two-year master’s portfolio

吉田 雄太/Yuta Yoshida
1999年 神奈川県 生まれ
2018年 サレジオ学院高等学校 卒業
2023年 工学院大学建築学部建築デザイン学科 卒業
2023年 東京理科大学大学院創域理工学研究科建築学専攻 入学 西田研究室在籍 現在、修士2年
アルバイト・インターン 使用ソフト
2021.6-2023.3 オンデザイン
2021.9-2021.12 ihrmk
2022-9-2024.3 JRE建築設計(模型補助)
2023.5-2023.9 再生建築研究所
2023.10 Arii Irie Architectsインターン
2023.10- PERSIMMON HILLS architects
2024.4- 久米設計(モデリング・CG制作)
2024.4- MARU。architectureインターン
Autocad VectorWorks Rhinoceros grasshopper Enscape・V-ray Lumion Twinmotion Illustrator Photoshop Indesign Lightroom




国内の様々な場所をめぐるなかで “何か”を共有している〈状況としてのコモンズ〉に 着目するようになりました。


小さなかけらとその連続性について
建築はあるときは何かの部分に、あるときは何かの全体になる、
自由でやわらかく変容できるもの、と考えています。
修士課程の2年間様々な設計を通して〈小さなかけら〉の連続としての建築、 〈小さな建築〉の連続としての都市のように
〈小さなかけらとその連続性〉として建築をとらえることを試みました。
小さなかけらが何か、それらをつむぐ連続性とは何かを設計のたびに問い、 リサーチやスタディを通して考え続けています。
1.地を思う自治の更新
2023年度前期建築設計スタジオ「資源を支える建築」

〈修士研究・制作〉 山手線から始まる都市の更新性と考察 ー小さな余白とその連続性、都市を覆う円環についてー
2.陶器とともにある生活
2023年度前期建築設計スタジオ「建築と不動産」


ゆっくり続いていくこれからの都市像 小商いから測る社会への射程
3.Enoniwa
自主プロジェクト

4.盤石と軌跡 not a hotel competition
5.塀が纏ういとなみ 2023年木の家設計グランプリ


絵を描くという対話と社会 地方集落での家の構え 非日常な空間体験と大地との呼応

これからの乗馬施設
2022年度 卒業制作 乗馬施設+養老・教育施設 production:2022.9-2023.2

貯蔵と醸成

office design competition 2023
店舗+地域交流拠点+オフィス production:2023.7~8

ここからはじまる、まちのつどい
2021年度 3年後期設計スタジオ「清澄白河COMPLEX」 地域活動拠点+店舗+住宅 production:2021.10-12

待ち合いの景〈かげ〉

2023年度がまごおり公共建築学生チャレンジコンペ 駅の待ち合い所 production:2023.4~6





彫刻と場所と存在
2021年度 年前期建築デザイン演習2「彫刻の美術館」 美術館 production:2021.6-7

Lat.40N a.s.l 200000
2023年度 ユニオン造形コンペ「記憶の建築」 展望台 production:2023.10~11

受賞歴
2024年度日本建築学会建築設計競技 支部入選 2024年度一般社団法人ASIBAインキュベーションプログラム2期 最優秀賞(清水建設賞)・ASIBA賞 2023年度木の家設計グランプリ 一次審査通過 設計課題学内講評会 最優秀賞1回・優秀賞2回
弁当の配達兼地域の見守り

