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JAFスポーツ 2025年 秋号(第59巻 第4号 2025年11月1日発行)

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2025 AUTUMN JAF MOTOR SPORTS

“夢”に挑戦するニッポン最高峰レースの王者たち

2025年FIAフォーミュラ1世界選手権に挑 む唯一の日本人ドライバー、角田裕毅選手 (レッドブル・レーシング)。Honda Red Bull Powertrainsのパワーユニットを積むRB21 を駆り、第15戦オランダGPでは、タイヤ交 換直後にセーフティカーが出動するなどの 不運をチームとともに乗り越え、9位に入り 8戦ぶりのポイントを掴み獲った。

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F1角田裕毅選手、逆境にも果敢に立ち向かい奮闘を続ける!!

第15戦オランダGPでは所属チームの事情や決勝での不運を乗り越えて久々のポイントを獲得! PHOTO/吉田知弘[Tomohiro YOSHITA]、Red Bull Media House REPORT/吉田知弘[Tomohiro YOSHITA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

025年FIAフォーミュラ1世界 選手権の第3戦、日本グランプ リを前に急転直下でトップチー ムのレッドブル・レーシング移籍が決まっ た角田裕毅選手。当初は日本のみならず、 世界中からも大きな期待が寄せられたが、 移籍から約半年が経ち、移籍当初とは異な る状況に立たされている。

角田選手にとって母国GPとなる日本か らレッドブルとの歩みがスタートしたが、 予選でのタイヤウォームアップの手順やチ ーム内でのコミュニケーションなど、F1デ ビュー以来在籍して慣れ親しんだレーシン グブルズとは、姉妹チームといえど異なる。

そして、トップチームならではのプレッ シャーとも闘いつつ、悪戦苦闘しながら結 果を出そうと奮闘していた。しかし、状況 はなかなか好転せず、第9戦スペインGP

では予選で最下位に終わるなど、周囲の期 待とは異なる結果に苦しんだ。

更に流れも味方せず、角田選手のF1キャ リア100戦目となった第10戦カナダGPで は、フリー走行3回目で赤旗時に他車を追 い越したとして、10グリッド降格ペナルテ ィを受けた。決勝は18番グリッドから追い 上げて12位でフィニッシュするも、本人と しては不完全燃焼のレースとなった。また ヨーロッパに戻った第11戦オーストリア GPでも決勝は16位と結果は奮わず、後方 でのフィニッシュとなった。

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他にもイギリスGPで露呈したのが、レ ッドブルの現状だ。決勝は“ブリティッシ ュウェザー”に翻弄されたのだが、レース 前半には大雨に見舞われてセーフティカー が導入される事態になるほどだった。

F1初開催地イギリスで明かされた 角田選手が苦戦する状況と決意

そして迎えた第12戦イギリスGP。苦戦 が続く角田選手は「僕のクルマに関しては アップデートはなくて、実質2スペックダ ウンの状態です。(現状にあるモノで)完全 に改善できるとは思っていないですけど、 自分ができる範囲内で改善できることはあ るので、そこを最大限詰めていきたいなと 思います」と現状について語った。彼のド ライビングスキル以外の部分でも、課題が あるようだ。

その状況下でレッドブルは、ややドライ 寄りになっていると思われるウィングを装 着。その結果、チームメイトのマックス・ フェルスタッペン選手はポールポジション からスタートしたが、スピンを喫して5位 でフィニッシュ。角田選手は終始ペースが

第12戦イギリスGPでは苦しいレース展開 ながらも、苦境の打破に向けて強い意志を 見せた角田選手。チームメイトにしてエー スのマックス・フェルスタッペン選手に車 両の仕様が近づきつつある中で、今季序盤 の好調を取り戻したいところだ。

を図るも実らず13位フィニッ シュ、メキース代表も「我々の ミス」と認めた。ここ数戦、苦 戦が続いていた角田選手が久々 に上位進出を狙える予選結果だ っただけに、本人のみならず日 本で応援するファンの落胆も大 きい一戦だった。

それでも、メキース代表の就 上がらず15位に終わった。

事前の天気予報やイギリス 特有の気候を考慮すると、セ ットアップ面では別の選択肢 もあったはず。厳しい言い方 をすれば“王者を擁するチー ムらしくない”週末となった。

これには、レッドブル躍進 の立役者であるエイドリア ン・ニューウェイ氏の離脱が 遠因としてあるかもしれない。 彼がいれば選択しなかったで あろうセットアップだったこ とが、巡り巡って今のレッドブルの混乱具 合を象徴しているようだった。

す。本人は当然プレッシャーもあると思い ます。レッドブルで走っている中で結果が 出ていない、という現状があるので。た だ、だからといって(角田選手が)気持ち的 に落ちているということはなく、なんとか しようとしているように見えますし、普段 のブリーフィングでの雰囲気も変わってい ないです」と折原氏は語った。

レッドブルに移籍してから続く角田選手 の不振に今シーズン中の更迭も噂された が、シーズン後半戦に向けて状況が好転し そうな変化が起こった。イギリスGPが終 わってから数日後に、レッドブルはクリス チャン・ホーナー代表の更迭を発表したの だ。そして角田選手をよく知るレーシング ブルズのチーム代表、ローラン・メキース 氏がレッドブルの新チーム代表に就任する ことが明らかとなった。

苦チーム体制の変化で差す光明 しかし、角田選手の不運は続く

第16戦イタリアGPでは予選トップ10 入りを果たし、連続ポイント獲得のチャン ス到来かと思われたが、角田選手と入れ替 わりでレーシングブルズに戻ったリアム・ ローソン選手との接触で車両にダメージを 受けた影響が大きく、13位に終わった。

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「ペースはかなり酷かったです。特にレイ ンタイヤでのペースは、どんどんデグラデ ーションが起きていきました。レインコンデ ィションには自信があったんですけど、実際 にはデグラデーションが大きかったです」と 語った角田選手も、なかなか歯車が噛み合 わない状況に、歯がゆい表情を見せていた。 日本から見ていると、GPの断片的な内容 と結果しか情報が入ってこないため、角田 選手に対するネガティブな意見がどうして も増えていく傾向にあるが、実際のサーキ ットでは状況を打開するべく試行錯誤を続 けていた。イギリスGPでは、現場でパワ ーユニットを管理するHRCのトラックサ イドゼネラルマネージャー、折原伸太郎氏 からも角田選手の現状について話を伺うこ とができた。

「私が見ている範囲で言うと、ネガティブ になっているとか諦めているということは なく、なんとか状況を打開しようというと ころでいろいろとやっているように見えま

これで流れが良くなるかと思わ れたが、第13戦ベルギーGPで は別の問題が浮上する。予選で はQ3進出を果たし7番グリッド からスタート。決勝は悪天候によ り、予定より大幅に遅れてのスタ ートとなった。序盤に天候が回復 し、インターミディエイトタイヤ からミディアムタイヤに交換する ドライバーが多かった中で、角田 選手はエンジニアとのコミュニケ ーションミスがあり、タイヤ交換 のタイミングが1周遅れた。

その影響は大きく、7番手から 12番手に後退。その後追い上げ

不運が重なり角田選手の満足いくレース 展開にはなっていないが、アップデートが 遅れた車両にも手を焼いた前半戦を乗り越 え、少しずつリズムを掴みつつある様子。 第17戦アゼルバイジャンGP以降はヨーロ ッパを離れてフライアウェイ(遠征)ラウン ドに突入していくため、環境も変わる。そ のことが角田選手にとって追い風になるこ とを期待したい。

ディフェンディングチャンピオンのフェルスタッペン選手は、第 16戦イタリアGPでポールポジションをコースレコードで奪うと、 決勝ではF1史上最速の平均速度でポール・トゥ・ウィン。トップと は差が開いているが、王座防衛に向けた反撃の狼煙をあげた。 任で前向きになっているのか、角田選手は 腐ることなくレースに臨む。サマーブレイ ク明けの一戦、第15戦オランダGPでは紆 余曲折がありながらも、最終的に9位入賞。 第7戦エミリア・ロマーニャGP以来のポ イント獲得となった。

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日産オリバー・ローランド選手がフォーミュラE王座に輝いた! 第14戦ベルリン大会で、日産フォーミュラEチーム悲願のタイトル獲得がついに実現!

PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、日産自動車[Nissan Motor Co., Ltd.]、Formula E Operations REPORT/吉田知弘[Tomohiro YOSHITA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

産フォーミュラEチームのオリ バー・ローランド選手が圧倒的 な強さを見せたシーズン11。FIA フォーミュラE世界選手権の2024/2025 シーズンが7月のロンドン大会で終了した。

ドライバー選手権では、日産フォーミュ ラEチームのオリバー・ローランド選手が、 最終大会を前に自身初のワールドチャンピ オンに輝いた。日産フォーミュラEチーム にとっては念願のタイトル獲得となった。

第2戦メキシコシティE-Prixでの今季初 勝利を皮切りに、シーズン11は快進撃に拍 車がかかったローランド選手。第7戦モナ コE-Prixを終えた時点で、早くもシーズン 3勝を挙げてランキング首位につけていた。

5月には日産フォーミュラEチームのホー ムレースである東京E-Prixで力強い走りを 見せ、初の2レース制で行われたこの東京 大会では、土曜の第8戦こそ、巧みなレー ス戦略でトップに躍り出たストフェル・バ ンドーン選手に勝利を奪われるも、しっか

りと2位で高ポイントを重ねている。

日曜の第9戦では、そのリベンジとばか りに果敢に攻める走りで優勝し、日産の母 国レースで悲願だった初の快挙に、有明地 区に詰めかけた観客は大いに沸き上がった。

それと同時に、ランキング2番手につけ るパスカル・ウェーレイン選手に対して80 点ほどのリードを築いたことで、ローラン ド選手のチャンピオン獲得は、かなり現実 味を帯びてきた一戦ともなった。

東京E-Prixの勢いが後半で失速 しかし、ワールドチャンピオンの座はそ う簡単に獲れるものではない。後半戦に入 ると、ライバルの台頭とチャンピオンへの プレッシャーから、着実さを求められる、 我慢のレースが続く。上海インターナショ ナルサーキットでの第10戦は、F1でも使わ れるサーキットの一部を使ったサーキット 舗装でのレースということで、スタートか ら激しい追い抜き合戦が繰り広げられた。

アクシデントも起きて波乱の展開となっ たが、ローランド選手は終始好位置でレー スを進め、時に先頭をうかがいながら5位 でフィニッシュした。翌日の第11戦は雨模 様。上海には苦手意識もあったことから予 選17番手と後方からのスタートで、決勝も 13位フィニッシュに終わる。ここに来てノ ーポイントとなってしまった。

ローランド選手は「僕の得意なコースでは なかったけど、土曜はすごく緊張感のある 中で戦い、5位で10点を獲得できたことに 満足している。日曜のレースはこれまでで 最も厳しいレースの一つだったけど、僕た ちはランキングで上位にいるし、シーズン の終盤に向けてポジションを維持していく ことに集中する」と前向きだった。

続く第12戦はインドネシアのジャカルタ 大会。ここでも予選16番手と苦戦するが、 決勝では着実に追い上げて7番手でフィニ ッシュするも、接触による5秒加算ペナル ティを受けて最終結果は10位。それでも、

ベルリン大会第14戦を4位で終えたオリバー・ローランド選手が、自身 初のドライバーチャンピオンを決めた。

eベルリン大会はセルジオ・セッテ・カマラ選手が17号車 に乗車したが、最終大会はノーマン・ナトー選手が復帰。

着実にポイントを積み上げて、チャンピオ ン獲得に一歩ずつ近付いていった。

ベルリン大会第14戦で歓喜の瞬間

「予選のペースが課題」と語っていたローラ ンド選手だが、続く第13戦ベルリン大会で は、それを見事に克服して予選3番手を獲 得。決勝レースでも上位争いを展開したが、

終盤に他車と接触してマシンにダメージを 受け、今季初めてのリタイアを喫した。

築き上げてきた流れが崩れてしまうのか と危惧されたが、すでに大量のポイントを 獲得していたこともあり、早ければベルリ ン大会のレース2である第14戦でチャンピ オンが決まるという展開となった。

日産フォーミュラEチームは、新型日産リーフの発表を記念して、桜のデザインをあしらったタ ーコイズブルーのスペシャルカラーリングのマシンで最終ロンドン大会に臨んだ。

ローランド選手は、リタイアの影響もな く落ち着いた様子を見せていた。そして、 予選は8番手につけ、決勝ではいつもどお りに、スキを見つけて前方に仕掛けていく 攻めのレースを見せた。後半には一時トッ プに浮上する場面もあったが、終盤にアタ ックモードを使ったライバルの先行を許し て、最終的には4位でフィニッシュ。この 瞬間に、ローランド選手にとって初となる フォーミュラEチャンピオンが確定し、日 産フォーミュラEチームとしても、念願の フォーミュラE初タイトルとなった。

「日産フォーミュラEチームとともにチャン ピオンになれて、とても誇りに思います。 実感が湧くまで少し時間がかかりそうです。 昨日は厳しい一日でしたが、リードを守る ことだけを考えて走った結果、最終的には 自分を信じて最高のパフォーマンスを出す ことができました。チームに復帰してから、 日産は私が思う存分活躍できる環境を提供 してくれました。まるで夢のようです。シ ーズンを通して、チームの多大なる努力と サポートには本当に感謝しています。ヴォ

チームおよびマニュファクチャラーズタイトルは逃したものの、ローランド選手の初戴冠により、日産フォーミュラ Eチームが悲願の世界選手権タイトルを手に入れた。

ルペとチームディレクターのボワスドロン にも、私を信じて世界チャンピオンになる ために必要なものを全てを整えてくれたこ とに感謝を伝えたいです」とローランド選手 が語る一方で、チームプリンシパルのトマ ソ・ヴォルペ氏も、「これほど感動的な週末 は久しぶり。ローランドと一緒にタイトル を獲得できたのは特別なことです。彼は私 たちの最初のシーズンからフォーミュラE に挑戦し、今や世界の頂点に立ちました」と 感慨深げにコメントを残していた。

最終ロンドン大会までもつれたが

ときには苦労することがありながらも、 勝利を目指して諦めずに前進し続けてきた 日産フォーミュラEチーム。その強さはシ ーズン10から開花し、特にローランド選手 と共に大きな可能性を見せてきた。その好 調を維持したままシーズン11を迎えられた ことが勝因の一つだと言えるだろう。

チームタイトルとマニュファクチャラー ズタイトル争いは、最終ロンドン大会まで 持ち越された。新型日産リーフのアンベー ルを記念したスペシャルリバリーで臨んだ ロンドンでは、土曜の第15戦はノーマン・ ナトー選手が快進撃を見せてポイントを獲 得したものの、ローランド選手は11位フィ ニッシュ。日曜の第16戦はナトー選手が 11位、ローランド選手は上位を争った後 に、無念のリタイアを喫してしまった。

これらの結果により、チームタイトルは タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラE チーム、今季から掲げられたマニュファク チャラーズタイトルもボルシェが獲得する こととなった。しかし、日産フォーミュラE チームのタイトル獲得はドライバー選手権 で成し遂げられ、次世代の電動フォーミュ ラカーシリーズで日本勢の悲願であった世 界タイトルを、初めて掴んだ歴史的なシー ズンとなった。

SETTECAMARA

第5戦はセバスチャン・ブエミ選手の欠場により平川亮選手 とブレンドン・ハートレー選手の2名体制で戦った。

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雨に翻弄された第6戦COTA、TGR8号車が粘りの走りで善戦 第5戦サンパウロはAKKODIS ASP・87号車が制し、レクサスRC FがWEC初勝利!!

PHOTO/TOYOTA GAZOO Racing、FIA WEC/DPPI REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

ラジルのインテルラゴス・サー キットで行われたFIA世界耐久 選手権(WEC)第5戦「サンパウ ロ6時間レース」。TOYOTA GAZOO Rac ing(TGR)は、セバスチャン・ブエミ選手 がフォーミュラE出場で欠場。8号車はブレ ンドン・ハートレー選手と平川亮選手によ る2人体制で、10番手からの決勝となった。

7号車は18番手スタートで、マイク・コン ウェイ選手とニック・デ・フリース選手、 小林可夢偉選手が担当した。

TGRにとって昨年も優勝している相性 のいい舞台だったが、今年は上位を争うペ ースがなく苦戦。優勝したキャデラック12 号車とは3周差をつけられ、7号車が14位、 8号車が15位。TGR勢のポイント連続獲得 記録は「44」で止まってしまった。

一方でLMGT3クラスは、AKKODIS ASP チームの87号車が優勝。昨年の参戦開始以 来、レクサスRC F LMGT3に待望のWEC

初勝利をもたらした。また、ホセ・マリア・ ロペス選手はハイパーカーとLMGT3両方 で優勝した初のドライバーとなった。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズで9 月に行われた第6戦「ローンスター・ル・マ ン」では、TGR8号車にはブエミ選手が復帰 した一方で、7号車のコンウェイ選手が負傷 欠場。ロペス選手が代役を務めた。

予選から小雨が降った第6戦。日曜はさ らに雨が強まり、決勝はセーフティカー (SC)先導で始まった。しかし、SC運用中 でも隊列が大きく乱れる悪条件により1時 間後には赤旗が提示される。約40分後に 再開されても、スピンや接触が相次いだ。

18番手スタートのTGR7号車もコースオ フによる、大きなタイムロスもあり14位で 終わる。8番手スタートの8号車はLMGT3 車両に接触されてスピンに至ったものの、 粘り強く走り切って9位に入った。この荒 れたレースはポルシェ6号車が制し、ポル

AKKODIS ASPの87号車がLMGT3初優勝。ホセ・マリア・ ロペス選手は両クラスを制した初の存在となった。

シェ勢に今季初優勝をもたらした。

最終盤で路面が乾いた第6戦では、特に LMGT3勢がスリックタイヤで勝負をかけ、 順位が次々と入れ替わった。ユナイテッド オートスポーツ95号車の最終スティント を担当した佐藤万璃音選手も、ラスト5周 で順位を3つ上げて2位に浮上。トップ入 線の54号車にタイム加算のペナルティが 出たことで、WEC初優勝を成し遂げた。 次戦はいよいよ第7戦富士大会。ここで FIA WECは「100戦目」の節目を迎える。

第9戦フィンランド、TGR-WRTがトップ5を独占する初の快挙! ロバンペラ選手が待望のフィンランド初優勝を飾り勝田貴元選手も2位表彰台!! PHOTO/TOYOTA GAZOO Racing REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

ーズン中盤はグラベルが続き、 脱落者が続出するサバイバルラ リーの様相を呈した2025年の FIA世界ラリー選手権(WRC)。第7戦「ア クロポリス・ラリー・ギリシャ」でも、伝統 の荒れた路面が牙をむいた。

TOYOTA GAZOO Racing World Ral ly Team(TGR-WRT)勢は、勝田貴元選手 をはじめ、パンクなどに悩まされて後退す るも、経験豊かなセバスチャン・オジエ選 手が2位、エルフィン・エバンス選手が4 位に入ってポイントを上積みした。

欧州を一気に北上した第8戦「ラリー・エ ストニア」では、これまでと一変して比較的 スムーズな高速グラベルが舞台となった。

今大会はTGR-WRTでGRヤリスRally1

名手・セバスチャン・オジエ選手との僅差の争いを制した勝田 貴元選手が第二の地元で最上位タイの2位を獲得。

のシートを得たオリバー・ソルベルグ選手 が他を圧倒。ノンエリジビリティで久々の Rally1車両だったが、レギュラー勢に約25 秒差をつけて優勝した。そして、TGR WRC チャレンジプログラム三期生の松下拓未選 手が速さと安定感を両立させる見事な走り でWRC3初優勝。後藤正太郎選手もステ ージベスト7回を奪取する速さを見せた。

迎えた第9戦は、TGR-WRTのホームイ ベント「ラリー・フィンランド」だ。

デイ2は雨の影響でトリッキーな路面も あったが、おおむね高速グラベルでの戦い が展開され、カッレ・ロバンペラ選手が、 20km超のロングステージ2本のみという 最終日のスーパーサンデー&パワーステー ジをも制し、待望の母国初優勝を挙げた。

勝田貴元選手もオジエ選手との僅差の争 いを制して最上位タイの2位を獲得。以下 5位サミ・パヤリ選手までTGR-WRTはト ップ5を独占する初の偉業を成し遂げた。

チャレンジプログラム二期生の山本雄紀 選手もWRC2で初のステージベストを計 測。自信を深める自己最高位のクラス5位

TGR-WRTからRally1で第8戦エストニアの参戦機会を得た オリバー・ソルベルグ選手がWRC初勝利を挙げた。

を獲得した。四期生のコ・ドライバー前川 富哉選手もWRCデビューを果たしている。

第10戦はWRC初開催の「ラリー・デル・ パラグアイ」で、ペーニャ大統領が自らPR に励む国を挙げた大会となった。おおむね ドライ路面ながら一時的な降雨もあり、多 くのクルーがトラブルに見舞われてシーソ ーゲームが展開。最終的にオジエ選手が優 勝し、エバンス選手が2位。マニュファク チャラーとしてのトヨタはWRC通算102 勝を挙げ、シトロエンが有するこれまでの WRC最多勝利記録に並んだ。

第3戦セパン大会では車両展示や出店が並ぶ「Nihon Ma tsuri」も行われ、7万4000人超の観客を集めて大盛況。

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新たなレースで盛り上げる! スーパーGTが新施策を続々と導入 12年ぶりのセパン開催は大盛況! 第4戦富士では「スプリントフォーマット」を初導入 PHOTO/石原 康[Yasushi ISHIHARA]、遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU] REPORT/吉田知弘[Tomohiro YOSHITA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

年とは異なるレースが繰り広げ られている2025年のFIAイン ターナショナルシリーズ・スー パーGT。シリーズ第3戦はマレーシアのセ パン・インターナショナルサーキットで行 われ、6年ぶりに海外大会が復活した。

このセパン開催は、本来なら2020年の 開催を予定していた。それがコロナ禍の影 響で見送られ、通常の活動に復帰してから も、物流コスト高騰などの影響もあり、な かなか開催に至っていなかったのだ。

その間にもGTアソシエイションとマレー シア側は熱心に検討を重ねており、このた び、マレーシア政府が力を入れる「マレーシ ア観光年2026」に合わせて2025年からの スーパーGT開催が実現。6月27~28日に シリーズ第3戦「SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025」が開催された。 12年ぶりのセパン開催が実現!

