オヴニー・パリの新聞





引いてある。 "バカンス中の仕事場" は博士 の小さな寝室のとなりにあっ て、夜中に目を 覚ますとここ で過ごしたという。 ナポレオン3世の依頼でワ インの酸化について研究し、 低温殺菌(pasteurisation) を開発した後も、博士は近く の村にブドウ畑を買い、地元 のワイン生産者たちの協力の もと、ブドウの病気や発酵の 研究を続けた。その畑に行っ てみると、バラが 咲き、鈴虫 たちが鳴いていた。青空の下 の 研究室(畑)を訪れた後、 口にふくんだジュラの地酒は また格別の味がした。(六)










[特集]spécial パスツール博士の故郷、ジュラへ。
パスツール博士の故郷、

ルイ・パスツールは1822年、 フランス東部ジュラ県 のドー ルで生まれた。父方の 祖先は17~18世紀は同県ルミュイ村 の粉挽き、母方の実家も同県マルノ村と、 ジュラに 根を張っ た一族 の末裔だ。 ルイの父親ジャン ジョゼフはナポレオン の軍隊を離れた後1816年、 ドールに皮なめしの 作業所と店

ルイ・パスツール生家の前を流れる運河。水が澄み、水中の魚た ちがよく見える。生家は左岸。今は遊歩道があるが、パスツール の時代は、建物が直接水に接していた。 ドールの家の階下には、皮なめしの 作業所が今でも保存されている。
を構えた。運河沿いに10軒ほど同業 者 が 集まった一角で、建物は運河に
接し、 その水 に動物の皮を浸して洗
浄した。今も建物の 地下に保存され た作業場を見ることができる。革 の 乾燥は最上階、最終加工は一階。ル
イが生まれたのも一階の部屋だった。
通り沿 いの 壁には、 パスツールの
生家であることを示すプレートがある。
博士は1883年、61歳でこのプレート
アルボワの実家/ バカンス(と研究)の家。

Montigny-les-Arsures
Le Clos de Rosières - La vigne Pasteur
パスツール家はルイが7歳の時アルボワに引っ越してき た。 やはり父親の 仕事 のための川沿 いの 家。 ルイは特 に勉強ができる子ではなかったがパステル画に秀で、20 歳くらいまでに家族やアルボワの市長や金物屋など、町 の人々の肖像画を描いた。 じっくりと観察し丁寧に描き こんだ肖像画は40点ほど今に残っており、パリ、ドール、 アルボワで見ることができる。アルボワの中学校、ブザ ンソン王立中学校からパリ高等師範学校へ進学。1849

アルボワの家で家族と。 Collection : Musée Pasteur


パスツールのブドウ畑。プレートに「1878年に パスツールが実験を行った」と書かれている。 パスツールの畑のブドウで造られるワイン。
年代行教員としてス トラスブール 大学 に 迎えられ そこで出 会 った 大学学区長 の 娘マリー 5 ヵ月後 に結婚、5人の子ども に 恵 まれる。妻 マ
ジュラへ。

の除幕式に参加し、「父よ、母よ、 今 は 亡き私 の 愛 する人 たち す べてはこの小さな家で、つつまし く暮らしたあなた 方のおかげで す.....」と重労働に携わりながら自 分 を 育 ててくれた 親 を 讃 えた。 博物館内にはパスツールの 代表 的な実験の数々がジオラマととも に紹介されている。 パスツールの記念切手、勲章、パスツー ルの名を冠したカマンベールチーズ、ヘアローション、テレホ ンカードまでが展示されている。

ルイ・パスツールが描いた母ジャンヌ=エチエネットと、 父ジャン=ジョゼフ・パスツール。 Collection : Musée Pasteur
Maison natale de Louis Pasteur : 43 rue Pasteur 39100 Dole Tél : 03.8472.2061 www.terredelouispasteur.fr 2/7から11/1は毎日開館。 ・5〜9月は9h30-12h30/14h-18h(2〜4月と10月は14h-18h)。 ドール駅からは徒歩15分〜20分。