廃校などを利活用
古材の回収・リサイクル
ーまちの道具庫ー
廃線の跡地を手入れ
まちのこれからを話し合う
一緒に開墾・収穫
ーまちのつどい場ー
地を思う自治の更新
用途:就労支援施設+地域食堂+児童保育施設 団地の集会所+荒物屋+道具倉庫 敷地:北海道夕張市
2023年度前期建築設計スタジオ「資源を支える建築」 指導教員:山﨑健太郎 場所や環境と結びついた「資源」を、建築設計を考える 上で手がかりとする。カーボンニュートラル社会を壮大 な夢と感じるのではなく今取り組むべきものとして捉 え、「資源」を手がかりにそれを支える建築を提案する。
2024年度 日本建築学会設計競技 支部入選
人・建物・資源の関係を〈むすび目が際立つような繋がり〉を生み出すものと捉える。
出来事が連なるむすびは、両端とそのむすび目を豊かにするのではないか。
あるひとつの建築を提案すると、その周りの人と資源につながりが生まれる。 ここでは異なる地区それぞれに建築を計画し、
両者の間の様々な資源のむすびが連なり地区間につながりを生み出す。
建築でうまれた小さなつらなりが部分となり、地区-地区・都市-都市といった全体性を帯び始める。 小さな繋がりのつらなりが、コンパクトシティ的な大きな操作の補完となる。
建築
地区 建築
地区
都市 都市
コンパクトシティ
都市の集約化
集約化を掲げる都市構想とその欠点
拠点にならなかったまちで取り残されるもの

耐用年数の超えた 利用者のいない 建物を取り壊す >
都市機能の集約 住居区域の誘導 のために新築する
>
地方の都市では交通や役所などの都市インフラが中心市街地に集約されることが多いが、
都市計画の拠点にはならずインフラの集約に置いていかれる地区があるのも事実である。
そこに住まう人々は様々な不便が発生する上に、そのような地方地区では人口の高齢化や建物の手入れがされな
いことから、まちの存続が危ぶまれている。
〈北海道夕張市〉財政破綻を皮切りに退廃が進む都市
夕張市では財政破綻の負債返済終了が2027年に差し迫る中で、 夕張市コンパクトシティ構想としてインフラや 都市拠点の整頓と再編を行っている。この構想の結果、夕張市庁舎は現在ある本庁地区から新たな都市機能中心 拠点となる清水沢地区に移転されることが決定した。夕張本線の廃止や公共施設がなくなる一方で、本庁地区に 住む人々や既にある建物は再編計画により集約するインフラに取り残される形になる。
紅葉山地区
地域産業・観光等を支える拠点

若菜地区 〈健康で活気に満ちた拠点〉 清水沢地区 〈人を誘い賑わいがある中心拠点〉
本庁地区 現在の都市機能中心拠点 夕張市役所 コンパクトシティ構想の各拠点

1.移動に障壁のある人々
慣れた生活リズムを変えることが難しい障がい者や、農地を家の 近くに持つ高齢者、もしくはそもそも土地に愛着を持ち引っ越す 意思のない人々など、〈集約に伴う転居〉が困難な人々が存在する。

2.老朽化の進む建物
1970-1980年代に整備された都市では更新が必要な時期が迫って いる一方で耐震化されていない施設が多くある。特に、RC造の 建物は使う人がいないことや補強費用の観点で放置され廃墟とな ることが多い。
対象敷地とプログラム 〈都市拠点と構想外の地区とのむすびを作る〉
現存する公共施設を増改築しながら、地区内・地区間のつながりを生むような地域拠点をつくる
設計提案1(site1).
コンパクトシティの拠点から外れた地域 (都市構想を補足する)
〈本庁地区〉本庁6丁目団地 集会所 設計提案2(site2).
〈既存の機能〉 団地の集会所
〈加える機能〉 荒物屋 道具倉庫
コンパクトシティの拠点となった地域 (都市構想を強化する) 〈若菜地区〉ゆうばりはまなす会館
〈既存の機能〉 就労支援(地域食堂) 放課後デイサービス
〈加える機能〉 作業場 レクスペース + +




都市に残存する資源たち
2つの敷地の間には、まだ使われている建物・もう使われていない建物、レガシーなど様々な資源が点在している。
本提案では、2つの公共施設に木造による増改築を行い、両者の間の資源を往来する様々な人やものの受け皿となるように改編する。
映画が栄えていた名残が残る

