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fragile Navigation人間の自己言及構造

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「Fr電 1lё NⅣ igttion/人 間行動 の 自己言及構造」 Fragile Navlgatlon/the self referenchl Structtlre of htlman BehavloF

平成 8年 度

修 士 論文

指 導 :渡 辺 仁 史 教 授 早稲田大学大学院理工学研究科 建設 工 学専攻建築学専 門分野

65E089馬 渕

富夫


早稲 田大学渡辺仁史研究 室

1996年 度修 士 論文


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1996年 度修 士 論文


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1996年 度修士論文


0章

は じめに

0.は じめに ■ Fragileと は Fragileと は辞書 によ ると以下 のよ うに書 かれている。 fragile【 ラテン語 「割る」の意から】形 1.こ われやすい、もろい

2.虚 弱な、かよわい 3.は かな い

fragileな 感覚 は 薄弱 。断片・ 危 うさ・ 曖味・ 境界・ 異端 といった 要 因 を導 き出す。

誤解 を覚 悟 でいえば、伝統的 に建築計画 に限 らず 「強 さ」とい うものはあ る意 味絶対 的な良 い ことで あると保 証 されて い る。ここで は逆 にそ の ことに疑 間 を提示 し、「fragile」 な ものに期待 を託 して思 考 を進 めて いきた い と考 えて いる 。

強 い ものよ りも 「弱 い」 ものを。硬 い ものよ りも 「柔 らか い」

ものを。

■経路探 索 とは は じめて 訪れた建築 空間では、自分 の位 置や 目的室 の方 向がわか らな くな り、 迷 う ことがよ くあ る。 これは探 索情報 を含 めた 「空間 のわか りやす さ」の 問題で ある。しか し簡 単 にそ う いって も、そ こに 「判断」 して 目 は人間が空 間 の情報 を 「視認」 し、過 去 の経験 な どによる 「知識」によ って 「推論」。 的室 に到達す るとい う認知心理学 の課題 が待 ち受 けて いる。また 何 回か 同 じ建築 空間 を訪れ る と迷わ な くな り、 これ も空 間 の 「学習 」 とい う認 知心理学 のふ る くて、なお 新 しい課題 で ある。

■空 間定位 [orientation]と は 空間定位 [orientation]と は環境 のなかで個 が 自己 を位置づ ける方法 をい う。空間定位 は地形 的認 知表 象 を活用 し、 自己 中心 的参照系 、固定的参 照系、協応 的参照系 によ って環境 に関連 づ け られ て いる。 また別 の 概念 として身体像 によ る定位 [location]が ある。身体像 とは無意識下 に持 って いる身 体 の全 体 また は部 分 の像 で空間的位 置 関係 を示す 。身体像 は左 右、前後 、上下 の主 要方 向 を持 ちそれ らの複 合 として成 立 してい る。

設計行為 む環境」

。現実 と二重の意 味 での空間

;「 設計者が設計プ ロセスにおいて構築

しその中に住み込

としての 「デザイ ンワール ド」 (Donald A.Schon)

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0章

は じめに

一般 に建築家 の思考は「問題解 決型ではな く問題発見型だ」といわれる。つま り、与え られた問題 に対 して最適解 を求めるだけの直線 的な思考ではな く、 常 に問題 のフレームそのものや実践行為 の意 味な ど、設計 の主体 に直接関わ る 内容 での反省 を繰 り返す 「リフ レクテ ィプな」思考 のプロセスだ、 というわけである。

現実 と設計行為 の二重性 のなか にある「Navigation」 行為 に着 目す ることによって設計 および建築 空間自体 の構築行為 を考察 し、建築 を自己言及 の装置 として構築す ること、それが 目的であるといえ る。

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■ 目次

:

0.は じめ に

1.研 究 目的・・ ・ ・・・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・・ ・ ・ ・ ・ 1

2.研 究 背 景・ ・ 。・・・ ・・ ・ ・ 。・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・・・ ・ ・ ・・ 2

3.Navigation 01・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●5 ∼ 従 来 の 建築 計 画 にお け る 「経 路 探 索 」 の 観 点 と比較 して ∼

4.Navigation 02・ ・ ・・ ・ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●. . ● ● ●9 ∼ 「経 路 」「エ ン トランス 」 にお け る解 釈 の 拡 張 ∼

5.Navigation 03・ ・ ・ ・ ・ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●0 0 ● ● ● ● ● ● ● ●11 ∼ 行 動 にお け る 「 自己言及 」 の 観 点 か ら∼

6.Navlgation 04・ ・ ・ ・ ・ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●o ●018

-affordanceの 観 点 か ら― 7.Navigation o5。 ・ ・ ・ ・ ● ● ●0 ● ● ● ● ● ● ●0 ●0 ● ● ● ● ● ●o ●026 ∼ 協 調 設 計 プ ロセ ス にお け る 「誘 導 」行 為 の 観 点 か ら∼

8.最 後 :こ ・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ 。30

9.参 考 文 献・・ ・ ・ ・ 。・ ・・ ・ ・・ ・ 。・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ 31 10.Navigation files・ ・ ・ ・ ・ ・ ● ●0 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 。32

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1996年 度修 士論 文


0章

は じめ に

0.は じめ に ■ Fragileと は Fragileと は辞書 によ る と以下 のよ うに書 かれている。 fragile【 ラテ ン語 「割 る」 の意か ら】形 1.こ われや す い、 もろい

2.虚 弱な、か よわ い 3.は かな い

fragileな 感覚 は薄弱・ 断片・ 危 うさ 。曖味・ 境界・ 異端 といった 要 因 を導 き出す 。

誤解 を覚悟 で い えば、伝統 的 に建築 計画 に限 らず 「強 さ」というものはある意 味絶対 的な良 い ことで あると保証 されて いる。 ここでは逆 にそ の ことに疑 間 を提示 し、「fragile」 な ものに期待 を託 して思 考 を進めて いきた い と考 えて いる。

強 い ものよ りも 「弱 い」 ものを。硬 い ものよ りも 「柔 らか い」

ものを。

■経路探索 とは は じめて 訪れた建築 空 間では、自分 の位置や 目的室 の方 向がわか らな くな り、 迷 う ことがよ くあ る。 これ は探索情 報 を含 めた 「空間 の わか りやす さ」の 問題 で ある。しか し簡 単 にそ う い って も、そ こに ・ 畔」 は人 間 が空 間 の情報 を 「視認」 し、過 去 の経験な どに よる 「知識」によって 「推論 」 断」 して 目 的室 に到 達す るとい う認知心理学 の 課題 が 待 ち受 けて いる。また何 回か同 じ建 築空 間 を訪れ ると迷 わ な くな り、 これ も空 間 の 「学習」 とい う認 知心理学 のふ るくて、なお 新 しい課題 で あ る。

■空 間定位 [orientation]と は 空間定位 [onentatiOn]と は環境 の なかで個 が 自己 を位 置 づ ける方法 をいう。空間定位 は地形 的認知表 象 を活用 し、 自己 中心 的参照系、固定 的参 照系、協応 的参 照系 によ って環境 に 関連 づ け られて いる。 また別 の概 念 として身 体像 による定 位 [location]が あ る。身体像 とは無意識下 に持 って いる身体 の全 体 または部分 の像 で空 間的位置関係 を示す 。身体像 は左右 、前後 、上下 の主 要方 向 を持 ちそれ らの複 合 として成 立 して い る。

設 計行為・・ 。現実 と二 重 の意味で の空 間 む環境」

;「 設計者 が設計プ ロセ ス にお いて 構築

しそ の 中に住 み込

と しての 「デザイ ンワール ド」 (Donald A.Schon)