リーは実験を手伝 い、共 に旅 をし、夫 の口述した研究内容をメモした。 ルイは 46歳で脳卒中を患い半身麻痺となるが、 マリーは常にルイをサポートした。 ルイは、毎年この家に帰省した。好み の壁紙、家具、置物でブルジョワ階級ら しい 家に改造し、家の 脇 を 流 れる川の 名にちなんで、《キュイザンスの城 》と呼 んだ。サロン ビリヤード室、料理は地下の厨房からエ レベーターで上階 の 食堂 へ。上階にも応接室、子ども 部屋は晩年は孫たちの部屋に。寝室は、当時ブルジョ ワ層に多かったという夫婦別室。博士 の寝室の 壁を隔 てた研究室には、 ガスを引いて微生物の 培養室も作っ た。現存するパスツールの 研究室のなかでも、最も保 存状態がいいのだというなのだそうだ。
ルイが通った中学校。後ろの城は ワイン博物館になっている。
Maison et le laboratoire de Louis Pasteur 83 rue de Courcelles 39600 Arbois Tél : 03.8466.1172 www.terredelouispasteur.fr/la-maison-delouis-pasteur-a-arbois/ アルボワ駅からは一本道を歩いて15分ほど。
ナポレオン3世が1860年、英ヴィクトリア女王と通商
条約を締結 すると、 フランスワインは英国のワイン 市場
獲得の好機を得る。ところがワインは運搬中に酸っぱく
なるという問題 があった。皇帝は、「乳酸発酵に関する
報告」という論文を発表していたリール大学の学長パス
ツールに研究を依頼する。博士はアルボワのブドウ畑に
足を運んだり、異なるワインを顕微鏡で観察した。そこ
から ブドウ果汁 がワインになるのと、酢になるのは異
なる微生物の働きであることをつきとめ、55℃~60℃で
殺菌すればワインの劣化を避けられるとし、1865年には 特許 をとった。 この 低温殺菌は、 パスツールPasteur
の 名をとって pasteurisationと命名された。今 はワイ ンには使われないが、 ビールや 乳製品には適用されて
アルボワから車で3分ほど。ロジエールの畑はパスツールの 家と同じく科学アカデミーが所有し、管理はワイナリー、アンリ・ メール社に委託されている。10年前から農業研究機関「仏国 立農業・食料・環境研究所(INRAE)」がブドウの病気の研究 を行うため、40haの南向きの畑に、シャルドネ(白)、地元 品種のトルソー(赤)とサヴァニャン(白)など約3千株を植 えた。その資金集めのため、この畑のブドウで作られたワイン 150本が科学アカデミーのカーヴからオークションにかけられ た。一体どんな味なのだろう。 パスツール生家。




いる。食品産業を大きく変える発見だった。
また、1878年7月には、パスツールの「微 生物原因説*」に懐疑的な化学者の記事が科 学誌に掲載されたため、博士 は近くの 村に実 験のためのブドウ畑を買う。ガラスの小さな温室で ブドウの果実が形成されるや、いっぽうのブドウは消毒 したガーゼで房を包み、もう片方は包まないで実が大き くなるのを待 つ。収穫、搾汁した後、 ガーゼで 包 んで あったブドウ汁は発酵せず、包まなかったブドウの汁は 発酵した。空気中にただよう酵母がぶどうに付着して発 酵をおこすのであって、ブドウの中から自然に発酵成分 が 出てくるものではないと、「自然発生説」 を覆したの だった。

ガーゼに包んだまま熟れたブドウと 包まなかったブドウ。 ドールの博物館の展示から。













Les Archives 橋の上のテラス。
Les Archives 橋の上のテラス。 キュイザンス川のせせらぎを聞きながら乾杯。
キュイザンス川のせせらぎを聞きながら乾杯。

「ビウ」をかついで行進する人たち。 ビウは100kgくらい重いことも。 ©Audrey.T-Biou

パリからの行き方
パリLyon駅からDoleまでは TGVで2h10。
ペリカンはアル ボワのシンボル。 ペリカンは食べ 物がない時は胸 部を切って子に血 を与えるといわれ、 献身と寛容、連帯な どを表すという。

ArboisやPolignyへはローカル 線で移動。
www.sncf-connect.com
アルボワ観光局
Office de tourisme et de commerce Cœur du Jura, bureau d'Arbois 17 rue de l'hôtel de ville39600 ARBOIS
Tél. : 03.8473.0134
ジュラワインの都・アルボワ ブドウ畑で試飲会