セパンでの開催は2013年以来、実に12 年ぶり。GT500クラスは毎年1月にテスト 走行をしているが、実戦経験があるドライ

バーは限られている。GT300に関してはセ パンでの走行経験がないドライバーも多か ったことから、コース習熟の目的で6月26 日に公式練習が追加されている。おかげで、 3日間を通して大きなアクシデントもなく、 久々の海外大会は無事閉幕した。

場内では日本の文化を紹介するイベント 「Nihon Matsuri」や、現地のアイドルグル ープやアーティストたちが出演するライブ ステージも催され、2日間で7万5000人超 の動員を記録する大盛況となった。

そして、2026年に向けた話も進んでいる。 現地プロモーターであるHARO Sports & En tertainmentからは、GT500クラスのワイル ドカード参戦にも言及があり、早くも注目度が 上がっている。GTアソシエイションも、海外 シリーズとのバッティングを考慮して、1週間 前倒しの日程を検討しているとのこと。これに より、スパ・フランコルシャン24時間レース との重複を回避できるため、ワイルドカードで 参戦できるドライバーが増えそうだ。

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現地で行われた記者会見で、GTアソシエイ ションの坂東正明代表は、「COVID-19の影

HAROファリザル・ハッサン代表とGTA坂東正明会長、ワイ ルドカード参戦チームを代表してアール・バンバー氏。 セパンではスーパーGT恒例の救出訓練も行われ、現地マー シャルを対象に渡邊水樹ドクターらが手順を指導監督した。

響もあり、なかなか開催できませんでしたが、 やっとこの地に戻ってくることができました。 2013年以来なので、バタバタするところはあ りましたが、ここからスタートできることを非

第3戦セパンは37号車笹原右京/ ジュリアーノ・アレジ組が優勝

GT500は、19号車・国本雄資/阪口晴南組がポールを獲得するも8号車・野尻 智紀/松下信治組に首位を奪われる展開。しかし、ピットタイミングを遅らせた 37号車笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組が中盤で逆転して優勝した。GT300 は序盤の順位変動を取り戻し、18号車の小林崇志/野村勇斗組がポール・トゥ・ ウィンを成し遂げた。

第4戦富士、Race1は坪井翔選手、Race2は福住仁嶺選手が制す

混走のRace1は1号車の坪井翔選手が2番グリッドから序盤でトップに立ち 完璧なレース運びで快勝した。日曜のRace2はポールポジションの14号車・ 福住仁嶺選手が1号車・山下健太選手の追撃を振り切り今季初優勝を挙げた。

GT300はRace1をチャーリー・ファグ選手、Race2を藤井誠暢選手が制して、 777号車Dʼstation Racingが連勝した。

常に嬉しく思います」とコメントした。マレー シア観光局とは3年の契約があるということ で、スーパーGTマレーシア大会がここから 先どのように発展していくのか、注目である。

富士でスプリントフォーマット初導入

今季は、もう一つの新たな取り組みが行 われた。富士スピードウェイの第4戦では、 シリーズ戦としては史上初めてとなるスプ リントフォーマットが導入されたのだ。

通常のスーパーGTは、1台の車両を2名 (または3名)のドライバーが交代しながらゴ ールを目指す、セミ耐久的なレースである。

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しかし、このスプリントフォーマットでは、 土曜の「Race1」で1名、日曜の「Race2」でも う1名のドライバーがそれぞれ走行。そし て、Race1はGT500とGT300が混走する 35周のレースとなり、Race2はGT500と GT300を分けて、それぞれ50分の時間制 レースで走らせる形式となった。

途中のドライバー交代は禁止で、レース 距離も1時間以内に収め、レース中の給油 も行われなかったことから、それぞれのレ

ースで見どころが変わる2日間になった。

また、シーズン中の獲得ポイントに応じ て課せられるサクセスウェイトも、今大会 のみ全車「0」kgに戻されたため、ドライバ ーの技量と車両のポテンシャルによる、ま さにガチンコ勝負が繰り広げられた。

特にGT500クラスのRace2では、14号 車ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺 選手)と1号車au TOMʼS GR Supra(山下 健太選手)によるトップ争いに、スプリント ならではの駆け引きやペース配分などがみ られ、いつもの300kmや3時間の長距離 戦とは異なる展開に注目が集まった。

レースを終えたGTアソシエイションは、 参加者・関係者から意見を集め、モーター スポーツ・ジャーナリストで構成される日 本モータースポーツ記者会からも意見を募 っていた。改善に向けた動きも積極的で、 新たな取り組みを続けることで、シリーズ の人気拡大に努める意識が感じられた。

GRスープラ勢が上位を独占

スーパーGTの2025シーズンは、2024

年チャンピオンの1号車の坪井翔/山下健 太組が強さを増し、開幕戦・岡山国際サー キットでの優勝を皮切りにポイントを積み 重ねている。第5戦・鈴鹿サーキットでは サクセスウェイトが100kgに達したが、安 定したレース運びを見せて5戦連続の入賞。 ランキング首位の座をキープしている。

今季はTOYOTA GAZOO Racing勢が シリーズを席巻しているものの、第5戦鈴 鹿では23号車MOTUL AUTECH Z(千代 勝正/高星明誠組)が優勝したほか、後半 戦に向けて、CIVIC TYPE R-GT勢も着々 と力をつけてきており、目が離せない状況 になってきた。

GT300クラスは、昨年ランキング2位で 終わった65号車LEON PYRAMID AMG が好調だ。今季は菅波冬悟選手がチームに 復帰して開幕戦から活躍し、「毎戦、自分た ちができる精一杯のことをキチンとやる」を テーマにポイントを稼いでいる。第5戦鈴 鹿では少々苦戦したところもあったが、ポ イントを積み重ねて首位の座をキープ。戴 冠に向けて一歩ずつ進み続けている。

HEADLINE

4 F1角田裕毅選手、逆境にも果敢に立ち向かい奮闘を続ける!! 6 日産オリバー・ローランド選手がフォーミュラE王座に輝いた!

8 雨に翻弄された第6戦COTA、TGR8号車が粘りの走りで善戦 9 第9戦フィンランド、TGR-WRTがトップ5を独占する初の快挙! 10 新たなレースで盛り上げる! スーパーGTが新施策を続々と導入

SPECIAL ISSUE

14 日本から世界へ

“夢”に挑戦するニッポンの王者たち 彼らに立ちはだかる壁、そして新たなる可能性! 18 ついに来た!

王者・坪井翔選手に待ったをかける!!

岩佐歩夢選手がSUGOで待望の初勝利 22 孤高のトライ

スピード競技に新たな風を吹かせる想定外の選択肢 28 新時代の“SIM”活用術

UNIZONEに参戦するリアル&バーチャルドライバーのレーシングシミュレーターとの上手な付き合い方とは? 39 欧州に挑む

激戦区の“FRECA”で喰らいつけ! 世界最高峰を目指す若武者たちの現在 52 最適解へのアプローチ

カートのセッティングを煮詰めてライバルに勝つ!

NEWS & TOPICS

42 WRCラリージャパンは11月上旬に愛知・岐阜で開催! 公示された2026年カレンダーでは5月下旬 の第7戦に 43 日本スポーツ協会とJAFが手交式にて情報交換 43 日本カート協会が有望選手を発 掘・支援する初開催の“夏合宿”にジュニア世代34名が参加 44 野村勇斗選手が富士の第15戦で怒涛 の9勝目! 全日本スーパーフォーミュラ・ライツの王座を確定 44 スーパー耐久はオートポリスで後半 戦に突入! 11月14~16日には「S耐チャレンジ」が初開催 45 FIA F4で首位につける佐藤樹選手がマカ オに参戦 45 国内新規格レース「FJ1500」が2026年から発進 45 2025年のJAF地方選手権表彰式 開催一覧が公示 46 全日本ラリー中盤戦は北海道グラベル2連戦、第6戦十勝大会では3クラスでタイ トル確定! 48 全日本ジムカーナ/ダートトライアル中盤戦、混戦の王座争い! D2は田口勝彦選手に確 定!! 50 日本ドリフト選手権D1グランプリ・筑波大会、松山北斗選手が第4戦でGRカローラに初勝利  51 白熱する全日本カート2025年のタイトル争い! FS-125部門は酒井龍太郎選手が8戦7勝で連覇 31 2026年のライセンス更新のご案内

58 2026年日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権規定

60 全日本ジムカーナ選手権2026年カレンダーが明らかに

62 オートテスト倶楽部

スイカ食べ放題とダート走りの異色コラボ、オートテストで地域と一緒に盛り上がる!!

64 4駆ターボは進化する

GRヤリスで復活した“4駆ターボ”の系譜がDATの進化とエアロの追加でさらに“深化”

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PHOTO/成田颯一[Souichi NARITA] 下:2025年JAF全日本ラリー選手権 第6戦「RALLY HOKKAIDO」

PHOTO/大野洋介[Yousuke OHNO]

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広告出稿のお問い合わせは☎03-5470-1711(営業部) COVER/上:2025年JAF全日本ダートトライアル選手権 第6戦「2025年東北ダートトライアル IN KIRIYANAI」

本誌の記事内容は2025年9月26日までの情報を基にしております。

また、社会情勢等によって、掲載した情報内容に変更が生じる可能性がございます。予めご了承ください。

“夢”に挑戦するニッポン最高峰レースの王者たち 彼らに立ちはだかる壁、そして新たなる可能性! ーパーフォーミュラとスーパーGT GT500 クラスで2023年ドライバーチャンピオン を獲得した宮田莉朋選手。2024年からは拠 点を欧州に移し、FIAフォーミュラ1世界選手権(F1)直 下となるFIA F2選手権を戦っている。

FIA F2選手権は、全戦がF1のサポートシリーズと して併催されている。そのレースフォーマットは、金 曜の午前にフリー走行、午後には公式予選が行われ、 土曜は予選上位10名がリバースグリッドのスプリント レース、日曜にはタイヤ交換義務があるフィーチャー レースが行われる2レース制となっている。

参戦2年目の宮田選手は、名門チーム「ARTグラン プリ」に移籍した。開幕前のテストでは上位につけるタ

イムを記録して今季の活躍への期待が高まったが、い ざ開幕すると、予想外の展開が待ち受けていた。

開幕戦メルボルンの宮田選手は、走行中にエンジン カットが起きるトラブルに見舞われた。この影響で予 選は中団に埋もれ、スプリントレースでも挽回叶わず 12位でフィニッシュした。フィーチャーレースは天候 が悪化したために行われず、トラブル対策をしたはず の第2戦バーレーン・サヒール大会でも予選で失速。 19番手から追い上げたスプリントレースは9位、フィ ーチャーレースでは14位を獲得したが、本人にとって 悔しい一戦になったことは間違いない。

思いがけない形でチャンスが巡ってきたのは第4戦 イタリア・イモラ大会。リバースグリッドに加えて他

2024年から欧州に移ってFIA F2選手権に挑戦する宮田莉朋選手。2年目の 今季は勝負の年になるはずだった。

選手の予選タイム抹消ペナルティもあり、宮田選手は スプリントレースを先頭からスタートすることになっ たのだ。ライン取りを駆使するなどしてポジションを 守るべく奮闘するも、ライバルに比べてペースが鈍く 6位フィニッシュ。翌日のフィーチャーレースもタイヤ のデグラデーションに苦しんで16位に沈んだ。

中盤戦で浮き彫りになった大きな課題

巷では批判的な見方も出るようになっていたが、現 場では、問題解決のために奮闘が続いていた。

「僕らは(タイヤの美味しいところが)1周で終わるん です。速いクルマはパフォーマンスを落とさず、安定 して速く走れています。もちろん、デグラデーション はみんな起きますが、その起き方や加減が違う気がし ているんです。僕の場合は起きてから、”さらに落ち る”感じがあって、そこが課題でした」。

宮田選手の2年目は、チームを移籍したこともあり、 エンジニアやメカニックたちとの関係構築に苦労して いた模様だが、チームとの目線は合っていた。

セッティング面を見直して臨んだ、第6戦スペイ ン・バルセロナ大会。予選は僅差の14番手だったが、 スプリントレースでは、一時は表彰台も狙える5番手 を走ってみせた。終盤のセーフティカー導入時には後 続がオプションタイヤに交換したことで形勢逆転。最 終的にはポイント獲得を逃したものの、レースの内容 は、今シーズン一番の戦いだったと言えるだろう。

今季は名門「ARTグランプリ」に移籍した宮田選手。苦しいレースが続くが、チームは彼の速さを信頼している。

現行規定に近いF1マシン が富士スピードウェイを走 った。このテストは2日間と も一般公開され6000人も の観客を集めた。

一つずつ丁寧に組んできたパズルのピースが合って きた状況において、中盤戦では新たな問題が顕著に現 れた。それがエンジン周りのトラブルだ。開幕戦で起 きたエンジンカットの症状はその後も似た症状が続き、 中盤戦では複数のトラブルが宮田選手を襲った。

第7戦オーストリア・シュピールベルク大会では、 フィーチャーレースのフォーメーションラップでエン ジンが壊れて戦線離脱。トラブルを解消して第8戦の 英国・シルバーストン大会に臨んだはずだったが、今 度は予選で別のエンジン系不具合が生じて、タイムア タックができないままセッションを終えた。

「昨年は、『コースは知らないけどクルマは良かったか ら、もう少しこうすればこうできるな』という感覚があ りました。でも、今年はそこが上手くリンクできてい ない。もちろんドライバーの部分で、力をつけていか ないといけないところはありますが、今年はトラブル が多すぎます……。昨年の経験が結果にうまく繋がら なくて、かなり歯がゆいです」。

本人としては、夢であるF1への道を切り拓くため に、相当の覚悟を持って2年目に臨んでいる。しかし、 さまざまな事情が重なり、ライバルと対等に戦えるス テージに立てていないという状況に陥っている。

第8戦シルバーストン大会に赴いて、宮田選手の様 子を取材したが、「悔しい」とか、「苦しい」といった言 葉では収まらないくらい、やり場のない想いが感じら れた。それが溢れ出さないように耐える彼の表情を目 の当たりにして……こちらも胸が苦しかった。

それでも「ホント、諦めずにやるしかないです」と、 自身を鼓舞するかのように語った宮田選手は、取材が 終わると、チームとのデブリーフィングのために、足 早にトランスポーターへと去っていった。

スパで待望の2位。しかし状況は変わらず その1週間後、これまでの苦労がついに報われる。

ベルギーの第9戦スパ・フランコルシャン大会で、予 選2番グリッドを獲得したのだ。雨のフィーチャーレ ースでは、序盤はポジションをキープしながら独走。 タイヤ交換義務を済ませた後、さらに前に迫ろうとし た。しかしスピンで後退し4番手でレースを終えた。

後に上位2台が失格やタイム加算ペナルティを受け、 宮田選手が繰り上がりで2位表彰台を獲得。ようやく 届いた吉報に、日本でも喜びの声が上がった。しかし、 課題が何一つ解決していないという現実もあった。

続く2戦でそれが浮き彫りとなった。第10戦ハンガ リー・ブダペスト大会ではフリー走行でエンジントラ ブルが発生。予選も下位に沈んだ。サマーブレイク明 けの第11戦イタリア・モンツァ大会では、ストレート スピードが伸びない症状が今まで以上に顕著に現れ て、フィーチャーレースは14位に終わっている。

ハイレベルな戦いを要求されるチャンピオンシップ にマシントラブルは付きものではあるが、スーパーフ ォーミュラを始めとした日本のレースでは、トラブル フリーではないものの、その頻度は少なく、いわゆる エンジンの個体差も最小限に抑えられている感がある。 それに比べると、ムラがあるように感じられた。

今シーズンは、宮田選手以外にもエンジントラブル でレースを落とした車両が多くいる。エンジンやECU 周りはワンメイク供給元であるメカクローム社が管理 しているため、チームでも対応には限界があるという。 そして、トラブルが出ない車両も存在しているという 点が、どうしても気になってしまうところだ。

FIA F2からF1にステップアップできるドライバー は、ほんのひと握りであることは誰もが知るところ。 ただし、その狭き門をくぐるためには、コース上やパ ドックだけでなく、サーキットに入る前段階での”駆 け引き”も、上手く立ち回る必要があるのだろう。

日本人の海外参戦は、かつて「ドライバーが一人で なんとかするものだ」と言われていた。しかし、現在は マネジメント面を含めた総力戦となっている。

宮田選手はかねてから「現場に来て、見てほしい」と 語っていた。そして今回も、同じ言葉を発していた。 昨年、宮田選手を取材したカタール大会でぼんやりと 感じたものが、今回のシルバーストンを訪れて、より 明確になったような気がしている。「孤軍奮闘では勝て ない」。それが現在のFIA F2を戦い抜く上で、重要な キーワードなのかもしれない。

Haas F1 TPCで富士を100周強! 坪井翔選手が掲げる新たな目標 8月6~7日、富士スピードウェイでMoneyGram Haas F1 Teamによる「TPC」が行われた。TPCは「Te sting of Previous Car」の略であり、現在のF1で認 められているプライベートテスト手法の一つ。過去の F1車両を用いて、育成選手やF1を目指すドライバー に走行機会を与えることが主目的とされている。

F1のレギュラードライバーには厳しい走行距離の制 限(年間1000km、走行日数は4日間)が設けられてい るが、それ以外のドライバーには、チームのTPC走行 が年間20日間以内であれば、目立った制限はない。

昨年からHaas F1と業務提携したTOYOTA GAZ OO Racingの協力もあり、日本のサーキットで実現す ることになった今回のTPC。特に、富士スピードウェ イにおいて、現行規定に近いF1マシンが走るのは十 数年ぶりということで、一般公開された2日間は、延 べ6000人を超える観客が集まる盛況ぶりだった。

日本でのTPC開催の目的は、もちろんそれぞれの組 織における人材育成という部分が大きいが、Haas F1 の小松礼雄代表は、「とにかく日本でのF1人気を上げ たい。グランプリになると、チケットやホテル代など、 かなり敷居が高くなりますが、テストならそこまでに はならないはずです。敷居を低くして、少しでも興味 がある人に来てもらって、F1を身近に感じてほしいと いう想いがあります」と、開催の経緯を語っている。当 日は国内のトヨタ系チーム関係者や選手も多く詰めか けて、ガレージ内で作業を見守っていた。

「この舞台でも戦えるんじゃないか」

富士のTPCでは平川亮選手が走行したほか、2024 年の国内二冠王者である坪井翔選手がF1マシンを初 ドライブすることになった。序盤は雨がパラついたも のの、スピンやクラッシュもなく108周を走破した坪

「F1を身近にしたい」と語る小松礼雄代表の想いに呼応し た、モリゾウこと豊田章男会長もTPC富士を見守った。

井選手。ベストタイムは1分17秒470を刻み、フェ リペ・マッサ選手が2008年に計測したコースレコー ドの1分17秒287に迫るタイムを記録してみせた。 「今まで『夢はF1ドライバー』と言っていましたが、正 直、すごく遠い存在で……。何年か前までは半分くら い、“叶わない夢”だと諦めていた部分がありました。 それが、今日こうして実現して、より身近にF1を感じ られたことで、『この舞台でも戦えるんじゃないか』と いう自信を深められました。今のF1ドライバーに混ざ ったら、どこまで通用するのかということを確認した くなりました」と坪井選手は思いを新たにした。

国内トップカテゴリーで成功した後に、欧州に渡っ て結果を出すことは、簡単な話ではないはずだ。しか し、日本で活躍すれば、世界へ進出できる、自身の実 力を証明できる、という流れが確立されるのであれば、

Haas F1のTPC日本開催は非常に意義深い。日本か ら世界へ繋がるきっかけとなることに期待したい。

TPCではHaas F1 Teamのリ ザーブを務める平川亮選手に 加えて、坪井翔選手が初乗 車。108周の周回を重ねた。

日本スーパーフォーミュラ選手 権の2025シーズンは、全12戦 で争われている。シーズン序盤 でドライバーズランキングをリードしたの は、2勝を挙げた牧野任祐選手で、同じく 2勝したチームメイト、太田格之進選手が 続いた。スーパーGTのGT500クラスとの ダブルタイトルを保持するディフェンディ ングチャンピオンの坪井翔選手は、第5戦 で今季初優勝を挙げて3番手につけた。

富士第6戦を制した坪井翔選手 ”坪井劇場”の開幕に早くも警戒 6月上旬に富士スピードウェイで今季2 回目となる合同テストを経たスーパーフォ ーミュラは、7月の富士大会を迎えた。

昨年、待望のスーパーフォーミュラ初優勝を果たした牧野任祐選手をはじめ、昨年から好調を維持する太田格之 進選手らDOCOMO TEAM DANDELION RACING勢が、2025シーズンの序盤戦をまさに席巻した。

土曜の第6戦予選では、開幕から一発の 速さをキープする野尻智紀選手がポールポ ジションを獲得。野尻選手はこのカテゴリ トイン。福住選手にターゲットを絞ってい た野尻選手も翌周でピットに入った。

ーで最多ポール記録を持っており、その数 を「23」に伸ばしたのがこの第6戦だ。

野尻選手に続いたのが富士を得意とする 坪井選手で、昨年の富士でポールを獲得し た福住仁嶺選手が3番手につけた。ランキ ング上位勢では岩佐歩夢選手が5番手、牧 野選手が6番手。アタックラップ中に走路 外走行と判定された太田選手は、午後のレ ースで12番手から巻き返す展開となった。

決勝では、スタートで野尻選手がホール ショットを奪ったものの、ほどなくオーバ ーテイクに成功した坪井選手がトップに立 ち、序盤は野尻選手、福住選手が続く形と なった。先頭の坪井選手が10周を終えて タイヤ交換のウィンドウが開くと、福住選 手や7番手を走行中だった牧野選手がピッ

一方で岩佐選手は21周、坪井選手は23 周までピットインを引っ張った。タイヤ交 換を済ませた中では野尻選手、坪井選手、 福住選手の順で、岩佐選手はやや離れた位 置に埋もれることになった。タイヤが新し い坪井選手は、再び野尻選手をオーバーテ イク。全員がピットストップを済ませると、 坪井選手が先頭になった。

坪井選手はそのまま最後まで危なげなく 走り切り、オートポリスに続いてシーズン 2勝目を挙げた。富士に限れば昨年から4 連勝を挙げており、ライバル陣営は「坪井 選手は富士が得意。富士のレースが中盤戦 以降に4レースもあるから、そこが正念場

今季もすでに4度のポールポジションを獲得している野尻智紀選 手。第6戦富士では最多ポール記録を「23」に伸ばした。

フォーミュラEからスーパーフォーミュラに帰ってきたサッシャ・ フェネストラズ選手は第8戦SUGOで復調の2位表彰台。

坪井 翔選手[VANTELIN TEAM TOM'S]

第8戦SUGO終了時点でランキング首位を走るのはディフェンディングチャンピオンの坪井翔選手。SUGO大 会で優勝した岩佐歩夢選手が2番手、序盤戦で快進撃をみせた太田格之進選手が3番手につける。

になる」と警戒していたが、想定通りに坪 井選手が強さを見せた形となった。

2位で表彰台を獲得したのは野尻選手。 タイヤの利を活かして終盤に福住選手をか わした岩佐選手が3位に入り、TEAM MUGEN陣営がポイントを伸ばした。その 一方で、序盤戦を席巻したDOCOMO TEAM DANDELION RACINGは、牧野 選手が5位、太田選手が10位に留まった。

富士第7戦は、太田格之進選手と 岩佐歩夢選手、坪井翔選手が激闘 日曜の富士第7戦では、前日の第6戦優 勝の勢いそのままに、坪井選手が今季初の ポールポジションを獲得した。土曜の予選 を不本意な形で終えた太田選手がフロント ローに並び、佐藤蓮選手が今季の自己ベス トグリッドとなる3番手に入ってみせた。

ランキング上位勢は、岩佐選手が5番手 で牧野選手が9番手、土曜のポールシッタ ー野尻選手は、アタック中に走路外走行の 判定を受けて12番手に終わっている。

日曜午後からの第7戦決勝レースは、当 初の予定から42分遅れの15時57分にフ ォーメーションラップが始まった。これは、 レコノサンスラップ走行時に各車に搭載さ れた計時用トランスポンダに問題が発生 し、その解消に時間がかかったためだ。

決勝レースでは、スタートで抜群のクラ ッチミートを見せた太田選手が2番グリッ ドからトップを奪った。しかし、オープニ ングラップの13コーナーでは、坪井選手 が太田選手を逆転。2台は膠着状態のまま

岩佐歩夢選手[TEAM MUGEN]

太田格之進選手[DOCOMO TEAM DANDELION RACING]

周回を重ねた。この第7戦もドライ路面と なりタイヤ交換義務があったが、交換のウ ィンドウは設定されていなかった。

そこで、5番手を走行していた岩佐選手 が7周を終えたところで早くもピットイン。 岩佐選手はここからハイペースで周回を重 ねていった。そして18周目にアクシデント が発生。セーフティカー(SC)導入により、 まだタイヤ交換を行っていなかったドライ バーが一斉にピットロードになだれ込む事 態となった。その結果、いち早くタイヤ交 換を終えていた岩佐選手がトップに浮上。 坪井選手が2番手、太田選手が3番手とい うオーダーとなり、SC明けには、この3 台が接近戦を展開した。

それぞれオーバーテイクシステム(OTS) を使うタイミングを探り合うバトルとなっ たが、最終的にトップに立ったのは太田選 手。今季3勝目を挙げ、自身初となる富士 スピードウェイでの優勝を飾った。

2位には坪井選手の追撃を凌ぎ切った岩 佐選手が入った。坪井選手は3位に終わり、 富士5連勝は果たせなかった。そして、S C中に太田選手と同時ピットインとなった牧 野選手は、最終的に9位に終わり、野尻選 手は、決勝でも12位に留まっている。

真夏開催・新舗装のSUGOでは グリッドの顔ぶれが一変!