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0章

は じめに

一般 に建築家 の思考 は「問題解決型ではな く問題発見型だ」といわれ る。つま り、与えられた 問題 に対 して最適解 を求め るだけの直線 的な思考ではな く、 常 に問題 のフレーム そのものや実践行為 の意 味など、設計 の主体 に直接関わる内容で の反省 を繰 り返す 「リフレクティプな」思考 のプロセ スだ、 というわけである。

現実 と設 計行為 の二 重性のなか にあ る「Navigauon」 行為 に着 目する ことに よって設 計および建築 空間自体 の構築行為 を考察 し、建築 を 自己言及 の装置 として構築す ること、それが 目的であるとい え る。

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1章

研究 目的

1.研 究 目的 建築 の設計段階及び実際の建築空間において もそ こに関わる設計者や空間内の人 間が溢れる情報 を 判断 し実行す ることは情報量 の増加 とともに大変労力を要するものとなっている。一方それ に対処す る方法として案 内板 のよ うな誘導 物 によって対応す ることが増加 しているが、それ 自体が過剰である ために「迷 う」というパ ラ ドックス も一方 では起 こってい る。そ こでは本来使用す る人間 と与える情 報 との 関係 が 応答せず に一 方通 行 の 関係 にな って いるの ではな いか と考 え られ る。 本論文 で は 「Navigation」 の概念を拡張す る ことによ り従来 の建築計画 にお ける 「強 い」誘導 に らない人 の 頼 間 行動 自体が持 つ情報 と時間概念 を用 いた弱 い 「NⅣ igation」 のあ り方 と建築・ 都市空間内 の人間行 動 自体が持 つ情報 にお ける「自己言及」構造 との関係を明 らかに し、さらに実際 の制作活動 を通 して 実証する ことを目的とす る。

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3章

研 究背景

3.研 究 背 景 ここではまず、設計行為と現実の空間の関係について考察を行いたい。 設計 と現 実 は言 うまで もな く、設 計 された ものが 現実 の空 間 と して成立す る とい う関係 にあ るが 、設 計者 に とっては設 計途 中のプ ロセス も思考 の 中では 「リアル 」 な もので あ る ことは 間違 い な い 。 つ ま り、「ヴ ァー チ ャル」な ものが 「リアル」な もの と して 現実 に現れ るのではな く、設 計者 に とっ てはす で に して 最 初 の設計段 階 か ら「リアル」な もので ある とい う二 重性 を持 って いるの で あ る とい える。 そ この と ころを Dol〕 ald A.Schonの 言葉 を借 りるな らば 「設 計者が設 計 プ ロセ ス にお いて 構 築 しそ の 中 に住 み込む環 境」と して の 「デザイ ンワー ル ド」に設 計者 は存在 して いるので あると考 え る こと がで きる。

一 般 に建築家 の 思考 は 「問題解 決型で はな く問題発見型 だ」といわれ る。つ ま り、与 え られ た 問題 に対 して 最適解 を求 めるだ け の 直線的な思考で はな く、 常 に 問題 の フ レー ムそ の ものや実 践行為 の意 味な ど、設 計 の主 体 に直接 関わ る内容 で の反省 を繰 り返す 「リフ レクテ ィ ブな 」思考 のプ ロセ スだ、 とい うわ けであ る。 つ ま り建築家 に とって現実 空 間 の 問題 は設 計行為 にとって の 問題で もあ るといえる し、設計行為 に とって の 問題 は現 実 の空間 に照射 され て くるとい うことが いえ る。

ここで 設計、現 実 両方 の 問題 にな って いるのが 、「Navigatior〕 」の 問題 で ある。これ は 同時 に広 く 情報化 の 問題 とも遠 か らず つ な が って いるといえる。空間内 にお いて記号 の 氾濫が空間内 のNa■7iga tionを 難 しくして いるので あ るが、一 方 で誘導 を助 ける手段 もまた記 号 と して現 象 して い るので 、し ば しば 逆 に迷 うとい うこともあ る。 そのよ うな問題 の根底 にあ るのは物事 の分類 を項 目別 の言 い方 をすれば記号 に頼 って分類す る ことに 起 因 して いるので はないか と考 え られ る。 「超 整理 法」に書 かれている分類 の考 え方 を引用 す る と、項 目 ごとの分類 は項 目の種類 に当て は ま ら ないものや項 目が増 えていった場合 に対 して対処す る ことがで きな いとい うゲ ー デル の 自己言 及 の 間 題 と同様 の 問題 を内包 して い る といえ る。 そ の対処 法 として 「超整理 法 Jで は時間 軸 によ る分類方法 を提 案 して いる。 この考 え方 の 中 に現在 の建築・都 市空間が持 つ 問題 にた いす る示 唆 が含 まれて いるのでは な いか と考 え られ る。時間 とい うパ ラメー タ ー を徹底的 に考察す る ことによって記号 の 氾濫 といった 問題 に触れ る ことな くプログ ラムを組 み 立 て る ことがで きるので はな いか と期待が持て る。

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時間 によって組み立て られるということは一つは変化、 変形 自体 を取 り込む ということと言い換 え る ことができる。空 間内にお いて変化 、変形す る為 の要 因をあげて い くと、人 間 の行動、光、風、と いった ことが考 えられ る。それ らの要素 によって空 間 の様相が変化 した り、形態が変化す ることに よって行為 を誘導す ることができるのではないか と考 え られる。

探索 において、周 りの環境要素を用 いることを考 えた場合、人の移動す る風景 も一つの要素 と考 え られ る。その場合、自分 よ り先に探索行為 を行 った人の情報

(こ

こでは軌跡)を 探索 の手がか りの一

つ として用 いることの可 能性があるのではないかと考 え られる。 軌跡が付随す ることが 出来 る要素 として ○色 (透 明度 も含 む) ○時間変化 (経 つた ら消 える、あるいは累積す る)[運 動 も含む]が 考 え られる。 犬 が電柱にお しっこをかけていくことと同様な感 じでその要素を用 いて探索行為 に用 いることは出来 ないのかと。 ○ 自分が過去 の軌跡 を参照する場合 ○他人が他人 の軌跡 を参照す る場合

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∼ 従来の建築計画 における 「経路探索 」の観点 と比較 して∼

従 来 の 建築計画 にお ける「経路探索」の多 くは案 内板及び従 来 の ビル デ ィングタイ プの中にお いて 調査 がな されて い る。一 方近年 の設計段 階で のモニ ター の 中 の 「空間 (以 下 「設計空 間」と呼ぶ )」 お よび 実 際 の建築・ 都市空間 にお ける空 間 の様相 の 多様化 にお いて 、従 来 か らの案 内物 に頼 るだ け の 「強 い」誘導だ けで は逆 に情報 過剰 のよ うな ものにな り有効 で はな い 。そ のよ うな観点 か ら特殊解 と して の 「緩やか な」 誘導 。経路 を制作 を積み重ね る こと を通 して考察す る。

■経路探 索 とは は じめて 訪れた建築空間で は、自分 の位置や 目的室 の方 向がわか らな くな り、 迷 うことがよ くあ る。 これ は探索情報 を含 めた 「空 間 のわか りやす さ」の 問題 で あ る。しか し簡 単 にそ ういって も、そ こに は人 間が空間 の情 報 を 「視認 」 し、過 去 の経験な どによる 「知識」によ って 「推論」。 「判断」 して 目 的室 に到 達す る とい う認知心 理学 の課題 が待 ち受 けて いる。また 何 回か 同 じ建築空間 を訪れ る と迷わ な くな り、 これ も空 間 の 「学 習」 とい う認知心理 学 のふ る くて、なお 新 しい課題 で ある。