アンリ・ルメールでの試飲会。10人くらいでにぎやかに。
パスツール博士のブドウ畑を管理するワイナリー「アン リ・メール」。町の中心リベルテ広場の建物では、予 約なしでも参加できる試飲コースがある(※パスツール 博士の畑は入っていません)。
アルボワの町の、おたのしみ。
アルボワの町の、おたのしみ。
この町に品のよさを感じるのはパストゥール博士の故郷 ゆえの先入観もあるかもしれないが、緑の丘や川にかこま れた調和のとれた風景を眺めて歩いているだけで嬉しくなる ような町だ。今年は「アルボワ」ワインがAOC(原産地統 制呼称)を承認されて90年にあたり、7月18日にはその お祝い。アルボワは、シャトーヌフ・デュ・パップ、カシ、タヴェ ルなどと共にAOCの制度が始まったと同時に初めて承認さ れた6の呼称のひとつなのだ。
この町に品のよさを感じるのはパストゥール博士の故郷 ゆえの先入観もあるかもしれないが、緑の丘や川にかこま れた調和のとれた風景を眺めて歩いているだけで嬉しくなる ような町だ。今年は「アルボワ」ワインがAOC(原産地統 制呼称)を承認されて90年にあたり、7月18日にはその お祝い。アルボワは、シャトーヌフ・デュ・パップ、カシ、タヴェ ルなどと共にAOCの制度が始まったと同時に初めて承認さ れた6の呼称のひとつなのだ。
そしてこの町最大の祭といえば毎年9月の第一日曜日に 開催される「ル・ビウ」。祭の前日、ワイン生産者がよりすぐ りのブドウで巨大なブドウ(ル・ビウ=最も美しいの意)を つくり、それを神輿のように担いで教会まで行進し、アルボ ワの聖人サン・ジュストに捧げて豊作を祈る(その後はアペ リティフがふるまわれる)。近隣の4つの町でも順番に開催 されるから、ぜひ行ってみたい。今年は9/5と9/6。

Domaine Maire et Fils Rue de l'hôtel de ville 39605 ARBOIS Tel : 03 8466 1234 火〜土:10h-12h30/13h30-18h30 《予約なしでも参加可能》 ・ジュラワイン3種試飲(30分 /無料) ・ジュラワイン入門(1h /5.50€) 6種のジュラワイン 試飲 ・サヴァニャンから造られる5種のワイン(1h /11.50€) ・100% ヴァン・ジョーヌ(1h/17€)5種のヴァ ンジョーヌ。
《予約必要》 ・ワインとうまいもの(2h /大人30€/子ども 10€)。 4つの味 (甘、苦、塩、酸味) のつまみとワイ ンの組合せ。家族向き。
アンリ・メールの畑のなかでも 最高とされる畑でデギュスタシ オン。畑からして美しい。
・テロワールの道 Trajet des terroirs (2h - 39€) アンリ・メールのブドウ畑2ヵ所を車でまわり 6種試飲。

