第4章(p.107-121)〜終章

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建物が未建築 の土地の利用 予想延焼経路

水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

建物が未建築 の土地の利用 予想延焼経路

水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

防火 木造

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

建物が未建築 の土地の利用 予想延焼経路

水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

建物が未建築 の土地の利用 予想延焼経路

水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

北区滝野川2丁目

建物が未建築 の土地の利用 予想延焼経路

水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

防火 木造

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

建物が未建築 の土地の利用 予想延焼経路

水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

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水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

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水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

建物が未建築 の土地の利用 予想延焼経路

水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

建物が未建築 の土地の利用 予想延焼経路

水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

建物が未建築 の土地の利用 予想延焼経路

水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

建物が未建築 の土地の利用 予想延焼経路

水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

足立区千住大川町

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実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

防火 木造

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実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

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実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

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実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

江戸川区中央2丁目

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実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

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実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

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水面・河川・水路 屋外利用地・仮設 建物・未利用地等 田・畑・樹園地・ 採草放牧地 公園・運動場等 原野・森林

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

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実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

防火 木造

江戸川区西篠崎2丁目

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防火 木造

実験と同様の現象が起こ る可能性のある延焼経路 対策すべき延焼経路 延焼方向→ (準)耐火 防火 木造 火炎 延焼方向→ 火炎

第5章 都市火災に有効的な設計提案

5.1 対象敷地(Sスケール)

5.2 設計提案(XSスケール)

練馬区田柄1丁目

5.1 対象敷地(Sスケール)

fig5-1:設計対象町丁目

fig5-2:設計対象敷地配置図(数字は建物高さ)

前章では実際の木密のM~Sスケールの分析として、街区不燃化率が高くかつ、街 区建蔽率が高い街区を多く含む町丁目を中心に選定(54町丁目)し、実験と同様の現象 が起こりうる場所を黄色い矢印で示した。本章ではその54町丁目の中から最も提案に 値する場所を選定し、最終的に有効的な設計提案を行う。

本項では最終的に選定した1町丁目を紹介し、実験と同様の現象が起こりうる歯抜に 耐火建築物が並ぶ場所を対象敷地とする。最終的に選定した町丁目は練馬区田柄1丁目 (fig5-1)である。選定理由として特にfig5-1図中の黄色い枠で囲われた場所だが、ミニ 開発で木造建築物が密集しており、行き止まり道路が多く、道幅も4m未満と物理的に 工事車両が入れないなどの理由で建て替えが一才起きていないエリアである。その木密 エリアの北側に幅員11mの道路が通っており、耐火建築物が歯抜に並んでいる状態で ある。神戸市の延焼動態図では11m道路は延焼していないが、本来耐火建築物が歯抜 に並んでいなければ延焼しなかったはずの道路幅員を、実験と同様の現象が起こり、(耐 火建築物の間を縫うように火炎が横倒れに炎上)、道路延焼の可能性が考えられる場所 である

fig5-2はそのエリアの配置図、fig5-3は対象敷地周辺の俯瞰写真である。この場所の ウィンドローズは南から北が最頻値であり、当該木密の北側に歯抜に耐火建築物が並ん でいるのがわかる(図中黄色枠)。その目の前の11m道路をこれら歯抜耐火建築物によっ て延焼する恐れがあるため、歯抜に囲まれた木造(防火)建築物が建っている敷地に対 して設計提案を行う。fig5-4はその歯抜の耐火建築物となっている道路沿い建物の様子 である。手前のオレンジ色の耐火建築物とと2棟の防火建築物を挟んで耐火建築物が 建っており、道路は11mの幅員だが、耐火建築物によって延焼する可能性が考えられる。    敷地はfig5-2の黄色枠の歯抜ラインのうち、東側の防火建築物2棟とする(オレンジ 色マンションの西側2棟の敷地)。既存建物は防火建築物の戸建て住宅であり、これら を建て替え、新築として設計提案を行う。用途は集合住宅、構造は耐火建築物とする。

5.2 設計提案(XSスケール)

①建築の低層化による接炎の回避 ②建物の高層化による空地化・燐棟距離の確保・気流経路の確保 ③遮蔽物の配置による気流経路のコントロール

fig5-5:周囲に影響を及ぼさない耐火建築物の設計アイデア

設計提案では耐火建築物が周囲の木造建築物に対して延焼動態の影響を及ぼさない設 計提案を行う。実験では耐火建築物の間を縫うように火炎が横倒れに炎上した。これは 敷地が狭い木密において耐火建築物が敷地いっぱいにフットプリントのボリュームとし て建っているため、上昇気流による風がそれら耐火建築物を遮蔽物として避けるように 周囲に延焼動態を及ぼしていると考えられる。耐火建築物が周囲に影響を及ぼさないた めの設計アイデアを示す(fig5-5)。

