■はじめに 自宅の近くにある広大な国立身体障害者リハビリテーションセ ンター。最寄り駅までの通り道にあるため、馴染みのある施設だが、 施設内ではどのような人たちがどのように生活、訓練をうけてい るのかわからないほど、障害者、高齢者に関しては無頓着であった。 しかし、すまいづくりゼミに入ってから、見方が変わった・・・。
はじめに 目次
第1章 序論
1ー1 研究目的 1ー2 研究背景 1ー3 研究概要
第2章 基礎調査 基礎調査の概要
2ー1 手 について 2ー1ー1 手 の定義 2ー1ー2 建築用語「手 」 2ー1ー3 一般的「手 」の解釈 2ー1ー4 手 の構成 2ー1ー5 手 の現状 2ー2 高齢者について 2ー2ー1 高齢者の人口 2ー2ー2 高齢者の現状 2ー4ー5 高齢者施設の調査 2ー3 視覚障害者について 2ー3ー1 視覚障害者の人口 2ー4ー2 視覚障害者の現状 2ー3ー3 視覚障害の原因 2ー4ー4 視覚障害の歩行 2ー4ー5 視覚障害者施設の調査 2ー4 ユニバーサルデザインについて 2ー4ー1 ユニバーサルデザインのコンセプト 2ー4ー2 ユニバーサルデザインの7原則 2ー4ー3 ユニバーサルデザイン関連用語 2ー5 本研究での言葉の定義
第3章 研究方法
3ー1 研究の流れ 3ー2 アンケート調査内容(身体補助) 3ー3 ヒアリング調査内容(方向性) 3ー4 代用例の収集基準
第4章 研究結果(身体補助編)
4ー1 アンケート調査結果 4ー1ー1 手 の設置に関する関心度 4ー1ー2 手 のを設置したくない理由 4ー2 代用例分析シート 4ー3 考察とまとめ(身体補助編) 4ー3ー1 年代別考察 4ー3ー2 場所別考察 4ー3ー3 代用物の考察
第5章 研究結果(方向性編)
5ー1 アンケート調査結果 5ー1ー1 白 の訓練状況 5ー1ー2 外出時について 5ー1ー3 行動する時に頼りになるもの 5ー1ー4 手 を設置する場合 5ー1ー5 自宅の中での手 の代用物 5ー1ー6 日常生活の中で手 が あったら良いと思うところ 5ー1ー7 その他の意見 5ー2 代用例分析シート 5ー3 考察(まとめ)
第6章 提案
6ー1 代用例の提案条件 6ー2 代用例を用いた提案 参考文献 参考資料 おわりに
第1章 序論
■第1章 序論
1ー1 研究目的 1ー2 研究背景 1ー3 研究概要
第1章 序論
1ー1 研究目的 手 の代用として、機能をはたしているものを調査し、手 を 設置できないところでも高齢者や、視覚障害者の生活に支障なく 行動できるような計画を提案することが目的である。
第1章 序論
1ー2研究背景 近年、高齢者の増加、及び社会的要求によりバリアフリーデザ インの研究が数多くなされているが、「館林市板倉町の高齢者福祉 施設の問題点に関する研究」2001年渡辺仁史研究室、牛山琴美の 研究により、バリアフリーの代表例である手 は、設計者の高齢者、 障害者に対する無知から画一的な設置や、過不足が生じているこ とが明らかになり、ただ手 を設置することだけがバリアフリー デザインではないことが問題提議された。これらを踏まえ、本研 究では実際の生活に目を向けるというところに起点を置き、どの ような生活環境づくりができるかについて研究を行う。
第1章 序論
1ー3研究概要 本研究では、手 し、手
の代用として機能をはたしているものを調査
を設置できないところでも高齢者、視覚障害者の生活に
支障なく行動できるような計画を提案する。 近年、バリアフリーの代表例である手
は、設計者の高齢者、
障害者に対する無知から画一的な設置や、過不足が生じている。 ただ手
を設置すれば良いというのではなく、実際に利用者の行
動を見た上で生活環境をつくるというところに起点を置く。 文献調査から得られた手 の機能であり、人間行動に関する「身 体補助」、「方向性」について扱う。「身体補助」は晴眼者に、「方 向性」は視覚障害者に、アンケート調査や、行動調査を行い、特 徴を分析する。分析した結果をもとに、手 の代用となるユニバー サルデザインを提案する。
手 調査 機能
方向性
身体補助 身体
空間 晴眼者
視覚障害者 環境
補助 分析
ユニバーサルデザインの形
第2章 基礎調査 ■2ー3視覚障害者について □2ー3ー1視覚障害者の人口 平成13年の身体障害者実態調査によれば、身体障害者の数は、 全体的にみれば年々増加している。(図2-3-1:身体障害者総数) また、障害別の数では平成8年11月の調査と比較すると、視覚 障害者、聴覚障害者は、他の障害に比べ、ほぼ横ばいである。医 療の進歩により、以前に比べて全盲の乳幼児数は減少しているも のの、高齢になってからの中途失明者が増加しているためである。 視覚障害者は身体障害者全体に占める構成比は9.3%と、初めて 10%を割り込んでいる。
総数
3400000
身体障害者総数 3,245,000
3200000 3000000 2800000
2,933,000 2,722,000
2600000 2400000
平成3年
平成8年 平成13年 図2-3-1:身体障害者総数
視覚障害者の男女別の数 350000 300000
298,000
総数
301,000
男
250000
女
200000
0
不祥 142,000 154,000
50000
139,000
100000
159,000
150000
5,000 平成8年 平成13年 図2-3-2:視覚障害者の男女別の数
障害別の数 障害
人数
肢体不自由
1,749,000人
内部障害
849,000人
聴覚言語障害 346,000人 視覚障害
301,000人
総数比
前回比
53.9% 5.6%
26.6% 36.7% 10.7% 1.1% 9.3%
1.3%
図2-3-3:障害者別の数
参考資料 「平成13年度身体障害者 実態調査から」 http://www.yoihari.com/ guidehelp/ens.htm
第2章 基礎調査 □2ー3ー2視覚障害者の現状 身体障害者福祉法では、視力の良い方が0.6以下、悪い方が0.02 以下、あるいは両方の視力の和が0.2以下、また、視野に関して は正常の2分の1以下のものを「視覚障害者」(身障者手帳の交付 対象)と言い、1級から6級までに分類されている。 また、実際には「視覚障害者」といえば「全盲」と思いがちだが、 全盲の人は少ない。ある程度の視力のある人 *1(弱視)の方が多 く、両眼の和が0.01以下の1級の人でも、少しは見える人もいる。 一口に弱視と言っても、人によってはものや色の区別がついたり、 つかなかったりと一定でない場合、光や照明に異常な感覚を覚え る場合*2、明るい所から暗いところへの色順応が困難な場合 *3が ある。 単純視力では0.01でも、歩行が可能な場合もあると言われてい る。歩行障害はむしろ視野の欠損にあるとされ、視野狭窄が10度 以下ではかなり歩行が制限され、日常生活が困難になる。
*1 ロービジョン(low vision)ともいう。 *2*3 以外のロービジョン
・求心狭窄(細い筒からのぞいたように 見える)
・中心暗点(視野の真中が見えない)
・夜盲(パステル調の表示や、看板が見 えない、昼は見えるが、夜になるとほ とんど見えない)
*2
羞明という。
*3 暗順応障害という。
視覚障害者の障害の級別 内容 1級
両眼の視力の和が0.01以下
2級
1, 両眼の視力の和が0.02以上0.04以下 1.両眼の視力の和が0.05以上0.08以下
3級
2.両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ 両眼による視野について視能率による損失 率が90 %以上
4級 5級
1.両眼の視力の和が0.09以上0.12以下 2.両眼の視野がそれぞれ10度以内 1.両眼の視力の和が0.13以上0.2以下 2.両眼による視野の2分の1以上がかけ ている
6級
1眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6 以下で、両 眼の視力の和が0.2を超える 図2-3-4:視覚障害者の障害の級別
視覚障害者の障害の程度別状況 障害等級
1級 2級 3級 4級 5級 6級
人数
構成比
105,000人 34.9% 74,000人 34,000人 32,000人 28,000人 27,000人 1,000人
24.6% 11.3% 10.6% 9.3% 9.0%
図2-3-5:視覚障害者の障害の程度別状況
参考文献 「バリアフリーと交通」 運輸省運輸政策局消費者行政 課 監修 中央法規
第2章 基礎調査 □2ー3ー3視覚障害の原因 平成13年に実施された全国身体障害者実態調査によると、我
が国における視覚障害者は30万1000人のうち1級と2級の障害 は59.5%を占めており、近年視覚障害者の程度が重い人が多くなっ ている。年齢別に見ると65歳以上の視覚障害者は半数を超えてお り(図2-3-6:視覚障害の年齢階層別の状況)、の上位3位までが 加齢に伴うものである。(図2-3-7:視覚障害の原因疾患) また、日本眼科医会の推計によるとリハビリテーションサービ スを必要とするロービジョンの人 *1は100万人いるといわれてい
*1
る。日本ではまだ視覚障害の原因疾患の上位には入っていないが、
ロービジョン(Low Vision)
欧米では「加齢黄斑変性」 *2という加齢による眼疾患による視覚 障害者が第1位となっている。日本でも急速な高齢化や生活様式 の変化などのために、「加齢黄斑変性」の患者数が今後、我が国で
の人とは、全盲の視覚障害者 ではなく、活用できる視覚を 保有している人のこと
も増加すると予想される。このようにロービジョンの人を含む視
*2
覚障害者は高齢化に伴い更に増加していくだろう。
タンパク質を中心とした欧米 型食生活が原因の1つとされ
視覚障害者の年齢階層別の状況 年齢 人数
る。
割合
70才以上 155,000人 51.5% 50∼59才 47,000人 15.6% 65∼69才 37,000人 12.3% 60∼69才 29,000人 9.6% 40∼49才 16,000人 5.3% 30∼39才 8,000人
2.7%
20∼29才 7,000人 2.3% 不詳 2,000人
0.7%
図2-3-6:視覚障害者の年齢階層別の状況
視覚障害者の原因疾患
糖尿病網膜症 その他 19.8% 18.3% 視神経網脈絡膜萎縮 9.8% 強度近視 10.7%
白内障 15.6% 緑内障 14.5%
網膜色素変性症 12.2% 図2-3-7:視覚障害者の原因疾患
視覚障害の原因別状況 原因
人数 割合
疾病
77,000人 25.6%
事故
33,000人 11.0%
出生時の 損傷
加齢
その他 不明
16,000人 5.3%
参考文献
14.000人 4.7%
「視覚障害者リハビリテ
47,000人 15.6%
ション生活訓練おまかせく
58,000人 19.3%
ださい」
図2-3-8:視覚障害者の原因別状況
国立身体障害者リハビリ テーションセンター学院 視覚障害者学科
第2章 基礎調査 □2ー3ー4視覚障害者の歩行 視覚障害者による歩行は、大きく分けて、屋外歩行と、屋内歩 行にわけられる。目の不自由な人の屋外単独歩行は、白
や、電
子機器などの歩行補助具、あるいは、盲導犬を利用した方法、人 による手びきによる歩行があげられる。歩行補助具などを利用し た屋外単独行動は、歩行の安全確保や、遭遇する物理的環境の活 用など長期にわたる訓練により、 オリエンーション技能や、移動の 技術を要する。また、屋外歩行には特に「安全性」、「効率性」、「優 雅さ」が求められる。それに比べ、屋内歩行については比較的容 易に技術習得が可能である。 一方で晴眼者は、特に技術を必要としない。晴眼者と、視覚障 害者の歩行に関する知識も違えば、技術も違う。晴眼者と、視覚 障害者の共通の補助具は、「手 」であるが、視覚障害者にとって の手
