし家族が疎開途中で爆撃の犠牲に なったと知り自殺する。彼のインタビューの録音 が残っていて「犬に噛まれパスツール博士に会お うと病院をまわったが、医師たちは博士の居場 所を教えようとしなかった。博士は医学界には 敵が多かった」と言っている。化学者だったパ スツールが、医師たちに手術器具の消毒や手洗 いなど衛生を説き、ワクチン開発をするのを医 師たちは快くみていなかったのだそうだ。今日で は世界33ヵ国に研究所があり。ノーベル賞受 賞者も10人以上輩出するなど、いうまでもなく 世界最高峰の研究機関のひとつとなっている。

パスツール没後、政府はパンテオンに祀るこ とを提案したが、妻マリーはパスツール研究所 の地下廟を希望した。今はふたりともここに 眠る。国葬はノートル・ダム大聖堂で行われた。 ブドウ、羊(炭疽病)、鶏(コレラ)、ウサギ(狂 犬病)など、博士の科学的発見が、モザイク で描かれている。

パリのパスツール博物館 2028年11月まで工事のため閉館。パリ高等師範 学校の教授時代、同校に30年間暮らしたパスツー ルだが、パスツール研究所ができると所内のアパル トマンに移り、亡くなるまでの7年間を過ごした。 博士の孫が1935年に祖父母の所持品、約9千点 を科学アカデミーに寄贈。1936年パスツール博物 館としてオープンした。

Musée Pasteur: 25 rue du Dr Roux 75015 Paris www.pasteur.fr/fr/institut-pasteur/ musee-pasteur

Musée Pasteur - ©Olivier Panier des Touches
Collection Musée Pasteur
Poulet au vin jaune et morilles

【シネマ】Histoires parallèles 理解されない巨匠の遊び心。

先のカンヌ映画祭でコンペティション部門 に選出された一本。監督はカンヌの常連で、 『英雄の証明』はグランプリ、『セールスマン』

は脚本賞と、高確率で受賞も果たしてきたア スガー・ファルハディだ。近年は外国映画も

手がけるイランの巨匠だが、本作ではフラン スの有名俳優を贅沢に起用。主な舞台はパ リのレピュブリック広場近くのアパルトマンで ある。

小説を執筆中のイザベル・ユペール扮す

る作家は、自宅のアパルトマンから向かいの

窓を観察し、想像力をかき立てる。覗き見さ

れるのは、ヴィルジニー エフィラ、ヴァンサ ン・カッセル、ピエール・ニネが扮する効果

音の制作スタッフ。作家が創作する物語は、

現実にも影響を与えてゆくようだ。

今年のカンヌで は、アルモドバル、 是枝と並び、珍し く低評価をくらっ た 三人 の 重鎮 の

うちの 一人に。 と はいえ、本作に関 しては擁護をした い。この作品はク シシュトフ キェシ ロフスキ監督のデ カローグ第6話の

リメイク。愛と嫉妬に彩られた心理サスペン

スだが、演技はやり過ぎ感があり、演出も確

信犯的な遊び心が感じられた。カンヌの記

者会見では、監督が俳優たちと軽やかに映

画作りを楽しんでいた様子も伺えた。 その昔、アニエス・ヴァルダやシャンタル・

アケルマンがコメディを撮った時、かなり酷

評だったと聞く。監督が元来のイメージと乖

離した作品を撮ると、ついていけない観客も 多そうだ。シリアスな作風で知られるファル ハディの場合、“遊び心”なるものは求められ ていないのかもしれない。だが、どんな監督 も冒険をして、時には失敗する権利もあるだ ろう。虚実が乱反射する群像劇だが、パズ ルのように幻惑的な世界を積極的に楽しんで ほしい。(瑞)

Cinéma

「アルプスの画家」として知られるイタリア 人山岳画家、ジョヴァンニ セガンティーニ (1858-1899)は、オーストリア ハンガリー

帝国に生まれ、8歳の時に両親を亡くして孤 児となった。路上生活をしたり、預けられた 先の親戚が貧しくて学校に行けなかったとい

う厳しい少年時代を送ったが、周りから絵の

才能を認められ、ミラノの美術アカデミーで 学んだ。さらに幸運なことに、ミラノで有数 の画商から注目され、彼の絵はヨーロッパ中

に広まった。ただ、彼を引き取った異母姉が イタリア国籍を取得する手続きをしなかった ため、無国籍で、正式に結婚できず、パスポー トも持てなかった。読み書きができるように なったのも30代になってからだった。人生で さまざまな苦難に遭っても、彼の絵は明るい。