①建物の低層化による接炎の回避

②建物の高層化による空地化・燐棟距離の確保・気流経路の確保 ③遮蔽物の配置による気流経路のコントロール

①建物の低層化による接炎の回避

建物が燃焼すると火炎は風下方向に倒れて炎上するが、火炎は基本的に上空に向かっ て炎上する。建物の低層化によって火炎の接炎を回避することが可能である。

②建物の高層化による空地化・燐棟距離の確保・気流経路の確保 再開発事業では容積率の割り増しの代わりに平面的な空地を設けることが多いい。実 質的な燐棟間隔の確保であり、耐火建築物同士の隙間風による火炎の煽りを抑えること ができる。

③遮蔽物の配置による気流経路のコントロール

遮蔽物により火炎はそれを避けるように炎上するが、歯抜の耐火建築物や高架の土木 構造物は火炎を遠くに炎上させることがわかった。これらは遮蔽物を入り組むように配 置することで気流経路が増し、炎上を抑えることが可能である。

①の考え方は敷地が狭小な木密において低層建物が建てられる場所は限られる。また② の考え方も同様に狭小な敷地では小さなフットプリントの建築は考えられにくい。設計 提案では①と③の考え方を統合した、敷地にいっぱいのフットプリントで高層化が可能 なアイデアを次頁で提示する。

fig5-6:設計ダイアグラム

低層木造建築物の火炎域

fig5-7:提案前周辺敷地模型

fig5-8:提案建物と周辺敷地模型

fig5-6は本設計デザインのダイアグラムである。耐火建築物によって火炎がそれを避 けるよう炎上することを防ぐために、耐火建築物自体に気流の経路を断面的にデザイン する。そうすることで、周囲の木造建築物に対して耐火建築物を避けるように火炎が隙 間風に煽られないような設計とする。また気流の経路は周辺の木造の火炎範囲である 低層部(火炎域)にのみに設ければ良く、それ以上は建物の高層化が可能であることを 示している。すなわち狭小な木造密集地においても、敷地いっぱいに高層化可能な、周 囲の木造建築物に隙間風による影響を及ばさないような耐火建築物のプロトタイプであ る。本設計は耐火建築物の歯抜の間に緊急的な対策として設計を行ったが、本設計は「歯 抜予備軍」の場所にも有効的な設計提案となっている。すなわちこれから道路沿いの不 燃化が始まるであろうエリアにおいても本提案の建築が建つ際、周囲の木造建築物に対 して実験と同様の現象を起こさないように耐火建築物自体が火炎が抜ける設計となって いる。

fig5-7は対象敷地の既存周辺模型であり、fig5-8は敷地に対して提案した建物と周辺 敷地模型である(青いボリュームは耐火建築物を示している)。ウインドローズ通り火 炎が南から北(模型上で下から上)に延焼ラインが押し押せた場合、建物の隙間を火炎 が通ることで、火炎が耐火建築物を避け周囲の木造建築物に対し火炎を強めることを防 ぐ狙いがある。

次頁から具体的な設計提案の平面図、立面図、詳細断面図を示す。気流の経路によっ て生まれた空間は共用部のテラスとして、屋外利用を想定しており、テラスには植栽を 設けた。植栽は1.1の建設省による研究でも明らかになっているが植栽が燃えるとその 水蒸気で温度を下げることが知られている。またテラスによってトップライトによる採 光を行っている。火炎は常に上に行くため、壁に窓があるよりも、床に窓がある方が室 内に火炎が侵入するリスクが低減できるのではないかと考えている。また壁面の開口は 開口部にシェードを設け、火炎が開口部に入るまでの経路を増やした。北側は火炎の強 さが減衰すると考え、通常の開口部となっている。また上層部の壁面開口部は部屋の上 層部に設置し、万が一室内に火炎が侵入しても家具等への類焼リスクをなるべく低減す ることを目的としている。

北側立面図(Scale=1/100) 南側立面図

6.1 総括

6.2 課題と展望

6.3 参考文献

6.1 総括

本研究では都市火災における耐火建築物が木造建築物に及ぼす延焼動態に関する研究 を行った。

第1章では都市火災に関する既往研究の紹介を行った。近年において1995年の阪神・ 淡路大震災や2005年の糸魚川市大火など都市火災が発生したが、その事例は少なく、 耐火建築物が木造建築物に対して及ぼす延焼動態は未だかつて研究されてこなかった。

建設省の遮蔽物や土木構造物による火炎の遮断効果に関する実験(縮小模では遮蔽物に よる遮断効果は認められたが、火炎が遮蔽物を避けるように炎上することが断面上でわ かった。さらに最近では東京理科大学の桑名教授が木造建築物が耐火建築物に入角に囲 まれると、火災旋風が発生する状況を再現した実験が行われ、その中心温度は1000℃ とされる(コンクリートの融点は1200℃)。