の機能や、使い方や、見方は晴眼者とは違う。(図2-3-3:
視覚障害者の歩行) 建物内の歩行の技術には、①伝い歩き、②ドアの通過方法、③ 垂直方向の取り方、④廊下の横断方法、⑤部屋のナンバリング、 ⑥方向概念の理解、⑦ランドマークの利用、⑧メンタルマップ *1 の作成などがある。以下、これらの中で、建築物と関わりが深い、
*1
建物全体の形状、方向概
念、部屋と廊下の構成など を把握し、頭の中の中に描 く地図
①伝い歩き、②ドアの通過方法について取り上げる。 ①伝い歩き 進むべき方向を失わずに維持できるように、常に手
に接触し
ながら移動する方法。進行方向が壁や、家具などの面が平行にな るように立ち、壁側の腕を前方に出し、手首を腰の高さにする。 手指を若干曲げ、小指と、薬指の背側関節部分を壁などに接触さ せながら移動する。 ②ドアの通過方法 ・上部防御 移動するときに肩から上の部分を障害物にぶつけないように防 御する方法。防御に使用する側の手で、その腕と反対の肩に触れ、 腕の水平を確保し、体の幅の防御を確保する。掌は、前方に向け、 肘を120 ぐらいに曲げて移動する。
参考文献 「歩行訓練指導」資料 国立身体障害者リハビリテー ションセンター学院 視覚障害者学科
第2章 基礎調査
①上部防御 ①
②∼④伝い歩き
②
③
④
図2-3-3:視覚障害者の歩行
第2章 基礎調査 □2ー3ー5視覚障害者施設の調査 本研究を進めるにあたり、視覚障害者の現状を踏まえ、2つの 視覚障害者施設の調査を行った。調査施設は、「国立身体障害者リ ハビリテーションセンター」である。ここでは、視覚障害者が快 適な生活を送る上で、建築的にどのような工夫が視覚障害者のた めにされているのかについて、施設利用者にヒヤリングし、デジ タルカメラで撮影した。調査結果を以下にまとめた。 ●エントランス エントランス(リハビリテーション学院)
サービス棟から、宿舎棟への出入り口
出入り口のドアに誘導するように、設置
屋外と屋内を同じように設置し、連続性
された手
を持たせた手
。
。
●トイレ 本館男子トイレ
便器の位置の目印となる踏み板。
本館女子トイレ
便器の位置の目印となる踏み板。
●浴室 宿舎棟浴室
宿舎棟浴室
焼けど防止カバー。
浴槽まで誘導する手
階段に沿った手
寄り掛かれる曲面をもつ浴槽。
。
。
第2章 基礎調査
●廊下
本館1F廊下
本館2F廊下
碁盤の目のような縦横に通る廊下。
強弱のある色彩の看板や、壁、床。
曲がり道がある場合の点ブロック。
点字で描かれた地図。
宿舎棟2F廊下
本館2F廊下
対向者と接触しないように常に「右側通
近道を誘導する手
。
行」
本館2F廊下
近道を誘導する手
。
サービス棟2Fトイレ前
頭部打倒防止カバー。
本館2F廊下
角には頭部打倒防止カバー。
本館2F廊下
凹凸のある場所には頭部打倒防止カ バー。
第2章 基礎調査
訓練棟1F廊下
開口部でも手
本館1F
の連続性を与えるドア
の取っ手。
開口部でも手
の役目を果たすドアの
取っ手。
病院内2F廊下
訓練棟2F廊下
障害物にもうまく避けられる手
。
訓練棟2F廊下
危険回避のために、布でできたスライド式 トイレのドア。材質の変化で場所の確認が
手
とカウンターが連続している。カ
ウンターが手
の代用物。
本館2Fと病院棟の連絡通路
本館と病院の境の区別がつく手
。
可能
本館1F売店
車椅子の人のための高さの考慮や、点 字、荷物置きの工夫。
サービス棟1F廊下
手 の設置を邪魔することなく設置さ れているゴミ箱。手 には分別ゴミの 点字。
第2章 基礎調査
訓練棟3Fエレベーター前
コントラストのはっきりした色彩
病院棟2Fエレベーター前
各階、各棟がわかるように色彩による 区別
宿舎棟2F廊下
車椅子の空気入れの扉の取っ手が手 。
●改善すべき場所 訓練棟2F廊下
点字ブロックの配置の悪さにより、廊下 を曲がるには、遠回りをする。
本館、サービス棟、訓練棟手
手に怪我をしやすい手
宿舎棟廊下
手 の連続性、スペースのなさ、点 字ブロックの位置が悪く、階段に落 ちることが良くある。
第2章 基礎調査 ■2ー4ユニバーサルデザインの定義 □2ー4ー1ユニバーサルデザインのコンセプト ユニバーサルデザインは、単に、モノづくりのデザイン・コン セプトではなく、施設・都市・教育などを含めて、社会のしくみ を変革していく思想であり、障害の有無、年齢、性別、体格にか かわらず、改造、または特殊化された設計の必要なしで最大限可 能な限りすべての人に利用しやすい製品と、建物、空間などのデ ザインする考え方である。 1974年の「国連障害者生活環境専門家会議」で、自身も障害を もつ建築家であるロナルド・メイス氏が、下図の3つのデザイン・ コンセフトを包括する拇念として、ユニバーサルデザインを初め て提唱した。(図2-4-13つのコンセプト)
Universal Design
Adaptive Design
Barierfree Design
Lifespan Design
図2-4-13つのコンセプト
バリアフリー・デザイン 公共施設、公共サービス、商業施設、交通システムなどのバ リアを除去し、障害のある人のアクセスを容易にするデザイ ン
参考文献 ・「universai design 04号」 編集、発行人:梶本久夫
アタフティブ・デザイン 揮害の種類による特別なニーズを初めから考慮して、製品や 環境をつくるデザイン
編集:ユニバーサルデザイン・ コンソーシアム 株式会社ジィー・バイ・ケイ
ライフスパン・デザイン 若年層、中年層、高齢者、いかなる年齢層にも世代を超えて 使いやすいデザインを最初からつくるデザイン 図2-4-23つのコンセプト内容
・「視覚障害者リハビリテー ション協会 紀要No.4」 1997年視覚障害者リハビリ テーション協会 ・http://trace.wisc.edu/ world/irstds.html.
第2章 基礎調査 □2-4-2ユニバーサルデザインの7原則 ロナルド・メイス氏が務めていたセンター・フオー・ユニバー サルデザインでは、連邦政府の依頼を受けたのを契機として、10 人の専門家により、ユニバーサルデザインの7原則をとりま とめた。これは主にデザイナーのモノづくりにおける基本姿勢を 示した原則で、国際的に普及している。
表2-4-1ユニバーサルデザインの7原則
❶公平な実用性(Equitable Use) すペての人にとって、有益であり、購入可能である ①すペてのユーザーが同じ手段・手法で利用できる ②どのようなユーザーをも分け隔てたり特別扱いをしない ③プライパシー、セキュリテイ、安全性が確保されている ④すべてのユーザーに魅力あるデザイン ❷柔軟性に富む(Flexibility in Use) 幅広い人々の好みや能力に対応している ①使い方を選べる ②右手でも左手でも使える ③ユーザーが正確・精密に使える ❸単純で直感的に利用できる(Simple and lntuitive Use) 理解力唱易であり、利用者の経験、知識、言語知識、集中の度 合いに無関係に利用できる ①複雑さがない ②カンや予想を頼りに使える ③さまざまなユーザーの理解力や言語知識に対応している ④重要度に応じて情報を整理している ⑤作業中あるいは完了時に効果的な指示やフイードパックがあ る ❹わかりやすい情報伝達(Perceptible lnformation) ューザーの知尭や環境葉件にかかわりなく、利用者に必要な情 報が効果的に伝わるようにデザインする ①視覚、聴覚、触覚に対してきまざまな伝達方法で重要な情報 を伝える ②最重要な情報の読みとりやすさを最大限にする ③デザインの1つひとつの要素の違いがはっきりわかり、すぐ 理解できる指示、命令を与えている ④視九聴力などに障害のある人がそのとき使っている装置と適 応し互換性がある
第2章 基礎調査 ❺エラーに速やかに対応できる(Tolerance for Error) 事故や誤操作で生じる危険を最小限にする ①危険やミスを最小限にするように要素をまとめる。もっとも 使用頻度の高い要素をもっとも使いやすくし、危険な要素はな くすか切り離す。あるいは何らかの防護措置を施す ②危険やミスに対して何らかの警告がある ③見間違うことのない特色、形態をもつ ④用心を要する作業の最中での無意識な行為への対策を施す ❻労力が少なくてすむ(Low Physical Effort) 肉体的疲労を最小限に抑える ①ユーザーが無理のない姿勢を維持できる ②無理のない力で操作できる ③繰り返し動作を最小限にする ④肉体的な持続力が最小限ですむ ❼利用しやすい大きさと空間(Space for Approach and Use) 利用者の体積、姿勢、移動能力にかかわらず近寄ったり、手が 届いたり、手作業したりできるようにする
①どのような座位、立位の人に対しても、重要な要素が目に つくようにする ②座位、立位に無関係にすペての要素を快適に利用できる ③手のひらや、握りのさまざまな大きさに適応する ④補助機器や、介助者のためのスペースがある
第2章 基礎調査 □2ー4ー3ユニバーサルデザイン関連用語 ●バリアフリー(Barrierfree) 障害の部位により必要とされる設備は異なり、視覚障害者のため の誘導ブロックや点字シートなど、障害の部位ごとに障壁を除去 していくのがバリアフリーの考え方である。 最初は、階段の代わりにスロープを設けて段差を解消するなど、 主に建築の分野でバリアフリーという言葉が使われていたが、現 在では、製品開発、情報システム、サービス業など、多くの領域 で用いられている。 バリアフリーという言葉は、1974年の「国際障害者専門家会議」 で「バリフリーデザイン報告書」が作成ビれたことを契機に世界 に波及した。 ●ノーマライゼーション(Normalization) ノーマライゼーションとは、障害の有無にかかわらず、すべて の人が同等に地域社会で生活し、活動できる社会をめざす考え方. 発祥の地はデンマーク。 デンマーク人、バンク・ミケルセンは1953年、「ノーマライゼー ション」と題した報告書を社会省に提出。これをもとに、1959年 にはノーマライゼーションの理念を盛り込んだ新しい法律(1959 年法)が制定きれた。 デンマークでも以前は、障害をもつ人には、特殊な対応、特殊 な施設が必要であると考えられていた。しかし、ノーマライゼー ションの浸透により、大型施設に障害をもつ人を閉じ込めるので はなく、地域で支えていくことが肝要であるとの考え方が支持さ れるようになる。そして、地方自治制度をはじめとする行政シス テムが、ノーマライゼーションの実現に向けて改革された。 1995年、厚生省が「障害者フランニノーマライゼーション7カ 年戦略」を策定。現在、日本のほとんどの自治体では、ノーマラ イゼーションを基本理念に置いて、障害者福祉政策が立てられて いる。