山岳地帯で描かれた清々しい空気、静かな水、 住民と動物の平穏な生活から、自然の中で

concert

concert

Ian Bostridge “Dowland”

イアン・ボストリッジ のCD「Songs From Our Ancestors」には 『Flow my tears』など ダウランドの曲が5曲 おさめられている。 (Naxos/28€前後)

最新アルバム 『Words Fall Short』 Decca/18€前後。

ジョシュア・レッドマンはカリフォルニア生まれ で、父親は、オーネット・コールマンやキース・ジャ レットとの共演で知られるデューイ・レッドマン、 母親はダンサーという恵まれた環境で、クラシッ ク、ジャズ、民俗音楽などをききながら育つ。10 歳からサックスをはじめる。彼をはじめて聴いた のは30年以上前、ピアノにブラッド・メルドー、 ベースにクリスチャン・マクブライド、ドラムスに ブライアン・ブレイドが加わるというゴールデンカ ルテットだった。柔軟でいながら強じんなリズム に支えられ、とても20代半ばとは思えない、テ ナーサックスならではの表現豊かな演奏を展開し、 熱い拍手がわいた。

7月にパリ公演というので、レッドマンの最新 アルバム『Words Fall Short』(写真)を聴いて みた。いずれもまだ20代で才能豊かな、ピアニ ストのポール・コーニッシュ、ベーシストのフィリッ プ・ノリス、ドラマーのナジル・エボを率いてのカ ルテット**。いつもながらのアドリブのフレーズの 巧みさ、サウンドの美しさ、今のジャズを代表す るサックス奏者だ。(真) 7月6日19h/21h30。35.2€。

Rosario

パリのスペイン

パリのスペイン

レストラン事情に

レストラン事情に

新風 を、 という3

人の同志が集まっ

新風 を、 という3 人の同志が集まっ

て生まれたロザリ オ。オペラ座から

て生まれたロザリ オ。オペラ座から

徒歩圏内 に 突如

徒歩圏内 に 突如

現れるタイル張り

現れるタイル張り

の真っ赤な店構え

はスペインの街角

の真っ赤な店構え はスペインの街角

で見かけそうな外

で見かけそうな外

観そのものだ。シェ

フはガリシア地方

観そのものだ。シェ フはガリシア地方

ビーゴ出身のホセ

マリア・ゴニ・マ

ビーゴ出身のホセ マリア・ゴニ・マ

14日20h30。29 € ~ 89 €。 Salle Gaveau : 45 rue Boétie 8e 01.4953.0507 M°Miromesnil sallegaveau.com/event-pro/ian-bostridgetenorfretwork/ *www.youtube.com/watch?v=LQIc9faWfJc Ensemble Musica Ficta による演奏。 ** www.youtube.com/watch?v=qXfxY4QmENU ジョルディ・サヴァールによる名盤。

New Morning : 7-9 rue des Petites-Ecuries 10e M°Château d'eau www.newmorning.com/accueil?langue=en ** www.youtube.com/watch?v=w9b_T94_jZs

【展覧会】ジョヴァンニ・セガンティーニ「私の山々が見たい」Je veux voir mes montagnes

生かされていることへの感謝が伝わってくる。 コミッショナーによれば、セガンティーニに宗 教色はないが、自然信仰、アニミズムに近い ものがあったという。農民を描いたミレーが 彼にとって大切な画家だった。一見、風景を そのまま描いたように見えるが、よく見ると遠 近が不自然だ。見たものを一旦解体して、心 の中の山岳風景を描いたのだろう。会場の地 下では、セガンティーニのファンだというアン ゼルム・キーファーがセガンティーニに捧げ た絵4点が展示されている。セガンティーニ が死ぬ時に発した言葉「私の山々が見たい」

がイタリア語で書き入れてある。(羽)8月16 日まで。

Musée Marmottan Monet 2 rue Louis-Boilly 16e

火~日 10h-18h 木 10h-21h(入館 20hまで) 常設展込みで 14.5 € /10 € www.marmottan.fr tel 01.4496. 5033