現在の夕張市庁舎

多くの空き家が存在

団地の前の空地を庭として開拓

夕張市庁舎
旧・夕張中学校
site1.本庁6丁目団地 集会所
北海道夕張市本町6-5
旧・夕張小学校
夕張簡易裁判所
夕張郵便局
旧・ホテルマウントレースイ
新夕張保育園
旧夕張小学校 スキー場併設の廃ホテル 廃線跡地と住宅の庭が隣り合わせ 大通りに面してあらゆる店舗があった




老人福祉会館
すくすく学童クラブ
ゆうばり文化スポーツセンター
site2.ゆうばりはまなす会館
北海道夕張高等養護学校
旧・千代田中学校 旧・若菜小学校
札幌方面へ

鹿ノ谷郵便局
炭鉱時代からの団地群が未だ点在 札幌方面に向かう通り・トンネル


体育館や放課後児童施設の機能も併設

□ research & propose
団地ごとに異なるデザイン

外部には公園やビニールハウスが存在

手入れがないため花がたくさん咲く

冷暖房設備のための煙突がアイコニック


既存に対して添うように増築
荒物屋
周辺から道具を回収・活用




設計提案1.まちの道具庫 団地の集会所+荒物屋+道具倉庫 Site1 1Fplan S=1:300
2Fを増やし全体に回遊性を生む
公営団地 公営団地




荒物屋が様々な道具を貸し借り・売買することで、
単なる団地の集会所ではなく周辺環境を開拓するまちの道具庫となる
設計提案2.まちのつどい場 就労支援(地域食堂)+放課後デイ+作業場+レクスペース
壁で区切られたRC造の構成

壁を取り払い軸をずらして木造を挿入

中心の回廊で機能が交じり合う





就労継続支援〈地域食堂〉 調理や配膳だけでなく 高齢者の自宅への配達も行う
地域食堂 準備室 A’ 0 1 5 10m N
食堂倉庫 厨房 ホール
地域住民のいこいの場
Site2 1Fplan S=1:300

既存の壁を取り除いたことで異なる機能が回廊の中でつながる 児童や高齢者など様々な性質の人が入り交じりながら、まちのつどいが豊かになる
地区の資源を介したむすび〈2つの建築をものや人が往来し、それぞれがより豊かになる〉
〈まちの道具庫〉〈まちのつどい場〉に集まる人やものが建築の外に発散される。
それぞれから地区と地区の間にある様々な資源につながりをつくり、 それらはむすび目として地区間での活動を生み資源の価値が再興される。


まちのつどい場・ホールから回廊を見る。視線の抜ける先に多様な人が映る。

まちの道具庫・増築部分。吹抜けや柱間の棚板にものが蓄えられる。


陶器とともにある生活

用途:飲食店+工房付き住宅
敷地:佐竹邸(東京都練馬区北町3丁目)
2023年度前期建築設計スタジオ「建築と不動産」
指導教員:垣野義典、佐竹雄太(Around Architecture)
課題概要:〈マイクロデベロップメント〉
小さな開発を建築・不動産の両視点から考える
不動産オーナーに対して事業を構築し提案する。マー ケットリサーチ、数字を押さえながら企画立案を行い、 街への影響や経済的リターンなど総合的な投資対効果を 考慮した上で実現可能な事業計画・建築の提案を行う。




集中して作品を作る、作品をPR・販売する、そしてその収益でなんとか生活する、 作家には〈自分と向き合い作品を創造する〉という内向的な印象はあるものの 生活するためには〈他者(都市)との接続〉が切っても切れない。
都市と作家の両者を支える建築を、 ”作家、そして作品がどのように地域と繋がるか” という側面から考える。
花
和菓子 お茶
〈 東京都板橋区・下赤塚〉地域住民の親しみと狭小建築が集う都市 事業スキーム〈作家の生活を支える場所としくみをつくる〉
和菓子
精米
八百屋
時計
酒屋
精米
園芸
東武東上線下赤塚駅
地下鉄下赤塚駅
計画敷地 佐竹邸/around architecture
和菓子 古本
本提案では様々な作家の中でも、”陶芸作家”に着目し、
〈陶芸作家の工房付き住宅〉と〈作家の陶器を扱う飲食店〉を提案する。
作品への興味の橋渡し役として飲食店を置き、
〈陶芸作家にとっての店先空間〉のような役割を担う。
賃料