第2章 基礎調査 ●インディペンデント・リビング運動 (Independent Living Movement) インディペンデントリビング運動とは、1960年∼1970年代に カリフォルニア州バークレーで、障害をもつ人が慈悲ではなく自 立を促すサービスの提供や環境の整備を求めた運動である。日本 では自立生活運動と訳される。 ここでいう自立とは、障害をもつ人自身が、自己の人生に対す る選択、判断、決定を自分自身でなすことを意味している. 運動の主導者は、重度障害により人工肺で呼吸した工ド・ロバー ツや、幼児期の小児マヒで障害者となつたジュディ・ヒューマン(現 アメリカ合衆国教育省・リハビリテーションサービス局次官)など。 彼らは1972年、バークレーに、障害をもつ人が運営しサービスを 提供する世界初の施設である自立生活センターを設立した。また、 世界障害研究所を設立するなど、国際的に大きな功績を残してい る。自立生活運動はその後、日本を含めた世界的な広がりを見せ るに至っている。 ●ADA法(American with Disabilities Act) ADA法の起源は、アフリカ系アメリカ人による公民権運動に由 来する.1950年代、マーチン・ルーサー・キング師らが、平等な 社会を求めて立ち上がり、彼らの抗議運動が全国的なうねりとな り、1964年には「公民権法」が制定された。 この動きが障害者団体を刺激し、多数の障害者団体は、積極的 なロビー活動を行い、1990年にADA法の制定の道を開いた.こ の法律では、従来、公文書などで、disabIed people「障害者」と 言い表された言葉を、People with disability「障害をもつ人」と 言い換えた。この言い換えは、障害を1人の人間の属性にすぎな いという認識を象徴している。日本では「障害をもつアメリカ人法」 と訳される。 条文は雇用、公共サービス・交通、公共施設、通信、その他の 5章で構成されており、社会のすべての領域での、機会均等の原 則がうたわれている。 ADA法には施設の最低基準を定めた「ADAアクセシビリテイ・ デザイン・スタンダーズ」があり、建築物はこの基準をクリアし
第2章 基礎調査 なければならない。各州政府では、ADA法を州レベルで異体化す る詳細な整備基準を設けている。 ●ハ一トビル法 「ハートビル法」はデパート、ホテルなど、不特定多数の人が利 用する建築物(特定建築物)の建築主に、出入り口、廊下、階段、 便所等を、高齢者や障害をもつ人が円滑に利用できるようにする ための措置を求める法律で、1994年に制定された。正式名称は「高 齢者・身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築に関す る法律」。 同法の判断基準には、障壁除去の最低限の基準を定めた「基礎 的基準」と、さらに厳しい「誘導的基準」の2つがある。例えば、「基 礎的基準」では出入り口の幅は80cm以上たが、「誘導的基準」で は主要な出入りロは自動扉とし、幅を120cm以上とするとともに、 他の出入り口についても90cm以上とすることが明記されている。 都道府県知事は、誘導的基準に適合してしいる優良な建築物 を、認定できる。認定建築頓に対しては、予算補助、税制上の特例、 低利融資の予算措置などがある。
第2章 基礎調査
■第2章 基礎調査
2ー1 手 について 2ー2 高齢者について 2ー3 視覚障害者について 2ー4 ユニバーサルデザインについて 2ー5 本研究での言葉の定義
5
第2章 基礎調査
■基礎調査の概要 本研究を行う際に、「手 」、「高齢者」、「視覚障害者」、「ユニバー サルデザイン」に関しての基礎的な調査を行った。 ●2-1手 手
について
の基本的な概念や、現在の国内外の手
の使われ方について
調査した。 2-1-1手
の定義
2-1-2建築用語「手
」
2-1-3一般的「手 」の解釈 2-1-4「手
」の現状
●2-2高齢者について 2-2-1高齢者の現状 2-2-2社会的現状 2-2-3施設調査 ●2-3視覚障害者について 視覚障害者の現状と、晴眼者と歩行や、手
の使い方に関する相
違を調べ、現在の施設における建築的工夫を調査した。 2-3-1視覚障害者の人口 2-3-2視覚障害者の現状 2-3-3視覚障害の原因 2-3-4視覚障害者の歩行 2-3-5施設調査 ●2-4ユニバーサルデザインについて ユニバーサルデザインの具体的な内容について調査した。 2-4-1ユニバーサルデザインのコンセプト 2-4-2ユニバーサルデザインの7原則
6
第2章 基礎調査 ■2ー1手
について
□2-1-1手 の定義 手 は、単なるエレメントではなく、建築的に全体を構成するも のである。手 の持っているスムーズな連続性により、人の動きが そのまま造形に表れ、建築空間の流れを表したり、床レベル差を克 服して空間同士を導き、場を作り出す。空間に、機能的に手 が必 要だということは、その持つ意味の極めて一部にしかすぎず、その 機能そのものは同時に建築の意匠ということに結びついている。つ まり、空間は手 によって構成され、手 は空間によって意味をな すということと、本来の安全性を守るといった機能など、表裏一体 である。 手 は、内部と外部のように2つの異なった性格をもつ空間が接 する部分や、ベランダのようにレベル差のある床の上端、チケット 売り場のように長い行列をつくる場での方向性をもった動線の生 じる空間に設けられる。また、ル・コルビジェは手 をある自然の 具体物「つた」をモチーフとする視覚に訴える装飾であるように利 用した。 これらの手 の基本的役割は、下図(図2-1-1:手 の機能) のように4つの機能にわけられる。人の転落防止や、歩行時の身体 の支えとなる01.「身体補助」、スムーズな移動を補助し、誘導を はかる02.「方向性」、そして、空間の属性が異なる場の境界を示す 03.「境界性」、建築全体の04.「デザイン性」である。 また、これらの機能をおおまかに分類すると、人間の行動を補助 する「身体補助」と「方向性」、建築物の全体性を補助する「デザ イン性」と「境界性」にわけることができる。本研究では人間の行 動に関連する「身体補助」と「方向性」について扱う。
図2-1-1:手
参考文献 「手 」
の機能
日本建築学会編 彰国社
7
第2章 基礎調査 ■2ー1ー2建築用語「手 」 建築用語としての「手 」は,高欄(勾欄、欄干)の上に渡し た棟木すなわち架木のことを指している。したがって、架木は高 欄の上蛮材で笠木に当たる部分であり,かつて宮殿・堂舎などの 周りや,橋・廊下などの両面に設けられ,人の転落防止や,意匠 上の問題からつけられたりしていた。後に高欄は,しばしば勾(句) 欄、鈎(鈎)欄と記載され、一般には欄干等とも同意語として用 いられてきたが,その用法はかなりあいまいであったようである。 高欄,勾欄,鈎欄の「欄」は,動物などを囲っておく おり また文章など線で囲まれた「一区画」と解字される。そして「欄」は, ふせぎ , さえぎる などの意味を持っている。したがって欄は, ある空間領域の設定、その額域の進入,進出等を防ぐ結界等を意 味する言語といえなくもない。 高欄の「高」は今日高いという意味に用いられてはいるが,も とは,台観あるいは門楼と入口を指し示す象形文字であり, あお ぎ見る という意味の語源からきている。 したがって,高 は主として人の視線力澗題となり,眺望のき く場所に設置され,そこで人々は,すばらしい眺めに満足し、歌 等を詠んだものと思われる。勾欄の勾は、もともと とめる , ま がる を意味し,またかけたり,ひっかかっているさまを表す言 語である。したがって勾欄は、眺望のきく場所ということにかか わりなく,主としてものを掛ける,寄り樹かる,肘をかけるもの として用いられたようである。また大きな四折や反りのある手 などにも,この言葉が用いられた。今日しばしばみられるように, 手 の主機能以外に,物を干したり,引っ掛けたりしたものでは なかろうかとも想像される。欄干の「干」は,盾と同意語として 解釈され, 守る , 防ぐ という意味である。 したがって,欄干はある領域の進入や進出を防ぎ,その領域内 の強固な安全性の保障を意味する。このことは,高欄などより. 今日、人の転落を防止する手 としてのイメージに最も近いもの をもっていると思われる。このようにみてくると,かえって高欄 (勾欄,欄干)等は,今日いう保護機能以外に.領域の設定,視 覚的連続性,内外観の意匠上の問題などいくつかの働きを表現し ている。さらにそれらの働きに応じて豊富な形が生まれ,その豊 かな形にふさわしい言葉も生まれた。今日,手 の設計に際して, これら広範な働きをもつ手 の意味がどれほど表現されているか, もう一度「手 」というものを考えてみる必要がある。
参考文献 「手 」 日本建築学会編 彰国社
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第2章 基礎調査 □2ー1ー3一般的「手
」の解釈
「手」とは,一般に左右の肩から指先までを表しているが,漢字の語 源としては,金文以下五指と掌(てのひら)と箪(てくぴ)とまでを表 す象形文字である。同じく姉別学でも,手首の関節から先のところを手 としている。育種動物において,手とは物をつかむために発達し,人体 のうちで最も発達した部分である。したがって,人体はその機能のため に,脳神経組織の3分の1くらいを割いているといわれている。それは ど手とは鋭敏な部位であり,大切な部分である。手
の「
」は,手で
折り重ねる,こする,さする,接触するの意に解されている。つまり、 言語としての手 とは「人がすがる,手でこする,さする」の意味である。 そのため、建築の中で最も人間と接触し、「触覚」を通して建築を最も 敏感に感じとる場であり、手
に直接求められる機能は身体的であり、
手触り、持ちやすさ、体を受け止める強さ、優しさなどでの細かい配慮 が必要とされる。
9
第2章 基礎調査 □2ー1ー4手
の構成
手 は、「上端材」、「腰壁材」、「支持材」によって構成されて いる。(表2-1-1:手
の構成材)その中で、の支持材は、この
3つの部分のうち、最も基本となる骨格を意味しており、上端材、 腰壁材の一部と重複していることが多い。手
の上端材は単に、
手をすべらせるだけではなく、しっかりつかめる構造の断面でな くてはならない。一般的に使用されている素材の代表例を3つあ げると、「木材」、「金属」、 「ビニール」、であるが(表2-1-2:上 端材の代表素材)、上記の素材以外にも、数多くの素材が工夫され、 使われている。例えば、コンクリトの手
はつかむことが出来
ないが、肌触りがよく、丸めた仕上げをほどこすことで、手を圧 着させられる。また、屋外の丸形の手
は単につかみやすさを配
慮したものというよりは、水をたまらせないための工夫であるこ とが多い。
表2-1-1:手
の構成材
上端材 手 の一番上にもっている笠木。本来の意味での手 。 腰壁材 手
の腰部分を構成するもの。
支持材 手
を建物本体に固定する役割を果たすもの。
表2-1-2:上端材の代表素材
木材 昔から、広く使われ断面形状の自由度がかなりあり、 暖かい感触が出せるが、耐久性は乏しく、欠損しや すい。 金属 金属材特有の冷たい感触以外は、丈夫で手
の上端材
として有効である。スチール、ステンレス、アルミ があり,断面形状の自由度もある。 ビニール ビニルハンドレールは曲がりの役物が単純につくれ るのと、握りやすさの点で、金属手
の被覆材とし
多く用いられる。
10
第2章 基礎調査 □2ー1ー5手
の現状
近年、急速な高齢者増加の影響で、住宅メーカーを始め、建築 業界はバリアフリー化の研究は進められ、幅広く普及している。 様々なバリアフリーの手法の中で手
の設置は代表例にあげられ
る。「建築時期にみた高齢者のための設備がある住宅の割合」(図 2-1-2)を見ても手
は、どの年代においても設置の割合は最も
多く、平成2年までは、ほぼ横ばいであったが、平成2年以降増 加傾向にある。これは、階段だけではなく、玄関や浴室、便所に 設置する割合が著しく増加しているためであると予測される。(図 2-1-3:場所別手 手
の設置状況)
は、晴眼者からみれば、一般的には身体を支えるものとし
てあげられる。しかし、視覚障害者からは、身体を支えるものと しても利用するが、それ以上に、歩行時の誘導性の機能を果たす ものでもある。1つの手 及ぼすだけに手
で多様な機能を果たし、多様な影響を
の設置の方法は多様である。現在の建築基準法