狂犬病とパスツール研究所。
狂犬病とパスツール研究所。

狂犬病にかかったウサギの脊髄を乾燥させたものを みつめるパスツール博士。狂犬病ワクチンの始まりとなる。 アルベルト・エデルフェルト画。
9歳のジョゼ フ・マイスター 少年は、パン屋を 営む父親のためにブ ラッスリーへ酵母を買い に行く途中、犬に噛まれた。少年の母親はパス ツール博士の噂を耳にし、当時ドイツ領だった アルザス地方から息子を連れてパリへ。病院を まわった末に高等師範学校で博士に会い、接 種を依頼する。パスツール博士は8年ほど実験 を重ねてきたが医師ではないから人間の接種は できない。しかし医師と相談の末、狂犬病にか かったウサギの脊髄を弱毒化したものを10日 間、14回接種することに。回を重ねるごとに毒 素の強いものを接種してゆく。接種の成功が報 じられると、注射をしてもらおうと人々が研究室 に殺到した。アメリカ、ロシアからもやってきた。
9歳のジョゼ フ・マイスター 少年は、パン屋を 営む父親のためにブ ラッスリーへ酵母を買い に行く途中、犬に噛まれた。少年の母親はパス ツール博士の噂を耳にし、当時ドイツ領だった アルザス地方から息子を連れてパリへ。病院を まわった末に高等師範学校で博士に会い、接 種を依頼する。パスツール博士は8年ほど実験 を重ねてきたが医師ではないから人間の接種は できない。しかし医師と相談の末、狂犬病にか かったウサギの脊髄を弱毒化したものを10日 間、14回接種することに。回を重ねるごとに毒 素の強いものを接種してゆく。接種の成功が報 じられると、注射をしてもらおうと人々が研究室 に殺到した。アメリカ、ロシアからもやってきた。
こうして世界から寄付金が集まり、パスツール 研究所が創設されることになった。
こうして世界から寄付金が集まり、パスツール 研究所が創設されることになった。
この少年については後日談がある。大人になっ
この少年については後日談がある。大人になっ
てパスツール研究所の守衛となるのだ。博士は 1895年に亡くなっていたが、第二次世界大戦で 1940年にドイツ軍がパリに侵攻した際、マイス ターは独兵士たちが研究所に入るのを阻止しよ うとした。博士は1870年の普仏戦争でフラン スが負けた時ドイツ嫌いになったというから(そ れでフランス産のうまいビールを造る!と奮起し たとも)、頑張って研究所を守っただろう。マイ スターはしかし家族が疎開途中で爆撃の犠牲に なったと知り自殺する。彼のインタビューの録音 が残っていて「犬に噛まれパスツール博士に会お うと病院をまわったが、医師たちは博士の居場 所を教えようとしなかった。博士は医学界には 敵が多かった」と言っている。化学者だったパ スツールが、医師たちに手術器具の消毒や手洗 いなど衛生を説き、ワクチン開発をするのを医 師たちは快くみていなかったのだそうだ。今日で は世界33ヵ国に研究所があり。ノーベル賞受 賞者も10人以上輩出するなど、いうまでもなく 世界最高峰の研究機関のひとつとなっている。

パスツール没後、政府はパンテオンに祀るこ とを提案したが、妻マリーはパスツール研究所 の地下廟を希望した。今はふたりともここに 眠る。国葬はノートル・ダム大聖堂で行われた。 ブドウ、羊(炭疽病)、鶏(コレラ)、ウサギ(狂 犬病)など、博士の科学的発見が、モザイク で描かれている。

パリのパスツール博物館 2028年11月まで工事のため閉館。パリ高等師範 学校の教授時代、同校に30年間暮らしたパスツー ルだが、パスツール研究所ができると所内のアパル トマンに移り、亡くなるまでの7年間を過ごした。 博士の孫が1935年に祖父母の所持品、約9千点 を科学アカデミーに寄贈。1936年パスツール博物 館としてオープンした。
Musée Pasteur: 25 rue du Dr Roux 75015 Paris www.pasteur.fr/fr/institut-pasteur/ musee-pasteur




















































【シネマ】Histoires parallèles 理解されない巨匠の遊び心。

先のカンヌ映画祭でコンペティション部門 に選出された一本。監督はカンヌの常連で、 『英雄の証明』はグランプリ、『セールスマン』
は脚本賞と、高確率で受賞も果たしてきたア スガー・ファルハディだ。近年は外国映画も
手がけるイランの巨匠だが、本作ではフラン スの有名俳優を贅沢に起用。主な舞台はパ リのレピュブリック広場近くのアパルトマンで ある。
小説を執筆中のイザベル・ユペール扮す
る作家は、自宅のアパルトマンから向かいの
窓を観察し、想像力をかき立てる。覗き見さ
れるのは、ヴィルジニー エフィラ、ヴァンサ ン・カッセル、ピエール・ニネが扮する効果
音の制作スタッフ。作家が創作する物語は、
現実にも影響を与えてゆくようだ。
今年のカンヌで は、アルモドバル、 是枝と並び、珍し く低評価をくらっ た 三人 の 重鎮 の
うちの 一人に。 と はいえ、本作に関 しては擁護をした い。この作品はク シシュトフ キェシ ロフスキ監督のデ カローグ第6話の
リメイク。愛と嫉妬に彩られた心理サスペン
スだが、演技はやり過ぎ感があり、演出も確
信犯的な遊び心が感じられた。カンヌの記
者会見では、監督が俳優たちと軽やかに映
画作りを楽しんでいた様子も伺えた。 その昔、アニエス・ヴァルダやシャンタル・
アケルマンがコメディを撮った時、かなり酷
評だったと聞く。監督が元来のイメージと乖
離した作品を撮ると、ついていけない観客も 多そうだ。シリアスな作風で知られるファル ハディの場合、“遊び心”なるものは求められ ていないのかもしれない。だが、どんな監督 も冒険をして、時には失敗する権利もあるだ ろう。虚実が乱反射する群像劇だが、パズ ルのように幻惑的な世界を積極的に楽しんで ほしい。(瑞)
Cinéma