■経路 探索 モ デル とは 経路探 索 モ デル は、現実 の 空 間や探索 情報 (サ イ ン情報な ど)を 探索経 路 モデルや 探索情報配置モ デル によ って 置 き換 え、そ こを探索す る人 間側 を探 索行 動モ デル と して 設定 し、そ の 整合 をシ ミュ レー シ ョンす る ことによって 解 析す る試 みである。

■経路探索 モ デル の フ レー ム 経路探索モデル に もいろい ろなモデル が考 え られ る。例 えば シ ャンク [Schank]の

MOP理 論 で は <

記憶 の東 >を 「MOP」 と呼び、 <一 般化 して制御す る知 識構造 >を ス ーパー スク リプ ト、 <典 型的 な行為 の 流れ >を ス ク リプ ト、<場 面 >を シー ン、それ を埋 め る必 要 条 件 をス ロ ッ トと呼び、認知科 学 へ の応用 を提 案 し、 また ミンスキー [Minsky]の フ レー ム理 論 の応用 な ども考 え られ る。

■空 間定位 [orientation]と は 空 間定位 [orientation]と は 環境 のなかで個が 自己 を位 置 づ ける方法 をい う。空間定位 は地 形 的認知 表象 を活用 し、自己 中心的参 照系 、固定 的参 照系、協応 的参照系 によ って 環境 に関連 づ け られて い る。 また 別 の概念 と して 身体像 によ る定位 [location]が ある。身体像 とは無 意識下 に持 っている身 体 の全 体 また は部 分 の像 で空間的位 置 関係 を示す 。身体像 は左 右 、前 後、上下 の主 要方向 を持 ちそれ らの複 合 と して 成 立 して い る。 早稲 田大学渡辺仁 史研 究室

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まず は建 築 計画 の従来 の 「経 路探索」研究 にお いて 概説す る と 従 来 の 「経路探索」研究 にお いて 1.知 識 によ る判 断・ 視認 力 と探 索情報 の整合 ・ 不整合 によって 「迷 い」が発生す る 2.方 向誘導機 能 (案 内板や方 向指 示板 )を 持 つ 情報が 同 じ領域 に 2つ あると、 2方 向を誘導 して しま う。 3.目 的室 に類似 した室 の方 向指 示板 を発見す る とそ の方 向 へ 誘導 され る。類似 の諸室で構成 され る と

わ か りやす さにつなが る

4.探 索行動 で 目的地 と違 う室名 をみて移動 力が減少す る 5.室 名板 を最 も重 視 して探索す る場合、室 名板が内容視 認領域 にあ ま りない「廊下型」の施設 で は 最 初 か ら迷 いや す い。

6.一 度通 った領域 は視認 領域 とな る。「学習」 の概念 7.特 異解 のモ デル を積み重ね てそ こでの共通ル ール と建 物種別 、規模 、プランな どに応 じたルー ル と の 2段 構 えが必 要 である。 8。

「病院は迷 いそ う」とい うイ メ ー ジか らか探 索情報 を用心 して 探 し、その り行動 しよ 通 うとす るた

め に迷 いが 少な い 。見通 しの 良 い 「図書館」では 「何 とかな る」 と判 断 して探索行 動 を行 い、逆 に迷 う。

といった ことが わかって いる。7.で 述 べ られ た よ うに特 異解 を積 み重ね ることによ って いる研究 で あ る といえ、 本論 にお いてめ ざす 空 間 の参照で きる事 例 が見 あた らな い ために仮設か らの 出発 を行 う理 由の一つ が ここに ある。

従来 の建築計画 においては既 存 の空間において調査 した ものにつ いての結果 か ら考察 されて くる も ので あるが、ここで問題 にな るのが、既存 の空 間を調査 し解析 した ものを適用す る とい うことは 言 い 換 えれば 「再編集」す ると言 い換 える ことが 出来 るわ けで ある。とい うことは 「再編集」された もの は 「編集」す るた めの元デー タの レベ ル に依存す る ことにな る。そ うす るとともすれ ば現在 ある空 間 の 「想像力」を超 えることが 出来 な い とい うことにもな りかね な い 。それ と研究 の結果 を実 際 の くう か んにてきよ うす る場合、ゲーデ ル の 自己言及文 と同様 な 問題 を持 っている。つ ま りある空間か ら導 き出された 結果 が適用す る空間 の 形態 に適合す るか否か といった 問題 である。(も ちろん ここでは 既 存 の形態 をそ のまま適用 は しな い とい う前提 の上 である。)そ の根拠 を ?と 問われれ ば最終的 には不 完全 性定理 と同様 の 証 明不可能 の 問題 に突 き当た る。つ ま り建築 計画研 究 において も同様 に何 らか の段 階 で 「仮説」 をたて、それが成 立す る とした らといった と ころか ら出発 している といえる。

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そ ういう観点か ら本論 では最初期 の段階 において仮説を提示 し、それ を実際の制作 によって 実験 し、 それ をフ ィー ドバ ックす るという方法 をとる。

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l{avigation 02


4章 Nav:gation o2

4.Navigation 02 ∼ 「経路」「エ ン トランス 」 にお け る解釈 の拡張 ∼

近代 以降 の建築 にお いて はいわ ゆ る廊下や道 路 は移動空間 として ある特定 の機能 を持 った空 間か ら 切 り放 され 、移動空間 と してのみ設 計 され る ことも多 い。しか しなが ら、街路等 の 経路 として 機能 し ている空 間は空間内に起 こる多様な 人間行動 の緩衝機能や もっと積極的な人間行動 を生み出 して いる といえ る。本論では、私 が書 いた卒論 と同様 の視点 で従来 あった部屋 的な空間 と移 動空間 の 区別 をな くし、 等価 な もの と して 見 ること、つ ま り建築や 都市 空間 を連続す る一つの 経 路 と してみ る ことに よつて 移動す る身 体 か ら見 た空間 の 構成 と して 捉 え る とい う考 え方 を とる。

一般 に「玄関」と呼ばれ る部分は住 宅 な り建築 の最 重 要な部分 で フ ァサ ー ドと して も重 要な位 置 を 占 めて い る ことが 多 い。しか しなが ら京 都 の都市 空 間 を例 に 引 くと、都市空間全 体 が路地でで きて いる といえ るよ うな構成 にお いては門構 えな どの概 念よ りは路地 に とっての門の位 置 づ けの方が重 要 であ ると考 え られ る。卒業論文以降引き続 き 同様 にエ ン トランス を経路全体 か らの位 置 づ け によって 意 味 付 けを考 え るという考 え方 をとり、形態的な意 味よ りも トポ ロジカルな構 造 に着 目を して 構想 して い きた い と考 えて いる。

ここで経路 と透 明性 について言及す る。近代建築 を論 じるとき最 も重要な語は何か問われれば、透明 性が挙 げ られ るであろう。ただし、注意 しな ければな らないのは透明 という言葉 は、正確 にい うと二 つの意味を持って いる。一つは、建築 に限 らずかな リー般的な使 い方で、意味 のな い何かを透明 と形 容す ることがある。近代 を論 じるときにその特質 の一つに意味の脱色が挙 げられ るので、近代 の特質 として 「透明」という言 葉が使われ る。他 の一つ は限定された使 い方 で、コー リン・ ロウの論 文 「透 明性 ―虚 と実」による使 い方がある。両者 は、時 として意図的 に混同 して使用 された りもす るが、こ こではコー リン・ ロウの透明性を念頭 に置 く。

コー リン ロ ウの透 明性 は、広 く知 覚 と空間 を論 じた もので あるが、特 にキュ ビズムの 空間の特 性 を よ く言 い 当ててお り、1920年 代 の コ ル ビュジ ェの作 品や ミー スの作 品 を言葉 で捉 えるときに有効 で ある。この透明性 とは要 す るに奥行 き感 とい う知 覚や虚構 の 深 さの ことで ある。ロ ウは これが どのよ うに して生 じるのか を分析 し、虚構 の奥行 きは単 に一点透視 図法 によ って生 じるだ けでな く、視 線 の 反射 と直進 が共存す る ときに、そ こに透 明 の皮膜 の存在が感 じられ る ことを指摘 し、これが 空 間 を奥 行 き方 向にス ライスす る こと、 透 明な幕 の重 な りが 奥行 きを知 覚 させ るとい うメカ ニ ズム を明 らか に

