新しい要素を用いコミュニティ空間を創造する 建築や空間を構成する要素とは異なる「本」 などの新しい媒体やトラックなどの新しい手 段を使ったシステムを構築し、 より豊かでコミュニティの広がるサードプレ イスをつくりだすことを目指し提案する
庄司 涼穂
近畿大学大学院 システム工学研究科 建築コース 意匠設計研究室所属 SHOJI SUZUHO
受賞歴
五三会コンペ 最優秀賞 広島平和祈念卒業設計展 建築家・遠藤克彦賞
大学院 意匠設計研究室
現在の活動
今年の7 月に研究室で福山市の七夕まつりに参加し、祭り全体の企画、設計を行っ た。廃棄傘を用いたアンブレラスカイプロジェクトを発足し、前年までと異なる七 夕まつりを成功することができた。
また、グループ全体で屋台を設計しながらも、グループの中で主催者の方との連絡 担当を務め、円滑に設計から施工・運営までが円滑に進むように学生の窓口となり、 スケジュールの調整など責任を持って取り組んだ。
福山市とおり町商店街 七夕まつり 修士設計
卒業設計に引き続き公共施設のコ ミュニティ空間についての研究を 行っている。
また、空間認識について視覚障害 者や従民へのアンケート、フレー
個人制作:卒業設計(2022年4月~2023年1月)
非日常になった本とコミュニティ空間
今まで本を読んで来なかった人や読まなくなった人をターゲットに「毎日の生活 の中 に溶け込む、何かのついでにふらっと立ち寄ることができる図書館 」をコンセ プトとする。
全てが家のなか で完 結してしまうようになった時代において、「本 」は1 つの 空 間に集まる契機となり、人と人とをつなぐ役割を持つのではないだろうか。日常か ら 一歩 遠のいた存在となってしまった「本 」を用 いて、毎日集まり、毎日 立ち寄るこ とができる「本を 楽しむための 場所 」都市 の中 に 馴染 みのコミュニティを形成する。
トラック図書館
今回の計画では都市の図書館の蔵書数の圧 迫を防ぐために「トラック図書館」を利用 する。
書庫としての役割を他の図書館に任せ、連 携しながら来館者の要望に合わせライン ナップを更新する。蔵書数に余裕を持ち、 改築を減らすことができる。
常に10台以上のトラック図書館が停車し、 1台のトラックで1500-2000冊の本を運ぶ ことができる。
コミュニティ空間
街の日常に溶け込む 図書 館は街と密 に関 わ りながら発展して いく。 敷地内の店舗の前に はその店舗に関連した本棚を積載するトラッ ク図書館が配置され、待ち時間や隙間時間に 利用する。そのため、 共通の目的や興味が ある人を集めることができ、コミュニティ空 間の形成を担う。
店舗と図書館
既存の建物内は衣料店や病院、飲食店などがある。図書館部分と店舗部分の境界を曖昧 にさせて図書館が店舗内部まで侵入しているのが特徴である。
今まで建物の表ではなかったテナントが図書館に面して表になることでテナントの雰囲 気を通行人に見せる。
図書館通り
既存の建物の1.2階を貫く「道」のような図書館 都市の内部でありながら新しい図書館をつくる。
「道」のような空間 に「トラック図書館」を停車させ る。 トラ ック 図書 館は テナ ント に寄り添ったジャンルの本を運びこんでくる。
設計事務所
図書館設立から運営まで設計事務所が関わっていく。
事務所内には利用者が栞を挟んで保管できる「本ロッカ 」を設置し、利用 者と事務所に接点をつくる。
必ず利用する場所を事務所に近づけることで馴染み の コミ ュニ ティ を形 成 し、市民に寄り添いながら市民と共に作る街づくりを提案していく
広場
元々立体駐車場があった場所を広場とする。
図書館からの「道」としてつながりながらカフェ、花屋、図書館の本を買い取ることのできる本屋を設ける。また、施設から 外に向けて飛び出した机や棚は広場に続き、店内に入らなくても外からそのまま休憩することができる。
「トラック図書館」の他にキッチンカーなども駐車し、読書時間をより良い時間になるサポートする。
既存の建物内に「道」を貫いたことでできるテナン トの小さな面積の部分は図書館が買い取り をする が、テナントが使うことのできる場所にな る。 テナ ント に合 わせ てシ ョー ウィ ンド ウや テラス席、本棚を設ける。
図書館内部は日光が少ないため2 階部分を吹き抜けとして1階に光を落とすことができる。
歯医
オフィス 衣料店② レストラン 小児 カフェ店① 美容院
エスキス過程
街のなかで立ち寄れる図書 館という構想からスタートさせた 。初案は点在 型の書架を繋げていく図書館の提案。
誘い込まれるように内部へと進み、気がついたら本を手にとっているというコンセプトでコミュニティ空間はこの段階では出ていなかった。