富士大会から3週間後の8月にはスポー ツランドSUGOで第8戦が行われた。

このSUGOで夏の時期に国内トップフォ ーミュラが開催されたのは20数年ぶり

(2003年は7月末。8月開催は2002年以 来)のことで、現役選手たちにとって夏の SUGOには馴染みがない。そして、SUGO は今春に路面を全面改修、新たな縁石を複 数個所で追加しており、改修後のコースで の戦いも全員が初体験。そのため、8月の SUGOは、どのチーム・ドライバーにとっ てもチャレンジングな一戦となった。

今大会最初のセッションである土曜のフ リー走行では、ルーキー小出峻選手がトッ プ、野尻選手、坪井選手と続いた。しかし 午後の予選ではガラリと顔ぶれが変わった。

この流れは、今季スペック変更があった タイヤの改修路面への合わせ込みに戸惑う 声が多かったことと関連がありそうだ。そ の展開で抜群の仕上がりを見せたのが岩佐 選手で、鮮やかに今季初ポールを獲得した。 ここまで苦戦が続いたサッシャ・フェネ ストラズ選手がSUGOで2番手に入り、ス ーパーフォーミュラ復帰後初のフロントロ ーとなった。昨年6月にSUGOで大クラッ シュを喫した阪口晴南選手が3番手に続き、 今季としては新鮮な並びになった。

対してランキング上位勢は、坪井選手が 4番手、牧野選手が7番手、野尻選手が11 番手につけた。太田選手は、まさかのQ1 敗退で16番手に沈んだ。

初モノずくめのSUGO決勝レース 岩佐歩夢選手がついに初勝利!

日曜のSUGOは、朝から雨が降るウェッ トコンディション。フリー走行も決勝も、 濡れた路面で行われることとなった。今年

からウェットタイヤも新スペックとなって いるが、この新スペックタイヤによるレー スも各陣営にとって初体験となった。

第8戦決勝はSC先導のスタートとなり、 SCが離れた後も、2回のSCが入る荒れ た展開が続いた。そして、第8戦は時間レ ースとされ、周回数的には48周終了時に チェッカーフラッグが提示された。

雨が降ったり止んだりする難しい状況の 中で、選手たちは先が見通せないタイヤマ ネジメントを強いられた。それでも終始落 ち着いた走りを見せたのが、ポールポジシ ョンからスタートした岩佐選手だった。

SCスタートの後、最初のレース状態に 入ったところで2番手のフェネストラズ選 手に迫られる場面もあったが、その後は最 後まで安定したレース運びを披露。スーパ ーフォーミュラ参戦2年目にして、ようや く岩佐選手が初優勝をもぎ取った。

TEAM MUGENの田中洋克監督は「オー トポリスでトップを走りながらタイヤが脱 落した後、岩佐を勝たせるために、チーム で徹底的に原因を究明してきた」と語って いたが、それが結果に結びついた格好だ。

坪井選手はレース序盤で3位に浮上。そ の後、2位をうかがう場面もあったが、最 終的には4位でレースを締めくくった。こ れに対して、太田選手は決勝で大きくポジ

初モノずくめの第8戦SUGO大会で、岩佐歩夢選手が待望のスーパーフォーミュラ初優勝を成し遂げた。

ションを上げて8位。牧野選手は10位に 留まった。そして、野尻選手は決勝でのペ ースに苦しみ、まさかの15位に終わった。

この結果、95点でランキングトップを維 持したのは坪井選手。岩佐選手が90点で 2番手に浮上。以下、87点で太田選手、74 点で牧野選手、57点で野尻選手が続いてい る。中盤戦の富士とSUGO大会だけを見 ると、岩佐選手は49点、坪井選手は44点 といずれもポイントを大きく積み上げ、太 田選手もこの2大会で26点を獲得した。

国産セルロースエタノール混合燃料を初採用 来季からのSF実戦投入を目指しテストが進む

スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーション

(JRP)は、8月8日に次世代グリーンCO2燃料技術研究組合 (raBit)とENEOSとの協業により、2026シーズンからセルロース エタノールを用いた低炭素ガソリンの使用を含む、カーボンニュ ートラルと循環型社会の実現に向けた基本合意に締結。製造拠点 となる福島県の大熊町で発表した。

9月9~11日には「カーボンニュートラル開発テスト」が富士で 行われ、大熊町で製造されたセルロースエタノールを配合した E10燃料を使って、山本尚貴選手と国本雄資選手が200周以上を 走行。データ収集やパフォーマンスの確認を行った。

これに対して、開幕から好調を維持して きた牧野選手は3レースでわずか9点、野 尻選手も第6戦こそ18点を獲得したが、 第7戦と第8戦はいずれもノーポイントに 終わり、明暗がはっきり分かれている。

第8戦SUGOの後は2か月余りのインタ ーバルを経て、10月の富士、11月の鈴鹿と いずれも2レース制の大会が待っている。 残る4戦で勢力図が変わるのか、最後に笑 うのは誰なのか? 今季のスーパーフォー ミュラも予想不能な展開となっている。

富士のカーボンニュートラル開発 テストに持ち込まれた、大熊町で製 造されたセルロースエタノール。

8月の発表会には、来賓として大熊町 の新保隆志副町長と福島県企画調整 部の黒田洋介課長が出席した。

発表会では2024年11月に竣工した大熊町内のセルロースエタノール 生産研究設備も公開された。原料は近隣農家に協力を得て栽培されたと いう「ソルガム」で、非可食原料由来のバイオエタノールとなる。

スピード競技のなかでもジムカーナ競技と ダートトライアル競技は、旧型車から現行車、 無改造車から改造無制限車などなど、 さまざまなキャラクターのマシンが集結する。

これらを操るドライバーは、ライバルをリードするため、 そして業界の発展のためにあらゆるチャレンジをし続けている。 ここでは、全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権の中で、 意欲的なトライアルをしている

ドライバーに焦点を当て、彼らの試みに迫る。

DC2インテグラからデミオ15MBに乗り換えて全日本ダートトライアルにシリーズ 参戦した太田智喜選手。2021年にはJD9クラスで自身初の全日本チャンピオンを獲 得。2025年はMXWH60プリウスのダートラ車を製作してデビューさせた。

DL Motys 奥山 S +プリウス[ MXWH60 ]

ータースポーツは、過去に繰り 返されてきた、先人たちのあら ゆる試行錯誤の上に成り立って いる。それぞれの時代で新たなチャレンジ がなされたことで、次世代の新たな常識も 創り出されてきている。ここでは、スピー ド競技の全日本選手権で、新たな価値を創 り出すことに挑む選手たちに焦点を当てる。 彼らがどんなトライを行い、その先に何を 見出そうとしているのかを聞いていく。

「素性の良さに惚れ込んだ」 現行プリウスをダートラに!?

2025年の全日本ダートトライアル選手 権で、新たなチャレンジに臨んでいる代表 格は、太田智喜選手だと言えるだろう。

マツダ・デミオ15MBで2021年の全日 本JD9クラスチャンピオンを獲得している 太田選手が、2025年は現行プリウスを持ち 込んだ。これまで初期型や30型プリウス がダートトライアルに参戦してきたことは あったが、最新型のプリウスをダートに下 ろし、しかも全日本選手権を戦うというケ ースは異例である。この挑戦について太田 選手は、「8年も乗ったデミオから乗り換え る際に、次はダートラで走っていないクル マを選ぼうと思っていました。そんな時に 新型プリウスを見て、カタチがカッコ良か ったし、出力もありましたから、販売店で 試乗してみたら、アクセルやブレーキの反 応も良かったんです。新型車の中でこれだ け違和感なく基本操作ができることに驚い て、これなら勝負できるかもと思って、プ リウスを選びました」と説明する。

全日本ダートトライアル選手権PNE1/PN2 太田智喜選手

当然、フロントランナーには多くの苦労 が伴うわけで、「足回りやロールケージ、 ガード類などはサプライヤーにワンオフで 製作してもらいました。地味にホイールが 大変で、リアキャリパーが干渉しない形状 のホイールがなくて、僕が確認した限りで は2種類しかありませんでした」とのこと。

ハイブリッド車両ならではの注意点もあ るようで、「ハイブリッド車はバッテリーを 溜めておかないといけないんですが、最初 はそれをよく忘れまして(笑)。アクセルの オン・オフが激しいコースだとバッテリー をチャージできるし、パワーも活かせます が、全開区間が多いコースだとバッテリー がすぐ減るので、いかに回生を入れながら 走るかを意識するようになりました」と、運 転技術の面でも新たな境地に至っている。

それでも、「このプリウスは素性が良く てコントロールしやすいし、足回りもスプ リングは2回ぐらいの試作でいい感じにな りました。ブレーキも純正状態でバランス がいいので、セッティングは順調に進んで

いると思います。車重が重いの で、ドライビングに関しても入 力は小さくゆっくりしないとい けない。これはなかなか大変 で、プリウスに乗ったことでド ライビングの幅が広がったと思 います。オープンデフのAT車

長くシビック使いとして知られてきた小山 健一選手。2018年にSA1王者となった後、 2024年にZC33SスイフトスポーツのAT車 に乗り換え、PNE1で2度目のタイトルを獲 得した。2025年はPN2クラスに挑む。

で初めて競技車両を作ったので、まったく 勝負にならないことを覚悟していました。 ですが、ポイント獲得圏内で争えるように なってきて、手応えを掴みつつあります。 苦労もありますが、その分だけ楽しいです」 と、試行錯誤ですらも堪能しているようだ。 「プリウスでタイムを出せるようになれば、 中古のプリウスでダートラに出てみたいと いう人や、プリウスでやれるなら、他のオ ートマ車でもできるんじゃないかと思う人 が出てくるかも知れません。現行車がスイ フトやヤリスだけじゃなく、もっと多くの 車種に出てきてほしいんですよ」。

現行プリウスで5年のダートトライアル 活動を計画しているという太田選手。惚れ 込んだ素性の良さが活かされて、目指す成 績に到達する日もそう遠くないだろう。 初モノ好きなダートのベテランが GRヤリスDATをいち早く投入 全日本ダートトライアルでは、オートマ チック車の専用クラスが設けられているが、

全日本ダートトライアルはAT車とMT車が接戦を展開!? 全日本ダートトライアル選手権Nクラス 河田富美男選手

全日本ダートトライアルNクラスをGRヤリスDAT車両で戦う河田富美男選手。かつ ては意外性のあるベース車でSC車両を製作した改造車フリークだったが、近年はス ポーツモデルの新型車で戦う。DATの秘めた可能性にも早くから注目していた。

マニュアル車がひしめくクラスに、オート マ車で挑戦するトライアルが相次いでいる。

2024年後半から、NクラスにGRヤリス のDAT車両を走らせる河田富美男選手。

かつては異色のトヨタ・サイノスでSC車 両を作るなどのトライを行い、86やGRヤ リスなどもいち早く全日本に持ち込んだ。

「僕の師匠は炭山義昭選手で、炭山さんが 苦労しながら、色々なことに挑戦している 姿を見てきたので、自分も他人がやってい ないことに挑戦してきたつもりです。前例 がないので苦労しますが、やり甲斐はある し、同じクルマばかりじゃイヤなんです。

僕としては“人柱”だと思っていて、86や GRヤリスも僕が試した後に続く人が出て きて、それでタイムを出してくれると、僕 の挑戦も意義があったと思えます」と語る 河田選手。DAT車両での参戦についても、 「GRヤリスがマイチェンするときに、新し く出たDATにしてみようという軽い気持ち で乗り換えました。それまで乗っていた GRヤリスの部品がほぼ使えたので、セッ ティングに苦労はありませんでした。DAT 車は30kgぐらい重いんですが、それより、 シフト操作から開放されて、ステアリング とペダルワークだけに集中できるメリット が大きかったです。MT車でも左足ブレーキ でしたから、違和感なく乗れています」と、 乗り換えもスムーズだったという。

「ターンセクションでレスポンスが悪く、1 速に入りづらいことがあります。最近はそ のクセが判ってきたので、それを予測した

全日本ダートトライアル選手権SA1クラス  葛西キャサリン伸彦選手

SW20 MR2で2020年全日本ダートトライアルSA1王者に輝いた葛西キャサリ ン伸彦選手。ジャスミンふみ選手とダブルエントリーをするにあたり、ZC33Sス イフトスポーツのAT車両をチョイス。今季はタイトル争いを展開している。

走りをしています。でも、DATでシフト操 作を考えなくなったことで、荷重移動や姿 勢変化をより意識しながら走れるようにな りました。これで得た感覚はMT車に乗っ ても活かせると思うので、すごく良かった と思います」と河田選手は語る。

難しいから乗り続けている!? 夫婦で挑むオートマ・ダートラ

こう語る小林選手は、ふとした拍子にエ ンジンスワップしたMR-Sと出会う。製作シ ョップに問い合わせ、そこに保管されてい た”走り古した”K24エンジン搭載のMR-S で、BC2クラスへの挑戦が始まった。

「エスダブ(SW20 MR2)で、とある動画 チャンネルに出たときに、コメント欄に『売 ってないクルマで勝っても価値がない』っ て書かれて(笑)。イラッとしたけど、そう だなと思ったんです」と語る葛西選手。

乗り換えについて は、「リア駆動でチャ ンピオンが獲れて次の 目標を模索したときに、 うちの奥さんと一緒に ダートラをやることに なり、オートマクラス

今年の全日本ダートトライアル には新たにD1クラスが誕生し た。これは昨年までのSC1クラス が移行したもので、前輪駆動車 が主力だったが、新たな刺客の 登場で勢力図が変わりそうだ。

なら手軽にやれるかも」ということで決まっ たという。

「うちの奥さんみたいに、これまでダート 競技をやってなかった人が、どこまでいけ るかをテーマに活動してますが、2年経って そこそこ走れるようになってきました。で も、3年目を迎えるときに、同じ(PNE1)ク ラスでやることに、僕があまり魅力を感じ なくて、オートマがマニュアル相手にどこ までいけるのか、オートマでやれるなら、 やらない言い訳はできないよねという状況 を作ってみたいと思ったんです」と葛西選 手の新たな挑戦が始まった。

「オートマでもPN2で戦えることは判って いましたが、僕はかつてSAで戦っていた ので、硬質路面を走りたかった。ウェット 路面だとオートマはネガティブな面が出や すいので、奥さんの挑戦も含めて、パッケ ージとして良かったSA1にしました」。

柴レプソル GR 高田ヤリス DAT[ GXPA16 ]
YHATSGCSWIFTRSK[ ZC33S ]

こう語る葛西選手は、ベテランと若手が しのぎを削る今季のSA1で入賞を繰り返し、 第5戦エビス新南ではオートマ車で優勝。 現在、チャンピオン争いを展開している。

葛西選手は、「自分がまだこのクルマに 乗っているのは、オートマ車が難しいから だと思っています。簡単だったら飽きてま すから。このクルマは何かしらクセがあっ て、そのクセと戦っていますが、デフが入 ったことで走りがすごく楽しくなりました。

オートマはシフトミスが生じないのはポジ ティブで、ミスを減らしてタイムを稼ぐ方 向に集中できています」と語ってくれた。

ダート走行は、タイヤが砂利を掻き出す ことで推進力を得る部分もあるため、駆動 が途切れないオートマ車はダート走行に向 いているとも言える。葛西選手はそれを成 績で裏付ける存在になるかも知れない。

後輪駆動でD1クラスに挑戦! 想定外マシンが初年度を席巻

全日本ダートトライアルの新設「D1クラ ス」で大きな注目を集めているのがパッシ ョン崎山選手。SW20 MR2の後継車となる ミッドシップスポーツのMR-Sをベース車 両として選び、スバルのエンジンとミッシ ョンをコンパクトボディに押し込んだ個性 的なマシンを作り上げて参戦してきた。

「D1クラスは名前の響きがいいし、D車両 規定は改造範囲が広いので、自分のやりた いことをやれると思いました。D1クラスの 前身である旧SC1はFF車が多く、ダート ではFF車の方が無難だと思います。でも、 それでは面白くないので、後輪駆動にしま した。後輪駆動はトラクションが大切なの で、ミッドシップがいいということになり ますが、改造しやすくて手頃だったのが MR-Sでした」と崎山選手は説明する。

「ボディの強度を確保しながらスバルのエ ンジンを載せるのに苦労しました。WRCの グループBのように、ミッドシップで4駆 を食えるようにしたいんですが、妥協した 部分も多くて。完成度としては、理想の 30%ぐらいです」と、試行錯誤を重ねてい る崎山選手だが、「ミッドシップはすごく運 転がシビアなので、ドライビングの精度が 上がってきたと思います。エンジニアリン グの面で言えば、セッティングの自由度も 高いので、その知識が増えました。86で PN3クラスを戦っていた時と比べると、ク ルマ全体の動きを含めて考えられるように なりましたね」と分析する。

全日本ジムカーナ/ダートトライアルに あの“MR-S”が復活

全日本ダートトライアル選手権D1 パッション崎山選手

パッション崎山選手は高山短大出身の作って走れるドライ バー。D1クラス新設にあたり、MR-Sをベースとしたモンス ターマシンを製作して参戦。早くも2勝を挙げてタイトル争 いをリードしている。

全日本ジムカーナ選手権BC2 小林キュウテン選手

小林キュウテン選手は2005年から5年連続、合計7回もの タイトルを持つベテラン。根っからの改造車ドライバーだけ に、新たな相棒MR-Sは大会ごとに速さを増し、第6戦では僅 差の6位を獲得した。

DL ☆ラブカ☆テイン MRS[ PS01]

D1クラスでは、投入初年度にも関わら ず、第4戦と第6戦ですでに2勝を挙げて 崎山選手がランキング首位に立っている。 「優勝したので次の目標はチャンピオンで す。そのためにはコースレイアウトや路面 状況を選ばず戦えるクルマに仕上げたい し、それに合うドライビングも磨いていき たい。後輪駆動車でもD1クラスを戦える ことを証明したいし、D1クラスを盛り上げ て、もっと台数を増やしたいですね」。

ダートトライアルで実績がないマシンを 持ち込み、いきなり”勝てるマシン”に仕立 て上げた崎山選手の挑戦には脱帽だ。

BC2の二台巨頭に立ち向かえ 改造車の帝王が選んだのは

同じ時期に、MR-Sを全日本ジムカーナ BC2クラスに投入した選手がいる。それは ジムカーナ界のベテラン・小林キュウテン 選手で、かつて全日本ジムカーナD部門で 7度のタイトルを獲得したドライバーだ。 「BC2クラスで争う広瀬献選手と若林拳人 選手って、めちゃめちゃ速いんですよ。広 瀬選手は四駆より速かったりするので、そ こに挑むのは無理難題です。でも、一回は ギャフンと言わせたいという思いがあって、 彼らに勝てるクルマをいろいろ試してきま した。ZN6に3S-Gターボを載せたりした が、やはりトラクションがなくて、ブース トを落とした方がタイムが出たりして。ジ ムカーナのリア駆動って絶対的なトラクシ ョンが必須で、改造すればするほど、トラ クションが欲しくなるんですよ」。

こう語る小林選手は、ふとした拍子に、 エンジンを載せ替えたMR-Sに出会うこと になる。それを製作したショップに保管さ れていたK24エンジン搭載のMR-Sに乗れ ることとなりBC2への挑戦が始まった。

小林選手は、「ヨコハマタイヤさんに A050の適用があったので環境が整いまし た。まずはあらゆるオーバーホールから始 まり、いざ走らせたらブレーキバランスが悪 かったり、足回りのデータもなかったりで、 色々と試してまとめないといけない。手持ち のパーツでドライバーが何とか抑え込んで いる状態なので、少しずつバランスさせな がら、現在、何がいいのかを見極めていま す。これは産みの苦しみ? 改造車の醍醐 味? 大器晩成? まあ、いろいろと苦労 しています(笑)」と現状を語ってくれた。

小林選手は新たな挑戦に臨み、予想外の 苦戦を強いられているわけだが、「昔、僕 がフォーミュラ隼に乗っていたときに、交 通事故に遭ったんです。頸がヘルニアにな ったり、自律神経がおかしくなったり、目 の焦点がうまく合わなくなったりして、モ ータースポーツ活動にもドクターストップ がかかりました。もし続けて次に事故った ら身体が不自由になる可能性が他人の5~ 6倍になるとも言われました。でも、それ にヒヤヒヤして今後の人生を小さく生きる のは嫌だと思ったので、そんな状況でもモ ータースポーツにチャレンジすることにし たんです。自分がやりたかったという思い が強かったのもあって、いざ挑戦すると、 一生懸命に身体を治そうとする気持ちが生

全日本ジムカーナ選手権PE1 深川敬暢選手

PE1クラスにテスラ・ モデル3を投入してジ ムカーナの新時代を 予感させた深川敬暢 選手。2025年はアウ ディTT RSにスイッ チ。ワンメイク化する A110勢を相手に奮闘 している。

まれて、それが肉体の健康にも影響して、 いろいろなことが好循環するようになった んです」と、過去の経験を語ってくれた。 「身体が動くなら、その健康を無駄に使っ ちゃもったいないなと思います。チャレン ジし続けると、なにか絶対自分に返ってく る。健康であったり、満足だったり、やる 気だったり、ワクワクだったり。日々の表 情にも大きく影響していると思っています。 なので、モータースポーツに出会えたこと に、すごく感謝しているんですよ」。

少しでも選択肢を増やすため テスラに続いて四駆に挑戦

全日本ジムカーナPE1クラスは、電動パ ーキングブレーキが装着されたP・AE車 両を対象とした新しいクラスだ。ここでか つてテスラ・モデル3を走らせた深川敬暢 選手が、2025年はマシンを乗り換え、PE1 にアウディTT RSをデビューさせた。

深川選手は、「PE1クラスは高価な車両 のワンメイク化が進んでいて、自分として は、当初の趣旨から違う方向に行っている 印象があります。若い人がジムカーナに興 味を持ったとしてもA110には乗れないし、 だからといってNDロードスターばかりが 増えるのもどうかなと思っていて、とにか く勝負になる車種を増やしたくて、しかも できるだけリーズナブルな費用でやれるこ と。これに少しでも近づける、戦えるクル マを探し続けています」と語る。

「テスラのときは、環境の話もあったので、 ものすごくいいなと思ってすぐ試しました が、どうしても小さいコーナーやターンで タイムを吐き出してしまい、それが何とも しようがなかったんです。このTT RSを選 んだのは、ぶっちゃけ、カッコいいからで す(笑)。四駆なので直線の速さというか、 トラクションをかけてベタ踏みにできると ころが大きなメリットだと考えていて、そ こはテスラと似ています。でも、回転半径 が小さいので、そんなに置いていかれない 感じがありますね」と現状を語ってくれた。 「ジムカーナは、ドライビングやラインの 組み立てで勝負できるようになったり、機 能パーツのセッティングで勝てるクルマを 作ることが大事だと思っていて、アウディ ではそういう面でのチャレンジもしていま す。テスラでも、曲がりにくいクルマを曲 げるようにする苦労がありましたが、そう いう挑戦を続けることで、今まで自分にな かったセッティング方法などが見えてきた

りします。車種特化ではなく一般論として のセッティングの考え方も見えてきて、最 近では、ある程度の方向性は一緒なんだな と、思えるようになってきました」。

ジムカーナ振興のために創設されたクラ スで、トレンドとは異なる車種選択をする 深川選手。さらなる”戦えるマシン”の可能 性を探る試みは今後も続けていくという。

そして同時に取り組む、いわばウデで勝負 するジムカーナを広める活動を、深川選手 は「PN2クラスに出ている大江選手の考え 方に似ているかも知れません」と語った。

最小限の装備で戦うジムカーナ それはジムカーナを続けるため

2025年の全日本ジムカーナPN2クラス に、ひときわ激しくロールを発生させるND ロードスターがいる。ドライバーは2023 ~2024年の関東ジムカーナPN5クラス王 者にして、2023年JAFカップ優勝者である 大江光輝選手。今季は全日本に復帰した。

実は、大江選手の車両には競技専用パー ツの装着が最小限に留められている。この ノーマルに近い状態で全日本PN2で善戦 しているだけに、その挑戦には注目が集ま っている。このスタンスについて大江選手 に聞いたところ、「結論から言うと成り行き です(笑)」との回答が得られた。