から定められている手 に関する法律は、 「高齢者の居住の安定 確保に関する法律第76条第1項の年齢及び基準を定める省令(平 成13年.9.14財務省令・国土交通省第号)」(表2-1-4;高齢者の 居住の安定確保に関する法律第76条第1項の年齢及び基準を定 める省令(平成13年.9.14財務省令・国土交通省第号)で階段、 便所、浴室、玄関、脱衣室、バルコニー、2階以上の窓、廊下に ついて記載されている。また、「公共交通ターミナルにおける高齢 者、障害者のための施設整備ガイドライン」(表2-1-3:公共交通 ターミナルにおける高齢者、障害者のための施設整備ガイドライ ン)によっても詳しく記載されている。 建築時期にみた高齢者のための設備がある住宅の割合
図2-1-2:建築時期にみた高齢者のための設備がある住宅の割合
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第2章 基礎調査
場所別手 の設置状況
図2-1-3:場所別手 の設置状況
表2-1-3:公共交通ターミナルにおける 高齢者・障害者のための施設整備ガイドライン
施設項目の問題点と留意点 手 は、連続して設置されることが望ましい。また、コーナー部分における 手 のとぎれや、突起は危険である。 障害によっては、使用側が異なることから手 は両側に設置する必要が
*1
壁面の時
ある。これらは、障害者のみならず、子供、高齢者などに対しても効果的で ある。
技術的標準
*1
設置の高さ
:1本の場合: H=80∼85㎝
2本の場合: H=85㎝程度
形状、寸法
*2
柱型が出る場合
H=65㎝程度
:丸状(直径4㎝程度)のものが握りやすい。
壁と手 の空き : 5∼6㎝
*3 壁面コーナーすみきりの場合
端部;壁面か、下部に巻き込む。 取り付け方法 両側荷設置する。 手 の取り付け部分の壁下地は補強する。 柱型などの突起部はなくすようにするが、やむを得ない時は手 をまわす。
*4
*2
手 は連続することが望ましい。*3
12
第2章 基礎調査
「表2-1-4;高齢者の居住の安定確保に関する法律第76条第1項の年 齢及び基準を定める省令(平成13年.9.14財務省令・国土交通省第号)」
階段 少なくとも片側(勾配が45 をこえる場合にあっては両面)にかつ、 路面の先鵜からの高さが700mmから900mmの位置に設けられてい ること。ただし、ホームエレベーターが設けられている場合にあって はこの限りではない。
便所 立ち座りのためのものが設けられていること。
浴室 浴槽出入りのためのものが設けられていること。
玄関 上がりかまち部の昇降や靴の着脱のためのものが設置できるように なっていること。
脱衣室 衣服の着脱のためのものが設置できるようになっていること。
バルコニー ①腰壁その他足掛かりとなるおそれのある部分(以下「腰壁等」)の高 さが650mm以上1,100mm未満の場合 床面から1,100mm以上の高さに達するように設けられていること。 ②腰壁等の高さが300mm以上650mm未満の場合 腰壁等から800mm以上の高さに達するように設けられていること。 ③腰壁等の縞さが300mm未満の場合 抹而から1,100mm以上の高さに達するように設けられていること。
2階以上の窓 ①窓台その他足がかりとなるおそれのある部分(以下「窓台等」)の高 さが650mm以上800mm未満の場合 床面から800mm(3階以上の窓は1,100mm)以上の高さに達するよ うに設けられていること。 ②窓台等の高さが300mm以上650mm未満の場合 窓台等から800mm以上の高さに達するように設けられていること。 ③窓台等の高さが300mm未満の場合 床面から1,100mm以上の高さに達するように設けられていること。 廊下及び階段(開放されている側に限る) ①腰壁等の高さが650mm以上800mm未満の場合 床面(階段は踏面の先端)から800mm以上の高さに達するように設 けられていること。 腰壁等の高さが650mm未満の場合 腰壁等から800mm以上の高さに達するように設けられていること。
13
第2章 基礎調査 しかし、「公共交通ターミナルにおける高齢者・障害者のための 施設整備ガイドライン」 *1では手
の連続性を重視しているが、
日本盲導犬協会仙台訓練センターでは、手
の連続性によって、
自分の行く場所や方向を見失うとしている。そこでセンター内で は手
*1 表2-3-1:公共交通ターミナルにおけ
る高齢者・障害者のための施設整備ガ イドライン参照 *2
のコーナーを基本的に切断し、情報を加えるを工夫をして
いる。例えば、右折するところでは、手 の小口を右側斜めにカッ トし、左折では左側斜めにカットする *2。出入り口ではドアノブ 側の手
にステンレスの予告リングを1本入れる *3。また、手
と同じ高さの所で、手
左右曲がり手 *3
と連続性を持たせた木製のブロックを壁
に取り付けブロックの上に部屋番号を浮き文字で表示する*4。階 段部分では、上り、下りの手
に階数の分だけ、真鍮製の鋲を入
れるなど、様々な工夫がなされている。このように手 は「方向性」 だけではなく、「サイン」としても有効である。本研究で行った視
突き当たり予告リング *4
覚障害者でのアンケートでも手 によるサイン表示の要望は多く、 筑波技術短大や、ライトハウス *5においてもサインにおけるユニ バーサルデザインとして手
の記号化の研究が進んでいる。
横浜市立盲学校では屋上の運動場には上から手 り下げいる。生徒たち(全盲者)は、その手
のレールを釣
につかまってマラ
ソンなどの運動をしている。さらに、社会福祉法人「光道園」の ライフトレーニングセンター(身体障害者療護施設)とライトワー クセンター(重度身体障害者授産施設)の体育館に手
をはりめ
ぐらせてあり、手 を使いながら運動をしている。(写真1:社会
予告リングと部屋表示 *5 1906年ニューヨークに設立された視覚
障害のある人の社会復帰のための非営 利組織である。社旗復帰のトレーニン グのほか、視覚障害に関する様々な研 究も行われている。日本では大阪に日 本ライトハウスがある。
福祉法人 光道園の体育館)施設内でも、廊下のセンターライン に床材を違えて、手
の代わりに誘導する工夫をしている。
写真1:社会福祉法人 光道園の体育館
写真2:社会福祉法人 光道園の廊下
14
第2章 基礎調査
また、「バリアフリーとユニバーサルデザインに関する海外の状況」東 京都立保健科学大学、野村みどり研究によれば、ストックホルムでは ある駅からその近くの視覚障害者センターまで手 な歩道で誘導しており、建物内では手
が設置してある安全
によってホール受け付けカウン
ターなでまっすぐ誘導されている。(写真3:ストックホルム)同研究の「そ の5歩行訓練士と盲学校教師の取り組みと意見」でも手
の誘導は有効
であるとされている。(写真3:ストックホルム)
駅から視覚障害者センターまで手 導している安全な歩道
で誘
金属製の手 の手
が、建物庇の下では木製
となり入り口まで誘導
写真3:ストックホルム
このように手 は「身体補助」や、「方向性」の機能上で大変有 効な物であり、高齢者や、障害者の行動範囲を快適に広げる物で あるといえるが、本研究のアンケート結果から、「デザインが悪い」 や、「手 は汚い」「狭くなる」という意見も多く、改善の余地がある。 また、手
*1
渡辺仁史研究室 修論 大場契沖研究
のつけすぎがバリアになり、かえって行動しにくい環
境を生み出している事例も少なくない。これは、設計者の高齢者 や、障害者の身体機能の無知や、マニュアル通りの設計によるも のであり、日本大学の野村教授は「ハートビル法のように、特定 の施設を行政の論理で整理しても、一人の高齢者、障害者にとっ て便利になったという実感がない。」とまで述べている。そのため、 アトリエホロニカという設計事務所では、高齢者住宅設計の場合、 家具などをりようするため全部に手すりは配置していない *1。先 述の野村みどり研究によれば、床や壁仕上げの変化や、誘導用の 手
、一定の家具・物品配置なども有効であると述べている。バ
リアフリーには必ずしも手
が必要ではなく、そのかわりに代用
物などで工夫をすれば良い。住空間に福祉器機も上手に組み合わ せる方法も研究する必要がある。本研究では手 ところでは実際、どのようなものが手
は設置できない
の代用として有効かを研
究していく。
15
第3章 研究方法
■第3章 研究方法
3ー1 研究の流れ 3ー2 アンケート調査内容(身体補助) 3ー3 アンケート調査内容(方向性) 3ー4 代表例の収集基準 3ー5 分析シートのまとめ方
第3章 研究方法 ■3ー1 調査の流れ 手 には、*1「手 」/日本建築学会編 彰国社によれば、 以 下の4つの機能がある。01.「身体補助」、02.「方向性」、03.「デ ザイン性」、04.「境界性」である。 本研究では、それらの機能の中で人間の行動に、直接関わりの ある01.「身体補助」、02.「方向性」について扱う。 調査の流れは、図3-1(調査フロー)のような流れで行う。
①現在の法律で手
③手
の代用例の調査
④動作や、場所、代用の種類 に関して特徴のまとめ
第2章 2-1-1手
の定
義を参照。
に関しての設置基準の確認
身体補助
②手 の設置に関する アンケート調査
*1
方向性 ② 視覚障害者の手 と 行動に関するヒアリング調査 ③手
の代用例の調査
④動作や、場所、代用の種類 に関して特徴のまとめ
⑤身体補助と方向性での共通性のまとめ
⑥今後の新しいユニバーサルデザインの形をさぐり、 実際に手 の代用の可能性を提案する。 図3-1調査フロー
「身体補助」では健常者、高齢者に手 の設置に関するアンケー ト、「方向性」では視覚障害者に手 と行動に関するヒヤリングを 行い、それぞれに「どのような物を手 の代用として使用してい るのか」の直接行動観察を行う。これらの調査で見つけた手 の 代用について、各々の特色を分析する。 分析した結果をもとに、巣鴨商店街に、高齢者、視覚障害者が 手 が設置していないところでも、より快適に行動できるように 代用例の提案をする。 参考文献 「手 」/日本建築学会編 彰国社
第3章 研究方法 ■3ー2 アンケート内容 □アンケート用紙(身体補助編) 「手 に関しての関心度」について、無作為にアンケートを行う。 主な質問項目としては、以下に示すとおりである。(表3-2-1:ア ンケート項目(Ⅰ)、表3-2-2:アンケート項目(Ⅱ)) (Ⅰ)年代と手
に関する関心度の調査 表3-2-1:アンケート項目(Ⅰ)
①年代 1)10代 2)20代 3)30代 4)40代 5)50代 6)60代 7)70代 8)80代 以上 ②手すりは、自宅に設置したいか、設置したくないか。 1)手すりはできるなら、設置したくない。 2)是非、手すりは、ほしい。
(Ⅱ)場所別(部屋別)の手
に関する関心度
表3-2-2:アンケート項目(Ⅱ)
①現在の自宅、将来計画する自宅について、場所(部屋)別に 手 を設置したいか、設置したくないか。 1)、2)を答えた人は、その理由 1)
2)
3)
設置したくない
4)
)5 設置したい
理由 (複数回答可) 1、必要ないから(必要なさそうだから) 2、他に、手すりを設置しなくても、手すりの 代わりになるものがあるから それは何ですか。 (例:下駄箱)( ) 3、デザインが良くないから。 4、その他( ) 6) すでに手
は設置してある。
(Ⅱ)の項目に関しては、「玄関」、「廊下」、「リビング」、「キッチン」、 「階段」、「浴室」、「トイレ」についてそれぞれアンケートを行う。
第3章 研究方法 ■3ー3 アンケート内容 □アンケート用紙(方向性編) 「手 」や、「日常生活の行動」について、全盲の視覚障害者に アンケートを行う。主な質問項目としては、以下に示すとおりで ある。(表3-3:アンケート項目)
表3-3:アンケート項目
①回答者について 1)男性 2)女性 1)先天全盲 2)中途全盲 ②外出はどのように行きますか。 1)1人でいくことが多い 2)誰かについてきてもらう事が多い。 ③安全性、使いやすさ、わかりやすさを考慮して、行動をす る時に何が一番頼りになりますか。 ④自宅のなかで、工夫しているところは、ありますか。 ⑤日常生活のなかで、手 りますか。