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したのである。さらにこの考え方をものの配列 の仕方 に適用 して絵画や建築 の透明性 を取 り出 してい く。その意味ではウィッ トコウアー によるラウレンチアーナ 図書館前室 の分析やヴ ェネチア にお ける パ ラディオの教会ファサー ドの分析 に もこの考え方が示されている。

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Ir{avigation 03


5]義 Nav:gat:on o3

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5. Navigation 03 ∼行動 にお ける 「自己言及」 の観点か ら∼

空間内の人間の行動 とそれに応答 或 いはシンク ロす る空 間 とさらにそれが人 間 の行動 に反映されて くる関係 につい てで、方向案 内板 のよ うな「強 い」誘導ではな く空 間内 の人 間 の行為 によって誘導 され る「弱 い[fragile]」 誘導 のあ り方 についての可能性 についてで、「第 31回 セ ン トラル硝子国 際建築設計競技」にお いては内部 の微少な人間の行動 の総 体 が建築全 体 の構造 に影響 を及ば し、さ らにその影響が人 間 に照射 されて くるという「自己言及」の構造 を用いた提案 を行っている。 先程述 べ た ように建築 空間内の誘導 の多 くが 方向案 内板な どの「強 い」記号 を用 いた ものであることが多 い。本論 では そのような「強 い」誘導 ではなく空間 内 の人間の行為 によっ て誘導 され る「弱 い [fraglle]」 誘導 の あ り方 についての可能 性 について考 えてみた い と思 う。

本論文 における作品 に沿 って、論 を展 開させていこ うと思 つ。

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「第 31回 セ ン トラル硝子 国際建築設計 競技 Jに お いて は 内部 の微少な人 間 の行 動 の総 体 が建築全体 の構造 に影響 を及 ぼ し、さ らにそ の影響 が 人間に照射 されて くる とい う「自己言及」の構造 を用 いた 提案 を行 って いる。

「国会議事堂」連続変形モデル

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「Japanハ ごt Festival'95 in沼 津 」 に おいて はセ ン トラル硝子 コ ンペ 案 と同様 圧縮構造 を持 つ 曲面 は微少な変動 の 力 に よって 変形す る ことができる とい う特質 を利用 し、海側 か ら吹 く風 によ って振 動 す るシステム を持 ってお り、そ の変形 の しや す さと内部で の人 間行動が応答す る よ うにで きて いる。

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7

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「Japa11ハごt Festival'96 in沼 津 」 にお い て は 3作 による郡造形 として成 立 してお り、 作 品 と してそれぞれが 独立 して成 立 して い るのではな く、 ここで導入 され た パ ラメー ター によ って全 体 の 空間が決定 され ている とい うシステム を持 っている。そ してそれ らが互 いに連 動 して いる関係 を持 って いる ため に一 つ のパ ラメー ター を動 かす と別 の パ ラメ ー ター が変 化 す る、 と い う関係 に な って いる。ここでは一つのパ ラメー ター 、 具体 的 には全 体 が共通 の 曲面 を共 有す る と い う固定 したパ ラメー ター を設定 している。 そ の ことによ って 他 のパ ラメー タ ー を動か す ことは この 値 は数値 でい うと こ ろ の一 定 値 を とるわ けであ るか ら、 さ らに別 のパ ラ メー ター は必 然的 に最初 の影 響 を受 ける と い う関係 にな って いる。 また、 この作 品で は設 計 プロセ ス にお いて それぞれ個 々の作 品 にお いて 複 数 の人 間が (人 間 は他 の作 品 とだぶ る)変 形協調 関係 を

とる ことによ って 、あ る設計者 の 変形が他 人 の空 間決定 に介入 して くる とい う関係 に な って い る。場合 によ って は少 しの変形 が 別 の ところで大 きな 変形 を要す る といった ことが 起 こ り得 る可能性 を持 って いる し実 際 に発生 した。つ ま り構造 の 中 に 「複雑系」

Alias Connections

と同様 に誤差 が増 幅す るとい う構造があ る 考 え られ る。これ らの要因が 「自己言及」の 関係 にな って いる と考 え られ る。

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「Oriel〕 tation Box/002.6」 にお いては 同 様 に装置 (シ ステム )と して の フ ォ リー をイ ンス トー ルす る ことによ ってそ の装置 に「関 わ る」 人 々の風 景が景観 を造 るので はな い か、そ のよ うな 「エ コ ロジ カル」な関係 を構 築 した い と考 えて いた 。さ らにフォ リー に 開 け られたス リッ トの種類 は 3種 類有 り、 一般 的な表現を用 いると 日時計 としての トップラ

ス リッ トと光 の連続面

:9:00

イ トのためのス リッ ト、中か ら外 を眺めるた め の 水 平窓 と して のス リッ ト、 人が 中に入 り、通過す るためのに じり回のため のス リッ トが ある。これ ら人 間 の 行為 にとって 別 々の 用途 を持つ ス リッ トを連続 した一体 のものに 設定す ることによってそれぞれのパ ラメー タ が 連 動 した ものにな るよ うに設定 した。 パラ メー タが拘 束 を受 ける条件 を ここではス リッ

ス リッ トと光 の連続面

12:00

ス リッ トと光 の連続面

15:00

トの面 積 を一 定値 にす る ことを行 って いる。 このよ うに設定す ることで 内部 の人間の行動 を リレフレクテ ィ ブなつ ま り「自己言及」的 な ものにす る ことを提案 して いる。

空間内の人 間行動 の配列 早稲 田大学渡辺仁 史研究室

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Navigation 04


6]彗 Navigation 04

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6. Navigation 04 ∼ affordanceの 観点か ら∼

「柔 らか 機能 的 に決め られた形 態や使われ方 ではな くて、 い」形態や使われ方 について のア フォー ダ ンスの観点 か ら につ いて

一般 に見 られ る建 築空間は感覚 的 に も構築 を行 う思考構 造 の観点 か ら考 えて も 「硬 く」、分節 され ていて 「エ ッジ」 を持 っている。 具 体 的 にい うと近代建築以降それ まで も含 める ことができ るが、建 築空間 を構成 して いる単位 が 、部屋、廊下 等 い わ ゆ る 「部屋名」 の組 み合 わせ で 構成 されてお り、それ らを 連結す る構成で成 立 して いる ことが一つ の原 因であ るとい える。 そ してそ の単位 の フ レー ム と構 造 を支 え るシステムが一 致 して い る ことが 多 い。 これ らの根 底 には 我 々設計者 の思考構造 自体 がそれ らと一 致 し、それ を トレー スす るよ うに構築 して いるか らで ある とい うこともで き る。

しか しなが ら、それ らの持 つ 「フレーム」は設計者 の思考 構造であって も、空 間内の人間の行動や知覚 とは必 ず しも 一致す るものではない。む しろずれて いるとさえいえる。 つ ま り、人間の行動 は時々刻 々運動 しているので あ り、連 続 という視点か らの解釈 が必 要 であるといえる。 部屋 という単位 は人 間の行動 を静的に捉 えた視点か らの解 釈な ので ある。

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別 な言 い方 をすれ ば、時間変化 が考 慮 されて いるか どうかの違 いで あるといえる し、あるいは均 質空間と密接 な関係 を持 って いるユー クリッ ド幾何学 と空 間 のつ なが り方を基準にす る トポ ロジーの関係 と言 い換 える こと もで きる。