「2016年から2年間、BRZで全日本を追い ましたが、2018年の半ばで挫折しました。 正直なところ、かなり疲れたんです。でも、 ジムカーナは続けたかった。もともとは運 転が好きでジムカーナを始めたので、その 原点に立ち返るために、一度自分に”枠”を ハメて、イジるのを最低限にしようと考え ました。実は、若い頃からクルマ人生の目 標があって、一つは後輪駆動に乗ること。

もう一つはオープンカーに乗ること(笑)。 それを叶えてくれるのがこのクルマでした。

クルマに手を入れるつもりがなかったので、 最初からそれなりのポテンシャルがあるク ルマを買おうと思い、それで、トルセンデ フやビルシュタインのショック、Cリンク車 高調まで付いていたロードスターNR-Aを 新車で買うことにしたんです」と、今の愛 車との出会いを語ってくれた。

NDロードスターの素性の良さを実感し て、やれるところまでやろうと決めた大江 選手。関東ジムカーナにできたトレッドウ ェア280規制のクラスを主戦場とした。当 初は勝負にならなかったそうだが、続ける うちに成績が出始めてタイトルにまで届く

ロードスター[ ND5RC ] 全日本ジムカーナ選手権PN2

最低限の装備でジムカーナに挑む大江光輝選手。今年は奥様と二人三脚で全日本ジムカーナPN2に挑戦。大き なロールを見せる車両の挙動とは裏腹に成績を上げており、ジムカーナ界に新風を吹かせている。

ようになった。そこからは、自身の目標で あったJAFカップ制覇を目指す活動が始ま り、2023年には北海道で悲願を成し遂げ た。これで公式戦を引退するはずだった が、自分の中の「やり切っていないことをこ のまま終わらせていいのか」という思いが 押さえきれなくなり、1年限定で、再び全日 本選手権にチャレンジすることになった。

もちろん、最高峰の舞台では上位進出は 難しいものの、ヒートによってはシングル に顔を出すこともあり、手練れたPN2参加 者たちも存在を無視できなくなっている。 「ノーマルが一番いいとは思ってなくて、 クルマを作り上げる環境や経済力があるな ら、むしろ作ったクルマに乗りたいぐらい です。自分はプロではなく普通の仕事をし ている人なので、自分でハメた枠を全日本 でも外していないというだけです。これは 自分で決めた枠なので、他人からどう言わ れようと譲れない。これはなぜかというと、 老後も楽しみたいから、ジムカーナを続け たいからなんです。イジってしまうと維持 費にお金がかかります。これまで基本的に オイル交換だけでやってきてますからね。 ロードスターがいいクルマであることがよ

く解ったので、これから終生まで、ジムカ ーナを楽しみたいと思っています」。

ジムカーナ/ダートトライアル

サブロクのようなターンでは、回りはじ めからクラッチミートのタイミング、アク セルオンの仕方まで全部の操作がリンクし ないと、立ち上がりまでデフが効き続けて くれない……。大江選手はいわゆるPNタ イヤを履かせたノーマル車でのジムカーナ 走行の難しさの一端をこう表現してくれた。 最後に、これまでの挑戦から得られた気 付きについて聞いたところ、大江選手は、 「シンプルに、運転がうまくなったことを実 感しやすくなったということです。なぜな ら、クルマを変えていないから(笑)。操作 についても、一番おいしいところを捕まえ にいく感覚が研ぎ澄まされたように感じま す。ノーマルだと慣性力に慣性力を重ねる ような状況を作って曲げていきます。ジム カーナにはそういうセクションがあるので、 ノーマルでも勝負になる”余地”がある。ク ルマ全体の動きで勝負するみたいな。これ も長く走ってきて気付いたことです。だか らジムカーナって面白いと思いますし、ジ ムカーナの面白さはそこにあると思ってい ます」と、締めくくってくれた。

UNIZONEに参戦するリアル&バーチャルドライバーの

新時代の“SIM”活用術

レーシングシミュレーター(SIM・シム)は単なるゲームに留まらず、 今やモータースポーツのトップカテゴリーでも練習や開発に必須のツールとなっている。

そこで、Eモータースポーツリーグ“UNIZONE”でバーチャルのレースでSIMレーサーとして研鑽を積む傍ら、 実車の最前線でも活躍するドライバーたちがどのようにSIMを活用しているのかを聞いてみた。

PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、長谷川拓司[Takuji HASEGAWA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/岡田衛[Mamoru OKADA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

アルとバーチャルの二刀流とい う言葉がモータースポーツ業界 にも浸透しつつあるが、JAFが唯 一公認する国内Eモータースポーツリーグ のUNIZONEに参戦するチームの中には、 そんな二刀流ドライバーの集団が存在する。

スーパーGTのGT300クラスなどに出場 する木村偉織選手を筆頭に、全日本スーパ ーフォーミュラ選手権のTEAM MUGEN でデータエンジニアを担当する傍ら、自身 もレース活動を行う兒島弘訓選手、そして ジムカーナ地方選手権からロードスター・ パーティレースⅢまで幅広く挑戦する佐々

木光選手。彼らは実車モータースポーツで 鎬を削りながら、東京ヴェルディレーシン グに所属してEモータースポーツにも挑ん でいる。この3選手は実車とSIMでさまざ まな知見を得ていることから、ロガーデー

UNIZONE参戦チーム、東京ヴェルディレーシングの3選手。佐々木光選手(左)、木村偉織選手(中)、兒島弘訓選 手(右)の共通点は、実車でもSIMでも競技者として戦う二刀流ドライバーという点だ。

タを有効的に活用しているという。

UNIZONEで採用されているSIMソフ トのひとつiRacingでは、走行データを抽 出して車速や旋回G、アクセル・ブレー キ・ギヤの操作をグラフで示すロガーデー タの出力が可能だ。ロスが発生しやすいコ ーナーで不安定な操作をしていないか、ク リップにつけていないのにタイムが良かっ たのはなぜか、そして気温による挙動変化 の比較など、数値やグラフでウィークポイ ントを潰していける。そんなSIMのロガ ーについて、さまざまなメリットがあると 3選手は口を揃える。

スーパーフォーミュラの現場でロガー解 析を担う兒島選手は「SIMで走ってロガー を解析するトレーニングをすることで、エ ンジニアの立場から実車のレースでドライ バーとのコミュニケーションが上手く取れ るようになりました」と言う。また木村選手 はドライバー目線で「実車やSIMに乗って

いないエンジニアさんとはパソコン上での 数値ベースでセットアップを進めていくの が普通ですが、iRacingなどのSIMを活用し ているエンジニアさんとはフィーリングに 頼ったコメントでも話を合わせられますね。 それがすごくラクに感じられます」と語る。

一方、本格的な実車レースへのステップ アップの最中にある佐々木選手は「SIMは 実車レースへの準備にとても有効なツール ですが、ずっとSIMで走り続けてきた人 が実車に挑むときは、実車特有のトラブル やリスクを十分に理解しておくことが必要 だと思います。SIMでは許されていたクル マを壊したりクラッシュする走り方だと、 実車では金銭的な負担だったり、最悪、怪 我の恐れも出てきます。SIMでの運転に自 信がついても実車のことをよく知る人のア ドバイスを受けながら取り組む方が良いと 思いますね」と、SIMから実車に挑む際の 注意点を挙げた。

同じくSIMの注意点として、木村選手 は「SIMのトレーニングが活かせない場面 というのがあって、実車とSIMで同じと ころと違うところを理解していないと効果 は薄いです。2023年に急遽GT500クラス のマシンに代役で乗ることになって、事前 準備としてSIMでGT500車両をひたすら 乗りました。でもチームメイトの牧野任祐 選手と同じかそれ以上のパフォーマンスを 発揮できたかというと、そうではありませ んでした。一度、実車のGT500車両に乗 ってSIMとの違いを把握した上で、再び SIMに乗ることで正しくトレーニングす ることができ、二回目の出番でパフォーマ ンスを発揮できた経験があります。実車と

SIMの差を理解せず、ただSIMに乗って いるだけでは、活用の効果がないばかりか “SIM走り”と呼ばれる悪い癖がついて、 逆効果になってしまうこともあります」と、 自身の体験談を語った。

そんな東京ヴェルディレーシングの3選 手は、レースの世界に足を踏み入れたルー ツは全員グランツーリスモだと答える。こ

佐々木光選手

ナンバーつき車両でレース活動を行う佐々木選手 は、Assetto Corsaでコースと車両を本番に合わせ て練習を行う。またiRacingのレースに出場してア グレッシブな海外プレイヤーを相手に勝ち切るこ とで、メンタルのトレーニングも行っているという。 セットアップによる効果を、まずSIMで試行錯誤を 重ねてから、レースウィークを迎えているそうだ。

木村偉織選手

実車ではGT300クラスのMC86に乗り、最新式の FIA GT3マシンと戦う木村選手。事前練習にSIMで MC86と似た車両でコース習熟をしつつ、全く違う FIA GT3車両でも走り、どのマシンでも狙ったタイ ムが出せるようになるまで仕上げていくという。た だし、車重が全く異なるハコ車とフォーミュラでは 棲み分けをしてSIMトレーニングを行っている。

兒島弘訓選手

兒島選手はレース時のメンタルトレーニングをiR acingのオフィシャルレースで、VITAの車両特性を 確認する際にはMODが使えるAssetto Corsaで SIMを活用している。またSIMの商用販売を行う ZENKAIRACINGのAssetto Corsa用トレーニング MOD「ZITA-01」は兒島選手が開発を担っており、 まさに実戦を重ねて仕上げられている。

の世代の選手たちは幼少のころから触れて きたSIMの経験と、実車のレースで戦っ ている経験が、今まさに掛け合わされて相 乗効果を発揮し始めている。SIMを単なる 実車の練習ツールとするだけではなく、長 所も短所も理解して向き合っているからこ そ、現在の活躍につながっている。これこ そが新時代のSIM活用術と言えるだろう。

INFORMATION from JAF

モータースポーツ公示・JAFからのお知らせ(WEB)一覧(2025年6月28日~2025年9月25日)

公示

日付 公示No. タイトル

2025年7月2日 [2025-WEB045]

2025年7月3日 [2025-WEB046]

全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権 統一規則 第2条2)における参考タイヤ銘柄について (2025年7月2日更新)

2026年日本ジムカーナ選手権規定(2025年4月3日公示)の誤記訂正、ならびに全日本ジムカーナ/ ダートトライアル選手権カレンダーおよびJAFカップオールジャパンジムカーナ/ダートトライアル 競技カレンダー申請締切日の延期について

2025年7月7日[2025-WEB047]2025年全日本カート選手権EV部門 日程変更のお知らせ

2025年7月8日 [2025-WEB048] 2025 FIA KARTING ARRIVE & DRIVE WORLD CUPへのJAF推薦参加者の募集について 2025年7月10日 [2025-WEB049] 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 菅生大会における統一規則一部変更について 2025年7月15日 [2025-WEB050] 2025年JAF地方カート選手権 競技会の追加について 2025年7月31日 [2025-WEB051] 2026年日本レース選手権規定の制定について

2025年7月31日 [2025-WEB052]

2026年日本ドリフト選手権規定の制定

2025年7月31日 [2025-WEB053] 2026年日本カート選手権規定の制定について 2025年7月31日 [2025-WEB054]

全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権統一規則 第2条2)における参考タイヤ銘柄のサイズ追加 について(2025年7月31日更新) 2025年8月5日 [2025-WEB055] 2026年FIA国際スポーツカレンダー登録申請一覧 2025年8月18日 [2025-WEB056] 2026年全日本カート選手権カレンダー登録申請に係る説明会の開催について 2025年8月19日 [2025-WEB057]2026年JAF国内競技車両規則の制定について

2025年8月19日 [2025-WEB058] 2025年JAF東日本ラリー選手権 第2戦の中止について 2025年8月19日 [2025-WEB059] ラリー競技におけるスペシャルステージ等での火災等の安全対策の徹底について 2025年8月28日 [2025-WEB060] 2025 Asia Pacific Motorsport ChampionshipのEスポーツ部門への参加について

2025年8月29日 [2025-WEB061] 2025年JAF地方ラリー選手権 競技会の日程変更について

2025年9月1日 [2025-WEB062]

2026年全日本ジムカーナ選手権カレンダー/2026年全日本ダートトライアル選手権カレンダー 2025年9月1日 [2025-WEB063] 2026年JAFカップオールジャパンジムカーナカレンダー/2026年JAFカップオールジャパンダート トライアルカレンダー

2025年9月1日 [2025-WEB064] 2026年日本レース選手権規定の誤記訂正について 2025年9月5日 [2025-WEB065] 2025年JAF地方カート選手権 新潟シリーズ第3戦の延期について 2025年9月9日 [2025-WEB066] 2026年日本サーキットトライアル選手権規定の制定 2025年9月9日 [2025-WEB067] 2026年JAFカップオールジャパンサーキットトライアル規定の制定 2025年9月10日 [2025-WEB068] 2026年「JAFモータースポーツ専門部会」委員候補者の公募について 2025年9月10日 [2025-WEB069] 「2025 Asia Pacific Motorsport Championship」のEスポーツ部門の出場選手決定について 2025年9月22日 [2025-WEB070]2025年全日本カート選手権EV部門 日程変更のお知らせ 2025年9月25日[2025-WEB071] 2026年日本ラリー選手権規定の制定について 2025年9月25日[2025-WEB072] 2026年全日本ラリー選手権カレンダー 2025年9月25日[2025-WEB073] 2025 FIA KARTING ARRIVE & DRIVE WORLD CUPへのJAF推薦参加者決定 2025年9月25日[2025-WEB074]2025年JAF地方選手権表彰式 開催一覧表(開催日順) JAFからのお知らせ

日付 タイトル

2025年7月1日 モータースポーツ公示・JAFからのお知らせ一覧(2025年6月1日~6月30日) 2025年7月3日 モータースポーツマイページ・クラブ団体向け申請の操作説明動画の公開について 2025年7月3日 JAF、日本スポーツ協会の承認団体として正式加盟 2025年7月8日 ドライバー・オブ・ザ・イヤー2025トークイベント開催!

2025年7月11日 健康管理カード・メディカルフォームについて

2025年7月17日 【重要なお知らせ】オンライン決済での手続き不具合について 2025年7月29日 【重要なお知らせ】「【JAF】モータースポーツマイページ登録完了のお知らせ」メールの誤送信に係るお詫びについて 2025年8月1日 モータースポーツ公示・JAFからのお知らせ一覧(2025年7月1日~7月31日) 2025年8月7日 JAF公認Eモータースポーツリーグ「UNIZONE」Rd.4は8月19日に開催! 2025年9月1日モータースポーツ公示・JAFからのお知らせ一覧(2025年8月1日~8月31日) 2025年9月21日 「第72回マカオグランプリFIAフォーミュラ4(F4)ワールドカップ」の出場選手決定について 2025年9月25日 JAF公認Eモータースポーツリーグ「UNIZONE」最終戦が9月23日(火・祝)に終了!初代チャンピオンは誰の手に? ※上記公示・お知らせ(WEB)一覧の詳細は、JAFモータースポーツサイト(https://motorsports.jaf.or.jp/)内の「>公示・JAFからのお知らせ」で閲覧することができます。

お詫びと訂正

本誌2025年夏号32ページに掲載の、2024年度 事業報告ならびに収支報告の一部に誤記がありました。

下記の通り訂正するとともにお詫び申し上げます。

(12)新たな団体設立に協力(一部文言の削除)

[正] ラリー競技の健全な発展と振興を目的として「一般社団法人日本ラリー振興協会(JGR)」が設立された。協会としてはJAFと協力を図り ながら、ラリー競技の振興をサポートしていく方針。

(21)罰金等の金額について(一部文言の削除)

[正] なお、罰金および没収された抗議料または控訴料は、国内競技規則11-8(罰金収入の措置)に従ったJAFの特別基金に繰り入れ、モータース ポーツの振興および福祉目的のために使用している。

2026年のライセンス更新のご案内

11

月1日から

更新が始まります

モータースポーツライセンス(以下「ライセンス」)の更 新手続きは、11月1日(土)(支部窓口は11月4日(火))から 受け付けを開始します。

2026年分以降のライセンス更新は、新システム「モー タースポーツマイページ(MSマイページ)」を利用したオ ンライン申請に切り替わりました。JAF窓口受付を希望さ れる方は、必ず、JAF 地方本部・支部へ事前の電話予約 をお願いします。

※現在、支部窓口でのご対応は完全予約制となっております。予約の無いご 来訪は対応いたしかねますので予めご了承ください。

ライセンスの更新方法は2パターン

1 モータースポーツマイページ

MSマイページに登録いただくことで、インターネッ トでライセンスを更新することができます。MSマイ ページの登録方法は32ページを、ログイン後の更新 方法は33ページをご覧ください。

2 PC・スマートフォン以外

事前に電話で予約のうえ、お近くのJAF支部に必要 書類等をご持参いただくことでもライセンス更新が 可能です。

※JAF各地方本部・支部窓口の住所・電話番号は35ページをご覧く ださい

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Condition lsouod on 01/01/2026

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ライセンスが発給されるまで ~ライセンス作製の流れ~

JAF 申請者

※②発給日から60日間有効

JAF個人会員の有効期限が切れた場合には、ライセンス 資格が失効し、これまでのライセンス番号および競技結 果を引き継ぐことができません。その際は、JAF個人会員 の入会手続きの後、新規でのライセンス取得となり、ライ センス申請料を改めてお支払いいただく必要がございま すので、十分ご注意ください。

①申請 ②仮ライセンス発給 ③写真入り ライセンスを送付

※①から③までは約1ヵ月ほどかかります。更新のピーク時にはこれ以上日数がかか る場合がありますのでご了承ください。

JAF会員の有効期限が切れていると、ライセンス更新ができません ご注意

有効期限の確認方法

I uod on 01/01/2026 12345 12345 ..

1 JAFマイページまたは JAFスマートフォンアプリで確認 2 総合案内サービスセンターに電話 ナビダイヤル    0570-00-2811 一般電話 048-840-0036 9時~17時30分

ご継続漏れにご注意を!

ライセンスを所持される方は、常にJAF会員の有効期限内であることをお確かめいただくとともに、 継続忘れがない「JAF年会費の自動振替登録」をおすすめいたします。

ご注意 今年からJAFマイページではライセンス更新手続きはできません MSマイページでライセンス更新手続きをお願いします

まずは新規登録

JAFマイページに登録済みでも、新たにMSマイページ登録手続きが必要です。

最初にメール受信設定でno-reply@o3.jaf.or.jpが受信できることを確認してください。

1 JAFモータースポーツサイトに アクセス

JAF会員証かモータースポーツライセン スをお手元にご用意のうえ、「MSマイペ ージ」ボタンをクリック。

2 「新規登録」ボタンをクリック

ページ下部に記載されている「ご利用時 の注意事項」もご確認ください。

3 「モータースポーツマイページ 登録」ボタンをクリック

4 個人情報取扱に同意ください

5 必要事項を入力して「次へ」 メールアドレス間違いが多発していま す。ご入力の際はご注意ください。

〈操作手順〉

MSマイページ登録の詳しい 手順はこちらからご確認い ただけます。

スマートフォンの見え方

6 受付完了画面が表示 登録いただいたメールの受信リストをご 確認ください。

7 no-reply@o3.jaf.or.jpから 届くEメールの赤枠部分の URLをクリック

8 PW登録画面で パスワードの設定をする MSマイページが開き、ご自身のライ センス情報が表示されます。

ログインして、ライセンス更新へ

1 ライセンス申請ボタン モータースポーツライセンスと運転免許証をお手元にご用意 のうえ、「ライセンス申請」ボタンをクリック。

ログインにはMSマイページ登録完了メールに記載のユー ザー名と、自身で設定したパスワードの入力が必要です。

2 ライセンス区分の 選択

申請するライセンス区分と申 請区分を選択後、誓約画面で 「同意する。」にチェック。

3 申請年度の選択 2026年ライセンスを申請す る場合「次年度」を選択(2025 年ライセンスは「本年度」)。

4 ライセンス氏名、免許証番号を 入力して、申請するすべての ライセンスの種類を選択

スマートフォンの見え方

5 実績の提出が必要な場合、 リザルトを選択 もしくは手動入力

6 顔写真を変更する場合、 規格に基づき、 顔写真をアップロード ファイル名に「.jpeg」と「.jpg」以外の 拡張子や「.(ドット)」が含まれてる写真 は使用できません。

ご注意

スマートフォンでは、現有ライ センスの下に今回申請するライ センスの選択画面があります。

7 申請内容と申請料を確認して 「次へ」

8 決済画面(外部サイト) コンビニまたはクレジットカードでお支払 いください。

9「モータースポーツ申請受付完了」 画面が表示されたら完了です!

〈操作手順〉 ライセンス更新の詳しい手 順はこちらからご確認いた だけます。

〈メール問い合わせ〉 メールでのMSマイページに 関するお問い合わせはこち らから可能です。

支部窓口でのライセンス更新は事前予約が必要です ご自宅・お手元でできるMSマイページでの更新をおすすめします PC・スマートフォン以外で更新をご希望の方

ご注意

1

ライセンス申請書

ライセンス更新に持参するもの

本誌に綴じ込んであるライセンス交付申請書を使用してください。

2 顔写真(1枚)

参加者許可証のみの申請や前年と同じ写真を使用する場合は不要。

3

有効期限内のJAF個人会員証

縦4cm×横3cm、無帽、無背景、上半身のもので、申請前6ヵ月以内に撮 影した鮮明な写真を申請書の所定位置に貼付してください(お手持ちの ライセンスに使用した写真と同じでよろしければ、写真は不要です)。

・必ず指定のサイズの写真を貼付してください。サイズが異なる場合、 使用できないことがあります。

・デジタルカメラの画像を使用する場合は、必ず写真専用用紙に印刷 してください。

ライセンス更新に必要なもの ライセンス許可証料

モータースポーツライセンスはJAF個人会員向けのサービスの一環です ので、会員有効期限が切れて会員としての資格を喪失しますとモーター スポーツライセンスも同時に無効となります。万一会員有効期限が切れ てしまった場合、改めて個人会員にご入会いただきライセンス申請資格 を満たしたうえで新規でモータースポーツライセンスを再取得していた だくことになりますので、会員有効期限には十分ご注意ください。なお 18歳未満の方が更新する場合は、JAF会員である必要はありません。

4 ライセンス許可証料※現金のみ 下記の表の通りです。

5 出場記録カードまたは役務記録カード 上級更新、または四輪国際A、B、カート国際Eライセンスを更新する場 合、実績を確認するために必要です。(エントラントは不要)

11~1月は手続き集中・窓口混雑のため本ライセンス証の郵送に1ヶ月以上かかる場合があります ご注意

●四輪ライセンス許可証料

競

技

運

転

者

参 加

者

審 判 員

許可証の種類 許可証料

国内B 3,100円

国内A 4,100円

国際C-R 10,500円

国際C-C 10,500円

国際B 12,700円

国際A 14,800円

許可証の種類 許可証料

国内 6,400円

国際 12,700円

3級 3,100円

2級 4,100円

1級 5,100円

資格併有の場合 1種目につき 500円

改名したので 名前を 変更したい

更新時に 顔写真を 変更したい

<許可証料の計算方法>

*公認審判員許可証を2種目以 上併有する場合は、最上級の 許可証料に、2種目めより1種 目につき500円ずつ加算

ドライバー

(例)コースA1級と計時A2級 の場合:5,100円+500円 = 5,600円

併有する許可証が同じ級 (例:技術A1級とコースB1級 等)の場合でも計算方法は同 様です

*競技運転者、公認審判員、競 技参加者を併有している場 合には、それぞれ左記の許可 証料が必要です。

●カートライセンス許可証料

許可証の種類 許可証料

ジュニアB 1,500円

ジュニアA 2,100円

国内B 3,100円

国内A 3,600円

国際G 6,400円

国際F 6,400円

国際E 8,400円

許可証の種類 許可証料

国内 6,400円

国際 12,700円

3級 3,600円

2級 4,600円

1級 5,900円

資格併有の場合 1種目につき 500円

<許可証料の計算方法> *オフィシャルライセンスを併有 する場合は、1種目につき500円 ずつ加算されます。

(例)コース1級と計時2級の場合:   5,900円+500円= 6,400円 併有する許可証が同じ級(例:技 術1級とコース1級)の場合でも 計算方法は同様です。

*ドライバー、オフィシャル、エン トラントライセンスを併有して いる場合には、それぞれ左記の 許可証料が必要です。

申請書の記入例はWebサイトで

こんなときどうする?