ルティネス。美食の街で名高いバスク地方サンセバスチャンで技 術を磨き、スペイン最多のミシュラン星獲得シェフであるマルティ ン ベラサテギのもとで功績を上げた経歴も持つ。  小皿料理もメインも、好きな数だけ取って自由に取り分けられ るのがスペインバル文化のいいところ。パン コン トマテ(3.5€) の微かな燻製香は、燻製パプリカのピメントンによるもの。ギン ディーヤ唐辛子の酢漬け アンチョビ オリーブの串刺しのヒルダ (3.5€)はバスクピンチョスの定番で、アペロのスタートに欠かせ ない。シシトウに似たパドロン青唐辛子の素揚げ(9€)も必須だ。 名物トルティーヤ(12€)は、8時間炒めた玉ネギとジャガイモ、ピー マンが中からとろりとあふれ出る。刻んだトマト、ピーマン、玉ネ ギなどをオイル&ヴィネガーで和えたサルピコンは、魚介類によく 添えられるソースの一種。新鮮 いただけのラングスティーヌに かさを添えている(13€)。

イベリコ豚のグリル(17€) は肉そのものの旨みに加え て炭火ならではの 香ばしさ がたまらない。デザートにはシ グネチャーのバスクチーズケーキ (9€)。コクがあるのに重くない風 味 ととろける食感 がサンセバス チャンの旧市街に連れて行ってくれる。 ビールはサンミゲル(4€)、赤ワインのソーダ割りで夏の定番ティ ント デ ベラノ(8€)、太陽を感じるフミーリャ産の赤ワイン(7€) など、ドリンク類も魅力的だ。  満腹で断念したイベリコ豚の頬肉 のカカオと

バスク チーズケーキ

ルティネス。美食の街で名高いバスク地方サンセバスチャンで技 術を磨き、スペイン最多のミシュラン星獲得シェフであるマルティ ン ベラサテギのもとで功績を上げた経歴も持つ。  小皿料理もメインも、好きな数だけ取って自由に取り分けられ るのがスペインバル文化のいいところ。パン コン トマテ(3.5€) の微かな燻製香は、燻製パプリカのピメントンによるもの。ギン ディーヤ唐辛子の酢漬け アンチョビ オリーブの串刺しのヒルダ (3.5€)はバスクピンチョスの定番で、アペロのスタートに欠かせ ない。シシトウに似たパドロン青唐辛子の素揚げ(9€)も必須だ。 名物トルティーヤ(12€)は、8時間炒めた玉ネギとジャガイモ、ピー マンが中からとろりとあふれ出る。刻んだトマト、ピーマン、玉ネ ギなどをオイル&ヴィネガーで和えたサルピコンは、魚介類によく 添えられるソースの一種。新鮮 いただけのラングスティーヌに かさを添えている(13€)。 イベリコ豚のグリル(17€) は肉そのものの旨みに加え て炭火ならではの 香ばしさ がたまらない。デザートにはシ グネチャーのバスクチーズケーキ (9€)。コクがあるのに重くない風 味 ととろける食感 がサンセバス チャンの旧市街に連れて行ってくれる。 ビールはサンミゲル(4€)、赤ワインのソーダ割りで夏の定番ティ ント デ ベラノ(8€)、太陽を感じるフミーリャ産の赤ワイン(7€) など、ドリンク類も魅力的だ。  満腹で断念したイベリコ豚の頬肉 のカカオと赤ワイン煮込みや レモン 風味のアロス コン レチェ オリジ ナルのチョコレートムースも気になる。 お昼はメインとデザートで23€という 楽しみ方もあり。次はいつ行こうか、 すでに待ち遠しくて仕方がない。( み)

Midi dans les Alpes 1891 Huile sur toile 78 x 71,5 cm Segantini Museum, Saint-Moritz, dépôt de la Fondation Otto Fischbacher-Giovanni Segantini, Saint-Gall © Stephan Schenk, Segantini Museum