⑥手
があったら良いと思うところはあ
を設置する場合、どのようなものが良いですか。
1)手 の材質 ( ) 2)形状 ( ) 3)その他 ( ) ⑦その他、なにか、改善してほしい所や、困った事、意見。 (点字ブロック、手 のこと、建築、施設に関わることなど。)
第3章 研究方法 ■3ー4 代用例の収集基準 日常生活の中で、手 の代用として使用しているものを、「動作」、 「場所の特徴」、「代用物の特徴」に注意して、デジタルカメラによっ て撮影する。 本研究でとりあげる手 の主な機能、「身体補助」、「方向性」に 念頭におき、以下のことに着目して調査を行う。
表3-4-1:本研究の手
本研究での手
の機能 *1
の機能
・歩行、立ち上がり、座る、などの動作を行う補
身体補助
助となるもの。 ・寄り掛かりなどの身体の動作維持の補助となる もの。 ・行動する上で、方向性を確認するもの。
方向性
・自分の居場所を確認するもの。
表3-4-2:収集留意点
収集留意点 身体的側面 ・使用者の年代区分
・使用者の動作 環境的側面 ・使用時の環境 補助的側面 ・代用物の特徴 可動性 素材 高さ 重量感(安定感) 空間的側面 ・手
の設置可能性
*1
「身体補助」 は正眼者。
「方向性」は視覚障害者で調 査を行う。
第3章 研究方法
■3ー5分析シートのまとめ方 収集基準に従い、以下のような分析シートにまとめる。 整理番号
表3-5:分析シート
分析シート 機能
代用物の写真 写真
代用物
場所
手 の設置 可能性
年代
動作
環境的側面*1 空間的側面 身体的側面
代用物の 可動性
素材 高さ
*1*2
3ー4 代用例の収集基準 「表3-4-2:収集留意点」参照
補助的側面*2
重量感
その他
代用物、周辺環境、動作などに対するコメント
写真
コメントや、代用物の写真に関する写真
*3
手
・強度がない壁面(下地のな
□項目の説明 ・代用物…手
の設置不可能な時
い石膏ボード、化粧板など)
の機能を果たしているものの名称
・機能…「身体補助」または「方向性」 ・手 の設置可能性*3…規格の手 が設置できるところかどうか。 ・年代…代用物の使用者の年代 ・動作…代用物の使用時の行動
・通常、行動する上でスペー スがない時 ・周囲の環境 (矢崎化工株式会社「手
の
総合カタログ」)
・代用物の可動性…代用物は、配置を変えられるものかどうか ・素材…使用者の身体と代用物が接触している部分の素材 ・高さ*4…使用者が代用物と接触している身体部分の高さ ・重量感…代用物は簡単に動かせるものかどうか (使用時に動かせるものかどうか) 見た目で軽量なもの、壊れそうなものか (安定しているかどうか) ・その他…その他のコメント
*4
高さの基準は次項の図
3-5高さを参照
第3章 研究方法 □高さの基準 高さは、身体が手
の代用物に触っているところをさす。接
触している部分が広範囲に及ぶ場合は、2ケ所以上を記録する。
肩峰高
肩峰高
胸高
胸高
肘頭高
肘頭高
腰高
腰高
恥骨高
恥骨高
指先端高
指先端高
しつ高
しつ高
図3-5:高さの基準
参考資料 「建築設計資料集成 空間」 日本建築学会 丸善
第6章 提案
■第4章 研究結果(身体補助編)
4ー1 アンケート調査結果 4ー2 行動観察-分析シート 4ー3 考察とまとめ
第6章 提案
■4ー1アンケート調査結果 □4-1ー1 手
の設置に関する関心度
無作為に、アンケート用紙を配付した結果、20代から80代以 上まで201人の回答を得た。回答者数と年代をみると、20代、50 代の回答数が多くなってしまった。これは、アンケートをとった 筆者の同世代の協力者が多かったことと、その両親の世代である 50代の協力者が、多かったためである。自分の身の回りの協力者 でアンケートをとってしまったことが、今回の世代の偏りに結び ついてしまった。 それぞれの結果は、次項のとおりである、
表4-1-1回答者数と年代
年代 回答者数 20代以下
52
30代
21
40代
27
50代
42
60代
25
70代 80代以上
19 13
第6章 提案
20代以下の手
の設置に関する関心度
%
図4-1-1:20代以下の手
30代の手
の設置に関する関心度
の設置に関する関心度
%
図4-1-2:30代の手
40代の手
の設置に関する関心度
の設置に関する関心度
%
図4-1-3:40代の手
の設置に関する関心度
第6章 提案
50代の手
の設置に関する関心度
%
場所
図4-1-4:50代の手
60代の手
の設置に関する関心度
の設置に関する関心度
%
場所
70代の手
図4-1-5:60代の手
の設置に関する関心度
の設置に関する関心度
%
場所
図4-1-6:70代の手
の設置に関する関心度
第6章 提案
80代以上の手
の設置に関する関心度
%
図4-1-7:80代以上の手
の設置に関する関心度
第6章 提案
□4ー1ー2手
を設置したくない理由
このアンケートに関しても、「4-1-1手 の設置に関する関心度」 と同じ回答者201人から回答を得た。 アンケートの結果から、年代別に手
を設置したくない理由の
項目をパーセントで割り出してまとめた。グラフは、下図のとお りである。
図4-1-8:手
を設置したくない理由
・「必要ない」と回答した人は、身体機能上、20代、30代の若者 に多く、高齢者になるにつれて、減少している。 ・「他に代用があるから」と回答した人は、年代とともに、増加す る傾向にある。どのような代用物を使用しているかは、次項の「表 4-1-2手
の代用物」参照。
・「デザインが悪いから」と回答した人は、30代に多く、若い世代 に多い。 ・「その他」の回答は、「手 を設置するスペースがない」、「邪魔だ からという意見が多い。次項の「表4-1-3手
を設置したくない
その他の理由」,「表4-1-4その他のコメント」参照。
第6章 提案
●手
の代用物として使っているもの
表4-1-2手
の代用物*1
場所 代用物 玄関 ・下駄箱(7) ・椅子(3) ・棚(1) ・テーブル(1)
廊下 ・壁(2)
リビング テーブル、ダイニングテーブル(14) ・椅子(9) ・棚(1) ・壁(1) ・ソファ(1) ・冷蔵庫(1) ・家具など(1)
キッチン ・シンク(9) テーブル、ダイニングテーブル(6) ・棚、食器棚(5) ・椅子(2) ・カウンター(1) ・冷蔵庫(1)
階段 ・踏面、踏板(3) ・壁(1) 浴室 風呂桶(1) ・タオル掛け(1) ・浴槽(1)
トイレ ・壁(3) ・ヒーター(1) ・洋式トイレ(1) ・棚(1) ・大きなタオル掛け(1)
*1
( )の中は、人数を表す。
第6章 提案
●手
を設置したくないその他の理由
*1
表4-1-3手
を設置したくないその他の理由*1
玄関 廊下 リビング キッチン 階段 浴室 トイレ 今は必要無いが、今後、体 が不自由になったときに欲
◎
△
△
△
△
△
△
△
○
△
○
◎
○
○
◎
◎
◎
△
◎
◎
△
△
△
◎
△
△
しい 全く意識したことがない
手
を設置すると足腰が悪
くなり、老化するから
手
を設置すると邪魔にな
り、歩きづらく、危険だか ら、自由がきかないから 手
を設置するスペースが
ないから 掃除がしにくそう
△ △
家族がいやがる
△ ※1
その他
※2
※3
△
△ ※4
◎・・・1番、回答が多かった項目 ○・・・2番目に回答が多かった項目 △・・・回答があった項目
※・・・その他の項目 ※1・・・人目につくから ※2・・・埋め込み型の手
ならほしい
腰板とクロスの境目のところに見た目としてデザインが 良い手
を設置できると良い。
※3・・・物入れ、クローゼット、ドアなどで、見た目として使い勝 手が良い手
が設置できると良い。
※4・・・システムキッチンに手
を始めから組み入れてデザインし
てある良い。 手
を使う人がキッチンを使う場合、椅子に
座って作業をするほうが適していると思う。
( )の中は、人数を表す。
第6章 提案
●その他の意見
表4-1-4手その他コメント*1
*1
その他 ・子供は段差があったほうが、運動能力を高めるのに良いし、老人も 筋肉の衰えを防ぐのに段差が必要。(1) ・助けるための手 ではなく、より、動けるための手 が必要。(1) (例えば、手 極的に使える手
があったら外へ自力でいける、庭にもでれるような積 が良い。)(1)
・和風の家や、庭には和風に、洋風には洋風に調和する手 がよい。(1) ・つめたいステンレスの手
は水場だけで良い。(1)
・家を建てるときには必要に応じて、手
が取り付けできるようなも
のにしてほしい。(1) ・すでに玄関には手 が設置してあるが、もう一本手 を設置したい。 (1) ・門扉の階段には手
が必要だと思う。(1)
・建て替えが近いので今設置しても、無駄。一生住めるようなら設置 したい。 (1) ・階段がない(マンション)が、階段があれば手 は必ずほしい。(1) ・点灯すると危険だから、手
は、浴室に入る時に必要。(2)
・トイレでは、転倒すると、危険だから手
がないと不便。(2)
( )の中は、人数を表す。
第6章 提案
■行動観察-分析 行動観察は、屋内では、埼玉県所沢市社会福祉法人向日葵会「デ イサービスセンターひまわり」の協力のもとで行った。行動観察 による分析シート*1は、次項のとおりである。
*1
分析シートのまとめ
方は「3-5分析シートの まとめ方」参照。
第6章 提案
■4ー3考察とまとめ(身体補助編) □4ー3ー1年代別考察 「手
の設置に関する関心度」を年代別にみる。
表4-3-5:年代別手
の関心度
∼20代 30代 40代
手
は設置したくない
できれば設置したい
◎
◎
○
○ △
どちらでもない
50代 60代 70代
80代∼
○
◎
○ △
△ ◎
まあ設置したい 是非設置したい
△
設置済み
◎
○
◎
○
△
△
△ ◎
○
◎・・・回答数が最も多かった項目 ○・・・回答数が2番目に多かった項目 △・・・回答数が3番目に多かった項目
表4-3-6:年代別手
を設置したくない理由
∼20代 30代 40代
必要ないから
◎
◎
○
○
代用があるから デザインが悪いから
○
◎
50代 60代 70代
◎
○
◎
○
○
◎
80代∼
○
◎
その他 ◎・・・回答数が最も多かった項目 ○・・・回答数が2番目に多かった項目
●20代以下∼30代 住宅や、福祉器機に関する意識が薄いということや、身体機能上、 「手 を設置したくない」と考えている人が半数以上を占めている。 「手 を設置したくない理由」でもやはり、「必要ないから」と回 答する人が約6割を占める。また、次に割合が多いのは、「デザイ ンが悪いから」であり、近年のデザイン性の高いインテリアにこ だわりを持つという傾向が増加していることが反映していると思 われる。
第6章 提案
●40代∼50代 「設置したくない」と答えた人は極端に減少し、「是非 設置したい」、「まあ設置したい」と考えている人は、全 体の約半数を占める。「手
を設置したくない理由」を
みると、「必要ない」と答えた人が約4割を占め、全体 的に多い。これは、身体機能上、まだ手 は必要ないが、 将来の老後の生活のことを考えていることや、社会の住 宅に対するバリアフリー化の風潮の影響であると思われ る。40代に限っては、「必要がないから」と同じぐらい「代 用物があるから」の割合が多く、工夫しているようである。 また、40代は「設置済み」の回答も多く、グラフ全体の 傾向は70代のグラフに良く似ている。これは、両親と の2世帯住宅であることや、これから両親の面倒をみる ために一緒に住むと考えているためであるとも考えられ る。 ●60代∼80代 40代、50代とは相反して、年代が増すにつれて、「設 置したくない」と回答する人が増加している。一方で、「手 を設置したくない理由」をみると、70代、80代は「必 要ない」と回答する人が全体の2割ほどで少なく、年齢 が増すにつれて「他に代用物はあるから」と回答する人 が70代では約4割、80代では約6割と増加傾向にある。 さらに、「設置済み」と回答している人も多く、60代では、 階段、浴室、トイレだけ設置しているのが多いのに対し、 70代、80代と年齢が増すにつれ玄関、廊下も手