」.J.ギ ブソ ンによ る 「ア フ ォー ダ ンス」 の概 念 を参 照す る と 我 々が例 えば 「椅子」と認識 して か ら椅子 に座 るのではな く、 椅子 が 「座 る こと」 を誘発 して い るのである。 いいかえれ ば、命名 しがたい形態 の状態あるいは空間 自体 が 行 動 によって「変形」す るよ うな状 態 ははそ こに新たな人間の行 動 を生み出す ことができる とい え る。

また、「部屋」 の 単位 における空 間 内 の 「記号」は静的な視点 にお いて成立 して いる。連続 とい う視点か ら見 た場合 、既存 の 「記号」が存在す る必然性がな い といえる。

こ こで 、記号 を消す という行為 に 関 して 言及す ると、歴史 的 に はアイゼ ンマ ンのカサ・デル・ フ ァッショの形態分析 は形態そ の ものを取 り扱 お うとす るもので あ り、 研究方 法 自体が意 味 に 頼 らない透 明な ものであろうと して いる。 だが 本文 との関 係 で いえば、 近代 は完全な透 明性 に到達 しきれ な いで 非透 明性 が残 る。 そ の論理的根拠 としてゲーデル の の不完全性定理 と同様 の 問題 を挙 げ られ る。 アイゼ ンマ ンの研究 の 問題 は「意 味」を消す ことが 同時 に新た な意 味 を見 出す ことにお いて 問題 を残 している ことと、 彼 の研 究 自体 、建築 とプ ロ グラムの関 係 を全 く切 り放 した状 態 (つ ま リコ ンセ プ ト自体 を「建築」に とっての「外 部」の 問題か ら持 っ て くるため )で 論 じて いるため に、最終的な形態 の根拠 を求 め て い くと、人間の行動 とどのよ うな 関係があるのか といった基 本的な問題 にお いて 問題 をは らんで いる。

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つろ

本論で は この点 において 内部 の人間行 動 と空間の形 態 自体 が 連動す る とい う視点 に立 っている。

また、ここで 「Navigation」 の話 に言 及す ると視覚 障害者 に とっては建築 空間内を探索す るのは 「エ ッジ」 を探 し求 め る ことと同様な意味 を持 つ 。 と同時 にバ リアフ リー の 問題 において は 「ェ ッジ」 はバ リ アを作 って しま うことも問題 として あ る。 「エ ッジ」のない「NNigation」 そ の ことに対 して 本論 で は、 のあ り方 の可 能性 を考察す る ことも重要 な 問題である と考 え、そ の ことが 同時 にバ リアフ リー の 問題 につなが る こと で ある と考 えて いる。

「フ レー ム 従 って連続す る身体 とい う視点 か ら捉 えた場合 、 レス 」な空間である ことの 可能性 を考 え る ことは重要 な の で はないか と考 え られ る。

ここで、「フ レーム」を構成 している要 因 を形態、構造 、空 間 内 のプ ロ グ ラム に分 けて考 えると、

形態 :継 ぎ 目のな い連続 した 面 の連続 で 構成 した形態 構造 :ダ イナ ミ ックな シス テム を内包 した 構造 プ ログ ラム :具 体 的行為 と移 動行為 が 等価 な プログ ラム

と大 まか に言 う ことが で き る。

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0ん

04

ここで 本論文 にお ける作 品 に沿 って、 論 を 展 開 させて い こうと思 う。

「the House of Parliament」 にお いて は 空間全 体 の 形態が一体 成 形 の形態 を して い てそれ らの圧 縮変形 を加 えた形態 を して い るため に空 間 を構成 して い る面同志 の 継 ぎ 目が ほ とん どな くいわゆ る床、壁、天 丼 と い った空間 を分節す る要 素 ははっき りと存 在 しな い。 したが って ここでは何 をす ると いった厳密 な規定がな い 。従 って形 態 自体 を どう知 覚 して いるかが 人 間 の行動 を決 定 す る といえ る。

「国会議事堂」 連続変形 モデル

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「Japanフ 特 t Fest市 a1195 in沼 津」 にお いて はセ ン トラル硝子 と同様 に床 、壁 等 の垂 直水平 な要 素 を作 らず全 体 で包 み込む よ うな成 形 の 仕 方 を形成 してお り、 曖 味 な形態 が人間 の微妙 な行動 を誘 発す る と いえる。

「the womb oftha Wind」 シー クエ ンス

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「Japanハ ごt Festiva1196 in沼 津」 に おいて も同様 に特定 の機能 の ための形態 を作 り出す とい うことはここで は避け ら れて いる。む しろ 内部 にいる人 間が どの よ うにそ の 中で時間を過 ごす の か といっ た ことを誘発す る ことを意図 した ものと して考 えている。また、単体 と してだ け で完 結す るもので はな く、3つ の群 とし てさ らに別 の行為 を誘発す るよ うな こと はで きな いか 、そ う構想 して 3つ のイ ン スタ レー シ ョンは配列 された。

Alias Connections

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E0 ″

,

「Orientation Box/002.6」 において はそ れぞれの部 分 を とると平 らな 面 を持 って い るが、す べ て の面が壁 と床 の 微妙な角度 に よ って傾 き、それ らの連続 によって 空間 を 構成 して いる た めに全体 と して様 々な行為 を誘発す る ことができる と考 え られ る。

雉 ヽ 鍮

‐ i

torientatron Box/002.6

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IYavigation 05

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7]置 Navlgation 05

7. Navigation 05 ∼ 協調設計 プ ロセ ス にお け る 「誘導」行 為 の観点 か ら∼

設 計行 為・・ ・ 現実 と二 重 の 意味 で の空 間

;「 設計者 が設 計

プ ロセ ス にお いて 構築 しそ の 中 に住 み込 む 環境」 と して の 「デザ イ ンワー ル ド」 (Donald A.Schon)

一 般 に建築 家 の 思考 は 「問題解決 型 で はな く問題発 見型 だ 」 といわれ る。つ ま り、与 え られた 問題 に対 して最適解 を 求 め るだ けの 直線 的な思考 で はな く、常 に問題 の フ レー ムそ の ものや 実践行 為 の意味な ど、設計 の主 体 に直接 関わ る 内容 での反省 を繰 り返 す「リフ レクテ ィブな」思考 のプ ロセ スで ある。

設計行為、こ こでは建築設 計 に限 らな いが、それ ら設計行 為 の 中 には最 終 プ ロセス まで の 間 に様 々 な「外部」と協調行 為が発 生す る。

まず、話をいわ ゆる建築一般 に意 味 され る「設計」行為 に話 を限定 して進める。具体例 を挙げるとセ ン トラル硝子国際建 築設計競技案 の 「the House of Parliament」

は自分 を含め

3人 、「Japan Art Festival'96 in沼 津」は 4人 、 東 上坂工 業 団地記念 モ ニ ュメン トコ ンペの 「Orientation

Box/

002.6」 は 2人 である。そ の他は実質 1人 による設計行為で

あるといって もよ い。 行為 を人数の観点で分けると個人 と複 数 という分け方ができる。ここで しば しば見落 とされがちな のは、複数 の 中 における 2人 とそれ以上 との違 いで ある。協 調行為 の潜在的 に持っている問題は参加者がアイデアを共有 す るのに要す る時間である。

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そ して共有して次のステップに進む場合に要する時間は 0.ア イデアを考え出す時間 1.ア イデアを理解する時間

2.デ ータを送信する時間 3.デ ータが届 いてから受け取 ったものがそれを見るまで

の 時間 に大 き く分 け られ る。 この時間が個 人による設計行為 とは大 き く時間 を費や さ な けれ ばな らない要素で ある。3.に 関 しては協調行 為が 遠 隔地 を結ぶ ことによって 同時 に参加者が同 じ場所 を共 有す る必要が な い場合 に、生活 時 間 の ことな る参加者 を 取 り込 む ことがで きるとい うメ リッ トの一 方 、発 生す る 問題である。