設計者 オーナー
コモンズとしての活用提案・企画
支援
支援
駅周辺や街中を散策すると、お年寄りが道端で会話したりカフェで店員と談笑を楽しむ風景が 魅力的だ。しかし、駅周辺に着目すると新しい店舗が増えているなかで、くつろぎの空間は次 第に減っているように感じた。
豆腐屋、畳屋、八百屋など古くから街に根付いている店舗が点在するなかで、新しい店舗であっ ても街に溶け込むような空間を提案する。
まちを観察する中で左図にて注記したような店舗は、店先や軒先に商品と人・人と人が出会う ような空間が準備されていることが新しい店舗(特にチェ―ン店など)と異なり、 その出会いとにぎわいが街に溶け込むきっかけになるのではないかと感じた。


陶芸作家
PRに協力 陶器を配膳に扱う
作品のPR・地域との接点 □ research & propose 敷地は下赤塚駅から徒歩8分、約10坪の角地。
飲食店経営

住居 アトリエ 中庭
¥ ¥ ¥ ¥
賃料

住む つくる かざる 食べる ふるまう
軽食屋さん
購入費・教室参加費等の売上
地域住民 憩いの場としてまちに開く

飲食店の利益
①制限からマックスボリュームを策定

②角地からまっすぐ階段を設けボイドをつくる

③各階で外部空間を設ける
④2Fの外部を半屋外とし角地から 道路に向けて均等に屋根をかける 外に開いて繋がることと、内で回って繋がること
専有面積と収支から坪単価を策定しレントロールを計算 不動産の収支上、飲食店が陶芸作家に手を差し伸べるしくみをつくる
(ロフト:4.5㎡)
レントロール


専有面積
種別 詳細 間取 戸数
2F 工房:7.9㎡
1F 飲食店:25.2㎡
陶芸作家 主な収支
〈収入〉
3F 住居:14.6㎡
2F 中庭:12.0㎡
飲食店の座席となる一方で 作品の展示・販売の場所となる 共益費で作家・飲食店両者が支えつつ、 賃料(専有面積)としては飲食店が負担する
①体験教室 月謝10000円×30-40人想定=300000円 ②販売 170000円(cf.雑貨店個人経営200-300万円/年)
〈支出〉
①材料費 12000円(cf.陶土20kg3000円、茶碗ひとつで約500g)
②維持費 3000円 ③電気代 25000円(電気釜の使用を想定)
飲食店 主な収支
〈収入〉
収入合計(月)
ランニングコスト
※すべての金額は概算です。
項目 金額 備考
事業予算、資金計画、レントロール、キャッシュフローを踏まえた収支計画シート https://drive.google.com/file/d/1wgKelwGYMlHkHiHxzxqZGnzvN-uMJvie/view?usp=sharing
税
金
固定資産税
都市計画税 \ 216, 291

維
持
管
12席×1000円×4×20日=960000円 (客単価1000円・回転率4・月営業日20日と想定)
理
〈支出〉
材料費 240000円、光熱費48000円、人件費192000円
(それぞれ収入の25%,5%,20%程度と想定)
管理費 \ 160, 900
課題条件(オーナーの要望) ・利回り7%以上
建物修繕費 \ 64, 360
・総事業費8000万円以内(土地含む) ・そのうち自己資金は1500万円までなら投じる
火災保険料 \ 50, 000
消防点検 \ 50, 000
概算※賃料収入の2%
概算※年払いを想定
表面利回り 7.0% \268,166 ※固定資産税評価額を概算の上試算 ※賃料収入の5%
・資産形成(不労所得)を目的としていて用途は問わないが、街に何かしら貢献できると、なお良い ・あまり自分で手間はかけたくない(運営や管理は誰かに任せたい)
概算