を設
置し、設置場所が増加している。したがって、60代から 80代までは、住宅に身体機能上は手 を求めているが、手
の身体補助の設備
の機能を果たす代用物を使用して
いるケースが多いため、「手 を設置したくない」と答え たと考えられる。
第6章 提案
□4-3-2場所別考察 アンケート結果を場所別に見にみる。
表4-3-7:場所別手
を設置したくない理由
玄関 廊下 リビング キッチン 階段 浴室 トイレ
必要ないから
◎
◎
代用があるから デザインが悪いから
○
その他
◎
◎
○
○
◎
◎
◎
○
○ ○
○
○
◎・・・回答数が最も多かった項目 ○・・・回答数が2番目に多かった項目
●玄関・廊下 玄関や、廊下に関して見ると、「設置したくない」理由としては、 下駄箱や椅子などの代用を利用している人が多かった。また、玄 関ではデザイン性の問題も多く、「人目につくから」と回答した人 もおり、やはりここでも「手
=高齢者」という見方があり、他
人に高齢者としてみられたくないという心境があるようである。
●リビング・キッチン リビングや、キッチンは全体的に「手
は設置したくない」と
回答した人が多かった。「代用があるから設置したくない」と答え た人が最も多かったのは、リビングであり、椅子や、テーブルを 手
の代用物として利用していることがわかった。また、リビン
グや、キッチンで他の理由としては、「設置するスペースの問題」 や、「作業に邪魔になる」という意見が多い。特にリビングでは、 50代までは、「デザインが悪いから」という意見が多く、手 は、 インテリアのデザインを損なうもの、高齢者のイメージあるもの として考えられているようである。
第6章 提案
●階段・浴室・トイレ 階段は全体的に手
は設置したいと考える人が多いが、年齢が
増加するにつれ、トイレや、浴室に手
を設置したいと考えてい
る人も多かった。特に、浴室は階段よりも設置したいと考えてい る年代もあり、高齢者になり、浴室での危険性を考慮にいれてい ると考えられる。また、40代以上で浴室や、トイレ、階段に「手 を設置したくない」と考える人の理由は「代用があるから」と い意見が多いことや、今後体が不自由になったときに欲しいとい う意見から、やはりこれらの場所にはなにかしらの身体補助機具 が必要であると思われる。 ●「設置したくない」理由のグラフの全体傾向 全体的にどの場所も、20代、30代に「設置したくない」と回答 した人が多く、40代、50代にはその割合は減少し、60代、70代、 80代にはまた増加するという傾向がみられた。 「設置したくない」その他の理由を全体的にみると、スペース の問題があげられ、日本の狭い住宅の事情の問題が浮かび上がる。 また、手
を設置すると、老化が進むなど、早期に手
を設置す
ると身体上良くないとする見方もあり、取り付け方の工夫が必要 だと考えられる。また、手
1本取り付けるのに、1万弱から4
万程かかるため、費用の問題もからんでいると考えられる。
第6章 提案
□4ー3ー3代用物の考察 分析シートの結果から、項目別に考察した。 ●年代 手
といえば、高齢者のイメージがあるが、成人も無意識の内
に手
の機能があるものを使用している。 幼児1%
成人 34%
高齢者 60%
図4-3-1:年代
●手
の代用物
代用物になっているものは、手
が設置できない所に、室内で
は、机や、椅子などで、屋外では、棚や、陳列台、フェンスなど が多かった。これらは一般的に見た目が丈夫でしっかりしたもの である。 重量感のグラフを見ても重量感があるものが手
の代用として
選ばれる。これは、無意識の内に、自分の身体を支えるかどうか を区別していると考えられる。 代用物の可動性については、可動と不動が半々であるが、可動 の中では、「人」が多く、「人」を除去した「物」だけで考えると、「不 動」なものが多かった。 代用物の重量感
代用物の可動性
動作の場所の環境
その他
手
12% 重量感なし
が設置可能
17%
不動
10%
47% 重量感あり
可動 53%
88%
図4-3-2:重量感
手
が設置不可能
83%
図4-3-3:可動性
図4-3-4:場所性
第6章 提案
●手
の代用物の素材と重量感
素材のグラフでは、木材が多かった。机や、椅子などの家具は、 木材など暖かみのある物で作られている物は、手触りが良いため だと考えられる。次に多かったのはステンレスなどの丈夫で壊れ そうにないものである。これらの上位にあげられる素材は主な手 の素材でもある。
代用物の素材 その他 6%
人 13% プラスチック 6%
木材 35%
布 7% ガラス 6% 鉄
ステンレス
13% 13% 図4-3-5:素材
●動作
「立つ」が最も多かったが、この中で成人が占める割合は半数以 上であった。特に、目立ったのは、携帯電話を使うときや、立ち 話しをするとき、人や、電車などを待っているときにはどこかに 寄り掛かったり、つかまったりしていたことが多かった。 逆に「歩行」「立ち上がる」では身体機能の低下から、ほとんど が高齢者が占めた。それらの特徴としては、 を使いながらも、他の手
などの歩行補助器
の代用物を使用しているケースや、補
助器を持っているのに使わず、代用物を使うケースが多く見られ た。 や、歩行器だけでは、これらの動作には不安定であったり、 代用物のほうが楽に、安定した動作が行えるためだといえる。 動作 座る 3%
その他 3%
立ち上がる 7%
歩行
立つ
30%
57%
図4-3-6:動作
第6章 提案
●代用物と接触している身体の高さ 分析シートの結果から、分析シート内でのそれぞれの高さの収 集数との割合をまとめた。(図4-2-7:高さ) 高さは腰の位置が最も多く、腰を中心にしてグラフは山型になっ た。腰の位置は、人間の重心が近く、安定を得やすいためである と考えられる。また、肘頭高も次ぎに多く、一時的な動作をする ときにつかんだり、寄り掛かったりして使うことが多かった。 肩や、胸の高さにあるときは、手
の代用物に体の全体重をか
けていることが多く、長時間立っている時などのに利用する傾向 があった。さらに、恥骨高の場合も、前屈みになって手
の代用
物の上から体重をかけている場合が多かった。
高さ
肩峰高 胸高
9% 15%
肘頭高
22%
腰高 恥骨高 指先端高 しつ高
15% 8% 3%
図4-2-7:高さ
28%
第6章 提案
□4ー3ー4考察のまとめ
身体機能
高齢者=身体機能が低下
手
の必要性
身体補助をするものが必要
空間的問題
手 のイメージの問題 手
=高齢者
設置するスペースのなさ
デザイン性の低さ
手
は設置したくない
手
が設置できない
手 身体補助機能を持つ手
の代用物の必要性 の代用物の必要性
手
身体補助の機能編
の代用物を考える上で必要な着眼点
行動と代用物の利用時間と、
高さ 重量感 触感 耐性 素材
の関係
図4-3-9:考察
第6章 提案
■6ー1代用例の提案条件 □6ー1ー1手
*1分析シートで最も多かった高さと行 動の組み合わせ
の代用物のまとめ
分析シートで考察したことを、「行動と高さ」「代用物の特徴と高さ」、「手
の代用例と高さ」についてまとめた。
*2手
代用例*4
行動と高さ*1 歩行
立ち上がる 座る・しゃがむ
立つ
適している場所の例
重量感*2
手触り の良さ*3
素材
*3手
柱
晴眼者
駅のホーム
視覚障害者
*4分析シートで収集された例。
壁
休憩室
肩峰高
肩峰高
コンク
バス停
リート
鉄 胸高 手
代用物の
胸高
代用物を使っている
高さの分類
ときの行動の分類
●時間的解釈 肘頭高
洋服屋
代用物を使っている 時間が長い
ロッカー
木材
棚
クロス
肘頭高
フェンス
一時静止型
●物理的解釈 腰高
廊下 階段
代用物に体重をかけている 重さが大きい 代用物にかけている
●重量感
腰高
陶器 アルミ ステンレス
力の方向と大きさ
人
恥骨高
傘
恥骨高
プラス 重量感あり
キッチン 浴室
指先端高
チック
靴屋 玄関 リビング
しつ高 良い
机 椅子
レジ前
●手触りの良さ
力
力
陳列台 布
ソファ
力
代用物に かける 力の関係
時間
時間
指先端高
ポール
トイレ 時間と
の代用を使うにあたり、手
触りの良さを主に重視する度合い
待ち合い室 ●動作の分類
の代用を使うにあたり、重
量感を主に重視する度合い
時間 表6-1-1:まとめ
しつ高
第5章 研究結果(方向性編)
■第5章 研究結果(方向性編)
5ー1 アンケート調査結果 5ー2 行動観察-分析シート 5ー3 考察まとめ
第5章 研究結果(方向性編)
■5ー1アンケート調査結果 視覚障害者の協力のもとでアンケート調査を行った。それぞれ のアンケート結果は、次項のとおりである。
表5-1-1:アンケート詳細
実施日時 2002年10月15日(火)、16日(水) 15:00∼ 場所 身体障害者施設内 方法 1人15分、1対1でヒアリング形式 回答者 中途全盲 39人 (男性39人 女性0人) 先天全盲 6人 (男性6人 女性0人)
第5章 研究結果(方向性編)
□5ー1ー1回答者について
●白
の訓練状況 白
の訓練状況
訓練済み 27% 自己流 73%
図5-1-1:白
の訓練状況
●外出時の状況 外出時の状況 単独、同行者、 両方同じぐらい多い。 33%
一人で行動することが多い。 54%
同行者がいることが多い 13% 図5-1-2:外出時
●安全性、利便性を考慮して行動する時に頼りになるもの 行動する時に頼りになるもの におい 3% 人の流れ 6% メンタルマップ 6% 壁 10%
その他 3% 誘導ブロック 20% 手 16%
人のガイド 白 音 10% 13% 13%
図5-1-3:行動するときに頼りになるもの
第5章 研究結果(方向性編)
□5ー1ー2手
を設置する場合
●素材 最も使いやすい素材 その他 20%
特になし 5%
木材 40%
プラスチック 30%
ステンレス 5% 図5-1-4:素材
●形状
最も使いやすい形状
その他 31%
円形 63%
四角形 6%
( )の中は、人数を表す。
*1
図5-1-5:形状
●その他の要望
手
図5-1-2:その他の要望
*1
の設置方法
・連続して手
を連続して設置してほしい。(3)
・廊下や階段のセンターラインに手
が設置してある場合、手
の
へりにぶつかってしまうことがあるので、突起物に保護材をつけて ほしい。(6) ・手 の上端材を支える金属のとめ具で手を怪我するため、素材や、 付け方にしてほしい。どこを触っても安全なものにしてほしい(9) ・手
の支持材の出っ張りをやめて、壁につけてほしい。(3)
手
の形状
手
が良い。(2)
手
のサイン化
・いざという時に身体を支える役目も同時に果たすように、握れる
・手
に、トイレの男女の区別や、駅の入り口や、ホームの行き先
がわかるようになど点字の設置などでサインをつけてほしい。(6)
手
・手
の高さ
の高さと、身長があってないため、手を手
の取り付け具で
怪我をすることがある。(5)
手
を設置する環境
手
があるのにそこに何かが飛び出していたり、手
障害物があるのはやめてほしい。(3)
の上や、下に
第5章 研究結果(方向性編)
□5ー1ー3自宅の中について ●手
の代用物として使っているもの、及び手
の設置状況
ここでの代用物は、方向性に関してのものである。 表5-1-2自宅の中での代用物*1
場所
代用物
玄関 ・壁(12)
・ドア(1)
・下駄箱(6)
・電気のスイッチ(1)
・柱(6)
廊下 ・柱(2)
リビング
・壁(3)