「アルプスの画家」として知られるイタリア 人山岳画家、ジョヴァンニ セガンティーニ (1858-1899)は、オーストリア ハンガリー
帝国に生まれ、8歳の時に両親を亡くして孤 児となった。路上生活をしたり、預けられた 先の親戚が貧しくて学校に行けなかったとい
う厳しい少年時代を送ったが、周りから絵の
才能を認められ、ミラノの美術アカデミーで 学んだ。さらに幸運なことに、ミラノで有数 の画商から注目され、彼の絵はヨーロッパ中
に広まった。ただ、彼を引き取った異母姉が イタリア国籍を取得する手続きをしなかった ため、無国籍で、正式に結婚できず、パスポー トも持てなかった。読み書きができるように なったのも30代になってからだった。人生で さまざまな苦難に遭っても、彼の絵は明るい。
山岳地帯で描かれた清々しい空気、静かな水、 住民と動物の平穏な生活から、自然の中で


concert
concert
Ian Bostridge “Dowland”
Joshua Redman Quartet

イアン・ボストリッジ のCD「Songs From Our Ancestors」には 『Flow my tears』など ダウランドの曲が5曲 おさめられている。 (Naxos/28€前後)
最新アルバム 『Words Fall Short』 Decca/18€前後。
ジョシュア・レッドマンはカリフォルニア生まれ で、父親は、オーネット・コールマンやキース・ジャ レットとの共演で知られるデューイ・レッドマン、 母親はダンサーという恵まれた環境で、クラシッ ク、ジャズ、民俗音楽などをききながら育つ。10 歳からサックスをはじめる。彼をはじめて聴いた のは30年以上前、ピアノにブラッド・メルドー、 ベースにクリスチャン・マクブライド、ドラムスに ブライアン・ブレイドが加わるというゴールデンカ ルテットだった。柔軟でいながら強じんなリズム に支えられ、とても20代半ばとは思えない、テ ナーサックスならではの表現豊かな演奏を展開し、 熱い拍手がわいた。
7月にパリ公演というので、レッドマンの最新 アルバム『Words Fall Short』(写真)を聴いて みた。いずれもまだ20代で才能豊かな、ピアニ ストのポール・コーニッシュ、ベーシストのフィリッ プ・ノリス、ドラマーのナジル・エボを率いてのカ ルテット**。いつもながらのアドリブのフレーズの 巧みさ、サウンドの美しさ、今のジャズを代表す るサックス奏者だ。(真) 7月6日19h/21h30。35.2€。
Rosario
パリのスペイン
パリのスペイン
レストラン事情に
レストラン事情に
新風 を、 という3
人の同志が集まっ
新風 を、 という3 人の同志が集まっ
て生まれたロザリ オ。オペラ座から
て生まれたロザリ オ。オペラ座から
徒歩圏内 に 突如
徒歩圏内 に 突如
現れるタイル張り
現れるタイル張り
の真っ赤な店構え
はスペインの街角
の真っ赤な店構え はスペインの街角
で見かけそうな外
で見かけそうな外
観そのものだ。シェ
フはガリシア地方
観そのものだ。シェ フはガリシア地方