ライセンスを なくした

JAFホームページでは、ライセンス更新の際 によくある質問をまとめて公開しています。 お問い合わせの前に一度ご確認ください

移行期間につき申請書面を本誌に綴じ込みました モータースポーツマイページ開設初年度の移行期間につ き、本誌に四輪ライセンス交付申請書とカートライセンス交 付申請書を綴じ込みました。申請書面をご利用できますが、 MSマイページでの更新をおすすめします。

地方本部 支部 住所および電話番号

北海道 札幌支部

(北海道本部)

〒 062-0051 札幌市豊平区月寒東1条15-8-1

TEL.011-857-7155

函館支部 〒041-0824 函館市西桔梗町589-21

TEL.0138-49-4534

旭川支部 〒070-8061 旭川市高砂台1-1-1

TEL.0166-69-2111

釧路支部 〒084-0906 釧路市鳥取大通8-2-11

TEL.0154-51-2167

帯広支部 〒080-0038 帯広市西8条北1-14-1

TEL.0155-26-0260

北見支部 〒090-0838 北見市西三輪1-657-3

TEL.0157-66-5220

東北 宮城支部 (東北本部) 〒 984-8539 仙台市若林区卸町3-8-105

TEL.022-783-2826

現金書留 ×

現金書留 ×

現金書留 ×

現金書留 ×

現金書留 ×

現金書留 ×

現金書留 ×

青森支部 〒030-0955 青森市大字駒込桐ノ沢9-12

TEL.017-765-5255

岩手支部 〒020-0834 盛岡市永井12-18-1

TEL.019-637-7110

福島支部 〒960-8165 福島市吉倉字谷地12-1

TEL.024-546-0022

秋田支部 〒010-0942 秋田市川尻大川町2-1

TEL.018-864-8492

現金書留 ×

現金書留 ×

現金書留 ×

現金書留 ×

山形支部 〒990-2402 山形市小立2-1-59 TEL.023-625-4520 現金書留 ×

関東 東京支部 (関東本部)

〒 105-8562 港区芝2-2-17 TEL.03-6833-9140

新潟支部 〒950-0965 新潟市中央区新光町11-6 TEL.025-284-7664

長野支部 〒381-0034 長野市高田675-2 TEL.026-226-8456

茨城支部 〒310-0852 水戸市笠原町1248 TEL.029-244-2660

栃木支部 〒321-0166 宇都宮市今宮2-4-6 栃木県自動車会館内 TEL.028-659-3231

群馬支部 〒370-0071 高崎市小八木町2040-2 TEL.027-364-5155

埼玉支部 〒338-8531 さいたま市中央区下落合4-1-1 TEL.048-840-0025

千葉支部 〒260-8565 千葉市中央区中央港1-16-19 TEL.043-301-0800

神奈川支部 〒221-8718 横浜市神奈川区片倉2-1-8 TEL.045-482-1255

山梨支部 〒400-0047 甲府市徳行3-14-25 TEL.055-224-9977

中部 愛知支部 (中部本部) 〒 466-8565 名古屋市昭和区福江3-7-56 TEL.052-872-3685

富山支部 〒939-8064 富山市赤田791-3 TEL.076-425-5550

石川支部 〒921-8062 金沢市新保本4-8 TEL.076-249-1252

福井支部 〒918-8236 福井市和田中2-105 TEL.0776-25-2000

岐阜支部 〒500-8356 岐阜市六条江東2-4-11 TEL.058-277-1121

静岡支部 〒422-8006 静岡市駿河区曲金6-4-8 TEL.054-654-1515

三重支部 〒 514-0815 津市藤方字中堰東666-8 TEL.059-222-2300

2025年8月から窓口業務縮小によりJAF窓口受付は「完全 予約制」へと変更しましたので、JAF受付窓口での対応をご 希望の方は、各地方本部・支部へ、お電話による事前予約を お願いします。

地方本部 支部 住所および電話番号

関西 大阪支部 (関西本部) 〒 567-0034 茨木市中穂積2-1-5 TEL.072-645-1300

滋賀支部 〒520-2153 大津市一里山5-11-1 TEL.077-544-3300

京都支部 〒601-8134 京都市南区上鳥羽大溝町12 TEL.075-682-6000

兵庫支部 〒657-0044 神戸市灘区鹿ノ下通2-4-13 TEL.078-871-7561

奈良支部 〒630-8113 奈良市法蓮町383 TEL.0742-90-0081

和歌山支部 〒641-0007 和歌山市小雑賀640-3 TEL.073-421-5355

中国 広島支部 (中国本部) 〒 733-8610 広島市西区庚午北2-9-3 TEL.082-272-9967 現金書留 × 鳥取支部 〒680-0911 鳥取市千代水2-13 TEL. 0857-31-4433 現金書留 × 島根支部 〒690-0011 松江市東津田町1092-1 TEL. 0852-25-1123 現金書留 × 岡山支部 〒700-0051 岡山市北区下伊福上町17-23 TEL.086-250-0373 現金書留 × 山口支部 〒753-0871 山口市朝田2094-1 TEL.083-921-7777

四国 香川支部 (四国本部) 〒 760-0079 高松市松縄町1083-16 TEL.087-867-8411

徳島支部 〒770-0867 徳島市新南福島1-4-32 TEL.088-625-6511

愛媛支部 〒790-0062 松山市南江戸5-15-32 TEL.089-925-8668

高知支部 〒781-0088 高知市北久保19-28 TEL.088-882-0311

九州 福岡支部 (九州本部) 〒 814-8505 福岡市早良区室見5-12-27 TEL.092-841-7731

佐賀支部 〒849-0921 佐賀市高木瀬西6-1149-5 TEL.0952-30-7000

長崎支部 〒850-0043 長崎市八千代町2-13 TEL.095-811-2333

熊本支部 〒861-8038 熊本市東区長嶺東6-30-30 TEL.096-380-9200

大分支部 〒870-0955 大分市下郡南5-3-12 TEL.097-567-7000

宮崎支部 〒880-0925 宮崎市本郷北方2696-9 TEL. 0985-52-4511

鹿児島支部 〒890-0072 鹿児島市新栄町2-12 TEL.099-284-0007

沖縄支部 〒901-2102 浦添市前田1-48-7 TEL.098-877-9225

現金書留 ×

●ライセンス申請の受付場所 【電話予約が必要です】

ライセンス更新のために必要な書類等は、お近くの下記JAF支部へ持参または郵送 してください。掲載のない窓口での受付は行っておりませんのでご注意ください。

窓口受付

営業時間10:00~17:00 土・日・祝日・年末年始除く ※12月30日(火)~1月4日(日)は休 業です。

郵送受付 必ず現金書留にてお送りください。 その際は封書表面に「ライセンス更 新」と明記してください。 なお、現金書類 ×と記載されている 支部は、現金書留の受付はできませ ん。

2025年9月26日現在の情報です。

締め切り間近

ータースポーツ業界をその年に 最も輝かせたドライバーを各種 投票によって決定する「ドライバ ー・オブ・ザ・イヤー」。2021年に誕生した JAFの顕彰で、2024年にはコンセプトに新 たな側面が加わり、今年で5回目を迎えた。

2025年の選考基準は、2025シーズンの モータースポーツ戦績とモータースポーツ への貢献、メディアからの注目度という三 つの軸があり、卓越した競技成績やメディ ア露出の頻度だけでなく、「モータースポー ツ業界の将来(若手育成など)/認知向上に 貢献している」といった点も重視されている ことが大きな特徴となっている。

2021年受賞 佐藤琢磨選手 2022年受賞 野尻智紀選手 2023年受賞 山野哲也選手 2024年受賞 角田裕毅選手

初年度となる2021年は、北米インディ カーで活躍した佐藤琢磨選手が選ばれ、 2022年はスーパーフォーミュラで2年連続 ドライバーチャンピオンに輝いた野尻智紀 選手、2023年はスーパー耐久シリーズと全 日本ジムカーナ選手権を戦うマルチドライ バー、山野哲也選手に贈られた。そして 2024年は、FIAフォーミュラ1世界選手権 (F1)における唯一の日本人レギュラードラ イバーである角田裕毅選手が受賞した。

2024年JAFモータースポーツ表彰式で 行われた授与式典は、F1第23戦と重複した ために、角田選手の出席は叶わなかったが、 「この賞を伴って、これからも(表彰式に出

席した)皆さんに負けないように頑張ってい きますので、一緒に日本のモータースポー ツを盛り上げていきましょう」と、式典会場 にビデオメッセージを寄せてくれた。

2025年は、有識者選考会により岩佐歩 夢選手と太田格之進選手、角田裕毅選手、 坪井翔選手という4名の候補者が新たに選 出されていて、10月7日から行われている 一般投票で1名に絞られることになる。

一般投票の締め切りは11月9日(日)。ド ライバー・オブ・ザ・イヤー2025の受賞 者は、東京都内で11月28日(金)に行われ る「2025年JAFモータースポーツ表彰式」 において発表される予定だ。

特集 フォーミュラリージョナル/FORMULA REGIONAL

欧州に挑む

激戦区の“FRECA”で喰らいつけ! 世界最高峰を目指す若武者たちの現在

PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、ACI Sport SpA REPORT/伊能未冴[Misae INOU]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] 世界最高峰に直結するフォーミュラカーシリーズとして注目を浴びている“FRECA(フレカ)”こと 「FIAフォーミュラリージョナル欧州選手権by Alpine」。今季はここに4名のニッポンの若者が臨んで善戦している。 奇しくも同じ舞台にたどり着いた、四者それぞれの足跡とは。

欧州のF4を戦い抜いてステップアップ [山越陽悠選手]

東京都出身で2006年生まれの山越陽悠 (やまこし・ひゆう)選手は、10代に入る前 からカートレースで活躍してきた。

2023年の王者であるアンドレア・キ ミ・アントネッリ選手はFIAフォーミュラ 1世界選手権(F1)デビューを果たし、昨年 の覇者、ラファエル・カマラ選手は、今季 のFIA F3タイトルを早くも手にしている。

この将来有望なドライバーを輩出し続け ているFRECAに、2025シーズンは4名も 日本の若武者が参戦している。ここでは欧 州の激戦区に挑んだ四者の足跡をたどる。

2020年にはヤマハ「Formula Blue」スカ ラシップドライバーに選出され、全日本カ ート選手権FS-125部門への参戦サポート を獲得。同年は、佐野雄城選手や小林利徠 斗選手らのライバルを抑えてシリーズ2位 に入った。四輪には2023年のF4 UAE選 手権でデビュー。同年、フランスF4とスペ インF4の両選手権を戦い抜き、フランス F4ではシリーズ5位に入っている。

2024年からVan Amersfoort Racing

(VAR)に所属し、同年はイタリアF4選手権で シリーズ3位、Euro4(当時)で4位を獲得した。

現在は同チームでFRECA初年度を戦っ ているが、第2大会スパ・フランコルシャ ンと第3大会ザントフォールトで2位表彰 台を獲得した。スポーツ特化プログラムの あるスイスの学校で学生生活を送っており、 来季の情報もそろそろ噂に上がっている。

フォーミュラ2年目でFRECAに [加藤大翔選手]

6歳でカートを始め、早くからF1ドライ バーになる人生設計を思い描いてきたとい う加藤大翔(かとう・たいと)選手。

三重県出身の2007年生まれで、2019年 のJAFジュニア選手権FP-Jr部門でシリー 本をはじめ、世界各地域でシリ ーズ開催されているフォーミュラ リージョナルの中でも、Formula Regional European Championship by Al pine(FRECA)は、最も層が厚く、FIA F3 選手権やFIA F2選手権に直結するシリーズ として評価を固めている。

山越陽悠選手[Hiyu YAMAKOSHI]

VAN AMERSFOORT RACING

加藤大翔選手[Taito KATOU] ART GRAND PRIX

FRECAの現場を訪れて加藤大翔選手を指導するホンダ・レーシング・スクール鈴鹿の佐藤琢磨プリンシパル、そし て中野信治エグゼクティブ・ディレクター。加藤選手は写真の第5大会で今季2度目の3位表彰台を獲得!

ズ3位、2021年には全日本カート選手権 FS-125部門でシリーズ2位と、カート時 代から狙いどおりの歩みを進めてきた。

フォーミュラに移行してからも、2023年 度HRS-Suzuka Formula Classを首席で 修了してスカラシップを獲得。その支援を 受けた2024年フランスF4選手権では、ル ーキーイヤーながらチャンピオンに輝き、 成長と適応の速さは実績が証明した形だ。

ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロ ジェクト(HFDP)からフォーミュラに挑む 2年目。2025年はウィンターシーズンのフ ォーミュラリージョナル中東選手権参戦を 経て、早くも激戦区であるFRECAに挑む ことになった。第2大会スパ・フランコル シャンではレース2で3位に入って初表彰 台を獲得し、第5大会ポールリカールのレ ース1でも6番グリッドから力強いレース ぶりを見せて3位に食い込んでいる。

チームはホンダ・フランスと提携関係に あるART Grand Prix。自室にはシミュレ ーターを設置して日々乗り込んでいる 。

幅広い経験を経てキャリアを磨く [中村 仁選手] 前述の二人が“F1目指して一直線”とい

う路線に対し、中村仁(なかむら・じん)選 手は、18歳になるとすぐに普通免許を取り にいったという、“ハコ車”をも愛するレー シングドライバー。より幅広くクルマに親 しみながらFRECAにやってきた。

2006年生まれで千葉県出身の中村選手 は、2012年からカートを始め、ヤマハ「Fo rmula Blue」KTサポートドライバーに選出 され、2020年に全日本カート選手権FP-3 部門の王者に輝いた。翌年は同プログラム のスカラシップを獲得し、全日本FS-125 部門でシリーズ6位に入った。

2022年には、TOYOTA GAZOO Racing 「TGR-DCレーシングスクール」受講者から選 ばれるスカラシップドライバーとなり、日本の

FIA-F4に参戦。同年はシリーズ4 位、2023年は2位。2024年は全日 本スーパーフォーミュラ・ライツ選 手権に加えて、スーパーGTの GT300クラスや、スーパー耐久シ リーズにも参戦している。

FRECAにはフランスのR-ace GPから参戦。第3大会ザントフ ォールトのレース2では5位に入 り、ファステストもマーク。第7 大会レッドブルリンクでは、レー

ス1で20ポジションアップの快走を見せ、 「ピレリ・ライジングカー・アワード」を受 賞している。ちなみに、今年のル・マン24 時間レースでは、併催のミシュラン・ル・ マンカップに急きょ代役参戦することとな り、同チームのLMP3車両を走らせた。

早くから海外で活動をスタート [りー海夏澄選手]

F1を目指して海外に拠点を移す選手は 増えつつあるが、りー海夏澄(Kanato Le) 選手はその決断がとりわけ早かった。2007 年生まれで東京都出身の彼は、12歳にして 単身で英国に移住したのだ。

2020~2021年には英国カート選手権 IAMEシリーズX30ジュニアクラスや IAMEユーロシリーズX30ジュニアクラス にフル参戦 。特に2021年のユーロシリー ズでは、後にスペインF4チャンピオンと なるテオフィル・ナエル選手(FIA F3参戦 中)を破ってタイトルを獲得している。

2022年はジネッタジュニアシリーズに 参戦したが、これは14歳から出られるワ ンメイクレースで、英国ではカートとフォ ーミュラの間に経験するシリーズ。例えば

第7大会で28番手から8位にまで追い上げた中村仁選手に「ピレ リ・ライジング・カー・アワード」が贈呈された。

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中村 仁選手[Jin NAKAMURA] R-ACE GP

ランド・ノリス選手の出場歴がある。

2023年には英国F4選手権に進んで2勝 を挙げると、2024年にはフォーミュラ2年 目にして早くもFRECAへ。FRECAの2年 目となる今季はART Grand Prixに移籍し て、加藤選手とはチームメイトになった。

その傍らでスポット参戦した英国のGB3 シリーズ第3大会スパ・フランコルシャン では、3レース全てで表彰台に上がってお

特集 フォーミュラリージョナル/FORMULA

りー海夏澄選手[Kanato LE] ART GRAND PRIX

り、特にウェットコンディションでの混戦 に強さを発揮している 。

◆

9月上旬にレッドブルリンクで行われた 第7大会終了時のシリーズ順位は、山越選 手が8位、加藤選手が10位、中村選手が 11位、りー選手が13位となっている。

母国を臨み世界の猛者たちとの戦いに身 を置く日本の若武者たち。2025年、そして

その先の飛躍がとても楽しみである。

なお、現行のFRECAは2025シーズン でひと区切りとなり、2026年からはACI Sportが運営する新生・FIAフォーミュラ リージョナル欧州選手権となることが7月 31日に発表された。ACI Sportからは第2 世代となるフォーミュラリージョナル車両 の詳細なども明らかにされており、巷では トヨタ製エンジンの採用も予想されている。

若武者はイタリアF4選手権とフランスF4選手権でも活躍!

中村紀庵ベルタ選手

[Kean NAKAMURA-BERTA]

PREMA RACING@Italian F4 Championship

将来を嘱望された中村紀庵ベル タ選手。四輪ではやや足踏み状 態だったが今季は覚醒。強いレ ースを見せている。

世界王者・中村紀庵ベルタ選手 欧州イタリアF4選手権で修業中

FRECAと同じく、イタリアのACI Sportが運 営するシリーズにイタリアF4選手権とE4選手 権がある。FRECAと併催されることも多く、ほ ぼ同じチームが参戦しているため、イタリアF4 を卒業してFRECAにステップアップする選手 も少なくない。いわばFRECAとは地続きのシ リーズだ。

2025年、このイタリアF4とE4に参戦してい るのが中村紀庵ベルタ選手だ。

2007年生まれでロンドン出身の中村選手 は、全日本選手権のシリーズ参戦経験はないも のの、レーシングカートで比類なき速さを披 露。2021年はFIA世界選手権OKジュニア部門 、2022年にはFIA欧州選手権OK部門という二

佐藤凛太郎選手

[Rintarou SATOU] FFSA ACADEMY@French F4 Championship

つの大きなカートタイトルを獲得し、その将来 への期待が膨らんでいった。

四輪へのステップアップは2024年で、イタ リアF4選手権にPREMA RACINGから参戦。初 年度は序盤こそ不安定だったものの後半から 調子を上げ、2年目の今季は表彰台争いを展開 してシリーズを席巻。8月の第5大会イモラ終了 時点では、後続を大きく離してランキング首位 に立っている。

フランスF4に挑む佐藤凛太郎選手 9月レデノン大会で待望の初優勝!  他国のF4シリーズとは異なり、チームによる 争いが存在しないのがフランスF4選手権であ る。参加にはFFSAアカデミーの審査があるも のの、欧州では四輪デビューの場として選ばれ る入門シリーズだ。

昨年はTGM Grand Prixからマカ オGPのFIA FR World Cupにも 参戦した佐藤凛太郎選手。今季 はフランスF4で戦う。

2020年には岩佐歩夢選手がシリーズを制 し、昨年は加藤大翔選手が王者となったが、山 越陽悠選手や荒尾創大選手、そして佐藤蓮選 手も参戦しており、日本人にとってもなじみ深 いシリーズでもある。

このフランスF4に参戦しているのが佐藤凛 太郎選手だ。2005年生まれで東京都出身の佐 藤選手は、2024年は日本のFIA-F4にシリーズ 参戦して、年末にはマカオグランプリにも参 戦。2024年度のHRS-Suzuka Formula Classを 首席で修了し、HFDPの一員として渡仏するこ とになった。

ホンダ・レーシング・スクール鈴鹿フォーミ ュラクラスで指導する佐藤琢磨プリンシパル を父に持つということで、カーナンバーは30を 選択。9月の第5大会レデノンでは初優勝を飾 り、存在感を高めている。

& News Topics

WRCラリージャパンは11月上旬に愛知・岐阜で開催! 公示された2026年カレンダーでは5月下旬の第7戦に 1

PHOTO/大野洋介[Yousuke OHNO]、成田颯一[Souichi NARITA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]  REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

今年で4回目となるFIA世界ラリー選

手権(WRC)日本ラウンド「フォーラ ムエイト・ラリージャパン」。2025年もシリ ーズ第13戦として、11月6~9日、豊田市 を拠点に愛知・岐阜エリアで開催される。

2025年大会の大きな変更点は豊田スタ ジアムの使い方で、サービスパークやラリ ーパークは設置されるものの、スタジアム・ フィールド内での走行行事は廃止された。

代わりに、HQがある豊田スカイホールと 白浜公園を繋いだ市街地ステージが新設さ

れ、スタートセレモニーも名鉄・豊田市駅 周辺で行われる予定となっている。

今年のステージは豊田市、岡崎市、新城 市、設楽町、恵那市、中津川市を巡る合計 20SSで構成され、最終パワーステージは 昨年同様三河湖ステージとなる。新たなス テージとしては、豊田市小原(おばら)地区 を走る「小原ステージ」が登場。シェイクダ ウンで使われる鞍ヶ池公園もSS1の舞台と して復活する。セレモニアルフィニッシュ は豊田スタジアムで行われる予定だ。

2026年のFIA世界ラリー選手権も14戦 WRC日本ラウンドは5月28~31日開催

WRCは2025年から全14戦で争われているが、FIA世界モータースポー ツ評議会(WMSC)で承認された2026年WRCカレンダーでは、今年と同 じく4つの大陸を巡る全14戦となることがアナウンスされた。開幕戦は例 年通り伝統のモンテカルロ。そして、どんなラリーになるかは未知数だ が、今年と同じくサウジアラビア大会が最終戦を受け持つ。

2026年のラリージャパンは第7戦に繰り上がり、愛知・岐阜エリアで5 月28~31日に開催される。2025年大会から半年後で、梅雨とも重なる時 期となる。どんなキャラクターを持つ大会になるのか、続報を待ちたい。

FIA World Rally Championship 2026 Calendar

Rd. Day Event Rd. Day Event

Rd.1 1/25 Rally Monte-Carlo Rd.8 6/28 Rally Greece

Rd.2 2/15 Rally Sweden Rd.9 7/19 Rally Estonia

Rd.3 3/15 Rally Kenya Rd.10 8/2 Rally Finland

Rd.4 4/12 Rally Croatia Rd.11 8/30 Rally Paraguay

Rd.5 4/26 Rally Spain Rd.129/13 Rally Chile

Rd.6 5/10 Rally Portugal Rd.1310/4 Rally Italy

Rd.7 5/31 Rally Japan Rd.14 11/15 Rally Saudi Arabia

※上記日程は2025年7月31日にFIAから公示された内容に基づいています。 スカイホール豊田には大会のHQが置かれているが、今年 は何と市街地ステージの一部にもなる予定だ。

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公

日本スポーツ協会とJAFが手交式にて情報交換 2

PHOTO/日本スポーツ協会[Japan Sport Association] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

益財団法人日本スポーツ協会 (JSPO)は、日本自動車連盟(JAF) の新加盟を6月に決定し、9月11日にはジ ャパン・スポーツ・オリンピック・スクエ アにて、加盟承認書の手交式を行った。

式典では、JSPO森岡裕策専務理事が JAF野津真生専務理事に加盟承認書を手 交。その後は両団体の担当者が懇談し、指 導者育成や女性活躍の推進、ボランティア 支援など、今後の連携に向けた事業内容や 取り組みについて情報交換が行われた。

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一

手交式に臨んだJSPO日本ス ポーツ協会の森岡裕策専務 理事と、JAF日本自動車連盟 の野津真生専務理事。

日本カート協会が有望選手を発掘・支援する 初開催の“夏合宿”にジュニア世代34名が参加 3

PHOTO/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

般社団法人日本カート協会(JKA)は、 カート競技の普及および振興を通じ てモータースポーツ文化を未来に継承する ことを目的として、6月24日に設立された。 代表理事は山本尚貴“チェアマン”が務め、 早速、8月18~20日に「2025年度有望選 手発掘夏合宿」を静岡県小山町のオートパ ラダイス御殿場で実施した。