・廊下の床の段差(3) ・床のフローリング(1)
・机、テーブル、テーブルのコーナー(27) ・椅子、ダイニングテーブルの椅子の背もたれ(9) ・畳みのへり、フローリングの線のライン(6) ・ソファー(6)
・和室の畳(1)
・テレビ(2)
・音(1)
・壁(6)
・電気のコード(1)
・ピアノ(1)
・家具(1)
・ステレオセット(1)
・窓枠(1)
・コーナーの柱(1)
・カーベットの有無(1)
・テーブル(6)
・シンク(1)
キッチン ・冷蔵庫(2)
・カウンター(2)
・キッチンの入り口の柱(1)・食卓棚(1)
階段 ・手
を設置済み(2)
浴室 ・壁(9)
・電気のスイッチ(1)
・鏡(1)
・浴槽(1)
・ドア、ドアノブの違い(3)
・手 を設置済み(1)
・シャワー(1) トイレ ・ドア、ドアノブの違い(6) ・便座を触って前後方向の確認(6) ・壁(6) ・手
を設置済み(1)
その他の手がかり
・メンタルマップ (6) ・壁と音の反射(3)
( )の中は、人数を表す。
*1
第5章 研究結果(方向性編)
●その他の自宅の中での工夫
表5-1-3自宅の中での工夫
( )の中は、人数を表す。
*1
サインの工夫 ・エレベータや、階段の手
裏の分からないところに点字。(10)
・玄関の前のドアノブや壁に輪ゴムで印や点字で部屋番号(7) ・弱視の人は、机にわかりやすいようにコントラストの強い色のテ プを机の端につけている人もいる。(1) ・病院に入院したときも部屋の入り口の廊下の手
に点字(1)
環境整備 ・整理整頓をして、ものの位置を置く場所を一定にする。(6) ・リビングのソファーの配置は通りやすいように、狭苦しくないよ うに配置している。(1) ・部屋の間取りの構造は、場所がわかりやすいように、ずらして部 屋を区切ってある。(1) ・ぶつかるのも情報キャッチの一つであり、ある程度、障害物があっ たほうが良い。。(6) ・すべりそうなものはすぐに退かす(6) ・ドアにぶつからないように面倒でも必ず閉める(2) ・方向の錯角を起こさないようにしている。(1)
□5ー1ー4手
があったら便利な場所 公共施設 4%
トイレ
手
4%
はないほうが良い。
4%
飲食店、飲み屋の階段 4%
駅のコンコース 4%
歩道橋 4%
広い店内 公園
駅のホーム 29%
4%
4% 体育館などの広いスペース 4%
駅の階段 14%
建物の入り口 7% 室内の階段 7%
駅の改札口 7% 図5-1-6;手
があったら便利な場所
第5章 研究結果(方向性編)
□5ー1ー5その他の意見 表5-1-4:その他の意見*1
建物内について 壁
・ざらざらするような装飾のついた壁などの素材はやめてほし い。(6) ・ 床材は、すべりにくいものが良い。(1)
床
・足音がしない床材は、情報が少なくなり、視覚障害者には良 くない。(1) ・足もとの怪我をしないように。(1)
柱
・廊下のまん中に柱があるのは危険。 ・怪我防止に、建物の柱は、四角いものより、丸いもののほう が良い。(6) ・駅の場所や、ホール、などの広いスペースに位置や、方向が わかるものがほしい。(1) ・建物の間取り配置はななめに歩いていく廊下などのようなも のがある間取りは視覚障害者には方向性がとりにくくなるの
その他
で、適していない。曲がるときは、直角に曲がるほうが方向 性がかわりやすい。(1) ・視覚障害者は、段差をなくすというような一般的にいわれる ユニバーサルデザインはあまり役にたたない。視覚障害者は、 段差があれば、ここから危険!などの信号の役目などにもな るので、段差があるというのがわかれば良い。(6)
駅について
・足下だけでなく、頭上注意などの看板を視覚障害者にもわか るようにしてほしい。(上と下に白 が2本ほしいくらい)(1) ・大阪の駅のホームには上り、下りの両方の階段の手前に車椅 子でもお年寄りでも安全ななだらかなでっぱり(高まり)があ ハード
り、階段があるというのを認知できるので便利。ほかの駅にも 活用してほしい。(1) ・駅の改札口や、入り口に盲動鈴チャイムで音声で知らせてほ しい。(2) ・駅のホームの転落防止。線路の高低差が恐いので壁をつけて ほしい。(21) ・ 駅では機械化が進み、駅員が削減されているので、駅員に聞
ソフト きにくい。駅員を確保してほしい。(6)
・駅の切符は、券売機は使わず、窓口でかう。(1)
公的整備について ・歩道にベンチや車止めなど、憩いのスペースをつくるのは、 ハード
視覚障害者には、危険。(1) ・手
や点ブロックの上に物を置いたり、店のものを点ブロッ
クの上に置くなどはやめてほしい。(6) ・マナーを守ってほしい。(2) ・道路や公共の場の法的整備をしてほしい。(1) ソフト ・点ブロックや、線ブロック、手
、などの情報の指標となる
ものは、どの場所でも、色や設置の仕方、規格、大きさ、必ず 設置してある場所などを統一してほしい。標準規定(3)
( )の中は、人数を表す。
*1
第5章 研究結果(方向性編)
行動について ・コンビニなどの店舗内は、カウンターのところに声とお金の 音、白
を使ってたどりつく。(2)
・買い物はいきつけの場所で、品物を聞いて、選ぶことが買い 店舗
物ができないので、自由度はなく、限られる。(6) ・店員が忙しそうな時は、遠慮してしまう。コンビニは朝9: 00∼のような朝早くは、店員が、1人くらいしかいないので、 話しかけにくい。(1) ・1人で行く時は、デパートの中では歩きにくい。(3) ・事務室(オフィス)では、入り口から、自分の机まで、他の 人の椅子は迷惑だからつたうことができないので、机の端をつ
オフィス
たったり、足をすって、床にはってある電気コード、ケーブル を頼りにしたりする。(2) ・視覚障害者に位置を教えるときは、時計の針の角度を使って 教えてくれるとわかりやすい。 (例えば、塩を10時の方向に置きましたなど、1時の方向をまっ すぐ行ってくださいなど。)(1) ・また、歩行している時、人にぶつからないようにわざと、せ きばらいや、音をたてて周りの人に警告することがある。(1)
その他
・ 手
は曲がるときに大きく
回したり、遠回りをしたりして
設置されているため、効率が良くない。(1) ・前方に気配があるときは、ぶつからないように、端によって、 手
を使う。(6)
・腕時計は、触読腕時計や音声時計を用途により使い分ける (1) ・雪がふると足音がきこえなくなり、歩きにくくなる。(1)
第5章 研究結果(方向性編)
サインについて ・ 公共施設などのトイレに男女の区別、エレベーター、非常階段、 階段に何階か手
のところに位置の確認の目印や、音声、点字
をつけてほしい。(6) ・ お店の入り口に点字などがあって、何のお店かわかるような ものがあれば良い。(1) ・自動販売機では、点字がついているように、店鋪内の狭い空 間では商品がわかる点字がついていると良い。(1) 点字 など
・手
のところに書いてある点字は、もう少し手前で書いてほ
しい。手
の点字を読んだときには、片足が、その場所に踏み
入れていることがある。 (得に、階段などでは階段から落ちそうになる)(3) ・ 旅行の時などの風呂場で入り口や出口を迷ってしまうことが あるので、何か手
のようなものをつけて、目印をつけてほし
い。(1) ・神戸の病院では手 のところに、看板と同じように、「受付」 「診察口」「∼科」など、点字がうってあって便利である。ほか の病院もそうしてほしい。(1)
・幅の広い商店街は、ブロックがほしい(3) ・点字ブロックはあまり、あてにならない。点字ブロックが十字 で交わっているとき方向間隔を逆に失ってしまうことがよくあ る。 誘導 ブロ ック
(例、高田馬場の駅周辺)(1) ・点字ブロックには行き用と帰り用の2本ないのはなぜ?逆から くる視覚障害者の人にぶつかってしまう。そのため、いつも点 字ブロックの上を歩かずに、点字ブロックから右にずれて歩い てしまう。(1) ・ 駅では点字ブロックを正確につけてほしい。(3) ・最近は点字ブロックがいろいろなところについてとても便利に なった。(3)
第5章 研究結果(方向性編)
■5ー2行動観察-分析シート 行動観察は、ある身体障害者施設の協力のもとで行った。分析 シート*1は次項のとおりである。
*1分析シートのまとめ方は「3-5 分析シートのまとめ方」参照。
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
第5章 研究結果(方向性編)
■5ー3考察まとめ(方向性編) □5ー3ー1手 ●手
について
の利用
「図5-1-3:行動時に頼りになるもの」をみると、手 は16%で「誘 導ブロック」の次ぎに頼りになるものとして回答された。しかし、 これは、リハビリセンターに手
が完備してあるため日頃の施設
での生活に馴染み深いものだからと思われる。手 の意見では、手
を使用する人
は迅速に、素早く、的確に目的地までたどりつ
けるから良いという意見が多かった。また「その場所に手
がど
のように設置されて、どこまで繋がっていて、手で触ってもきれ いか、安全か」ということを知っているから使い、他の知らない 場所では使わないと答えた人も多かった。 ●手
の設置する場合
5-1-2手
を設置する場合のグラフをみると、素材では木材が
約4割を占め、多い。また、「その他」20%の中にも「手触りがよ いもの」、「柔らかいもの」、「暖かみがあるもの」などの木材の特 徴をあげる人も多く、実際は半数以上であると思われる。視覚障 害者は、晴眼者の「目」の役割以上に「手」が生活の支えとなるため、 「手」には十分気を使うためであると考えられる。また、プラスチッ クや、ステンレスが良いと答えた人は、「手 が汚れにくいから」、 「木材のように割れずにささくれがおきないから」と答えた。や はり、手の安全性がと清潔さが問われる。形は円形が良いと答え た人は約6割おり、その理由として、手をスムーズに滑らせやす いからと思われる。その他の要望では手 の安全性や、サイン化、 高さ、設置環境などがあげられた。中でも、手 を設置する環境や、 支持材や、上端材などの安全性や、素材については、現在の法律 では定められておらず、法律の改善の余地があると思われる。 ●手
を利用しない理由
「手 はほとんど利用しない」と回答した人もかなり多かった。 その理由として、「手で触ってもきれいか、安全かということがわ からないから」、「屋外ではどこに手 があるかわからないから」、 また「必要ないから」、が多く「手 は遠回りをして効率よくない から」と答えた人もいた。これは、公共施設での手 する画一化がなされていないからと思われる。
の設置に対
第5章 研究結果(方向性編)
●手
を設置してほしい所
手 を設置してほしい所は、駅のホームが最も多く、駅の階段や、 コンコースを含めると約5割に及ぶ。また、駅のホームの手
に
行き先や、出口などのサインの要望も多かった。一人で外出する 時に一番危険なことはホームから線路に落下することであるため、 安全性が高く、サインの役目を果たす誘導手 らに階段や、広いスペースに手
が必要である。さ
を設置してほしいという意見が
多く、階段ではサイン効果を果たすものとして、さらに広いスペー スでは、情報の手がかりがつかみにくいため方向性が分からなく なるためであると考えられる。
第5章 研究結果(方向性編)
□5ー3ー2代用物の考察 ●代用物の利用場所 自宅の中では、方向性や、場所の位置確認は、メンタルマップや、 代用を使っている。そのため、手 はほとんど設置されていない。 分析シートでも、動作の場所の環境のグラフ(図5-3-1:代用物の 利用場所)では、手
を設置可能な場所でにも関わらず、手
を設
置しておらず、他の方向性を示すもので。情報を得ている。 代用物の利用場所
手
の設置が不可能
38% 手
の設置が可能
62%
図5-3-1:代用物の利用場所