ビーゴ出身のホセ
マリア・ゴニ・マ
ビーゴ出身のホセ マリア・ゴニ・マ
14日20h30。29 € ~ 89 €。 Salle Gaveau : 45 rue Boétie 8e 01.4953.0507 M°Miromesnil sallegaveau.com/event-pro/ian-bostridgetenorfretwork/ *www.youtube.com/watch?v=LQIc9faWfJc Ensemble Musica Ficta による演奏。 ** www.youtube.com/watch?v=qXfxY4QmENU ジョルディ・サヴァールによる名盤。
New Morning : 7-9 rue des Petites-Ecuries 10e M°Château d'eau www.newmorning.com/accueil?langue=en ** www.youtube.com/watch?v=w9b_T94_jZs
【展覧会】ジョヴァンニ・セガンティーニ「私の山々が見たい」Je veux voir mes montagnes
生かされていることへの感謝が伝わってくる。 コミッショナーによれば、セガンティーニに宗 教色はないが、自然信仰、アニミズムに近い ものがあったという。農民を描いたミレーが 彼にとって大切な画家だった。一見、風景を そのまま描いたように見えるが、よく見ると遠 近が不自然だ。見たものを一旦解体して、心 の中の山岳風景を描いたのだろう。会場の地 下では、セガンティーニのファンだというアン ゼルム・キーファーがセガンティーニに捧げ た絵4点が展示されている。セガンティーニ が死ぬ時に発した言葉「私の山々が見たい」
がイタリア語で書き入れてある。(羽)8月16 日まで。
Musée Marmottan Monet 2 rue Louis-Boilly 16e
火~日 10h-18h 木 10h-21h(入館 20hまで) 常設展込みで 14.5 € /10 € www.marmottan.fr tel 01.4496. 5033






















ルティネス。美食の街で名高いバスク地方サンセバスチャンで技 術を磨き、スペイン最多のミシュラン星獲得シェフであるマルティ ン ベラサテギのもとで功績を上げた経歴も持つ。 小皿料理もメインも、好きな数だけ取って自由に取り分けられ るのがスペインバル文化のいいところ。パン コン トマテ(3.5€) の微かな燻製香は、燻製パプリカのピメントンによるもの。ギン ディーヤ唐辛子の酢漬け アンチョビ オリーブの串刺しのヒルダ (3.5€)はバスクピンチョスの定番で、アペロのスタートに欠かせ ない。シシトウに似たパドロン青唐辛子の素揚げ(9€)も必須だ。 名物トルティーヤ(12€)は、8時間炒めた玉ネギとジャガイモ、ピー マンが中からとろりとあふれ出る。刻んだトマト、ピーマン、玉ネ ギなどをオイル&ヴィネガーで和えたサルピコンは、魚介類によく 添えられるソースの一種。新鮮 いただけのラングスティーヌに かさを添えている(13€)。
イベリコ豚のグリル(17€) は肉そのものの旨みに加え て炭火ならではの 香ばしさ がたまらない。デザートにはシ グネチャーのバスクチーズケーキ (9€)。コクがあるのに重くない風 味 ととろける食感 がサンセバス チャンの旧市街に連れて行ってくれる。 ビールはサンミゲル(4€)、赤ワインのソーダ割りで夏の定番ティ ント デ ベラノ(8€)、太陽を感じるフミーリャ産の赤ワイン(7€) など、ドリンク類も魅力的だ。 満腹で断念したイベリコ豚の頬肉 のカカオと





バスク チーズケーキ
ルティネス。美食の街で名高いバスク地方サンセバスチャンで技 術を磨き、スペイン最多のミシュラン星獲得シェフであるマルティ ン ベラサテギのもとで功績を上げた経歴も持つ。 小皿料理もメインも、好きな数だけ取って自由に取り分けられ るのがスペインバル文化のいいところ。パン コン トマテ(3.5€) の微かな燻製香は、燻製パプリカのピメントンによるもの。ギン ディーヤ唐辛子の酢漬け アンチョビ オリーブの串刺しのヒルダ (3.5€)はバスクピンチョスの定番で、アペロのスタートに欠かせ ない。シシトウに似たパドロン青唐辛子の素揚げ(9€)も必須だ。 名物トルティーヤ(12€)は、8時間炒めた玉ネギとジャガイモ、ピー マンが中からとろりとあふれ出る。刻んだトマト、ピーマン、玉ネ ギなどをオイル&ヴィネガーで和えたサルピコンは、魚介類によく 添えられるソースの一種。新鮮 いただけのラングスティーヌに かさを添えている(13€)。 イベリコ豚のグリル(17€) は肉そのものの旨みに加え て炭火ならではの 香ばしさ がたまらない。デザートにはシ グネチャーのバスクチーズケーキ (9€)。コクがあるのに重くない風 味 ととろける食感 がサンセバス チャンの旧市街に連れて行ってくれる。 ビールはサンミゲル(4€)、赤ワインのソーダ割りで夏の定番ティ ント デ ベラノ(8€)、太陽を感じるフミーリャ産の赤ワイン(7€) など、ドリンク類も魅力的だ。 満腹で断念したイベリコ豚の頬肉 のカカオと赤ワイン煮込みや レモン 風味のアロス コン レチェ オリジ ナルのチョコレートムースも気になる。 お昼はメインとデザートで23€という 楽しみ方もあり。次はいつ行こうか、 すでに待ち遠しくて仕方がない。( み)

