Turbotin en papillote

Turbotin en papillote

小さなヒラメを蒸し焼きにすれば、繊細な味わいにうっとり。

ヒ 小さなヒラメを蒸し焼きにすれば、繊細な味わいにうっとり。

ラメturbotは高級魚だが、魚屋にturbotin とよばれる一尾700グラムちょっとの小さめの ヒラメが並んでいる。小さめということもあってキロ27 ユーロはお買い得だ。4人分として2尾買いもとめ、魚 屋におろしてもらうと、1尾から4枚、合わせて8枚に なる。皮も切りはずしてもらい、忘れずに頭、骨、皮 も持ちかえる。これでフュメ・ド・ポワソンfumet de poissonというだしをつくるからだ。 まずそのだしをつくることにしよう。頭、骨、皮を 鍋にとり、それがすっかりかぶるように水を注ぐ。中 火にかけ、沸騰してきたら、あくを丁寧にとりのぞく。

輪切りにした長ネギ1/4本、薄く輪切りにしたニンジ ン少々、パセリの茎2、3本、ローリエの葉1枚を加え る。ふたをして弱火で40分ほど火を通していく。とちゅ う水気が減りすぎているようなら水を足せばいい。こ れをこして冷ませばフュメ ド ポワソン。

ラメturbotは高級魚だが、魚屋にturbotin とよばれる一尾700グラムちょっとの小さめの ヒラメが並んでいる。小さめということもあってキロ27 ユーロはお買い得だ。4人分として2尾買いもとめ、魚 屋におろしてもらうと、1尾から4枚、合わせて8枚に なる。皮も切りはずしてもらい、忘れずに頭、骨、皮 も持ちかえる。これでフュメ・ド・ポワソンfumet de poissonというだしをつくるからだ。 まずそのだしをつくることにしよう。頭、骨、皮を 鍋にとり、それがすっかりかぶるように水を注ぐ。中 火にかけ、沸騰してきたら、あくを丁寧にとりのぞく。 輪切りにした長ネギ1/4本、薄く輪切りにしたニンジ ン少々、パセリの茎2、3本、ローリエの葉1枚を加え る。ふたをして弱火で40分ほど火を通していく。とちゅ う水気が減りすぎているようなら水を足せばいい。こ れをこして冷ませばフュメ ド ポワソン。

ソトゥーズや小さめのフライパンにバターをとって中火にかけ、 とけたら小麦粉を入れ、よく混ぜ合わせて数分いためる。フュメ・ ド ポワソンを少しずつ混ぜ入れていき、味がまろやかになるよ うに生クリームも入れ、レモン適量をしぼり入れ、塩、コショウ で味を調えれば極上のソースになるだろう。小鍋やソース入れに とって湯せんにかけ、冷めないようにしておきたい。

ソトゥーズや小さめのフライパンにバターをとって中火にかけ、 とけたら小麦粉を入れ、よく混ぜ合わせて数分いためる。フュメ・ ド ポワソンを少しずつ混ぜ入れていき、味がまろやかになるよ うに生クリームも入れ、レモン適量をしぼり入れ、塩、コショウ で味を調えれば極上のソースになるだろう。小鍋やソース入れに とって湯せんにかけ、冷めないようにしておきたい。

30cmx30cmに切ったアルミホイルを4枚用意する。中央のと ころに、エシャロットのみじん切り、ニンジンの薄い輪切り、シ ブレットのみじん切りを敷き、塩、コショウしたヒラメのおろし身を、

30cmx30cmに切ったアルミホイルを4枚用意する。中央のと ころに、エシャロットのみじん切り、ニンジンの薄い輪切り、シ ブレットのみじん切りを敷き、塩、コショウしたヒラメのおろし身を、 ヒ

30分 でフランス料理 ⑦

アスパラガスとエビ入りのフジッリ

らせん形をしたショートパスタ、フジッリは、 オリーヴ油やソースの風味がよくからむから、 グリーンアスパラガスとゆでエビと組み合わせ てみた人気のレシピです。

電気ポットに1リットル半くらいの水を入れて 沸騰させたら鍋にとる。強火にかけ、塩適量 を加え、2人分としてフジッリ200グラムを入れ

一人当たり2枚置く。オリーブ油をひと筋かけ、レモンの輪切り をのせ、ホイルをたたみながら縁を折りたたんできちんと閉める。 これを沸騰している蒸し器に入れると8分から10分で蒸し上がる。 蒸しすぎるとせっかくの白身が固くなる。ホイルごと皿にとり、塩 ゆでしたジャガイモとサヤインゲンを脇におき、ソースを添える。 ワインはあまり辛口でない白、サンセールなら文句なし。(真)