●代用物の特徴 壁や、ドアノブ、机や椅子が多く、分析シートからでも机や、 椅子は方向性の補助になっていたことがわかる。その中でリビン グで使われる代用物である机やテーブルが最も多かった。 これは分析シートの結果のグラフ図5-3-2:代用物可動性や、 図4-3-3代用物の重量感から読み取れるように「常に一定の固定 されたものあるいは、重量感があるもの」である。 また、これらは図5-1-4の素材の結果からも、「触っても支障が ないもの」、「大きくて見つけやすいもの」であるためと考えられ、 ドアノブは壁から突き出ていて、「触りやすい、みつけやすい」た めであると考えられる。
代用物の可動性
不動 7%
可動 93%
図5-3-2:代用物の可動性
第5章 研究結果(方向性編)
代用物の重量感 重量感がない 3%
重量感がある 97%
図5-3-3:代用物の重量感
●代用物と接触している身体の高さ 高さは、図5-3-4高さのグラフから指先端高が最も多く、「伝い 歩き」の歩き方の方法と同じ高さである。また、恥骨高、腰高の 割合も多く、歩行時に腕を傾けやすい高さであるといえる。 さらに、肩峰高に代用物を触るのは、頭を守るためである。
高さ
肩峰高 胸高
3%
0%
肘頭高
0%
腰高
恥骨高 指先端高 しつ高
0%
23% 34% 40%
図5-3-4:高さ
第5章 研究結果(方向性編)
●代用物に附随する情報源 分析シートでも多かった壁に関しては、手で触って方向性を確 かめるという他に、自分の足音の反射などで情報をつかむことも でき、有効なものであるといえる。キッチンの冷蔵庫と答えた人は、 冷蔵庫は音がするから、目印(目標)にしやすいと答え、音もか なり重要な情報源である。 また、手で触って方向性をつかむだけではなく、足元からの 情報も欠かせない。床材の違いや、電気コードを手がかりにしたり、 つたったりする場合もある。その他の自宅での工夫はぶつかるの も情報キャッチであり、場所の確認ができるため、わざと、ずら した間取りにしてあるケースもある。マンションの場合、自分の 家がわかるように壁や、ドアに何かしらの目印をつけているよう である。これは集合住宅は均質な部屋割りになっているため、視 覚障害者には、場所の確認がとれにくいためである。言い換えれば、 均質な空間や、広い空間は視覚障害者にとっては行動しにくい事 が言える。 ●その他の考察 一般的なマナーを守ることや、バリアフリー化である段差の解 消が視覚障害者にとっては情報をなくす原因にもなることなど、 視覚障害者への無知による施設や、整備面での不十分さがあげら れた。また、1人では買い物ができない、店員を頼らなければな たないため、買い物には引け目を感じ、遠慮している人が多いこ とがわかった。 最後に、晴眼者には良いと思っていることが、視覚障害者にとっ ては迷惑なことが多々あるため視覚障害者の意見を聞きながら設 計しなければならないことが実感でき、また、設備だけでは完全 な快適な環境をつくりだせず、人の助けも必要である。
第5章 研究結果(方向性編)
□5ー3ー3考察のまとめ
社会的傾向 視覚障害者への無知
施設、整備の不十分さ マナーの低さ 障害者の行動範囲の限定
生活に支障なく行動できる環境 視覚障害=方向性、位置確認をするものが必要
手
の有効性
方向性理解の迅速さ、的確さ、サイン機能
設置問題
場所の限定利用
困難な連続性
手
不合理な設置
安全性の配慮の欠如
への衛生面
位置認知困難 画一化のない 手
の設置位置
手 はあまり使用しない 使用できない
手 への要求事項 手
=木材のような手触りがよいもの
断面は丸形 安全性 サイン機能 連続性
図5-3-5:考察1
第5章 研究結果(方向性編)
手
自宅
の代用物などで行動できるため
方向性機能の手
はいらない
手 がなくても方向性の機能があれ ば、行動できる
手
自宅以外の環境
が設置できないところでも支障なく行動できる環境
手 方向性機能を持つ手
の代用物の可能性 の代用物の必要性
図5-3-6:考察2
鼻 においで識別
頭脳 頭脳
耳
点字・印の併用
足音や、声、車の音の反射音
ドアノブに点字や輪ゴムで印
人の流れ
など
壁 など
手 手
足 足元の感覚で得られる情報
床のフローリングのライン 畳の縁 電気コード カーペットの有無 廊下の段差 など
の代用物の利用
机 壁 椅子 棚 カウンター 柱 下駄箱 電気のスイッチ 窓枠 ドア など 図5-3-7:代用例
第5章 研究結果(方向性編)
手
方向性の機能編
の代用物を考える上で必要な着眼点 手
の代用物の傾向と特徴 的確に明確に方向性がわかるもの サイン機能 安全性の高さ 常に一定の位置に固定されたもの 重量感があるもの 触っても支障がないもの 大きくて見つけやすいもの 触りやすいもの 規則正しく定位置に配置されているもの
+
手 への要求事項 手
=木材のような手触りがよいもの
断面は丸形 安全性 サイン機能 連続性
図5-3-7:代用例
第6章 提案
■第6章 提案
6ー1 代用例の提案条件 6ー2 代表例を用いた提案 6ー3 今後の展望
第6章 提案 ■6ー1代用例の提案条件 提案する際に本研究でわかった身体補助と方向性の機能を果たす手 の代用のキーワードをあげる。これらをもとにして手
の代用例の提案
を行う。
表6-1-1:代用例のキーワード
身体補助・方向性機能を持つ代用例 手
の代用物を考える上で必要な着眼点
①高さ・・指先端から腰の高さ ②重量感・・見た目にも物理的にもしっかりした もの
*1
③素材・・木材のような手触りがよいもの
を参照
④耐性・・体重が支えられるもの ⑤行動特性*1・・行動の種類 ⑥サイン効果・・サインの役目をするもの 誘導がわかりやすいこと ⑦安全性・・どこを触れても安全であること 安全な形状、設備であること ⑧清潔感・・手で触っても衛生的なこと ⑨規則性・・設置基準の画一化 ⑩固定性・・代用物の場所が一定 ⑪連続性・・代用物の連続性
・・・身体補助の機能はたす項目 ・・・方向性の機能をはたす項目
行動特性の詳細は第4章考察のまとめ
第6章 提案 ■6ー2代用例の提案例 □6ー2ー1場所の設定 今までの研究結果をもとに、手 の機能である「身体補助」と「方 向性」の研究の結果をまとめて、快適に行動でき、行動範囲が広 がるような手
の代用物の提案を行う。
第2章の2-3-1視覚障害者の人口と2-3-2視覚障害の原因より、 高齢者人口の増加とともに1級の視覚障害が増加傾向にあり、今 後、高齢者の視覚障害者人口が急速に増加することが予測される。 また、多くの視覚障害者は自宅から目的地の最寄りの駅までは 1人で行くことが可能だが、初めて足を踏み入れる場には誰かに ついてきてもらうことが多く、買い物には決まった近所の店しか 使わず、消極的で遠慮しがちな人もいる。そこで、初めての場所 でも1人で行くことができるような、1人でも行く気にさせるよ うな提案をする。 これより、場所は、高齢者が数多く集まる巣鴨地蔵通り商店街 に設定する。具体的な場所は下図部分である。視覚障害者の歩行 時に、体面衝突しないようにここでは、左側通行と定める。
高岩寺
JR巣鴨駅方面
図6-1-1:敷地図
・・・巣鴨地蔵通り商店街
(JR巣鴨駅方面∼高岩寺)
・・・提案場所 ・・・歩行方向
第6章 提案 □6ー2ー2現在の巣鴨商店街の現状 提案をするにあたり、巣鴨の特徴について述べる。 巣鴨商店街は、「とげぬき地蔵」、「おばあちゃんの原宿」で有名 である。魚屋、八百屋、畳屋、漢方薬屋、呉服屋、味
屋などひ
と昔前には、どこの商店街にも見られた商売だが、最近の東京で はあまり見かけなくなった。しかし、巣鴨商店街は昔ながらの商 売が今も息づいており、都電や、電車、バスなどの交通の便が良 ため多くの人々が訪れ、縁日の日は4万人にも訪れる 巣鴨は高齢者のイメージが強いが、実際は、商店街の調査では 客の5割が40∼50代の主婦で、3割がそれ以上の年配の人、残 りの2割が若者である。しかし、高齢化社会において、今後、高 齢者ならびに障害者のか訪問者は増加すると予測され、高齢化対 策はかかせない。 巣鴨地蔵通りは約800メートルのほぼ直線道路で、振興組合は、 その性格から3つに分かれている。 巣鴨駅に近い第一支部・仲見世会は、高岩寺(とげぬき地蔵尊) を訪れる参拝客相手のお店が中心となる歩道と車道の段差をなく し、商店の値札表示を大きな文字にするなど、年配者への配慮が なされている。しかし、1つ1つの店鋪内はほとんど整備されて おらず、渾沌としている。また、店鋪の客の行動をみると、道側 に出している商品がはよく売れているが、店鋪の奥まで入って商 品を見る客は少ない。まだバリアフリーやユニバーサルデザイン というものは少なく、整備をを完備すれば、高齢者の観光客が増 えるだろう。 一方、巣鴨駅から一番遠い第三支部・四丁目サービス会は、周 辺住民の生活を支える商売が多い。自転車で買い物に訪れる人や 学生をよく見かける。真ん中の第二支部・中央名店会はその中間 的な役割を果たしており、『リピーター』が多いのが特徴である。 このように、巣鴨商店街はさまざま年齢層が行き来する場であ る。歩いて暮らせる商住建築の提案がますます必要になる。
参考Web h t t p : / / w w w . j c c i . o r. j p / m a c h i / 0003sugamo.html
第6章 提案 □6ー2ー3商店街の改善点 具体的な、提案は次項のとおりである。
・看板を規則的に配置する。 ・店内へ人を誘導するように手
の代用物を設置する。
・連続して代用物を配置する。 ・道路に乱雑に飛び出しているショーケースを整列する。 ・店舗の種類によって、人の行動と代用物の高さを変える。 ・棚を利用する。 ・店鋪に個性をだす。 ・音楽を流す ・床材を使い分ける。 ・腰の高さの素材を合わせる ・横断歩道では、方向性を示したものを設置する。 図6-2-1:改善点
第6章 提案 □6ー2ー4提案平面図 1 ∼ は具体的な提案場所を示す。 8
手すりとして使用できる 棚などの高さの分類
2 肩峰高 胸高
*
肘頭高 腰高 恥骨高
1
指先端高
8 3
7
しつ高
* ハッチ入り=その高さ以下でも
4
6
手
として使えるもの
5
現状平面図
提案平面図 ①道路や店内に乱雑に並べてあるショーケースを一定に並べる ②公共道路の歩道を車道と。歩道の材質を変える。 ③棚の高さを一定にし、棚に伝い歩きができるようにする。 ④店の中に人が流れ込むように手
現状立面写真
の代用で誘導する。
第6章 提案 ■6ー2ー5 場所別提案 1
つかまる場所がない、雑然とした店内
方向性、身体補助の機能をもつ、洋服掛け
2
連続性がない
連続性がある 床材が休憩所のサイン
3
つかまるところがない店内
靴の脱履きの補助をする棚 床材に区別をつける
4
足下の配慮がない 連続性がない
足下の配慮がある 連続性があり、椅子の機能も果たす棚 手を伝う棚の高さの変化で椅子の存在のサイン
第6章 提案 5 店鋪名
何番目の通りか
点字
雑然とした看板が並ぶ道路
寄り掛かりもでき、触れて、方向と、店鋪内、 自分の場所がわかるサイン
6
店鋪内と道路を床材で区別
7
休憩場所や、待ち合い場所で多くみられた行 動をもとに、胸から、肩にかけて柔らかい素 材でできている柱 視覚障害者にも打倒防止。
第6章 提案 8
身体を補助できるような場所がない
つかめるように工夫
第6章 提案
■6ー3今後の展望 今後の展望としては、今回の調査を予備調査とし、高齢者や、視覚 障害者の被験者を使い、実際に、手
の代用物と、現在の既製された
手 とで、使用時の「人の力のモーメント」や、「力の反力」、「エネルギー 代謝」などを計測し、違いを比較することや、現在、手
が設置不可
能なところで、代用を使用し、その有効性を確認する必要がある。 また、本研究では、手 の「身体補助」「方向性」の調査をしたが、 「デザイン性」と「境界性」についても調査が必要である。