Turbotin en papillote
Turbotin en papillote
小さなヒラメを蒸し焼きにすれば、繊細な味わいにうっとり。
ヒ 小さなヒラメを蒸し焼きにすれば、繊細な味わいにうっとり。
ラメturbotは高級魚だが、魚屋にturbotin とよばれる一尾700グラムちょっとの小さめの ヒラメが並んでいる。小さめということもあってキロ27 ユーロはお買い得だ。4人分として2尾買いもとめ、魚 屋におろしてもらうと、1尾から4枚、合わせて8枚に なる。皮も切りはずしてもらい、忘れずに頭、骨、皮 も持ちかえる。これでフュメ・ド・ポワソンfumet de poissonというだしをつくるからだ。 まずそのだしをつくることにしよう。頭、骨、皮を 鍋にとり、それがすっかりかぶるように水を注ぐ。中 火にかけ、沸騰してきたら、あくを丁寧にとりのぞく。
輪切りにした長ネギ1/4本、薄く輪切りにしたニンジ ン少々、パセリの茎2、3本、ローリエの葉1枚を加え る。ふたをして弱火で40分ほど火を通していく。とちゅ う水気が減りすぎているようなら水を足せばいい。こ れをこして冷ませばフュメ ド ポワソン。
ラメturbotは高級魚だが、魚屋にturbotin とよばれる一尾700グラムちょっとの小さめの ヒラメが並んでいる。小さめということもあってキロ27 ユーロはお買い得だ。4人分として2尾買いもとめ、魚 屋におろしてもらうと、1尾から4枚、合わせて8枚に なる。皮も切りはずしてもらい、忘れずに頭、骨、皮 も持ちかえる。これでフュメ・ド・ポワソンfumet de poissonというだしをつくるからだ。 まずそのだしをつくることにしよう。頭、骨、皮を 鍋にとり、それがすっかりかぶるように水を注ぐ。中 火にかけ、沸騰してきたら、あくを丁寧にとりのぞく。 輪切りにした長ネギ1/4本、薄く輪切りにしたニンジ ン少々、パセリの茎2、3本、ローリエの葉1枚を加え る。ふたをして弱火で40分ほど火を通していく。とちゅ う水気が減りすぎているようなら水を足せばいい。こ れをこして冷ませばフュメ ド ポワソン。

ソトゥーズや小さめのフライパンにバターをとって中火にかけ、 とけたら小麦粉を入れ、よく混ぜ合わせて数分いためる。フュメ・ ド ポワソンを少しずつ混ぜ入れていき、味がまろやかになるよ うに生クリームも入れ、レモン適量をしぼり入れ、塩、コショウ で味を調えれば極上のソースになるだろう。小鍋やソース入れに とって湯せんにかけ、冷めないようにしておきたい。









ソトゥーズや小さめのフライパンにバターをとって中火にかけ、 とけたら小麦粉を入れ、よく混ぜ合わせて数分いためる。フュメ・ ド ポワソンを少しずつ混ぜ入れていき、味がまろやかになるよ うに生クリームも入れ、レモン適量をしぼり入れ、塩、コショウ で味を調えれば極上のソースになるだろう。小鍋やソース入れに とって湯せんにかけ、冷めないようにしておきたい。
30cmx30cmに切ったアルミホイルを4枚用意する。中央のと ころに、エシャロットのみじん切り、ニンジンの薄い輪切り、シ ブレットのみじん切りを敷き、塩、コショウしたヒラメのおろし身を、
30cmx30cmに切ったアルミホイルを4枚用意する。中央のと ころに、エシャロットのみじん切り、ニンジンの薄い輪切り、シ ブレットのみじん切りを敷き、塩、コショウしたヒラメのおろし身を、 ヒ
30分 でフランス料理 ⑦