4人分:小さめのヒラメ2尾、エシャロット3個、ニンジン小1本、シブレッ ト適量、レモン、オリーブ油、塩、コショウ ソース:バター50g、小麦粉40g、フュメ・ド・ポワソン約半リットル、 生クリーム大さじ2杯、レモン少々、塩、コショウ

Poisson plat

てかき混ぜる。再沸騰したら中火にする。パッ ケージに記してある11分ではあまりにアルデン テ、16分くらいゆでた方がいい。

アスパラガス5、6本は、根元5、6センチの 固いところを切りとり、皮むきナイフで根の方の 筋っぽい外側をむきとったら小さめにはすに切 り、フライパンにオリーブ油を多めにとって中火 でいためていく。5分ほどたったらみじんに切っ たニンニク2片を入れる。さらに3分ほどたった ら 、殻をむいて切り分けておいたゆでエビを 加え、白ワイン(あるいは水)を大さじ4杯加 えて混ぜ合わせる。塩、コショウを振る。  パスタがゆで上がっている。パソワールに あけて水気を切り、アスパラガス+ゆでエビに 加え、大きく混ぜ合わせる。きざんだパセリや バジリコを振りかけ、おろしたパルメザンチー ズを添えて食卓へ。(真)

*調理時間は30 分以内。

魚屋に並んでいる平たい魚 poisson platといえば、まずヒラメ turbot。そのしまった白身のおいし さは比類がない。その分、キロ40 ユーロ前後はする。最近は安めの養 殖ものもあるけれど、刺身にするな らやはり天然ものにしたい。ヒラメ の親戚で小さめのbarbueもヒラメに 負けない味だ。ヒラメ科の魚は、皮 の色が濃い方を上にして置くと頭が 左にくるが、カレイ科の魚は頭が右に くる。carreletやlimandeがカレイ 科の魚で、ヒラメよりかなり安めだが、 なかなかうまい。大きめのカレイが あったりしたら、おろしてもらって刺 身!ちなみに舌ビラメsoleもカレイの 仲間です。

データセンター建設への批判

データセンター誘致候補地(2025年11月経済省の資料 「Implantation des centres de données」より) *丸の大きいものが規模が大。赤丸は電力規模が大。

電子通信・郵便・新聞流通規制機関(ARCEP) は5月21日、データセンターの温室効果ガスの 排出量および電力消費が増加し続けているとの 調査結果を発表した。環境への影響に対し、 国が主導するデータセンター建設推進への批判 の声が高まっている。

そのなかでARCEPは、仏国内の約半分にあ

マリンランドのシャチとイルカは スペインへ。

南仏アンティーブのマリンランドの所有者である 西Parques Reunidos社は5月15日、シャチ2頭 とイルカ12頭を6月末にスペインに移送すると明ら かにした。同テーマパークは、海の哺乳類の捕獲・ 飼育・ショーを禁じ る2021年法により 25年1月に閉館。

マリンランドのビデオから。

Marineland/CôtedAzur

ネットなどで区切っ た保護区域を地中 海に設置してこうし た哺乳類を受け入 れる計画が停滞す るなか、シャチ親 子2頭はカナリア諸 島の動物園に、イ ルカ12頭はバレン シアとマラガの動物園 に移送されることになった。ただし、イルカ12頭 は仏中部のボーヴァル動物園に来年4月完成予定 のイルカ専用の人工湖に戻ってくる予定だ。

Parques Reunidos社は同水族館の水槽の状態 の悪化から移送が火急と説明しているが、シーシェ パードなどの動物保護団体は、同社は水族館の跡 地利用を急いでいるのであり、地中海の保護区域 完成を待つべきと批判している。

がフランスで

たる160のデータセンターの温室効果ガス

の合計排出量が2022年には4%、23年に は13%増、24年は23%増と、年々増加度 合いが増していると指摘した。電力消費も 2022年は14%増、23年には8%増、2022 年に12%増加して2.7テラワット時(TWh) に達した。

マクロン大統領は昨年2月にパリで開催 された人工知能(AI)アクションサミットで、

1090億€を投資して国内のデータセンター の建設を推進すると宣言。同時に欧州連合 (EU)も大規模データセンターの設置に約

2000億€を投資すると発表したこともあり、

通信やクラウド関連など28の仏企業が企業連合 「AION」を設立し、より大規模なデータセンター の建設を推進している。仏送電事業者RTEは、

最近はボルドー市の電力消費量に相当する100 ~200メガワットから、原子炉1基分の発電量 に相当する1ギガワット(GW)のデータセンター の電力供給に関する問い合わせを受けることも