〈小商い〉を街に開くことを、〈小商い〉が手助けする
地域からお金を得つつ集いの場として地域に開くことで 空間や体験への対価としてささいな収益で成立する、
建築と不動産の両方に真摯に向き合えば ”資本以上の価値を生む”ことはできるのではないか。


床面積と収支計算にとらわれながら、都市の狭小敷地で庭をつくる試み

隣の家の緑を借りる、まちの集いとなる小さな中庭
施設訪問

台東区浅草 福祉施設 アート活動を行う介護施設を訪ね、ヒア リング、普段は紙に描く絵をiPadに描 いてもらいました。それらを動く筆跡と してデータ化し、7/6の展示で活用しま した。


②企業施設内展示 7/6
江東区潮見NOVARE
Enoniwa立ち上げとしての展示を行い ました。来場者には台東区の福祉施設で のWSでの筆跡を追いながら絵を描いて もらい、動く筆跡の持つ可能性を提示し ました。


ぐるぐる描く人の絵が お気に入り。どんな人なのかな?

久しぶりに自由に筆を 動かしたな~
あの人の解釈、私と違う 視点で面白いな
iPadに描くの楽しいな
うちの子の絵、こんな風に 描かれていたんだ
台東区東日本橋
冨川浩史建築設計事務所 ギャラリー
私の絵が展示されてる!
あの施設に暮らしてる 人が描いたのかあ
お返事が楽しみ~
板橋区・tokyo social design

プロセスが最後まで残る絵”として 障がい者児童のアート活動の場に参 加し、保護者やスタッフさんも交え ながら絵のもつ対話の広がりを感じ ました。


お返事が返ってきた!
うちの施設の子の 筆跡が飾られてる!
線を追いかけちゃお!
うちの学校でも教材 として導入してほしい!
北区赤羽・福祉施設訪問
2つの福祉施設を訪問し、一緒 に絵を描いたり会話をしながら 動く筆跡を収集しました。

③WS・実験 8/7
対話型アート鑑賞プログラムの 実践を行う団体に参加し、 Enoniwaを通して絵を介した 他者との対話を体験してもらい ました。

この絵って~みたいに 見えるね


お友達になりたーい!

東京都千代田区 3×3lab

④ギャラリー展示 8/17.18
北区赤羽・赤羽異地街
ギャラリースペースのローンチ イベントに出展、2つの赤羽の 福祉施設と絵を介してつながる ハブ、をコンセプトに大きなス クリーンを使った展示や体験型 展示を企画

Enoniwa 知的障がい者の筆跡を手がかりに 絵を介した対話をするためのツール
exibition
ASIBA インキュベーションプログラム 共同制作者:北林栞・品田十夢 最優秀賞清水建設賞・ASIBA賞 受賞
みなとみらい・マークイズ
体験型イベント「GOOD ACTS, BETTER EARTH」にブース出展、多く のこどもたちと保護者に試してもらいポ ストカードとして形になりました。


Enoniwa ホームページ


メンバーの生活介護施設に通うダウン症の弟が、「施設での生活がやりがいがない」と言っていたことがきっかけ。
彼らをとりまく環境は建築的にも社会制度もどこか閉塞感が漂う。
一方私たちも、障がい者との関わり方がわからない。知るきっかけも少ない。
私たちの関わり方の選択肢が無いから、このような現状が生まれているのではないか。
障がい者とその周りに住む健常者という分け方だけではない。互いに見せる側面を変えるだけで、関わり方は無限に増えると思う。
そのような柔らかくささいな互助関係の形成につなげたい。
障がい者の〈関係人口〉を増やすために、地域と施設の間に一手を加える


