アスパラガスとエビ入りのフジッリ
らせん形をしたショートパスタ、フジッリは、 オリーヴ油やソースの風味がよくからむから、 グリーンアスパラガスとゆでエビと組み合わせ てみた人気のレシピです。
電気ポットに1リットル半くらいの水を入れて 沸騰させたら鍋にとる。強火にかけ、塩適量 を加え、2人分としてフジッリ200グラムを入れ
一人当たり2枚置く。オリーブ油をひと筋かけ、レモンの輪切り をのせ、ホイルをたたみながら縁を折りたたんできちんと閉める。 これを沸騰している蒸し器に入れると8分から10分で蒸し上がる。 蒸しすぎるとせっかくの白身が固くなる。ホイルごと皿にとり、塩 ゆでしたジャガイモとサヤインゲンを脇におき、ソースを添える。 ワインはあまり辛口でない白、サンセールなら文句なし。(真)
4人分:小さめのヒラメ2尾、エシャロット3個、ニンジン小1本、シブレッ ト適量、レモン、オリーブ油、塩、コショウ ソース:バター50g、小麦粉40g、フュメ・ド・ポワソン約半リットル、 生クリーム大さじ2杯、レモン少々、塩、コショウ
Poisson plat
てかき混ぜる。再沸騰したら中火にする。パッ ケージに記してある11分ではあまりにアルデン テ、16分くらいゆでた方がいい。
アスパラガス5、6本は、根元5、6センチの 固いところを切りとり、皮むきナイフで根の方の 筋っぽい外側をむきとったら小さめにはすに切 り、フライパンにオリーブ油を多めにとって中火 でいためていく。5分ほどたったらみじんに切っ たニンニク2片を入れる。さらに3分ほどたった ら 、殻をむいて切り分けておいたゆでエビを 加え、白ワイン(あるいは水)を大さじ4杯加 えて混ぜ合わせる。塩、コショウを振る。 パスタがゆで上がっている。パソワールに あけて水気を切り、アスパラガス+ゆでエビに 加え、大きく混ぜ合わせる。きざんだパセリや バジリコを振りかけ、おろしたパルメザンチー ズを添えて食卓へ。(真)
*調理時間は30 分以内。


魚屋に並んでいる平たい魚 poisson platといえば、まずヒラメ turbot。そのしまった白身のおいし さは比類がない。その分、キロ40 ユーロ前後はする。最近は安めの養 殖ものもあるけれど、刺身にするな らやはり天然ものにしたい。ヒラメ の親戚で小さめのbarbueもヒラメに 負けない味だ。ヒラメ科の魚は、皮 の色が濃い方を上にして置くと頭が 左にくるが、カレイ科の魚は頭が右に くる。carreletやlimandeがカレイ 科の魚で、ヒラメよりかなり安めだが、 なかなかうまい。大きめのカレイが あったりしたら、おろしてもらって刺 身!ちなみに舌ビラメsoleもカレイの 仲間です。

























































































データセンター建設への批判

データセンター誘致候補地(2025年11月経済省の資料 「Implantation des centres de données」より) *丸の大きいものが規模が大。赤丸は電力規模が大。
電子通信・郵便・新聞流通規制機関(ARCEP) は5月21日、データセンターの温室効果ガスの 排出量および電力消費が増加し続けているとの 調査結果を発表した。環境への影響に対し、 国が主導するデータセンター建設推進への批判 の声が高まっている。
そのなかでARCEPは、仏国内の約半分にあ
マリンランドのシャチとイルカは スペインへ。
南仏アンティーブのマリンランドの所有者である 西Parques Reunidos社は5月15日、シャチ2頭 とイルカ12頭を6月末にスペインに移送すると明ら かにした。同テーマパークは、海の哺乳類の捕獲・ 飼育・ショーを禁じ る2021年法により 25年1月に閉館。

マリンランドのビデオから。
Marineland/CôtedAzur
ネットなどで区切っ た保護区域を地中 海に設置してこうし た哺乳類を受け入 れる計画が停滞す るなか、シャチ親 子2頭はカナリア諸 島の動物園に、イ ルカ12頭はバレン シアとマラガの動物園 に移送されることになった。ただし、イルカ12頭 は仏中部のボーヴァル動物園に来年4月完成予定 のイルカ専用の人工湖に戻ってくる予定だ。
Parques Reunidos社は同水族館の水槽の状態 の悪化から移送が火急と説明しているが、シーシェ パードなどの動物保護団体は、同社は水族館の跡 地利用を急いでいるのであり、地中海の保護区域 完成を待つべきと批判している。

