0.に 関 して、 個 人 において は 1.に 関 して、個 人 において は 自 らのアイデアで あるため

に個 々に要す る時 間はほ とん どな い といって よ い。 しか しなが ら、複数 になった 場合 には当然 の ことなが ら そ の 問題・アイデ アに理解 の しやす さが異な るため に予 想以 上の時間 を要す る。

連続 した 「一 体 」の もの として、一つ のパ ラメー ター を 操作す る と別 のパ ラメー タ ーが 影 響 を受 けて変化す る。 パ ラメー ターの数 を減 らす ことによって 複数 の設計者 が 形態 の決定 を容易 にする ことがで き、多数 の 候補 を トラ イ ア ン ドエ ラー によ って最 適 解 を決 定す る ことがで き る。

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連続 した 「一 体 」 の もの と して、一つ のパ ラ メー タ ー を操作す る と別 のパ ラメー ターが 影響 を受 けて変化す る。 パ ラメ ー タ ーの数 を減 らす ことによ って複数 の 設 計者 が形態 の決定 を容 易 にす る ことがで き、多数 の 候 補 を トライ ア ン ド エ ラー によって最適 解 を決定す ることがで きる。

ここで はパ ラメー タ ー を連動 した もの に設定 す る ことによって ある 目的 の 形態 を導 き出そ う とす る場合 は、数学 にお け る関数 と同様 にある 束縛 条件 が必要で あ り、そ の 条件 を初期条件 に お いて どの よ うに設 定 す る の か とい っ た 「フ レー ム」 の設定 の仕 方 自体 がそ の建築 の 方 針 を 決定 して い くとい える。 日常 的な感覚 で連続 して いな い と思われ るパ ラ メー タ を連動 した もの として捉 えて い くことは それ らを繋 ぐ見 え ぎるパ ラメ ー タ を設定 しす る ことで ある とい え る し、そ うす る ことで 可能 に な る といえる。 「Orientation Box/002.6」

にお ける差 し込む光

の形 とス リッ トの 形態 とは空 間的 に離 れて いる ため に厳密 にはそ れ らの パ ラメー タだ けで は連 動 した ものにはな らな い。 ここでそれ らが連動 した もの にな るのは、それ らを繋 ぐ空 中 の光 の 塊 とで もいった もの を一つ のパ ラメー タ として暗 に設定 す る ことによって 成立す る ことがわ か る。

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8章

最後 に

8.最 後 に 一 連 の作 品 の大 半 は実 施 を伴 うもので あ り、 現場 での 制作等多大 な人 の 力の上 に私 の現在 が成立 し て い ます。沼津 で の竹 の イ ンスタ レー シ ョンの制作 、東 上 坂 のプ ロ ジェク トな ど、ほ とん ど学術研究 の対 局 にある といえな くもな い行 動 を2年 間 も見守 って い ただ い た渡辺仁史先 生、過酷 な環 境 にお け る沼津 での制作 を ともに行 って くれた約 50人 もの研究 室 内外 の方 々 、審査の時 に温か い励 ま しの言 葉 を くださった 勅使河原宏 先生、 東 上 坂 工業 団地 の フ ォ リー の制作 を精神的 に支 えて い ただ い た立命 館大学 の高 田昇先 生、京都大学 の 竹 山聖先生、長 谷川弘直先 生、長浜 市役所 の 方 々 、厳 しい条件 の施 工 の 仕事 を快 く受 けて い た だ い たヤ マ キ エ 業様 、たち ばな 建 設様 、この 1年 ともに制作活動 を ともに して くれた ⊇A一 ν 3.の みな さん、吉松秀樹 さん、山家京子 さん、初 めての実 施設計で冷や 冷や して いる私 を楽 しそ うに見なが ら、励 ま して くだ さった GA」 APAN編 集 部 の方 々 、 C&Cの 淵 上正幸 編 集長 、他数 え切れ な い人 々の 支援 を受 けて 自分 の建築活動 が成立 して いる ことを改めて実感 させ られ ま した。協調 と い う言葉 の意 味 を実施 に近 づ けば近づ くほ ど重要な問題で ある こと、に もか かわ らず 改善 して いか な けれ ばな らな い 問題がた くさん ある ことも同時 に身 を持 って思 い知 らされ ま した。 人間、身体 、知覚 、ネ ッ トワー ク、コ ンピュー ター 、これ ら研究室 の研究 どれ を とって も時代 の重 要 テ ー マ で ある ことは、た くさんの雑誌 の取材 を受 けた ことで も身 を持 って実感 します。と同時 に 自ら の 中 に強 い哲学 を持 ち続 けな けれ ばいけな いのだ と痛感 させ られた この 1年 で した。 改 めて感謝 の意 を表す とともに これ か らの 自 らの設計活動 で御恩 に報 いた い と思 います。

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9章

31

参考文献

9.参 考文献 ニ ク ラス・ ル ー マ ン『 自己言 及 につ いて 』 国文 社 建 築 文化

1996

199411

竹 内外史 『ゲー デル』 日本評論社

1986

古 山正雄 『壁 の 探究 安藤忠雄論』鹿島出版会 小林康夫『身体 と空間』筑摩 書房

1994

1995

馬渕富夫 『 日本近現代住宅 の空 間構成 に 関す る研究』 早稲 田大学卒業論文 ピー ター・ G.ロ ウ『デザイ ンの思考過程』鹿 島出版会

1995

1990

ダグ ラス・R・ ホ フスタッター 『ゲー デル ,エ ッシ ャー ,バ ッハ ある いは不思議 の 環』 白揚社 松 岡正剛 『 フラジ ャイル』筑摩 書房

1995

D.A.ノ ーマ ン『 誰 のための デザ イ ン ?認 知科学者 の デザイ ン原論』新 陽社認知科学選 書 松 岡正 岡J『 情報 の歴史』Nr出 版

1990

1996

松 岡正剛 『情報 の歴 史 を読 む 』Nr出 版 『SD9401』 鹿 島 出版会

1985

1997

1994

柄谷行 人『隠喩 としての建築』講談社

1989 1996

M・ ミッチ ェル・ ワー ル ドロ ップ『複雑 系』新潮社

佐伯、佐 々木編 『アクティブ・ マ イ ン ド』東京大学 出版会

1994

佐 々木正 人『ア フ ォー ダ ンス ー新 しい認知 の理論』岩波科学 ライ ブラ リー

1994

浜 田邦裕 『ア ン ビル トの理論』 IR懸 1995 河 本英夫 『オ ー トポイ エー シス』 青土社

1995

ジル・ ドゥル ー ズ ,フ ェ リックス・ ガ タ リ『千のプ ラ トー 』河 出書房新社 鷲 田清一 『人称 と行 為』昭和堂

1994

1995

『岩波講座認知 科 学 4-運 動』岩 波書店

1994

『岩波講座認知科 学 8-思 考 』岩 波書店

1994

川久保勝夫 『 トポ ロジーの発想 』講談社

1995

槙文彦他 『見 えが くれす る都 市』鹿島出版会

1990

ク リスチ ャ ン・ ノル ベ ルグ・ シュル ツ『ゲ ニ ウス 。ロキ』住 まいの図書館 出版局 日本建築学会建築 計画委員会 『設計方法 V― 設計方 法 と設 計主 体』彰 国社

Hen″ Plurrmer『 Light G2生

」 APAN

25

in」 apanese Architecure』

1994

1989

a+u 1995

1997

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IYavigation

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01。 (」

「the Womb ofthe Wind (力 乱舞11等 )」

apan Art Festiva1195 in沼 津

[Gold Award]at静 岡県沼津市 ・沼津御用邸記念公 園

)