着目する課題 障がい者の人間関係は家族や施設の職員といった〈支援をする・ される〉の関係が多くを占めている。これにより、障がい者のや りとりの低下や支援する側の負担の増加などが課題となってい る。この現状に対して私たちは〈一緒に絵を描く〉関係を作るこ とができる手段を提案する。






アート活動に取り組む障がい者施設
生活介護施設の中にはアート活動を生活の一部に取り入れている 場所が多くある。なかには、描いた絵をパッケージやサインとし て商品化したりすることで、社会参画を促す施設もある。その一 方で、生産と消費といった労働関係にとらわれないもっと自由で のびやかな関係性を提案する。
障がい者の自由で伸びやかな絵は、絵を描くもどかしさをほどいてくれる
































お絵描きWSで生活介護施設の利用者さんが描いた絵
















生活介護施設の利用者さんの描く絵は、キャラクターなどに「何か 対象のあるもの」ではなく、私たちの思う絵の先入観にとらわれて いない、筆を思いのままに動かすのびやかなものであったり、パター ンがあるものが多い。












一緒に絵を描く仲間になりたい! アートが障がい者との架け橋になる














一緒に描くことで私たちは絵を描くという障壁を取り除ける 上手い下手の評価軸の中で絵を見る・描く私たちにとって、その軸か ら逸脱する体験は貴重である。これにより、絵を描くことにコンプレッ クスを抱える人たちが〈表現する〉という新しい楽しみを見つけるきっ かけとなる。
Enoniwaでできること
































動く筆跡が表示される
障がい者施設で行ったお絵描きWSのキャプチャー動画から筆跡をデータ化。
時間軸を持つこの筆跡データは、作者の個性や息遣いを反映した〈生きたデータ〉です。
これまでに行ってきた実践
一緒に線を引く
誰かの筆跡を頼りに自由に絵を描く。
二人の筆跡が交差するとエフェクトが生じます。
動きを追いかけたり、なぞったり、線を付け加えたりすることで、
筆は自然と動き出し、想定外の絵が生まれます。

時間をかけて、知的障がい者と間接的に絵を一緒に描き進めることができます。 やりとりを重ね、最後にユーザーに返事としての絵が届きます。

知的障がい者とお絵描きWS
筆跡データを集めるために、 iPadに絵を描いてもらうWSをしました。

展示空間で使用する①
障がい者と来場者が間接的に一緒に描いた絵を その場で展示する試みをしました。

アート教育として使用する
障がい者との間接的なお絵描きを楽しんでもらうと同時 に、障がい理解に繋げました。

展示空間で使用する②
動く筆跡をプロジェクションマッピングしながら 来場者は実際に手でなぞる体験をしました。
同じ地域を繋げる場をつくる ー赤羽を対象敷地とした実践ー

障がい者施設とその周辺地域に向けたWSと展示の実 施により、施設利用者と周辺に暮らす人とが〈一緒に 絵を描く仲間〉として、相互に理解しあいながらまち を舞台に表現できる場が生まれます。
1.赤羽の生活介護施設を訪ね 利用者さんに絵を描いてもらう

2.赤羽のギャラリースペースでEnoniwaの展示を行う 体験型ブースで来場者に実際に描いてもらう

赤羽異地番街2024 (8.17-18)へ出展
3.展示で描かれた絵を再び施設に送り、 その上に利用者さんに絵を描いてもらう
4.来場者に後日メールで絵を送信する 施設と来場者の間を往復しながら絵が育つ

























































盤石と軌跡
用途:別荘 敷地:群馬県北軽井沢 NOT A DESIGN COMPETITION 2024
共同制作/ 担当:設計・モデリング・パース・ダイヤグラム制作
北軽井沢の大地に広がる2つの〈ながれ〉
北軽井沢の大地には、様々な樹種の木や野草といった柔らかい地形と、大きく平たい岩々が広がっ ている。浅間山から連続するゆるやかな地形は〈視線のながれ〉を生み出している。多くの植物に 覆われ生命の住処となった岩肌は、まるで原始から存在していたかのような〈時のながれ〉を感じ させる。これらの流れは悠久なこの土地ならではの体験を助長する。