チキンのファストフード店出店が 政治対立に発展。

グリルチキンをベースにしたファストフードの出 店をめぐって、思わぬ政治対立が起きて話題になっ た。ことの発端は4月、蚤の市で有名なパリ郊外 サントゥアンのカリム・ブアムラヌ市長(社会党) が “Master Poulet”(50店舗展開)の出店に反 対したこと。騒音や臭いが住民に迷惑、「健康に 害のあるジャンクフード」とSNSに投稿した動画 でこき下ろし、セメントブロックを置いて入口をふ さいだり、閉店を求めて提訴。それに猛反発した のが「服従しないフランス(LFI)」党のバリー・バ ガヨコ=サンドニ市長。ブアムラヌ市長が市の“ブル ジョワ化”のためにファストフード店を攻撃し、大 衆層を侮蔑しているとした。もも1本が2.5€、1羽 全部でも7.5€(+ポテト2.5€)と、物価高に苦し む庶民に優しい価格。チキンカツと白米セットで 9€がウリの“Tasty Crousty”(60店舗)も人気だ。

今回は左派市長ふたりのバトルが効果の大きな宣 伝になった。パリから買いに行く人も珍しくない。

高まる。

増えているという。

このようにAI時代に対応した「より大きく、よ り多く」のデータセンター建設の流れに住民の 反対の声も上がり始めた。マクロン大統領がぶ ち上げた「AIキャンパス」は、欧州最大1.4ギガ ワットのデータセンター 11棟(90ha)をパリ郊 外セーヌ エ マルヌ県のフジュ町(人口655人) に建設する計画で、投資額は500億€。だが、 野鳥保護連盟、農民同盟、環境保護団体らが 農地の人工化、環境破壊、騒音、大量の電力 消費などを理由に反対。仏本土にはすでにパリ 首都圏の160 ヵ所を含む350以上のデータセン ターがあるが、ここ5年、さらに建設が加速して いる。国の地方自治体への補助金が減少する なか、自治体にはデータセンター受け入れによ る税収増加の目論見もある。しかし、環境 へ の負荷、土地や水といった自然資源の独占、 電力供給不安のため、現在仏各地でおよそ15 件のプロジェクトに対して反対運動が起きてい る。将来的にデータセンターと住民とが電気や

パリの幼稚園の性暴行疑惑で 一挙に16人逮捕。

国営放送は4月にも幼稚園での性的暴行をとりあげていた。

5月20日、パリ市の公立幼稚園における性的暴行 疑惑で18~68歳の16人が一斉に逮捕された。  1月末の国営TVの調査報道番組「 Cash Investigation」でパリ7区サン・ドミニク幼稚園 の学童保育における身体的・性的暴力が暴露され たことをきっかけに捜査が本格化。今回の16人検 挙で一つの山を越えた形だ。未成年への強姦、性 暴行、暴行などの容疑で逮捕されたのは、幼稚園 担当職員3人、市の学童保育責任者3人と学童保 育の契約指導員10人。学童保育は近隣の複数の 幼稚園や小学校と共同で行われたり、指導員が移 動することもよくあるため被害が広がった。検察 によると被害は幼稚園84校、小学校20校に及ぶ。 この問題が拡大するなか、3月就任したグレゴワー ル新市長は5月11日に異例の謝罪発言。パリ市は1 月以降これまでに78人のスタッフを停職処分にし ている。一部ではすでに裁判も始まっているが、 全貌解明には時間がかかりそうだ。

水の奪い合うようになるという懸念もある。そう した懸念に対し、たとえばパリ北郊外ブルジェ の市民団体は、英企業が建設予定のデータセ ンターに関して公聴会も開催されないと不満を 露わにし、1.8万人の署名を集めた。しかし、デー タセンターを推進したい政府は、4月に成立した 経済界簡素化法にデータセンター設置に関する 諸規則を緩和することを盛り込んだ。データセ ンターが重大な国益を体現する計画と認定され れば、都市計画法への適合が簡略化され、送 配電工事の加速化などの恩恵を受けられる。  写真や動画などの大量のデータを保存するク ラウドのためのデータセンターから、今ではAI に必要な高性能GPU(画像処理半導体)や特 殊な冷却技術、大容量ストレージを持つAIデー タセンターが求められている。これからのAI時 代に対応するためにデータセンター推進に完全 に舵を切る前に、限られた自然資源を使用する に値するAI使用か否かを冷静に判断する必要 があるのではないだろうか。(し)