第2章では阪神・淡路大震災の神戸市における延焼動態図の分析を行った。道路沿い の一連の耐火建築物(延焼遮断帯)はそのやけどまり効果が発揮されたが、市街地中の 一連の耐火建築物が完備されてない箇所(歯抜の耐火建築物)においては、延焼してし まっていることが神戸市の延焼動態図の分析からわかった。さらにそういった木造建築 物が耐火建築物に囲まれている箇所ほど、むしろ延焼速度が早く、風上でも延焼してお り、建設省における遮蔽物(耐火建築物)の実験の平面バージョン、すなわち耐火建築 物を平面的に避けるようにして延焼力を強めながら延焼するのではないかという仮説を 立てた。

第3章では仮説の検証のために縮小模型による実験を行い、耐火建築物に囲まれた木 造建築物の延焼動態の分析を行った。縮小模型のため実際の都市火災の延焼を完全に再 現したものではないが、全て木造建築物の市街地と、一部が不燃化された市街地を対照 実験として燃焼実験を行い、耐火建築物による延焼の違いを観察した。実験では耐火建 築物自体の不燃化により火炎が小さくなることがわかったが、耐火建築物に並行に囲ま れながら延焼する木造建築物は瞬間的な風によりその箇所が一気に延焼する様子が伺え た。また別の実験では同時延焼時に延焼ラインが耐火建築物の歯抜の箇所に達するとそ の間を縫うように火炎が横倒れに炎上し、火炎を遠くに延焼させる様子が伺えた。これ らは燃焼中の上昇気流に、耐火建築物が隙間風(ビル風)として局所的に風を強くさた からだとと考えられる。

第4章では実際の東京都における木密に関する状況を紹介した。Lスケールでは東京 都の木密の分布と形成時期に関する関係を示した。関東大震災時の帝都復興エリアの周 縁部、東京大空襲後の市街地再建地、高度経済成長期の都心アクセスのための宅地開発 地と、山手線を中心に同心円状に木密が形成されていくことがわかった。Mスケール ではその木密形成時期ごとに街区と道路の評価を行った。震災後を経験した街区は復興 時に区画整備がなされるが、戦災後はすぐに木密が建ち並び、区画整備がなされたいこ とがわかった。木密における街区は震災を経験している木密は区画整備がなされ、震災 以前に木密を形成し震災を経験していない木密は1936年時点の街区を引き継いでいる ことが多いことがわかった。また戦災によって区画整備なされることはなく、東京大空

襲後の時点で木密の場合は、1936年時点の街区か、震災復興時の街区であることがわ かった。高度経済成長における木密は農地の宅地化(ミニ開発)が多く、短冊上に行き 止まり道路が多いいことがわかった。一旦木密になると建て替えの更新が進まず、当時 の街区形状が更新されずに現在にそのまま残っている。1979年以降の農地分譲等の木 密はコインパーキングなどの空地が多く、市街地の密集度は比較的低いことがわかった。 そしてM~Sスケールでは、街区不燃化率が高くかつ街区建ぺい率が高い町丁目をDS として選出し、さらに実験と同様の現象が起きる歯抜に耐火建築物が並ぶ箇所をプロッ トし、耐火建築物による実際の木密の道路延焼の可能性を示した。

第5章では歯抜きに耐火建築物が並ぶ実際の場所に対して設計提案を行った。提案を 行った建物は「歯抜け予備軍」となる木密に対しての提案でもあり、耐火建築物が遮蔽 物として周囲の木造建築物に対して隙間風による火炎の増大を及ぼさないような、耐火 建築物自体に隙間風が通るような設計となっている。

6.2 今後の展望と課題

縮小模型による燃焼実験において耐火建築物が歯抜に並ぶと、都市火災時延焼ライン が歯抜の耐火建築物に達した際、耐火建築物の間を縫うように火炎が横倒れに延焼する 可能性を示した。実験では縮小模型を用いたが、実大実験を行っていないため、あくま で可能性である。また予算の都合上屋外における実験を行ったが、本来であれば室内に おいて風速などの条件を細かく設定し実験すべきである。今後の建築分野・防災分野に おける都市火災の耐火建築物の延焼動態に関する知見となれば幸いである。

6.3 参考文献

・「火事場のサイエンス:木造は本当に火事に弱いのか」,長谷見雄二,1988 ・「都市火災の物理的延焼性状予測モデルの開発」,桶元圭佑,2005,京都大学博士論文 ・「木密から」新建築,北山恒,2021 ・「阪神・淡路大震災における火災状況(神戸市域)」,神戸市消防局,1996年 ・「現代都市の9ヶ条 近代都市の9つ欠陥」,西沢大良,2019 ・「平成都市計画史」,饗庭 伸,2021

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