自然と時との対話の中で、北軽井沢特有の流れを体験できる建築を提案する。地形と建築の調和を つくるために、既存の岩の配置から広がりのある螺旋を見出し、この土地にある潜在的な美しさを 顕在化させる。その軸性は、訪れる人を〈体験のながれ〉へと導く。 ここにしかない〈体験のながれ〉をつくる


















新しい岩となりえる、空間とその構成要素
大小・高低・内外様々な壁面は人々の体験を囲う覆いでもあり、次の場面や遠景へと誘うしかけと もなる。大きな窓のある内部空間は遠くの地形との連続感を与え、銅板や石でできた無骨なかたま りは今ある岩のように時間の変化を感じさせる。今ある地形と岩に対して、人の体験や場面転換を 支える新しい岩として、建築とその構成要素をつくる。

岩から生えるカベ
岩のようなソリットのカベ
体験のながれを意識した配置計画と、新しい岩となる空間とその構成要素。今ある大地と新しい建 築とのはざまをめぐりながら、唯一の空間体験や周辺との呼応に生まれる一連の物語(シークエン ス)をつくる。 今ある地形と新しい岩の間に生まれる体験と風景
岩を覆う


足元だけ浮遊する


緑青から時間を感じる
岩を交差して新しい場をつくる




















































風景と建築のシークエンス
北軽井沢の特性に向き合うシーンの連続から、自然や時の流れと対話する体験のながれを創り出す。
岩の配置から見出した軸線を用いて、 地形と建築の調和をつくる手掛かりとする。
二本の軸線が広がっていく形状を 黄金螺旋に見立てる。
螺旋を補助線とし、その接線・垂線に沿って ボリュームを構える。
新しい岩としての建築が、 周辺環境と共に様々なシーンをつくる。
岩と嚙み合うような “新しい岩”のような壁
玄関まで誘う緑青の板














北軽井沢の特性に向き合うシーンの連続から、自然や時の流れと対話する体験のながれを創り出す。




私的な庭







テラスを突き抜ける岩 スラブを支える岩 新しい岩になる 岩肌の元に 広がる浴室





















































































































































































塀が纏ういとなみ
用途:住宅
敷地:滋賀県愛荘町 2023年木の家設計グランプリ
「リモートハウス-風景と調和する家」
共同制作/
担当:設計・シート作成(レイアウト、ダイヤグラム等)
都会を離れて暮らすことを決意した若い夫婦と3人の子 供たちのための家を設計してください。都会を離れて生 きるとしたら、どのような生き方が魅力的で、何を大切 にして生きるのか、生き方と価値観について考えましょ う。(一部抜粋)
2023年度 木の家設計グランプリ 一次審査通過
自らの生活を構成する衣食住の生産者の顔を思い浮かべることが出来ない。
それに対し地方では同じ共同体として生産者と共に暮らすことができることに加え、
自らが生活を作る生産者となることが出来る。
地方で過ごすことで生活の解像度を高め都会では得られない営みや価値観を享受できるのではないか。

食べ物の原料、生産者は? 椅子の材料は?服は何の素材?