制作期 間 :1995年 9月 展示期 間 :1995年 10/1∼ 11/15 審査員 :勅 使河原宏 (映 画 監督 /草 月流家元 ) 中原祐介 (美 術 評論家 ) 共 同製作者 :小 松喜 一 郎 (筑 波大学 )、 後藤聡、橘木卓、長澤 夏 子 、家崎雄 司、中村聡、平 岡健太郎、山田航 司、横堀伸、酒井 隆満 (以 上当時早稲 田大学 )、 森 田賢治 放映

(当

時 中央大学 )

:TBS系 列静 岡放送制作 「沼津夢舞台」

作 品席札

:「

the Womb ofthe Wind(風 の胎 内)」 :phasel; 「ind ご ヽ

bAmboo] phase2;rEsponse[peOple 2=、 vinD] phase3;reSponse RespOnse of Wind to bAmboo≡

[bambOo=peoplE](.・ .・

.「 Kaguya― hil■le」

.ヽ

[ヽ

rind =鰤 boo=peOpleど ⅥinD)

∼

≡ [Something l,Φ pens ln iT]

この作 品 にお いて は、都市 空 間 における一 般的な建築 とは 異な り、具 体的 な機能 は要 求 されていなか った。そ の代わ り に材 料 と して、 現地 で とれ る 8mの 真竹 50本 とい う条件で 空間を構成 しな けれ ばな らな か った。そ こで敷地 の地形が 持 つ起伏 、公 園内 の 人間の動線 の方向、及 びそ の 2つ の条件 が作 り出す 、見 え隠れ の シー クエ ンス、そ してそ の場所 に 吹 く海風 の方 向及 び風 力を設 計 の拠 り所 と して 行 った。 具体 的 には 内部 を移動す る時 に発 生す るモア レ、公 園内か ら竹 の 裏側 だ けを見 えるよ うに形態 を決定す る こと、風 力の負荷 を 軽減す る形態、そ して割竹 に 半 曲点 を持た せ る ことに よ り、 風 の揺 らぎによってス リッ トが揺 らぐよ うに設計 されて いる。

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02。 (「

「Alias― Connection (7洋 后該/孝祥雇I)」

Japanノ 守t■ stiva1196 in沼 津」 [Gold

C)02.1 [「 Fdias― Connection/ν 「

-01.3」

-02.7」 C)02.2 [「 Fdias― Connection/ν 「 ″-03.8」

002.3 [「 Alias― Connection/ν

Award]at静 岡県沼津市・沼津御用邸記念公 園

)

]

]

]

制作期間 :1996年 9月 展示期間 :1996年 10/1∼ 11/15 審査員 :勅 使河原宏 中原祐介

(映 画監督

/草 月流家元)

(美 術評論家 )

共同製作者 :山 本幹子、藤村憲之 隆之

(東 京大学 )、

(以 上東京芸術大学 )、

二好

安永頼子、久保 田健介、前田弘児、金森道、

岡村 あずさ、清水勝広、西村清佳、堀岡明彦、梅田太一、高橋 耕平

(以 上東京芸術大学)、

山口あき子、大橋恵子、芦沢麻美

子、石川由希、堀千景、今川 由貴

(以 上昭和 女子大学 )、

勝之、飯田晃子、加藤佳寿美、金原泰子、玉井勝士 田大学

)、

庄野健太郎

掲載誌 :GAゝ繊 ぶ

(武 蔵 工 業大学)、

橿原徹

原田

(以 上早稲

(東 京大学 )

25「 Pick Up Today」

放 映 :日 本テ レビ 「ズ ー ムイ ン朝」

作 品席札 :松 の 傾斜 と地形 に応 答す る INDUσ MNCE(誘 電 現象 )の 軌跡 、 ある いは海 と応答す る拡 散運動 の軌跡。

-01.3 A上 as― Connection/ν 「 場所 が持 つ地形 の起伏 を視覚 化す る曲面 を共有す る、群造形 三 体 の うちの一 つ で、単体 と して 成 立 し、かつ群 と して も空 間 の統 一 感 を現 象 させ る こと 目的 に構 想 した。 御用邸 の広大 な敷 地 には 単体 だけで完結 させ るよ りも、 作 品各 々が類似性 と差 異 性 を持 ちなが ら、空間 を構成す る方 がふ さわ しいので はな いか と考 えま した。この作 品 を想定 した 場所 は御用邸 の 中で も開け た 場所 で、 群 と して の 力が必要な場所 な のではな いか と思 いま

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した。また三体 を一つ の 「舞台」 と考 え、曲面 の 中心か ら外 に 向か って (古 代 の 円形劇 場 とは視線 の 向きが反転 して いる)つ ま り海 に向かって 視線 が 向 くよ うに考 え られている。 この 作 品 単 体 と して は 曲面 が 地 面 か ら飛 び 出 して きた 所 に

VOID(虚 )を 作 りだ し、そ の 中で人が戯れ ることが 出来 るよ うに考 え られている。

Attas― Connection/マ

-02.7

「 場所 が 持 つ地形 の起伏 を視覚化す る曲面 を共有す る、群造形

三 体 の うちの一つ で、単 体 として成立 し、かつ群 と して も空 間 の統 一 感 を現象 させ る こと 目的に構想 した。御用邸 の広大 な敷 地 には 単体 だけで完結 させ るよ りも、作 品各 々が類似性 と差 異 性 を持 ちなが ら、空間 を構成す る方 がふ さわ しいのでは な いか と考 え ま した。この作 品 を想定 した 場所 は御用邸の 中で も 開け た場所 で、群 としての力が必 要な場所 な のではな いか と思 い ま した。また三体 を一 つ の 「舞 台」と考 え、曲面 の 中心か ら外 に 向か って (古 代 の 円形劇 場 とは視線 の 向 きが反転 して いる)つ

伏の形態を利用しその垂直方向には海から吹く風と応答する力 学的な曲面形態が用いられている。

│} ■

L Alias― Connection/ν 「 -03.8

場所 が 持 つ 地形の起 伏 を視 覚化す る曲面 を共有す る、群造形 三体 の うちの一つで、単 体 と して成立 し、かつ群 と して も空 間 の統 一 感 を現象 させ る こと 目的 に構想 した。御用邸 の広大 な敷 地 には単体 だけで完結 させ るよ りも、作 品各 々が類 似性 と差 異 性 を持 ちなが ら、空 間 を構 成す る方 がふ さわ しいのでは な いか と考 えま した。この作 品 を想 定 した場所 は御用邸 の 中で も開 け た場所 で、群 としての力が必 要な場所な のでは な いか と思 いま した。また三 体 を一つ の 「舞 台」 と考 え、曲面 の 中心か ら外 に 向か って (古 代 の 円形劇場 とは視線の向 きが反転 して いる)つ ま り海 に 向か って視線が 向 くよ うに考 え られている。 早稲 田大学渡辺仁史研究室

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この 作 品単体 としては 海上 に浮 かぶ船 底 が持 つ 曲面 を用いて、 種類の異なる曲率 で互いに支 え合 うよ うに してあ る。共有す る 曲面 は外 か ら二層 目にある。 三体の差異 は共有曲面 が空間の外 、 内、中に用い られ ている こ と、メ タフ ァー として砂 浜、風、海 を作 品に取 り込 んでいる ところで あ る。

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文


03。 「the I― louse (第

of Parliament」

31回 セントラル硝子国際建築設計競技「国会議事堂」 [入 選])

制作期 間 :1996年 7月 審査員 :池 田武邦 (建 築家 ) 黒川紀章 (建 築家 ) 小倉善明

(日

建設計 /建 築 家 )