この夏合宿は、当該年8~12歳のカー トレース経験者が対象で、有望選手に選出 されると次年度のカートレース参戦に向け てJKAから継続的な支援が受けられるとい う内容だ。今回は30名の募集に50名を超 える応募があり、枠が34名に拡大された。

当日のプログラムはフリー走行や模擬レ ースを中心に構成された。ショート面接や ディスカッションなどを交えつつ、カート 競技に取り組む姿勢や振る舞いといった、 競技成績以外も評価の対象としていた。

スカラシップの選抜が夏合宿の趣旨であ り、テクニカルな指導を受けられるわけで はなかったが、山本チェアマンのほか、坪 井翔選手、平峰一貴選手、山内英輝選手ら が選考員だったこともあり、参加選手とは 様々なコミュニケーションが図られていた。

夏合宿を終えて、山本チェアマンは「非 常に良いイベントができたのではないか」 と手応えを感じていた様子。これから有望 選手を選出するフェーズに入るという。

夏合宿の参加者は34名。2日間でフリー走行5本、タイムトライア ル2本、模擬レース6本をこなした。選考員も交ざったディスカッシ ョンでは、参加者たちとの積極的な意見交換がなされていた。

日本カート協会の 山本尚貴チェアマンが スポーツ庁の室伏広治 長官を表敬訪問 8月13日、JKA山本チェアマンと谷 本勲理事がスポーツ庁の室伏広治 長官を表敬訪問した。協会設立の目 的や趣旨、活動計画等を説明し、カ ートおよびモータースポーツの社 会的認知度を高める協力を仰いだ。

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野村勇斗選手が富士の第15戦で怒涛の9勝目! 全日本スーパーフォーミュラ・ライツの王座を確定 4

PHOTO/石原 康[Yasushi ISHIHARA]、桑原太郎[Tarou KUWAHARA] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

全本スーパーフォーミュラ・ライツ選

手権は全18戦で争われるが、5月の オートポリス大会第6戦が延期され、第10 ~12戦が行われる8月下旬のスポーツラ ンドSUGO大会で代替開催された。

そしてSUGOの4レースをすべて制した のは、好調を維持する野村勇斗選手。6月の 岡山国際サーキット大会から怒涛の7連勝 を挙げ、続く富士スピードウェイ大会の第 13戦では8連勝と記録を伸ばしてみせた。

天王山となった富士大会第13戦では1周目からタイトル 争いに影響する交錯が発生。レースは佐野雄城選手がト ップ入線したもののペナルティで沈むことに。

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第14戦は小林利徠斗選手がシーズン初 優勝を挙げて野村選手の連勝を止めたもの の、タイトル争いとしては、野村選手がシ リーズ2番手の佐野雄城選手に第15戦で7 点差をつけるとタイトルが確定する状況だ

った。第15戦は野村選手が今季9勝目と なるポール・トゥ・ウィンを飾り、佐野選 手は4位。この結果、モビリティリゾート もてぎの最終大会を待たずして、野村選手 のタイトルが確定することとなった。

スーパー耐久はオートポリスで後半戦に突入! 11月14~16日には「S耐チャレンジ」が初開催

PHOTO/吉見幸夫[Yukio

スーパー耐久シリーズは白熱した富士

24時間レースを終えて、7月上旬には 第4戦スポーツランドSUGO大会、下旬に は第5戦オートポリス大会と連戦になった。

第4戦は土日の4時間2レース制で行われ た。ST-2クラスでは6号車EVOXがポール を獲得して、22号車と13号車のGRヤリス勢 が続いた。しかし、決勝はFL5シビック勢が 巻き返して95号車が序盤をリードするも、 終盤で95号車や6号車にトラブルが発生。 速さを維持した72号車が2連勝を挙げた。

第5戦はST-1とST-Zを除く全クラスが 混走する5時間レースで行われた。ST-5F クラスは、第4戦では4号車と67号車のフ ィット勢が接戦を演じて4号車が今季初勝 利を挙げたが、第5戦でもスタートから僅 差の争いとなった。決勝は17号車デミオ が制したが、67号車フィットが3位に入っ てST-5Fタイトルを確定させている。

YOSHIMI] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

第4戦SUGOのST-2クラスを制したOHLINS CIVIC NATS。 STMO豊田章男理事長が山野哲也選手を祝福。

ST-5Fクラスはフィット勢が激戦。第4戦はTHE BRIDE FITが制するも第5戦ではYAMATO FITが3位で戴冠。

あらゆるTCRマシンがしのぎを削るST-TCRクラス。第4戦 SUGOでは、WAIMARAMA Elantra N TCRが初優勝。

必勝態勢でST-4クラスに臨んだENDLESS GR86。FCY やSCに翻弄されつつも第5戦で今季初優勝を挙げた。

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PHOTO/石原 康[Yasushi ISHIHARA]、遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

地方選手権FIA F4で、真夏の連戦を 席巻した佐藤樹選手。富士の2戦に 続いて鈴鹿の第6戦まで連勝。第7戦こそ 新原光太郎選手に獲られたが、ランキング 2番手の鈴木斗輝哉選手に大差をつけた。 そんな佐藤選手が11月の第72回マカオ グランプリに日本代表として出場する。こ れは、FIAのワールドカップ構想により「FIA F4ワールドカップ」がマカオで開催される ためで、スーパーGT第6戦のGTA定例会 見で坂東正明会長が明らかにした。

2021年にもてぎ菅生S-FJ、2022 年にはJAF-F4を制した佐藤樹選 手。今季のFIA F4は好調を維持 してシリーズ首位を走る。

PHOTO/成田颯一[Souichi NARITA] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

日本レース選手権規定が改定され、

2026年地方選手権に「FJ1500」が追 加された。8月19日には2026年国内競技 車両規則が公示され、第1編レース車両規 定第9章に「FJ1500」が新設されたのだ。

車両規定によれば、パドルシフトの装着 が可能となり、ドライバー保護のためのロー ル構造体が義務付け。エンジンは1500cc 以下の最大4気筒とされている。巷ではす でに“次期S-FJ車両”として試作やテストが 進められており、今後の展開に注目だ。

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オートポリスでは箕浦稜己選 手ドライブによる車両テストが 行われていた。搭載エンジンは 1NZ-FEベースかと思われる。

2025年のJAF地方選手権表彰式開催一覧が公示 8

REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

全日本選手権を中心に、年間上位選手 を称える式典「JAFモータースポー ツ表彰式」は11月28日に東京都内で開催 される。そして、全国8地区で行われる地 方選手権シリーズのモータースポーツ表彰 式の開催情報が9月25日に公示された。

例年どおり12月の北海道・東北を皮切 りに、2026年1月から2月にかけて四国、 九州、中部、関西、中国、関東の順で表彰 式が開催される。東北と関西、九州は昨年 と会場が異なっているので注意が必要だ。

2025 年 JAF 地方選手権表彰式開催一覧表(開催日順)

開催日 地方本部 開催場所

2025年12月6日(土) 北海道 札幌サンプラザ(北海道札幌市)

2025年12月14日(日) 東北 フォレスト仙台(宮城県仙台市)

2026年1月18日(日) 四国 JRホテルクレメント高松(香川県高松市)

2026年1月25日(日) 九州 ホテル金水苑(大分県佐伯市)

2026年1月31日(土) 中部 鈴鹿サーキットホテル(三重県鈴鹿市)

2026年2月1日(日) 関西 GLION MUSEUM(大阪府大阪市)

2026年2月7日(土) 中国 ホテル広島サンプラザ(広島県広島市)

2026年2月15日(日) 関東 京王プラザホテル(東京都新宿区) ※上記日程は2025年9月25日にJAFから公示された内容に基づいています。

全日本ラリー中盤戦は北海道グラベル2連戦 第6戦十勝大会では3クラスでタイトル確定! 9

PHOTO/ 遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、大野洋介[Yousuke OHNO]、小竹 充[Mitsuru KOTAKE]、中島正義[Tadayoshi NAKAJIMA]、 山口貴利[Takatoshi YAMAGUCHI] REPORT/伊能未冴[Misae INOU]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

第5戦はサバイバルバトルとなったJN1。奴田原文雄/東駿吾組がGRヤリスRally2での初勝利を挙げた。

近年の全日本ラリーでは定番とも言え る夏の北海道グラベル2連戦。いず れもSS総距離が長い係数1.5の大会で、 チャンピオン獲得の近道にもなり得るが、 この2戦で良い結果を出さないとシリーズ を制することが難しくなる大切な2戦だ。

第5戦ラリーカムイは7月4~6日にニ セコ町を拠点に開催。レッキ時は降雨もあ ったが、おおむねドライ路面で争われた。

第6戦ラリー北海道は9月5~7日に帯 広市を拠点に行われ、デイ1はドライで進 行したがデイ2は朝から雨。午後にかけて 晴れていく難しいコンディションとなった。

環境対応クラス(通称JNX)では、天野智 之/井上裕紀子組がシーズン全勝。第3戦 を除く全戦でレグ2もトップタイムを計測 してフルポイントを獲得した。その結果、 第6戦を終えてJNXクラスの2025年タイ トルを確定させた天野選手は17回目、井

カムイを制したJN4高橋悟志/箕作裕子組にプレッシャ ーを与え続けた鮫島大湖/船木佐知子組が2位。

上選手は18回目の戴冠を確定させた。

今季はRAV4をデビューさせたが、まだ グラベルには合わせ込めないとこの2戦は アクアで参戦した。今年から新設されたこ のクラスの初代チャンピオンでもある。

JN3クラスは、山本悠太/立久井和子組 が北海道で連勝。エンジントラブルで離脱 した第4戦を除けば第6戦まで全勝してお り、大きなポイント差をつけてチャンピオ ンを確定させた。山本選手は3年連続4回 目、立久井選手は3回目のタイトルとなる。

JN4クラスは、第6戦ラリー北海道にお いて熾烈なチャンピオン争いが展開された。

第5戦は速さがありながらペースをコントロールする巧 さも見せた大竹直生/橋本美咲組がJN2今季初勝利。

MORIZO Challenge Cupを追うJN2長尾綱也/安藤裕 一組。長尾選手は得意なグラベルで連続4位を獲得。

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第5戦のJN2クラス2位は石川昌平/大倉瞳組。SS6では ベストを計測し、うれしい今季初表彰台を獲得。

第5戦を高橋悟志/箕作裕子組が制し、 この時点での総得点は109と突出。筒井克 彦/本橋貴司組と藤原友貴/宮本大輝組が 約30~40点差で追っていた。係数1.5の 大会であっても最大33点までしか得点で きないことを思えば、大きな差に感じられ る。しかし、成立8戦に対して6戦という 有効ポイント制がキーファクターになる。

ヤリスでグラベル初参戦となったJN5松倉拓郎/山田真 記子組。序盤からベスト連取でカムイ3連覇を達成。

全戦で得点を積み重ねてきた高橋/箕作 組は、第6戦の後に得点を上積みするため には、これまでより上位を狙うしかない。

一方の藤原/宮本組は第2戦を欠場してお り、順位に対して加点できる点数が大きい。

実は、JN4クラスでは昨年も有効ポイン ト制とSSの得点係数が選手権争いにドラマ

第5戦のJNXは天野智之/井上裕紀子組が圧勝。2位争 いを制したのはCR-Zで挑む海老原孝敬/蔭山恵組。

第5戦と第6戦に併催されたXCRシリーズでは、D1ドラ イバー藤野秀之/玉城詩菜組がXC-3クラス連勝。

XCRのXC-2クラスを戦う番場彬/梅本まどか組も第5 戦と第6戦を連取した。番場選手はタイトルに王手。

第6戦のXC-2はCX-60の寺川和紘/石川美代子組が2 位。「すごくラリー向きなクルマで楽しかった!」。 をもたらしていた。高橋/箕作組は毎戦の ように20点以上を獲得しながらも、北海道 2戦では優勝には届かず、最終戦で逆転さ れてしまい自身の戴冠を逃している。つま り、有効ポイント制ではなく総得点で計算 すれば、高橋/箕作組がトップだったのだ。

第6戦のデイ1では、タイム差の離れた クラス4番手を走行中だった高橋選手は 「頑張っているが届かなくて悔しい」とコメ ント。筒井/本橋組は5番手、藤原/宮本 組は3番手でデイ1を終えた。

デイ2は藤原/宮本組が2番手を狙って 攻めたてる。この日は0.5km+6.12kmを 2セットという短い構成ながらも、1ループ 目で10秒ほどリードした時点でデイポイ

北海道の2戦を連勝したJN2大竹/橋本組。MORIZO Ch allenge Cupでは暫定チャンピオンに輝いた。

第6戦のJN4クラスは全日本ラリーにFTOを持ち込んだ 小舘優貴/伴英憲組が念願の全日本初勝利を獲得。

第5戦レグ2では驚愕の速さを見せたJN4藤原友貴/宮 本大輝組。第6戦は完走目前で王座争いから脱落した。

ント「3」の獲得も濃厚に見えた。 対する高橋/箕作組は、その時点でデイ ポイントが獲れそうにないほど差をつけら れていた。しかし、そういうシミュレーシ ョンも完走してこそ正式となる。藤原/宮 本組は最終SSのフィニッシュ目前でリタ イア。高橋/箕作組の順位が繰り上がり、 同時に2025年のチャンピオンが確定した。 両選手にとっては2015年にヴィッツで旧 JN2クラスを制して以来の戴冠となった。

なお、第6戦でJN4クラス優勝を果たし たのは小舘優貴/伴英憲組。かつては育成 ドライバーとして2007年から断続的に全 日本戦に出場した経験を持つだけに、自前 の態勢で臨んだ全日本で感無量の初優勝と

第5戦と第6戦を連勝したJN3山本悠太/立久井和子組 が今季5勝で、3年連続のチャンピオンを確定させた。

第6戦の土壇場で3位となり10年ぶり3回目のタイトルを 確定させたJN4の高橋悟志選手と箕作裕子選手。

なった。伴選手も全日本初優勝となる。 JN2クラスは大竹直生/橋本美咲組が連 勝して大きくポイントを稼いだ。独自のポイ ント制を敷く「MORIZO Challenge Cup」 では、第6戦の優勝で大竹直生選手が暫定 王者に確定。暫定年間表彰が行われた。

第5戦をリタイアしたJN1新井大輝/立久井大輝組が第 6戦で雪辱を果たし、シーズン3勝目をマークした。

グラベル連戦はRAV4ではなくアクアで参戦した天野/ 井上組が2戦とも制し、JNX初代王座を確定させた。

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全日本ジムカーナ/ダートトライアル中盤戦 混戦の王座争い!D2は田口勝彦選手に確定!!

PHOTO/大野洋介[Yousuke OHNO]、成田颯一[Souichi NARITA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]  REPORT/伊能未冴[Misae INOU]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

今年から全日本を追うBC1伊藤眞央選手が第5戦スナガワでブッちぎりの全日本初優勝。2位は山越義昌選手。

暑さの盛りを迎え、全日本ジムカーナ

選手権は6月21~22日に北海道の オートスポーツランドスナガワで第5戦が 行われた。朝まで降り続いた雨でヘビーウ ェット路面で始まったが、その雨は途中で 止み、午後はほぼドライながらも水が残る という難しい路面に挑む展開となった。

7月26~27日には第6戦が滋賀県の奥 伊吹モーターパークで開催された。この会 場は全日本初開催で、真夏の日差しで灼熱 路面の勝負となったが、「久しぶりにター ンが多くて楽しい」という声が集まった。

PE2クラスは河本晃一選手が圧倒的優位 に立つ。出走順が早いこのクラスでは、第 5戦の第2ヒートで極端なパッチワーク路 面で走ることを余儀なくされたが、それを 攻略して4勝目を挙げた。第6戦は勝てず とも2位に入ってポイントを上積み。ライ バルの動向に関わらず、あと3点を加算す

ればチャンピオンが確定する状況だ。

PN2クラスは、スナガワを走ることが初 めてだった藤井裕斗選手が第5戦を制して 3勝目。第6戦で2勝目を挙げた古田公保 選手、1勝ながら表彰台4回という永川悠太 選手が追っている。藤井選手があと1勝で タイトル確定なので、古田選手と永川選手 は勝ってそれを阻止したいところ。3人のう ち誰が獲っても初タイトルとなる。

PN3クラスは、第5戦が3勝目となるユ ウ選手が、第6戦で2勝目を挙げた川北忠 選手をリードする。今季は優勝か、敗れて も2位を常にキープするユウ選手は、もう 1勝すればタイトル確定となる。また、PN4 クラスは第5戦と第6戦を連勝した津川信 次選手が今季4勝を挙げ、次の大会で2位 以上に入ればタイトルが確定する。

BC2クラスとBC3クラスは、3勝する2 選手の争い。BC2クラスは第5戦と第6戦

第5戦PE1では山野哲也選手と野島俊哉選手が僅差のワ ンツー。第6戦はスーパー耐久参戦のため欠場した。

約1秒引き離した河本晃一選手が第5戦で4勝目。Team CP2の瓜本琴葉選手は今季3度目の3位表彰台。

広瀬献選手がペナルティに沈み若林拳人選手が第5戦 BC2を制した。藤井雅裕選手は久々の2位表彰台に。

を連勝した若林拳人選手が広瀬献選手に追 いついた。BC3クラスでは第5戦を菱井将 文選手、第6戦を奥井優介選手が制した。

BC2とBC3は4名全員がチャンピオン経 験者であり、シーズンの戦い方を熟知した 手練れたち。ハイレベルな終盤戦に期待だ。

全日本ジムカーナ/ダートラは混戦 切谷内ではD2田口勝彦選手が3連覇 奥伊吹をよく知る牧野タイソン選手がPE1を制した。山 野選手不在の大会を落とした大橋政哉選手は落胆。

第6戦PE2で高江淳選手が2022年岡山国際サーキット 以来の優勝。MINI使いに夢と希望をもたらした。

3勝するユウ選手に対して後がない川北忠選手は第6戦 を快走して今季2勝目。PN3タイトルに望みをつないだ。

PN4の首位を走る津川信次選手は1本目のタイムで奥伊 吹を制した。若林隼人選手は今季2度目の2位に。

一方、全日本ダートトライアル選手権は 6月21~22日には福島県のエビスサーキ ット新南コースで第5戦、7月19~20日に は青森県のサーキットパーク切谷内で第6 戦が行われた。ともに晴天と暑さに見舞わ れ、平坦なエビス新南と高低差のある切谷

開幕戦以来の優勝を挙げたD2鎌田卓麻選手。第5戦のタ イトルスポンサーであるTEINカップも獲得した。

GKフィット使いのオーソリティ・PN1工藤清美選手が1 年ぶりの勝利。地元切谷内では2年ぶりとなった。

イキのいい若手筆頭株がSA1渡辺知成選手。第5戦は僅 差の2位に終わったが第6戦では今季2勝目を挙げた。

表彰台を外さず第3戦から4連勝を挙げたSC目黒亮選 手。今季は独走状態でタイトル確定に王手をかけた。

内、コース特性は異なるが、いずれも第2 ヒートでのタイム更新合戦が展開された。

D2クラスでは、第6戦で田口勝彦選手 が4勝目を挙げ、早くも2025年のチャン ピオンを確定させた。表彰台を外さず、他 の選手の追随を許さない強さと安定感を示 し、3年連続6回目の戴冠を果たした。

それ以外のクラスはどこも大混戦で、ま だまだ見通せないポイント差となっている。

ライバルの順位に影響されない、「自力 チャンピオン」の可能性があるのはSCクラ スのみ。第3戦から第6戦まで4連勝とい う圧倒的な勢いを見せる目黒亮選手が、次 に2位以上に入ればタイトルを確定させら れる。今季の序盤で2勝して第6戦で2位

第5戦PN1は気鋭の南優希選手が優・勝。僅差の2位に終 わった飯島千尋選手は今季2勝に並ばれて肩を落とす。

竹本幸広選手と徳山優斗選手のPN3王座争いに喰らい つく勝利を飾った小関高幸選手。2021年以来の優勝。

第6戦の優勝でチャンピ オン一番乗りを果たし たD2田口勝彦選手。ラ イバル谷田川敏幸選手 も渋い表情で祝福。

に入った上村智也選手が、目黒選手とのタ イトル争いにギリギリ踏み留まっている。

今季の全日本ダートトライアルは、連覇 や復権を目指す者に加え、初戴冠を狙うフ レッシュな顔ぶれの活躍が目立っている。

PN1クラスの南優希選手、PN2クラスの張 間健太選手、SA1クラスの渡辺知成選手は、 いずれも今年全日本戦初優勝を経験したば かり。だが、その勢いを維持しながらベテ ラン勢を相手にランキング首位を守り、チ ャンピオン争いの立役者となっている。

未だ3名以上がタイトル争いの権利があ るクラスも複数あり、残る2戦も白熱した 戦いが期待される。誰もが力を出し切り、 悔いの残らない走りができるよう祈りたい。

若手期待の奈良勇希選手が第5戦でPN2初優勝。第6戦 も連取して、ともに3位だった張間健太選手を追う。

前戦で今季2勝目を挙げたNクラスの岸山信之選手が、 切谷内でようやく勝利を掴んだ細木智矢選手を激励。

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日本ドリフト選手権D1グランプリ・筑波大会 松山北斗選手が第4戦でGRカローラに初勝利

PHOTO/小竹 充[Mitsuru KOTAKE]、FIA REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

第4戦の追走トーナメント決勝は松山北斗選手と藤野 秀之選手という、TOYOタイヤ勢による対決となった。

日本ドリフト選手権として開催されて いるD1グランプリシリーズ。2025 年は5大会10戦が予定されているが、そ の第2大会が6月下旬の茨城県の筑波サー キットコース2000で開催された。

今大会も2レース制で、土曜に第3戦、 日曜に第4戦が行われた。フォーマットは 単走でベスト16が決定され、その16名が 8組に別れて追走トーナメントに臨む。

開幕大会の奥伊吹モーターパークでは、

第3戦単走優勝はウエインズトヨタ神奈川×俺だっ! レーシングの山中真生選手。D1で初の単走優勝だ。

第4戦単走優勝はRepair Create×Result Japanの村 上満選手。こちらは待ちに待ったD1単走初優勝だ。

BMWの目桑宏次郎選手が第1戦と第2戦を 連勝して仕上がりの良さを見せつけたが、 その勢いは止まらなかった。筑波での第3戦 追走ではトーナメント決勝で対戦したGR86 の石川隼也選手に大きなアドバンテージを 得て、目桑選手が開幕3連勝を挙げた。

同じくドライコンディションで行われた 筑波の第4戦ではこれまでの流れが一変。 追走トーナメントでは、目桑選手がベスト 16で対戦した田野結希選手に接触して足回 りを破損する波乱含みで始まった。

初の追走進出を果たした中村龍選手がベ スト4に残ったものの、以降はTOYOタイ ヤ勢が台頭。決勝はGRカローラの松山北

日曜の第4戦は松山北斗選手がGRカローラでは初とな る優勝。2位は藤野秀之選手、3位は横井昌志選手。

土曜の第3戦はBMWの目桑宏次郎選手が開幕3連勝を 奪取。2位は石川隼也選手、3位は横井昌志選手。

斗選手とGR86の藤野秀之選手の対戦とな った。決勝2本目は、先行した松山選手が 驚きの速さを見せた一方で、後追いの藤野 選手が流されたことで勝負あり。これによ り松山選手が今季初優勝を挙げ、GRカロー ラに乗り換えて以降の初優勝となった。

第3戦の単走優勝は「ドリフトテスト」の 審査員としてもおなじみ山中真生選手。2本 目で98.48点という群を抜く高得点を叩き 出して、D1グランプリで初の単走優勝を成 し遂げた。第4戦の単走はGR86の村上満 選手が制した。こちらもD1での単走優勝 は初めてで、単走自体も2012年のD1ス トリートリーガル以来の優勝だという。

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白熱する全日本カート2025年のタイトル争い! FS-125部門は酒井龍太郎選手が8戦7勝で連覇

PHOTO/今村壮希[Souki IMAMURA]、長谷川拓司[Takuji HASEGAWA] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