お隣さんにもらった野菜
間伐材で自ら製作 産業に基づく衣類
私たちは風景について①〈人が作り出す風景〉=″営み″ ②〈見えによる風景〉=″景観″の2種類があると考えた。
新たな土地で暮らすことは、新たな風景を作ることである。
今ある風景に寄り添う家をつくることでこの家を中心に新しい″営み″を生み出し、
地方の小さな集落の持つ特有の″景観″に馴染むことができる。
農作業を協働する
山から採集する
お隣さんと物を分け合う
公共物を管理しあう
用水路を共有する
〈滋賀県愛荘町〉擁壁や薪棚で各戸をゆるやかに分節するまちなみ
地方の集落と抱えてい る 課 題
既存の民家が孤立
集落の特徴が失われる
土地が買収され 太陽光パネルが乱立
滋賀県 愛 荘 町
滋賀県愛荘町は田畑の中に島状の集落が多く存在している。
地域産業として麻の生産を行い、各集落は同じ産業を営み
集落特有の風景を作り上げる。敷地はある集落の外周部に 位置し、この住宅は集落の新たなファサードとなる。
宅地開発
普遍的な住宅が建つ
集落に新しい住宅を建てる際、既にある民家との関連の少ない都市郊
外にもよくあるような住宅や環境設備が建てられることが多くなった。
それぞれの集落の持つ特有な景観が失われ 徐々に均質化されているよ うに感じる。
基礎の再解釈
愛荘町の境界の作り方を継承しつつ
塀を建築に引 き 込 む
愛荘町の集落は住宅単位で高低差に合わせて 道や石垣・植栽が配置され〈塀〉として境界を形成している。

地域に受け入れられやすいファサードをつくる土台として基礎を再解釈する。
従来の基礎に厚み・高さ・凹凸を加えることで新しい立面性を助長させる。
これらの〈塀〉を建築の中に引き込むことで今ある風景に馴染む新しい家となることをめざす。
般的な〈塀〉と家の関係 本提案の〈塀〉と家の関係
塀だけではなく薪棚を用いて 幅のある境界を作るという 今の集落の特徴を受け継ぐ
基礎の自由さから生まれる新しい 立 面 性
基礎の上に立ち上がるものは自らや他者の手で作り上げる” 営み” が現れたり、この土地にできる新しい” 景観” と捉えられる。




土壁とカ テン / 基礎の椅子 吊るした野菜 / 基礎のキッチン


従来の基礎 厚くする 高くする 凹凸をつける
積層する塀や基礎が風景を生む
土壁と基礎の薪棚 洗濯物 / 基礎の物置 基礎のテ ブル 今の集落に既にある〈塀〉を設けるだけでなくこの家が建つことで新しい塀が生まれ集落に新しい景観をつくる。 また、その塀をつくるために住み手や地域の人が手を動かすことでこれらの塀は営みをも生むことになる。
洗濯物 基礎
地方に移住する構え
地方移住した際に都会にはない地方特有の密なコミュニティに対して閉塞感を得ることは少なくない。
周辺環境を尊重しつつも塀と基礎の操作により地域との関わりを持つ建築にすることでそれらの接触を促す立ち方を提案する。





塀が作り出す景観に誘いこまれる
基礎の段差を椅子として使う
将来的には、子供たちの個室に
基礎の段差を棚として使う
雨水の流れる道
天気が良い日には 開け放つことで領域が広がる
室内に表れる塀
日常動線が基礎上に現れる
みんなで作った麻の壁
子どもたちが車を持つようになったら 駐車場に変容も可能
太った基礎の上で作業する
地域の人が集う加工場
雨水を貯めて麻を加工したり、 野菜を洗う
みんなで作った麻のカーテン
畑で作った麻を布や炭に加工し、 建材として利用する 畑で作った野菜を干して乾燥させる
基礎の高さを利用して設えられた台所
木架構にかけられたカーテン
イヌマキ 太った基礎で勉強する N

麻を組み込んだ土壁やカーテンで空間を柔らかく繋ぐ

暖かい日は引き戸を開放し土間空間に風が吹き抜ける 麻の加工場は様々な人が集う場となり営みの風景に溶け込む



集落の外周部に住むうえで新しい風景となるための多様なかたちの屋根

畑側から内に進むにつれ様々なかたちの基礎が出迎える

視線を遮る塀は入口やつどいの場を明確にする