フランス映画界にも激震 #Zappons Bolloré

左:サントゥアン市のブアムラヌ市長

カンヌ映画祭初日、メディア王ヴァンサン・ ボロレ氏の、フランス映画界における影響力 拡大を危惧する声明#zappons bolloréが 映画人600人の署名を集めてリベラシオン紙 に掲載された。極右思想で知られるボロレ氏 は、新聞・雑誌、TV・ラジオ局、広告代理店、 ジャーナリスト学校、駅内キオスクまでをグルー プ傘下に持つ。映画分野では有料チャンネル Canal+や動画プラットフォームDailymotion を掌握。シネコンUGCの100%買収も予定し ていることに不安の声があがった。ボロレグ ループのTV局CNewsは差別発言などの問 題が絶えず、出版分野でも4月に傘下のグラッ セ出版の社長を解雇し物議をかもしたばかり。  この声明文に対し、グループ傘下のCanal +サアダ社長は「署名した人とは今後仕事をし ない」と表明。Canal+はフランス映画への投 資額が最多の企業で、今年のカンヌ出品作 43本に出資していたというから映画界には衝 撃だ。しかし署名者をボイコットするというサア デ社長の発言は、署名者の不安が正当であ ることを証明してしまった。ケン・ローチ監督、 アキ・カウリスマキ監督、俳優ハビエル・バル デムらも賛同するとして署名は3500人にふく らんだ。来年の大統領選挙で極右が政権をと ることが危ぶまれているだけに表現の自由をめ ぐる闘いは激しくなりそうだ。

A G E N D A

ÉVÉNEMENTS

● 6月5日(金)〜7日(日)

Rendez-vous aux jardins

文化省主催、欧州 22ヵ国2800の庭 園や公園が参加す る2年に1度のイベ ント。今年のテー マは「庭における 五感:視覚」。視 覚障害者も楽しめ る庭(香り、鳥の 声、植物の触感、 風、陽光など視覚 以外の感覚を刺激 する庭)についての考察や、ルネサンス期から建築 家や作庭家が用いるようになった遠近法やアナモ ルフォーズな錯視の技術などに関しても学べる。プ ロによる園芸、作庭ノウハウの伝授も。

https://rendezvousauxjardins.culture.gouv.fr

● 6月6日(土)〜28日(日)

« La Caverne du Pont-Neuf » de JR

大きく引き伸ばした写真を使った巨大インスタレー ションで知られるアーティストJRが、ポンヌフ橋を 巨大な洞窟に。2023年にオペラ・ガルニエのファ サードを洞窟の入口にした〈洞窟シリーズ〉第二弾 であり、41年前に13人の技師と300人の技術者と 共にこの橋を41800㎡の布でラッピングしたクリ ストとジャンヌ=クロードの作品「The Pont Neuf Wrapped」へのオマージュでもある。期間中毎 日、24時間鑑賞可能、無料。歩行者はポンヌフ橋 も、セーヌ河岸遊歩道も通行可能。車両は通行規 制あり。JR公式サイト www.jr-art.net/

● 6月8日(月)〜12日(金)

Le collectif X Y à la Défense

ラ・デファンスのビルに囲まれた大きな広場が、 現代サーカス集団「XY」の舞台に。芸術的アク ロバット・パフォーマンス「Möbius」(6/9。 Grande Arche前で12h30と18h30)、通り がかりの人も巻き込むパフォーマンス「Les Voyages」(8日18h。CNITビル内。18h30はシ ョッピングセンターWestfield Les 4 Temp内。 ほかは抜き打ち)。10日(水)16h45–18hは アクロバット教室(CNIT内)。15歳以上。5€。 予約➡︎https://my.weezevent.com/acrobatesdun-jour-avec-le-collectif-xy Parvis de La Défense M°La Défense

● 6月10日(水)〜21日(日)