中盤戦を迎えた全日本カート選手権。6

月28~29日に宮城県村田町のスポ ーツランドSUGO国際西コースで開催され たFS-125部門では、開幕4連勝と絶好調 の酒井龍太郎選手が黒星をつけた。

この第5戦の勝者は九州から遠征の服部 颯空選手。酒井龍太郎選手はペースがなか ったと苦しみながらも第6戦を制して5勝 目を挙げた。FP-3部門は山代諭和選手がタ イムトライアルでコースレコードを樹立。 勢いそのままに連勝を果たし、國岡光貴選 手とのポイント差を射程圏内に捕えた。

新潟県胎内市のスピードパーク新潟で7 月26~27日に行われた第7戦・第8戦は 2025年シーズンの天王山となった。

全日本カート初開催の地でも酒井龍太郎 選手は格の違いを見せつける独走を披露。2 連勝するとともに、8戦中7勝で早くもFS125部門のシリーズチャンピオンを確定さ せた。FP-3部門ではランキング上位の國岡 選手と山代選手の戦いに注目が集まる中、

新潟大会で山代諭和選手が國岡光貴選手を捕えてFP-3 はランキングが逆転。この2名が最終戦で雌雄を決す。

酒井龍太郎選手が中山大会の2戦を残して、新潟大会で 早くもFS-125部門のチャンピオンを確定させた。

伏兵の藤村太郎選手が第7戦で勝利。第8 戦では山代選手が優勝し、國岡選手からポ イントリーダーの座を奪っている。

EV部門は7月21日に第3戦・第4戦が 東京都江東区のシティサーキット東京ベイ (CCTB)で開催。フォーマットに変更があ り、全長400mのタイトなコースで全12 台が一斉に走るレースとなった。開幕2連 勝を挙げるベテラン三村壮太郎選手に立ち はだかったのは、2024年FP-3部門チャン ピオンの寺島知毅選手。パーフェクトと言 えるレース運びで2つの勝利を収めた。

そして、2か月弱のインターバルを経た9

月14日、残暑厳しいCCTBでEV部門の 第5戦・第6戦が行われた。なお第6戦は、 全日本カート初のナイトレースとして開催 された。前大会で寺島選手の連勝を許した 三村選手が第5戦でポール・トゥ・ウィン を果たすと、続く第6戦のナイトレースも 制した。三村選手は自身初の全日本タイト ル獲得に向けて一気に弾みをつけている。

最高峰クラスのOK部門は8月30~31 日に静岡県小山町のオートパラダイス御殿 場で第5戦・第6戦が争われた。暑さと体 力との戦いとなるタフなレースは、ランキ ングトップの酒井仁選手が第5戦を制して ポジションをキープ。OK部門参戦2年目の 酒井龍太郎選手が第6戦で優勝を遂げ、ラ ンキング4番手から猛追している状況だ。

OK部門で安定した成績を残す皆木駿輔選手に詰め寄られるも、酒井仁選手が109点でランキングトップ。

6戦4勝とEV部門で優位に立つ三村壮太郎選手だが、2勝している寺島知毅選手が2点差で詰め寄っている。

アプローチ 最適解への

レースの勝敗を左右する マシンのセッティングについて どのように仕上げていく? 勝負はスタートの前に決まっている、と はレースの世界ではよく使われる言い回し だ。スターティンググリッドについた時点 でマシンがどれほど仕上がっているかで、 勝敗はもう大勢が決しているという意味だ。 とりわけ各選手の実力が高いレベルで拮抗

している全日本選手権ともなれば、マシン の仕上がりのわずかな差がレース結果を左 右すると言っても過言ではない。

全日本カート選手権 OK部門とジュニ ア選手権ジュニア部門/ジュニアカデット 部門のタイトルがかけられたGPR KARTI NG SERIESは、その“マシンを仕上げる” という点においてユニークな取り組みを実 施している。各大会が行われる20日から 1か月ほど前に、開催されるコースにおい て、2日間にわたるGPR専有の合同テスト デイを設けているのだ。この間は公式のタ イミングシステムが稼働し、各選手のタイ ムがリアルタイムで公開される。これはカ ートレースでは珍しい試みだ。

では、国内トップレベルのシリーズに参 戦するドライバーたちは、この2日間を使 ってどのようにマシンのセッティングを進 めているのだろうか。シリーズ第5戦/第 6戦を間近に控えた8月5~6日、静岡県 小山町のオートパラダイス御殿場(APG) で行われた合同テストで、ふたりのドライ バーの作業を追った。ひとりはOK部門の ベテラン皆木駿輔選手、もうひとりはジュ ニア部門のルーキー今村昴星選手だ。

一方、一般的に全日本のレースウィーク の金曜日から始まる専有走行日は、GPRの 合同テストとはまた趣が異なる。GPRの合 同テストがあくまで事前テストの機会であ るのに対して、大会本番を目の前に控えた レースウィークの専有走行日は、待ったな しの真剣勝負の一部であるのだ。

そこで、レースウィークにおける全日本 ドライバーの作業も追ってみることにしよ う。新潟県胎内市のスピードパーク新潟で 7月26~27日に開催されたFS-125部門 /FP-3部門第7戦/第8戦の前日土曜日、 FP-3部門に出場する新鋭の國岡光貴選手 に密着してみた。

スピードパーク新潟での全日本カート選 手権の開催は、この大会が初めてのこと。 ハイグリップタイヤのゴムが乗った路面デ ータを誰も持っていないこの大会におい て、専有走行日の重要性はいつも以上に高 くなる。チャンピオン争いの渦中にある國 岡選手は、この大切な一日でどのようにセ ッティングを進めたのだろうか。戦いは、 レースの前からすでに始まっている。

ジュニア部門 今村昴星選手

三重県出身の12歳でVitec Racing所属。ジ ュニアカデット部門を経て2025年にジュ ニア部門参戦を開始。APG大会前の4戦で2 度の表彰台に上り、未勝利ながらポイント ランキング2番手につけている。チーム代表 を務めるプロドライバー松浦孝亮氏曰く「ま だ駆け引きなどで消極的な面もあるけれど、 間違いなくスピードはあるし、人間的にもち ゃんとしている」という期待の新星だ。

OK部門 皆木駿輔選手

神奈川県出身の25歳でDrago Corse所属。 2018年から国内カートレース最高峰の全日 本OK部門に参戦を始め、たびたび優勝も飾 ってきた、日本を代表するトップドライバー のひとり。現在は奈良県のカートショップ・ト レンタクワトロに勤務する、いわばカートの プロでもあって、セッティングはチーム代表 の道上学氏のアドバイスも仰ぎつつ、戦術 決定や調整・交換作業も独りで行っている。

FP-3部門 國岡光貴選手

千葉県出身の15歳でガレージC所属。2025 年にFP-3部門で全日本に参戦を開始する と、その初戦でいきなりポールからデビュー ウィンを達成。アウェーとも言える兵庫県 神戸市の神戸スポーツサーキットでの第4 戦で2勝目を挙げ、ポイントランキング2番 手につけて新潟大会に乗り込んできた。愛 機のプラガは「セッティングが決まると、と んでもなく速くなるカート」だと言う。

前後の良好なグリップバランスを求めてい く中で、車高はたびたび調整していた箇所 だった。変更の効果を見定めていく。

まだ他人に言葉で伝える経験の浅い今村選 手のコメントやフィーリングを、担当メカニ ックの原氏は丹念に読み解いて方向を探る。

担当外のチームスタッフも走りを見ながらた びたびアドバイスを送るシーンが印象的。チ ーム一丸となって今村選手をサポートする。

コメントと走りの観察から調整を実施 レースを見据えてエンジンの換装も

今村選手の担当メカニックは幾多の名ドライバーと タッグを組んだ経験を持つ原由雄氏。これをチームの チーフエンジニアである井口正美氏がサポートし、祖 父の斎木通義氏がマネジャー役としてレースに帯同。 この4名が“今村グループ”を組む陣形だ。持ち込みセ ットは普段、鈴鹿南やもてぎ北でレースに出ていると きのまま。これはどのコースでも変わらないという。

快晴の暑い2日間となったGPR合同テスト。与え られた走行機会は両日とも5セッションだ。その初日 はエンジン慣らしでスタートした。ここで「リアが滑 りやすい」という今村選手のインプレッションから、 次のセッションではリアホイールハブのストッパーを ハブの内側に当てて固定した。これでロングハブに似 たグリップの効果を得られるのだそうだ。

3セッション目では「まだリアが滑る」とのコメント から、原氏はフロントスタビライザーを平らな断面の ものから丸い断面のものに変更。そしてタイヤを2セ ッションしか使用していないユーズドに替えて、今村 選手から良好な手応えを得ることができた。

さらにコメントと走りの観察から、フロントの車

フロントスタビライザーを積極的に活用。写 真は平らな断面のもので、他に丸型断面の もの、材質の厚みの違いなどがある。

高、フロントスタビライザーと調整を重ねていく。5 セッション目で新品タイヤを投入し、レース本番を想 定してグリップが上がっていく路面での状態を確かめ て、1日目のテストは終わった。

2日目も快晴。気温がさらに上がる中、「練習のと きは一発というより平均的にタイムが上がっていっ て、後半までタレないセッティングを探している」と 言う原氏は、ホイールの変更、フロントスタビライザ ーやリアの車高の変更と着々とメニューをこなし、変 わっていく路面コンディションの中での前後バランス をチェックしていく。そして最後のセッションでスー トのサブステーの締めつけを調節、さらにリアハブの ストッパーを調節し、「そんなに想定外はなかった」と 手応えを得て2日間のテストを終了した。

目を引いたのは3基あるエンジンの換装だ。最初に 下回りをオーバーホールしたエンジンの慣らしを行 い、その後に前戦のレースで使ったエンジンを投入。 このエンジンのライフを今回のテストで使い切り、オ ーバーホールした状態でレース本番に持ち込むという 流れ。しっかりレースまでのスケジュールを計算した エンジンのローテーションを組んであるのだ。

かくしてレース本番に臨んだ今村選手は、第5戦で3 位、第6戦で2位と良好な結果を残すことに成功した。

レース本番では自分にもマシンにも元気がなかったです……

「合同テストのときは結構元気があったのですが、レースになったらマシンや自分の走りに元気がな くなって、エンジンにも伸びがありませんでした。マシンも自分ももう少し元気があった方が良い結 果だったと思います。第5戦の決勝は抜くべきところでちゃんと抜くことができず3位だったけど、第 6戦の決勝ではアウトから行ったらうまく逃げることができて、2位でチェッカーを受けられました。 APG大会では両戦とも表彰台に乗れたのは良かったですね。振り返ると実のあるテストができたと 感じています。カートのセッティングについて言葉に出してメカニックの原さんに伝えるのはけっこ う難しく、どうコメントしたらいいのかがまだ分からないので、そこは努力していきたいです」

2日目のテストはエンジンの慣らし運転か らスタート。スローペースながらマシンのバ ランスも確かめつつ1セッションを使った。

カートショップにスタッフとして勤務する 皆木選手。マシンの上げ下ろしなど手助け がいる作業以外は自らがすべて行う。

変えたら戻しての反復確認が大事 “求めすぎ”はピンチを招くことも

皆木選手はOK部門のレースのみならず、APGでの 走行経験も豊富。マシンはもうかなりのレベルに仕上 がっている。「ある程度速く走ることができる状態か ら調子を崩すことなく、常にいい状態で走れるセッテ ィングを探していきたい」と皆木選手。

1日目。持ち込みセットのままで1セッションを確 認に費やした皆木選手は、2セッション目でまずタイ ヤのエア圧を0.1キロほど上げ、一旦ピットに戻って 今度は0.15キロほど下げて走り、その中間が良さそ うだと確認。次の3セッション目では、先ほどの低い エア圧でコースインしている。

皆木選手がたびたび口にしたのは「一度変えたら元に 戻して、反復して確認することが大事」という言葉だ。 ここでのエア圧変更は、その言葉を体現する作業だっ た。「3セッション目でエア圧をまた下げたのは、ダメ なことを確認して選択肢をひとつ減らすためです」。

新品タイヤの投入でタイヤが食われ気味に なるとリアホイールハブを別タイプに交換 してグリップ感を改善する調整が行われた。

エンジンはチームが用意したものが支給さ れる。消耗度合いの異なるものを載せ替え 比較テストを実施した。

皆木駿輔

拾うことで、この先にも使うタイヤに悪影響を及ぼし たくないという配慮からのことだった。

3セッション目は「昨日の段階で触るところはもうあ まりないかなと感じているので、あとは新品を履いた ときに100分の1秒を削り出すことができるかどうか のセッティングと、レースに向けてそのセッティング で最後までいけるかの確認をしたいと思います」と、1 日目に新品を下ろしたタイヤに換装。4セッション目に 新品タイヤを投入して、ここまでで煮詰めたセッティ ングと新品タイヤのバランスを確認し、5セッション目 にシート位置をチェックして2日間のテストを終えた。 「セッティングは、求めすぎない方がいいと思いま す。100点を求めるとピンポイントなセッティングに なるし、それだとレースの一日の中でもズレてくるこ とがあります。あまり詰めすぎると道を外したときに 戻れなくなっちゃうんで、そういうときに戻れるよ う、幅広く対応できるセッティングにしておく方が、 レースのときに余裕を持てると思いますね」と皆木選 手はこれまでの経験から自信を持って言う。

アプローチ

2日目、皆木選手は1セッション目をエンジン慣ら しに使ったのだが、その際に使い古した“転がし用” のタイヤを装着している。これはフルスピードで走る 周りのドライバーにラインを譲るときにタイヤカスを 反復したおかげで後悔が残らないテストができた 「合同テストとレースとでは路面コンディションの違う部分が多いので、テストのデータがそのまま レースに当てはまったわけではないけれど、テストで反復して試せたことは第2レースにすごく役立 ちましたね。もうちょっとやっておけば良かったと後悔するところもないし、レースに向けて確認でき たことが2位につながったのかなと思っています。APGは少し特殊なコースなので、ほかのコースの テストでは調整する項目がまた変わってくるのではないでしょうか。上位入賞できたとはいえ、現状 の自分にはまだ足りない部分もあるし、もし足りていたとしてもそれ以上を求めていかなければレー スでは勝てません。次のレースに向けていいテストができるように考えていきたいです」

25日後のレース本番、皆木選手は第5戦で5位、 第6戦で2位となった。今季2勝目こそならなかった ものの、まずまずの結果を残し、目下ポイントランキ ング2番手を堅持している。

前後のトレッドはテストを行うまでに決ま っていなければならない基本の値。テストで もレースでも変えることはまずない。

常に着目していたのは気温や路面温度、シ ャシー剛性の関係。これまでのデータの積 み重ねが生きるところだ。

ホイールは最良のグリップバランスを追求 していく中で、前後で異なるタイプのものを 装着することもあるという。

気温の影響を常に考えながら ハブとホイールを主体に剛性を調節 國岡選手は所属チームの母体であるカートショッ プ・ガレージCのスタッフの加藤幸之介氏と、父親 の國岡健治氏の3人編成で全日本の各コースをラウン ド。新潟にもそのトリオで遠征してきた。

新潟のコースが未体験だった國岡選手は、6月29日 にスポーツランドSUGO 国際西コースでの大会を終え ると、翌日に新潟へ移動してこのコースを初体験。さ らにレース1週間前の日曜日からレースウィークの火 曜日までここでテストを行ってレース本番に臨んだ。 「テストの前にこのコースの走行動画をチェックしてき ました。二輪の動画は視点が高くてコースの様子が分 かりやすかったです」と、研究を怠らず色々と参考に なった様子。ただしセッティングはうまく決まらず、 走りの習熟に重きを置いたテストになったそうだ。

決勝2日前の金曜日の専有走行は、各部門6セッシ ョン設けられていた。「平均タイムは良くなってきたけ れど、速さがなくなってきた」と國岡選手。セットアッ プの際には常に気温の影響を細やかに観察している。

そして迎えた決勝前日の土曜日。この日のテストセ ッションは5本だ。まず前日のセットのまま走って現

ピットに置かれた収納ケースには何種類も のホイールハブがぎっちりと詰め込まれて いる。これは國岡選手の重要な武器だ。

在の状況を確かめた國岡選手は、2セッション目に予 定どおり新品タイヤを投入。さらにタイムトライアル を想定して一発のタイムを求め、ホイールとフロント ホイールハブを違うタイプのものに変更した。3セッ ション目ではホイールをフロントとリアで違うものに 変更。このホイールやハブを前後で異なるタイプのも のにするのは國岡選手がよく採る手法なのだという が、これは豊富なパーツを所有した上でそれらの特徴 を把握しているドライバーでなければ、かえって迷路 にハマってしまうやり方だろう。

4セッション目、國岡選手はエンジンを本番用のも のに換装し、スーツとヘルメットも本番用に着替え、 重量もレース時に合わせて、本番想定のテストに臨ん だ。これは國岡選手のいつものルーティンのようだ。 そして5セッション目にショートタイプのリアハブを 試して、すべてのテストを終了した。

翌日、國岡選手は第7戦で決勝の激闘を制し、ペナ ルティで7位とはなったもののトップチェッカーを果 たしてみせた。続く第8戦では、トップの独走こそ許 したものの2位でフィニッシュ。傍目には上々のレー スに見えたのだが、國岡選手の顔に喜びの表情はなか った。残る9月20 ~ 21日の今季最終大会で、國岡選 手は逆転チャンピオン獲得に挑む。

気温に対応するテストは生きたが、まだ反省点も残るレースに 「気温に合わせて練習をしてきたので、公式練習を走った時点でこのハブでは無理だと分かってハブ やホイールを替えましたし、予選では路面も熱くなっていたのでロングラン用のセッティングに全部 変更しました。金曜日と土曜日のテストはその辺に生きたと思います。第7戦ではペナルティを受ける 結果にはなったけれど、その甲斐あってトップでチェッカーを受けることができました。あえて言うな ら、もっと空気圧を落として、グリップが食われても大丈夫なようにしておけば良かったなと思いま す。第8戦はトップの選手に追いつくことは無理でしたし、TTでももっとアタックできたはずなので、 専有走行日に点数をつけるとしたら45点くらいでしょうか」

2026年日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権規定で 全日本ジムカーナはP・AE/PN部門のクラス区分が変更に

PHOTO/大野洋介[Yousuke OHNO]、成田颯一[Souichi NARITA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] 特集 全日本ジムカーナ選手権/ALL

日本ジムカーナ選手権は、2022 年4月に公示された2023年の 日本ジムカーナ/ダートトライ アル選手権規定で大きな変更が加えられ、 クラス区分がそれまでの「JG」表記から従来 の車両改造を示す部門名称に戻されると共 にクラス区分が整理統合された。

これにより全日本ジムカーナは、現行車 両への移行を促すPN車両クラスを主軸と しつつ、旧型車が主力となっていた改造車 クラスは、これまでのSA・SAX車両から B車両に拡大され、SC車両を組み合わせた 「B・SC(BC)クラス」へと統合された。

そして、新型車の90%以上を占めると言 われるオートマチック車や、市場で拡大す るパーキングブレーキレバー非装着車、さ らにバッテリーEVを含めた代替エネルギ ーを動力とする車両を想定した「P・AE (PE)クラス」が新たに誕生。クラス区分と しては、「電気式駐車ブレーキが装着され たP・AE車両」のPE1クラスと「自動変速 機付の車両で2輪駆動のP・AE車両」を対 象としたPE2クラスが創設された。

このPEクラスには全日本ジムカーナ/ ダートトライアル選手権統一規則でPN車

両に近い改造が許されたこともあり、PE2 は初年度こそ不成立だったが、2024年には 13名が選手権を争う盛況となった。

PE1クラスについては、山野哲也選手が 2022年にJG10クラスを制覇したアルピー ヌ110がクラス移行後も高い戦闘力を発 揮。PE1で勝てる車種との評価が固まり、 乗り換える選手が増えて一大勢力となった。

そこへ深川敬暢選手がバッテリーEVの テスラ・モデル3を持ち込み、デュアルモ ーターAWDが繰り出す強烈な加速で会場 を沸かせた。特にウェット路面ではコンマ 差の争いに加わることもあり、これまでの 常識を覆す新時代の到来を予感させた。

2026年の規定でPE1とPE2が再編 PN部門には「PN AT」が新設

新たなクラス区分が導入されて3年が経 過するとともに、地方選手権を含めた各地 のジムカーナ競技会において、電気式駐車 ブレーキ装着車を対象とした“ノーサイド・ ジムカーナ”の市民権は拡大しつつあった。

また、全日本ジムカーナPE2の参加車両 は他のPNクラスと同一車種があり、競技 部品の共用もできることから、P・AE車両

規定を全日本統一規則で拡大する暫定措置 が解釈し難い内容となっており、誤解を生 みにくい状況に見直す必要性もあった。

これらを踏まえて、JAFスピード競技・ ターマック部会では、現状の参加台数維持 だけではなく、“2030年前後の将来”を見据 えた規則を目指し、今後の新型車の形態を 先取りして、参加できる可能性を広げるク ラス区分を検討。2026年の日本ジムカーナ /ダートトライアル選手権規定では、ジム カーナの全日本選手権に、新たなクラス区 分が適用されることになった。

4月と7月に公示された2026年の選手 権規定によれば、全日本ジムカーナのPE1 クラスの要件は「電気式駐車ブレーキが装 着された“2輪駆動(FF/FR)の”P・AE車 両」となり、PE2クラスについては「“PE1に 該当しない電気式駐車ブレーキが装着され た”P・AE車両」へと全面的に刷新された。 そして、PN部門には「PN ATクラス」が 新設され、「自動変速機付の2輪駆動“(FF/ FR)のPN車両”」というこれまでのPE2を 踏まえた新たなクラスが誕生した。

併せてPN3クラスにも変更が加えられ、 従来の「1500cc以上で2輪駆動(FF/FR)の

■2026年日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権規定(2025年7月3日公示)より抜粋

クラス名称 変更内容 参加車両の要件

P・AE1(PE1)

要件変更 電気式駐車ブレーキが装着された2輪駆動(FF/FR)のP・AE車両 P・AE2(PE2)

要件変更 PE1に該当しない電気式駐車ブレーキが装着されたP・AE車両 PNAT 新規設定 自動変速機付きの2輪駆動(FF/FR)のPN車両

PN1

1-1 1-1

PN2

PN3

PN4

PN5

B・SC1(BC1)

変更なし 1500cc未満で前輪駆動のPN車両(FIA/JAF公認発行年・JAF登録年が2018年1月1日以降の車両)

要件変更 1500cc未満で後輪駆動のPN車両(FIA/JAF公認発行年・JAF登録年が2010年1月1日以降の車両)

要件変更 1500cc以上2000cc未満の2輪駆動(FF/FR)のPN車両(FIA/JAF公認発行年・JAF登録年が2010年1月1日以降の車両)

新規設定 2000cc以上の2輪駆動(FF/FR)のPN車両(FIA/JAF公認発行年・JAF登録年が2010年1月1日以降の車両)

要件変更 PN1~PN4に該当しないPN車両(FIA/JAF公認発行年・JAF登録年が2010年1月1日以降の車両)

変更なし 前輪駆動のB・SC車両

B・SC2(BC2) 変更なし 後輪駆動のB・SC車両

B・SC3(BC3) 変更なし 4輪駆動のB・SC車両

多くの駆動方式・トランスミッション形式を許容する2026年のクラス区分。旧型車の活躍の場も広がりそうだ。

PN車両」だった要件を排気量で分割。新生 PN3クラスは「1500cc以上“2000cc未満 の”2輪駆動(FF/FR)のPN車両」となり、 「“2000cc以上の2輪駆動(FF/FR)のPN車 両”」には、新たにPN4クラスの名称が与え られた。

従来のPN4クラスに該当する要件は、 「PN1~PN4に該当しないPN車両」に変更 され、「PN5クラス」へと生まれ変わった。

電気式駐車ブレーキ装備の新生PE1 どんなクラスになるのかは未知数 2026年の選手権規定に記されたクラス 区分から来年以降の参加車種を類推する と、現行PE1クラスで活躍するアルピーヌ A110やポルシェ911といったミッドシッ プ(MR)やリアエンジン(RR)車両は、新生 PE2クラスに移行すると思われる。

ロードスターやGR86/BRZ、スイフト スポーツなど、従来のPE2クラスで戦って いた自動変速機機付きの車両は、新生 PNATクラスに移行することが想定される。

従来のPE2参加車両にPN車両規定を適 用することで、さらなる戦闘力向上が見込 めるかどうかは未知数ではある。しかし、 全日本ダートトライアルPN2やSA1クラ スのように、コースレイアウトによっては、 AT車がMT車に伍して戦える状況が生ま れることも否定できない。そのため、車両

セッティングや走らせ方の熟成がさらに進 み、ジムカーナでもAT車とMT車が混走 で勝負できるような時代が来れば、再びク ラス区分が見直されることになるだろう。

そして、新生PE1クラスはどうか。電気 式駐車ブレーキは国産コンパクトカーやプ リウスをはじめとした各メーカーの基幹車 種、輸入車などで標準装着が当たり前とな ったものの、現状のジムカーナで活躍して いる、“勝負できる”競技ベース車両には、 AT車であっても、未だにパーキングブレ ーキレバー装着車が選べる状況にある。

そのため、MRでもRRでもないFF/FRの 2輪駆動でモータースポーツ実績がある車 種となると、GRスープラや、ジムカーナで 存在感を強めつつあるBMW MINIなどが 挙げられるが、PE1の主力車種の想定は難 しく、どんなクラスになるのかは、施行後 の業界の反応を待つ必要がありそうだ。

活況を呈する現行規定のPN3クラス 新生PN3では旧型車の復活も!?