既存の街 の中 に 図書 館の 「道 」を作り出すことにした 。初 案と逆転の発想になる。また、ここでトラック図書 館を 採用 。
空間の構想は常にあり、道を本と繋げていくための内観をスケッチを通して模索していく。 書庫を持たない図書館とするための本棚が動かせる図書館。移動図書館から発想を得てトラックと図書館の設計を進める。
問題提 起するのかから敷地まで全てをまとめ上げることの難しさを学ぶことができた。また 、卒業設計 展にも出展し 、議 論をし 客観 的に見ることの大切さや 楽しさを知ることができる貴重な体験もできた 卒業設 計だった。
今回は広島 に焦点をあてて取り組んだが、どの都市でも汎用できる都市型図書 館のプロトタイプとなるようこれからも研究を 続け ていきたい。
誘い込まれるように内部へと進み、気がついたら本を手にとっているというコンセプトでコミュニティ空間はこの段階では出ていなかった。
書架を繋ぐ「道 」をメイン建築に 変更。 道と内部の書架がどのように交わるの かの 模索 。
書庫を持たない図書館とするための本棚が動かせる図書館。移動図書館から発想を得てトラックと図書館の設計を進める。
グループコンペ:建築学会設計競技(2023年5月~6月)
公共空間は皆のものであると同時に より自由な場として使うために 人の行動に着目し、個の領域を探っていく。
フレームを人々の領域を知るための一つの基準とし、それらと関わることで、領域を客観的に捉えることができ、 フレームを体験した人たちは操作がなくとも街に自分の領域をつくりだすことができるのではないか。
これは 2022年
組 定 点 観 察
公共空間は皆のものであると同時に 私の空間も含まれているはずだ。
に 1 つのフレームに足を運ぶ人の定点観察を行い、 人の行動に着目し、個の領域を探っていく。
フレームを人々の領域を知るための一つの基準とし、それらと関わることで、領域を客観的に捉えることができ、 フレームを体験した人たちは操作がなくとも街に自分の領域をつくりだすことができるのではないか。
2年 6 月 1 日からの観察記録である。
共同制作:第19回五三会設計競技(2021年10月)
共同制 作 で平 面プラン や付加価 値までのアプローチの提案を担当した。
敷地の 1300m mの段差を用 い内 外の空間を曖昧にするために円と直線を使 い生 活に豊かさ を 付加価 値とする提案を行った。
余白を生み出す
現在の住宅は,機能と機能の間に隙間がなくムダのな い生 活を送っている。そこで,機能を持つ空間 の間 に余白を 生み 出すことで自 分たちが求めている空間 ,つまり付加価 値を入れる場を作りだすことが できる。
余白に付加価値を生み出す
住宅に「穴 」を設置する。日常生 活を送る上 で障 害となる「穴 」を をどのように変化させていけば, 豊かな空間にできるのか使い方を 工夫し自らの求める居場 所を生み 出す。
機能を余白に押し出す
機能を余白に押し出すことによって機能 を持つ空間にも付加価 値を与える。
空間を区切る境界 が曖 昧となり機能を部屋 の外 に 滲み 出すことができる。
個人課題:デザインスタジオ「叶える住宅」(2021年9月)
単身用集合住宅は講義の中での記憶などに関 する” 時間・ 場所” の考え方に当てはまらない。
自分のいた形を残さないようにして暮らし、
退去してしまえば関わりのない別の場所へと変 化してしまう。さらに、隣人が誰なのかもわか らず、どの部屋も同じ環境で暮らしている。
私は大学生活の四年間を集合住宅で暮らして いくことになる。これでいいのだろうか。
退去しても自分がいた形が残り、隣人を感じる ことができる。また、地に足が着くような集合 住宅を提案したい。
人間関係を構築する 本から居場所を作る
単身用の集合住宅に学生とサラリー マン合わせて10 人が暮らす。隣の住
民の顔を知らないような今の集合住宅 をは違い、互いが把握し、挨拶をかわ しあえるような人間関係を構築できる 住宅を目指す。
住民は本を持ち寄って、集まり、暮 らしていく。普段から共有の本棚にそ のままお気に入りの本を置き、退去時 にも置いたままにすることによって、 帰ってくる場所を作る。本という媒体 を通して住民同士の存在を把握するこ とで、居心地の良い集合住宅を作る。
個性を出せる場を設ける
各住戸をプランターのように用い、 住民一人一人の個性が溢れる住宅に なっていく。家の中からも楽しみなが ら、外を通る人にも自分の個性を出す ことができる場となる。
建築の時間を記す
扉を劣化する扉にすることで時間の 変化を知ることができる。扉を一つの 掲示板としても利用することで住民同 志のつながりを生み出すことができる ような玄関扉とする。
男子大学生の住宅