L a Quinzaine en salle 2026

カンヌ映画祭と並行 して行われる〈監督 週間〉。今年上映さ れた新作と過去の 名作を上映!今年は フランスで愛され上 映され続ける大島 渚監督『愛のコリー ダ』のカンヌ出品50 周年にあたり、6/17 に特別上映。同作 品に関するドキュメンタリーと2本立て(どちらも 16歳未満禁)。

FORUM DES IMAGES:Forum des Halles

2 rue du Cinéma 1er  M°Les Halles 7.5€/6€/5€/4€。パスForum Quinzaine (25€)を買えば見放題。www.forumdesimages. fr/la-quinzaine-en-salle-2026

6月11日(木)〜7月19日(日)

●

Coupe du Monde FIFA 2026 今年のサッカーW杯はメキシコ、カナダ、米3ヵ 国16都市で開催。日本はグループFで対オランダ

(6/14)、対チュニジア(6/20)、対スウェーデン (6//25)から。仏はグループIで対セネガル(6/16) 対イラク(6/22)、対ノルウェー(6/26)など。 www.fifa.com

● 6月13日(土)、14日(日)

Sumo - Tournoi de Paris パリで30年ぶりの大 相撲!チケットを購入 されていない方はお早 めに。

Accor Arena (Bercy) 12e M°Bercy  予約:www. aegpresents.fr/event/ sumo-paris2026/ (81€〜2071.50€。

1人4席まで)

● 6月10日(水)〜13日(日)

Japan Village Paris 2026 シネマテーク前の広場に日本村が出現。10日〜13 日(12h-20h)阿波踊りワークショップ、阿波人形 浄瑠璃、工芸物産フェアなどがたのしめます。

Place Léonard-Bernstein 12e M°Bercy

● 6月21日(日)

Fête de la musique 毎年、夏至の晩は音楽の祭! https://fetedelamusique.culture.gouv.fr/

● 6月21日(日)〜9月14日(月)

Retour de la vasque des JO 2024年のパリ五輪で毎晩多くの人を魅了した 気球型の聖火台が、この夏もチュイルリー公園に カムバック。 今年の初飛行は21日。 詳細はサイトを参照 ➡︎ vasqueparis2024.fr

EXPO

● 7月6日(月)まで K-Beauty 今年は仏韓の国交樹立140 周年で韓国関連の催しが多 数。ギメ美術館では「韓国の 美」についての展覧会。17 世紀のスキンケア指南書か

●

ら儒教のもと浸透した美の規準、18世紀の美人 画、韓流ブーム、K-Beautyまで。

Musée Guimet:6 Pl. d'Iéna 16e M°Iéna www.guimet.fr 火休。 10h-18h。15€/12€。

7月26日(日)まで Sèvres, une passion Rothschild. De la Villa Ephrussi à Paris 〈セーヴル磁器、ロチ ルド家の情熱 〜エフ ルッシ館からパリま で〜〉展。ロチルド家 が代々形成してきたセ ーヴル磁器のコレクシ ョンを、同家の邸宅を 再現した会場で公開。 国立セーヴル磁器製作 所、芸術アカデミー、 モビリエ・ナショナル 共催。ゴブラン製作所ギャラリーで開催中。 Galerie des Gobelins / Mobilier national: 42 av. des Gobelins 13e M°Les Gobelins www.mobiliernational.culture.gouv.fr/ 月休。11h-18h 8€ / 7€。ガイドつき見学(水、 土日〜約1時間25分)は14€ / 9€。

● 2028年1月2日(日)まで Frontières

科学産業博物館で「国境」展。資源や富、領土を 求め争われた結果引かれた、人為的で流動的な国 境。富める国・貧しい国の人では国境を超える難度 は違う。常に緊張状態にあるメキシコ−米、韓国− 北朝鮮、露−ジョージア、資源を求めリスクを冒す 人々がいるニジェール−アルジェリアなどの国境。 越境を試み死ぬ人の数が最多ちおう欧州の境界線 など「フロンティエール」は理不尽だ。この世界を 今後どうするのか。考えさせられる展覧会だ。 Cité des sciences et de l’industrie 30 avenue Corentin Cariou 19e M°Porte de la Villette www.cite-sciences.fr 月休。火 - 土:10h-18h。日-19h。15€/12€。

Atelier JR
Les Voyages – Expérience 19 北アイルランド公演 Photo Samuel Buton

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