現行規定における全日本ジムカーナPN 部門の主力車種は、PN1クラスがMXPA10 ヤリスでPN2がNDロードスター、PN3が GR86やNDロードスターRF、スイフトス ポーツ、PN4がGRヤリスとなっているが、 2026年の選手権規定では従来のPN3が排 気量で分割され「2000cc」を境に新生PN3 クラス、新生PN4クラスとなる。

新生PN3を2000cc未満として分割した 狙いは明確で、競技ベース車両として高い ポテンシャルを持ちながら勝負権を失って しまっているZN6 86とZC6 BRZの復活 と、排気量差がある中で奮闘するNDロード スターRFの活躍の場を再定義することだ。

全日本ジムカーナPN3は、現状でも台 数が多いクラスで、特に旧型86/BRZの中 古車はノーマル・元競技車両を併せて多く の台数が現存すると思われる。価格もこな れてきていることから、新型車・現行車へ の移行を促されてきた近年の流れからする と、イニシャルコスト低減にも効果的だ。

2026年全日本ジムカーナのクラス区分 は、現実を踏まえつつ将来をも見据えたも のとなっており、新たな可能性が広がる契 機になることが期待されている。なお、PN 車両クラスには年次規制が付記されてお り、これは不定期に更新されるため、注意 が必要であることを付け加えておく。

全日本ジムカーナ選手権2026年カレンダーが明らかに 2年目の滋賀・奥伊吹と宮城・赤門にSP新潟が加わる

PHOTO/大野洋介[Yousuke OHNO]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

日本ジムカーナ選手権とJAFカ ップオールジャパンジムカーナ の2026年カレンダーが9月1 日に公示された。2025年と同様に全日本選 手権は全8戦で構成され、3月初旬の筑波サ ーキットコース1000で開幕し、10月初旬 のハイランドパークみかわ・ジムカーナコ ースで最終戦を迎える。JAFカップはシリ ーズ第7戦でも使われる鈴鹿サーキット南 コースで10月下旬に開催される。

全日本ジムカーナでは、2025年以来、こ れまで全日本選手権では使われてこなかっ たコースでの初開催が続いており、2025年 には宮城県仙台市の赤門自動車テストコー スで第5戦、滋賀県米原市の奥伊吹モータ ーパークでは第6戦が開催され、ともに、 2026年は2年目の開催を迎える。

2026年の第2戦には新潟県胎内市のス ピードパーク新潟での全日本初開催が実現 する。ここは全日本カート選手権も開催さ れ、カートコースとしては国内最大規模を 誇る。2025年はJAFカップジムカーナが行 われるが、白熱した戦いが予想されている。

上下二段の広大な駐車場をつなぐ 中高速のパイロンジムカーナ

2026年に2度目の全日本ジムカーナ開

催地となる奥伊吹モーターパークは、現在 では日本ドリフト選手権D1グランプリの 会場としても有名だが、もともとは奥伊吹 スキー場の駐車場の一部をジムカーナコー スとして使用したことが始まりだった。

その立役者は大橋渡代表率いる岐阜県の プレジャーモータースポーツクラブ(Pleas ure)で、2025年に初開催された全日本選手 権大会ではオーガナイザーを務めた。

そして、2025年のシリーズ第6戦として 開催された「天下分け目のジムカーナ決戦! ALL JAPAN GYMKHANA in OKUIBU KI」は、長年全日本に参戦して、かつ今季 もチャンピオン争いを展開する現役有力選 手が、どのような全日本選手権大会を運営 するのかにも注目が集まっていた。

この奥伊吹モーターパークは9つの駐車 場を持ち、5mほどの高低差がある第3駐車 場と第4駐車場にJAFコース公認が取得さ れている。それぞれ平坦な広場で、特に下 段の第4駐車場はパイロンジムカーナ用と しては国内有数の広さを持つ。

D1グランプリでは、上段の第3駐車場 から走り出し、奥のスロープを下った後の 第4駐車場を主な走路としているが、Pleas ure主催の全日本ジムカーナでは第3・第4 駐車場の両方が走路として活用された。

プレジャーモータースポーツクラブの大橋代表。現役全 日本選手で、BC3クラスのタイトル争いも展開する。

今大会は第4駐車場からスタートして、 コース奥側のスロープで第3駐車場に上が り、スロープを下って第4駐車場に戻って ゴールとなった。上下段それぞれには複数 箇所にパイロンターンやコーナリングを配 し、スロープを登ってすぐの位置に高速ス ラローム、スロープを下った先には不等間 隔のスラロームが置かれた。先が見えない コーナーに全開で飛び込む度胸と、下りの 勢いをコントロールする繊細さが求められ、 全日本選手の技量が大いに試されていた。

パイロンジムカーナができるコースは全 国的にも希少となっているが、奥伊吹では 久々に中高速でのフルパイロンジムカーナ が堪能できたということで、多くの選手か ら満足度が高いとの声が聞かれていた。

広大な敷地をフル活用するための インフラ作りとタイスケ作り

奥伊吹大会ではコース設定の他にも特筆 すべき要素があった。今大会の本部は第3 駐車場に置かれ、パドックは第1B駐車場 と第7駐車場、第8駐車場に分散していた。

それらの距離はかなり離れていたことか ら、公式掲示板が複数箇所に設けられ、暫 定リザルトを含めた公式通知も迅速に貼り 出されていた。また、各パドックには有線 で結線されたPA設備が敷設されていた。

スピード競技における場内実況は、選手 のメンタルにも影響する重要なインフラと なっている。この点にしっかり気を遣われ ていたことは、評価すべきポイントだろう。

また、奥伊吹観光の協力により、開会式 と閉会式・表彰式はスキー場のゲレンデに ある「センターハウス」が開放された。

ここは国際サーキットに比類した広さを 持つ施設で、赤絨毯の広い表彰台も建て込

宮城県仙台市の赤門自動車整備大学校が持つ「赤門自動 車テストコース」で開催された2025年の第5戦。コース は山形県寄り、旧仙台ハイランドの近くに立地する。縦 長の敷地とコース奥にあるハイバンクが特徴だ。

9つの駐車場を持つ奥伊吹モーターパークの第3・ 第4駐車場を舞台に開催された2025年の全日本 ジムカーナ選手権第6戦。標高は700mを超え、晴 天に恵まれた当日は真夏の強い日差しに見舞われ たが、高地にある奥伊吹は、平地に比べれば暑さは 緩和されていた。

まれていた。しかし、施設内でもっとも標 高の高い場所にあるため、強い日差しが照 りつける状況においては、徒歩でアクセス するのがひと苦労だった。実は、今大会で は土曜に決勝コースの公開と慣熟歩行・開 会式が行われたのだが、これは車両持ち出 し申請を早めに済ませてしまうことで、セン ターハウスの開会式に参加車両でアクセス できるようにする工夫だったという。

また、各駐車場の中心に位置する第2駐 車場には、ギャラリー駐車場のシャトルバ ス発着所と公式車検場が置かれ、「ALL JA PAN GYMKHANAキッチンマルシェ」と 名付けられた複数のケータリングと協賛各 社のブースが交互に配置されていた。

この第2駐車場はやや空きが目立ったこ とから、ここをパドックの一つにするべき との声もあったが、実は、ケータリングと ブースは競技車両の動線沿いに配置されて おり、ここでは観客が食事を行ったり、ブ ースの展示を観ながら、各パドックから出 陣する競技車両に声援を送れる場所にした いという思いが込められていたのだ。

しかも、今大会では第2ヒート後のキャ ッチ&リリースにおいて、優勝者がマイク でギャラリーにアピールする時間が設けら れたが、その後は、上位入賞者が鈴なりの 観客の間を抜けて再車検へ向かうという流 れも想定されていた。これはラリーのセレ モニアルスタートから着想されたものだそ うで、今回は観客が分散してしまったため に実現しなかったが、奥伊吹をよく知るPl easureならではの仕掛けと言えるだろう。

このように、奥伊吹大会ではあらゆる領 域において、気づかれにくいが、よく考え られた施策が盛り込まれていた。それにつ いて、「クラブのみんなが、それぞれの経 験からやりたいことを出し合って、一つ一 つ形にしていった感じです。自分としても、 今まで出てきた大会でいいなと思った事柄 の、“いいトコ取り”をさせてもらいました」 と語る大橋氏。「課題はたくさんあります」 と語るものの、決勝の競技進行はスムーズ で、初めての全日本は成功裏に幕を閉じた と言えるだろう。それだけに、2年目の大会 にも今から期待せずにはいられない。

■2026年全日本ジムカーナ選手権/JAFカップオールジャパンジムカーナカレンダー

開催日 戦数 開催地 オーガナイザー 3/7-8 第1戦 筑波サーキットコース1000(茨城県) T-SPIRIT

4/4-5 第2戦 スピードパーク新潟(新潟県) THE・MC 4/25-26 第3戦 赤門自動車テストコース(宮城県) 奥州VICIC 5/16-17 第4戦 スポーツランドTAMADA(広島県) SLT CLUB/TEAM INDY 6/27-28第5戦 オートスポーツランドスナガワ(北海道) C.S.C.C./AG.MSC北海道

7/25-26 第6戦 奥伊吹モーターパーク(滋賀県) Pleasure 9/5-6 第7戦 鈴鹿サーキット南コース(三重県) チーム淀 10/3-4 第8戦 ハイランドパークみかわ(愛媛県) ETOILE 10/24-25 JAFCUP 鈴鹿サーキット南コース(三重県) NRC

round2

(山形県尾花沢市) オーガナイザー:RTGP

オート テスト 倶楽部

AUTO TEST CLUB

山

形県尾花沢(おばなざわ)市で、7月 27日にJAF加盟クラブ「ラリーチー ムグランドプロジェクト(RTGP)」の主催に より、「オートテスト尾花沢2025 round2」 が開催された。この大会はライセンス不要 のクローズド格式で行われ、オートテスト では希少な「未舗装路」が舞台に選ばれた。

実は、今大会は尾花沢市からのアプロー チで開催されたそうで、市側がオートテス ト開催をリサーチしたうえで、更地となっ ている廃校跡での開催をオーガナイザーに 打診。市内の旧常盤小学校のグラウンドで オートテストが行われることとなった。

尾花沢市といえば「雪とスイカと花笠の まち」を二つ名とし、“尾花沢すいか”は全国 的にも有名な高級ブランドである。開催日 程も“尾花沢すいか”の最盛期に合わせて 設定し、ブランドアピールを狙ったという。

スイカ食べ放題とダート走りの異色コラボ オートテストで地域と一緒に盛り上がる!!

日本に導入されて10年が経つオートテスト。JAF公認コースをはじめ、これまで全国各地の 商業施設や公共施設などで開催されてきたが、このたび紹介する会場はなんと小学校の 跡地。しかも校庭のグラウンドということで、地方公共団体の理解と強力なバックアップを 得て、全国でも珍しい”グラベル・オートテスト”の開催が実現した。

参加台数は上限50台のフルエントリー を集め、SNSなどで尾花沢でのオートテス ト開催を知った参加者は、珍しいダート走 行ができることに加えて、“尾花沢すいか ” も参戦動機の一つに挙げていた。大会名誉 会長を務める尾花沢市の結城裕市長も会場 を訪れ、実際に特産のスイカが食べ放題で 振る舞われたことから、目論見どおりかな りのインパクトとなっていたようだ。

オートテスト導入初期には、輪島市門前 モータースポーツ公園やオートパーク今庄 などでダート路面の大会が行われたり、全 日本ラリー選手権ではスノー路面の大会が 併催されることもあった。現在ではその数 は少なく、8月には三重のいなべモーター スポーツランドで開催されたものの、ダー ト路面での開催は多くのオーガナイザーに とって初めての挑戦に近いものだ。

コースについて大会組織委員会の仲野次 郎委員長は、「速度が出すぎない点」に留意 しつつ、「ちゃんとゴールして、モータース ポーツって面白いと思って帰ってもらいた いので」と、ミスコース対策としてリズミカ

大会名誉会長を務めた尾花沢市の結城裕市長が開催 の経緯を説明し、特産の”尾花沢すいか”をPR。

ルに走り切れる設定が用意された。

各クラスで2本とも僅差の激戦に Aクラスは接戦となった。1本目は五十 嵐靖智選手(黄色濃いめアクアBS)が減点 41で首位に立ち、減点42で3台が追う展 開となった。しかし、2本目に1号車の佐 藤良幸選手(GG~のジーノ)が減点41で並 び、1本目の減点が少なかった佐藤選手に 軍配が上がった。佐藤選手は「地区戦ジム カーナを走ってましたが、雨のジムカーナ を経験している分、ダートでも抑えるべき

開催実現に奔走したRTGP仲野 次郎組織委員長。当日はJAFモ ータースポーツ部・村田浩一部 長も視察に訪れた。

審査委員長は立花志謹氏、競技 長は植松聖史氏、実況MCは立 川敬士氏と、東北地区の現在を 任う要人たちが駆け付けた。

コースレイアウト

3本パイロンのスラロームを経て一つ 目のガレージに直進で入庫、90度左に 後退して二つ目のガレージに入る。そ の後は大小パイロンスラロームが続い てフィニッシュする設定。特に後半で は、ひたすらハンドルを左右に回し続 けるうえに、滑るダート路面ではカウン ターステアも必須。かなり走り応えが あるコースだったに違いない。

AT車のAクラス18台、MT車のBクラス22台、女性限定のCクラスが7台、尾花沢市民限定クラスのDクラスが 3台で合計50台が真夏のグラベルバトルに臨んだ。

ところをきっちりと抑えられたのが良かっ たのもしれないですね」と、経験者らしい クレバーな走りで勝利した。

Bクラスは、2本目に最小減点40を刻 んだ越川孝明選手(ピンクAZ-1)が勝ちき った。マシンはすでに四半世紀の付き合い だというガルウィングのAZ-1だ。「普段は 舗装の駐車場で行われるオートテストに出 ているので、これまで経験したことないダ ートの走りは楽しかったですね。1本目は 楽しみすぎたので(笑)、2本目は抑えて走 りました」と勝因を話してくれた。

Cクラスは高橋美咲選手(ダイハツエッ セ)と大嶋真理子選手(菜の花色のスイス ポ)が2本とも同減点で並ぶ大激戦。この

Aクラス優勝:佐藤良幸選手 「以前出ていた地区戦ジムカーナの経験 から、抑えるところをしっかり抑えて走 れたことが勝因ですかね」

クラスは特別規則書に記された「排気量の 差」で高橋選手が優勝となった。過去に一 度だけジムカーナの参戦経験があるという 高橋選手は、「車内ではワチャワチャしち ゃいましたが、どうにか1位になれてラッ キーでした。今日はお父さんに勝てたのが 一番かな」と、最高の笑顔を見せてくれた。

Dクラスには尾花沢市議会議員でもある 安井一義選手(軽トラック)が参戦した。

「競技でダートを走るのは初めてでした が、感覚としては畑で走るのと同じでした (注:安井氏はアスパラ農家とのこと)。そ れでもクルマが滑る感覚はなかなか味わえ ないもので、面白かったですね。今回は気 合を入れて新品タイヤ4本を購入して臨ん

Bクラス優勝:越川孝明選手 「1本目はダートを楽しんじゃってAク ラスに負けてしまったので、2本目はス ライドを抑えて走りました」

会場では特産の“尾花沢す いか”が振る舞われ、真夏 の開催ということで尾花 沢市からクーリングシェ ルターも提供された。

だので、タイム的には40秒を切りたかっ たですね」とのことだが、目標には届かな かったものの減点43で優勝を手にした。

尾花沢市では、今年の5月にもJAF山形 支部の協力を得て、花笠高原スキー場駐車 場で舗装路のオートテストが開催されてい るが、今回のようなダート路面で走れる機 会はかなり貴重だということで、多くの参 加者が大いに走りを楽しんでいたようだ。

Aクラスには、かつて全日本ラリーなど で活躍した小野寺清之選手もダブルエント リーで参戦していたが、「やはり、これをき っかけにモータースポーツを始める人が増 えるといいですよね」と、競技関係者にと って共通の願いをしみじみと代弁してくれ たことも印象的だった。終了後には、Bラ イセンス取得を考える参加者も多くみら れ、ダート路面でのオートテスト開催は一 定の効果が得られたと言えそうだ。

真夏の開催を考慮して、「移動市役所」や 「移動期日前投票所」などで活用されるワゴ ン車をクーリングシェルターとして用意す るなど、尾花沢市による力の入ったバック アップもあっただけに、地域と共に今後も 開催が続いていくことに期待したい。

Cクラス優勝:高橋美咲選手 「車内はバタバタでしたが、一緒に出たお 父さん(Bクラス高橋幸次選手)に勝てた ことが一番でした(笑)」

Dクラス優勝:安井一義選手 「ダートを走るのは畑の収穫で慣れてま すが(笑)、今回タイヤを新品にしたので 40秒を切りたかったですね」

4駆ターボは 進化する

GRヤリスで復活した“4駆ターボ”の系譜が DATの進化とエアロの追加でさらに“深化”

PHOTO/大野洋介[Yousuke OHNO]、成田颯一[Souichi NARITA]、 REPORT/西川昇吾[Shougo NISHIKAWA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

年4月に、“24式”へと大幅進化 を遂げたGRヤリスが今年9月、 “25式”へと進化した。

この25式は、全グレードに共通して、 ステアリング操作に対する応答性と直進安 定性を向上させ、「クルマとの一体感の進 化」が図られている。25式には進化型GRカ ローラで採用された締結剛性の高い特別ボ ルトが装備され、ダンパーには微低速領域 の減衰力アップによるロール感やグリップ 感の改善、中速以上での減衰力ダウンによ る接地感の改善がなされつつ、パワステ操 舵のリニア感もバランスされている。

そして、24式で追加された8速オートマ チック「GR-DAT」も、ドライバーの意思に 寄り添った変速を実現するべく進化を遂げ た。変速時間は0.016秒短縮され、2速か

ら1速への変速可能車速域を拡大。シフト アップタイミングも、上り坂で全開加速を した際の回転落ちを考慮して、伸び感のあ る加速が得られるよう変更されている。

また、エンジン制御もマニュアルモード 時のレブ当て条件を、従来の0.4秒から3 秒間まで許容する仕様に変更。これは、ト ルク制限を発動しにくくすることで、連続す るコーナー間にあるわずかな全開区間での タイムロス低減に繋がる効果を狙っている。

そして、25式で最大のトピックは「エアロ パフォーマンスパッケージ」の追加だ。

競技に参加して初めて感じる物足りなさ を見逃さず、妥協せずの姿勢で追求。スー パー耐久ほか多彩な参戦経験を持つ大嶋和 也選手がテストとフィードバックを重ねた。

フロントスポイラーは前後の重量バラン

ス最適化のために開発最終段階で追加され、 空力面を煮詰めた結果、富士スピードウェ イでは約1秒のタイムを短縮したという。

面白いから走り続けたい! GR-DATの正常進化に興奮

進化した25式GRヤリスを試すのは、ス ーパー耐久ST-2クラスをシビックタイプR で戦う山野哲也選手。ST-2ではGRヤリス がライバルなので興味津々の様子だ。舞台 は袖ヶ浦フォレストレースウェイ。まずは 初期型“20式”のGRヤリス6速MTと、25 式の6速MTモデルに試乗してもらった。

25式の試乗を終えた山野選手は「乗り出 しから良かった」と上々の反応だった。

「走り始めから、クルマから伝わる情報が 増えていることが判った。そして、その情 報が高速コーナーでも変わらずにしっかり とあって、クルマの気持ちが常に伝わって くる感じが良かった。4WDモードはGRAV ELとTRACKを試して、自分は進入のブレ ーキング時にリアの駆動配分がフリーにな

GRヤリスの開発は、GR統 括部・GRヤリスプロジェ クトジェネラルマネージ ャーの山田寛之氏が齋藤 尚彦氏から引き継いだ。

るTRACKモードの方が向きを変えやすか った。クリッピングポイント以降もアンダ ーに転じる感触がなかったしね」。

続いて、25式GR-DAT搭載車に同じモー ド条件で試乗した。戻ってきた山野選手の 第一声は、「DAT、いいね!!」であった。

「25式のDATは、『タイムを短縮できる ATに載せ替えたの?』って感じ。スーパー 耐久でDATがいいって言われる理由がよ く解ったよ(笑)。これならドライバーのミ スも起きにくいだろうし、耐久レースでは かなり武器になるね。そもそもDATは8速 だから、6速MTでいう2速~3速あたりの 繋がりがスムーズで、ブーストの落ち込み も少ない感じ。MT車と比べて+20㎏の重量 増もあまり気にならないし、シフトダウン のタイムラグも感じない。GR-DATはスポ ーツ走行で使えるATだと思う。面白いか ら走り続けたい! って思える」。

パフォーマンスパッケージのGR-DAT搭 載車に試乗。こちらの評価も上々だ。 「今日乗ったなかで4つのタイヤを一番し っかり使える感触だったね。袖ヶ浦の1コ ーナーは、そこそこ高速コーナーなんだけ ど、進入からきっちりクリップに着くこと ができて、一番速く走れた印象がある。イ ン側のタイヤがちゃんと使えてるんだろう ね。極端に言えば、太いタイヤに替えて、 グリップ力が増してステアリングが効くよ うになった感じ。高速域で向きを変えやす

エアロパフォーマンスパッケージには、ダクト付きアル ミフードとフロントリップスポイラー、フェンダーダク ト、リアバンパーダクトに加え、燃料タンクアンダーカ バーと可変式リアウィングの6点が装備されている。

くなった印象を受けたけど、同じ効果なの かな。自分もこれまで多くのエアロ開発を やってきたけど、しっかり機能するパーツ に仕上げることはかなり難しいんだ。でも、 このエアロパフォーマンスパッケージは、 タイムを短縮させるための効果的なパーツ になっている。これを純正でやってのけた んだから、凄いことだと思うよ!」。

想定外のフィーリングを得られた山野選 手は、「これだけエアロがいいと、足回りも 専用セットアップが欲しくなるね」と、25式 の出来栄えに満足しつつ、GRヤリスの更な る進化に期待している様子だった。

今回の試乗では、DATが競技シーンでも 活用できそうな感触が得られ、エアロパー ツを効果的な機能部品としてリリースして きた開発陣の“深化”へのこだわりが十分に 感じられた。日本に復活した貴重な4駆タ ーボは、まだまだ進化を遂げている。

初期段階からGRヤリス 開発に携わってきた大嶋 和也選手と共に、妥協な き開発が進められた。 山野選手は進化したDATと

4つのタイヤをしっかり使える タイムを削れる機能部品だよ! そして最後は、25式で追加されたエアロ

東京都港区芝大門1丁目1番

日本自動車連盟

月1日発行(年4回、2、5、8、

(総合案内サービスセンター)

)2811

月の1日発行)

発行人

日野眞吾 ☎ 03(5470)1711(代)

発行所

東京都港区芝大門1丁目9番9号 ㈱JAFメディアワークス

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