相 田武文 (芝 浦 工大教授

/建 築家

)

石井和紘 (建 築家 ) 山本理顕 (建 築家 ) 井 口知之 (セ ン トラル硝子 常務取締役 ) 共 同製作者 :後 藤武 、西 岡隆司 (以 上東京大学 ) 掲載誌 :新 建築 199611 ■ 「建築年鑑」 199701

lVaiting for Godotin Saraevo

1993年 ア メ リカ の女 性 批評 家 スー ザ ン・ ソ ンタ グ Stlsan Solltagは 、戦渦 のさなか の Sara■ ‐ ievoで サ ミュエル・ ベ ケ ッ トSanlllel Bcckettの 戯 曲『ゴ ドー を待 ちなが ら』を上演 した。 ソンタグは上演 に際 し、三 つの異な る民族 的出 自を持 つ役者 を 採用 した。彼 らは、いっ こうに現れ来 な い調停者 [Mediator]た る ゴ ドー を、おそ らく今 で も待ち続 けて いる。ここに、分断の 危 機 を は らむ 「ボ ス ニ ア Bosl〕 ia=Herzegovinaの

=ヘ

ル ツ ェ ゴ ビナ 」

国会 を重ね 合 わせてみ よ う。

あ りうべ き国会 とは、固有 の 出 自を持 った異 質な者 同志が、安 易 にそ の差 異 を解消 させ る ことな く、しか も同一 の場 を共有す ることだ。そ の 困難 さが、国家 的係争 の 原 因 とな って いるのだ が、実 の と ころそれ はきわ めて performativeな 空 間ではな い か。国会 とい う場が 一種 の コ ミュニケー シ ョンの舞 台だ とすれ ば、建築 の 役割 とは、コミュニケー シ ョンのコ レオ グ ラファー になる ことだ。つ ま リコ ミュニケー シ ョンをプログ ラム化す る こと。空間 を規定 し、出来事 を組織 し、コ ミュニケー シ ョンの 発生を促す ことで ある。そ のための空間構成。 早稲 田大学渡辺仁 史研究室

1996年 度修士論文


Ⅳ〔 ethod of Progranlllling Comnlunications l.多 元主義 の都 市「SaraievO」 に、三 つの民族 を代理 =表 象す

る三集 団 と 「調停者 [Mediator]」 との四者か らな る 「舞台」と して の 国会議事堂 を計画す る。

2.三 つ の 民族 を代 理 =表 象す る三 つ の グルー プをそ れ ぞ れ 「e」 、「i」 、「s」 と名づ け、「調停者 [Mediator]」 を 「M」 と名づ ける。

3.e,1,s,Mと い う基本単位 をアナグラム の手法で組 み合わせ る。

それぞれ の 占有す る空 間 に散布す る。空 間 の「配列」が、コ ミュ ニ ケ ー シ ョンのあ り方 を左右す る。

4.既 存の二つの空間モデルを抽出 し、この二つの空間モデルの

あいだにありうべき国会の空間モデリ レを構築する。

1 1 1 ︲ ︲ ︲ ︲

形呻兆

1

御ヾ 早稲 田大学渡辺仁史研 究室

1996年 度修士論文


04。

「Ml

Protome― house」

敷地 :滋 賀県 長浜市 設計期 間 :1995年 10月 ∼ 施 工 期間 :未 定 プ ロジェ ク ト名

:M邸 二Wrapping Womb/02

建築用途 :個 人住宅 (二 世帯住宅 )

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1996年 度修士論文


05。

「カメラオ ブスキ ュ ラ /仮 囲 い」

設 計期 間 :1996年 5月 ∼ 「PEEP HOLE」

Choreography of Enclosure in urban city(都 市 囲 いのコ レ オ グ ラフィー ) 都市 の あ りふれた風景 のひとつ と して建設 工事 中の現場 を覆 う 「仮 囲 い」 がある。 それ に 「HOLE」

を穿ち、都市装置 として 変換す る。

そ の 「形式」は 「覗 き」たい とい う欲望行為 と 「隠す」とい う 相 反す る行為 の二重 性 として現象す る。 そ のよ うな 「仮 囲 い」を都市 中 に散蒔 き、張 り巡 らす の だ。す ると 囲 いの 中を覗 くと思 って いた行為 が 逆 に 囲 いの 中か ら 「外部」 を覗 いて いた とい うパ ラ ドックス を持 って い る。 それ らを覗 く人 々の振 る舞 いを振 り付 ける振 り付 け師なのだ。 アクテ ィ ビテ ィをデザ イ ンす る とい うことはそ うい うこと。 「仮設 の風 景 =都 市現 象」 はスタ テ ィ ックな建築 よ り僕 らの実 感 に 近 い 。arnbientな 。・ ・

願わくば「仮囲い」が都市のコレオグラフィーのための装置で あることを。

早稲 田大学渡辺仁 史研究室

1996年 度修士論文


06。

「Dr市 e― in Ganery」

敷地 :滋 賀県 長浜市 設計期間 :1996年 1月 ∼ 施 工期 間 :未 定

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1996年 度修士論文


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文

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甲稲 ││1大 学 渡辺 仁史 研 究 室 199(,年


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長濤市東上坂 工業団地記念 モニュメン トの コンヽ結果発表 ・ 1■ ■IⅢ

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07.「 C)rientation Box/002.6」 (東 上 坂工業団地記念モ ニ ュメ ン ト at滋 賀県長浜市東上坂町 )

(実 施設計進行 中)

設計期 間 :1996年 10/24∼ 1997年 1月

長浜市東上坂工業団地

施 工 期 間 :1997年 2/5∼ 3月 展示期 間 :1997年

4/1∼

審査員 :高 田昇 (都 市計画家 /立 命館大学教授 ) 竹 山聖 (建 築家 /京 都大学助教授 ) 長谷川弘 直

(ラ

ン ドスケー プアーキテ ク ト)

岩井珠恵 (大 阪市立大学非常勤講 師 / 都市デザ イナ ー ) 沖野年 昭 (長 浜市役所助役 )

施主 :長 浜市 土地 開発公社 (大 塚忠夫 ) 協 力 :長 浜市経済部商工観光課 (中 川勇 ) 構造設 計

:TIS&R事ごNERS(今 川憲英 、村野清文 )

照明協 力 :松 下電 工株 式会社東京 EC(中 矢清 司、木村靖 ) 共同製作者 :山 本幹子 (東 京芸術 大学 ) ヤ マ キエ業株 式会社 た ちばな建 設株 式会社

掲載誌 :新 建築 199612「 News Report」 建築文化 199701 」T/住 宅特集 199701

CC/COMPE&CONTEST 199701 No.50 CttiERY・

N&へ 発行

Vingtaine/ヴ ァンテ ー ヌ 199702「 今 月 の もぎたて 」 婦 人画報社 G2へ

P20(25

J2生

「Pick LIp Today」

早稲 田大学渡辺仁 史研究室

1996年 度修士論文


Onellt【 ラテ ン語 「登 る太 陽 (の 方向 )」 の意か ら】

:

名

:

1東 洋 、ア ジア ;(特 に)極 東 。 2[the∼ J(詩 )東 、東天。

3(真 珠 の )光 沢。 形 :1[○ ∼](詩 )東 洋 (諸 国 )の

2(占 )<太 陽な ど>上 る、出 る。

3<真 珠 な ど>光 沢 の美 しい。 他動

:1<建 物 な どを>東 向きにす る。<教 会 を>束 向きに建

て る (聖 壇 が 東、入 IJが 西 )。

2<建 物 な どの>向 きを

(特 定 の方位 に)合 わせ る。<地 図を

>実 際 の 方位 に合わせて 置 く。;<計 測器 な どを>正 しい位 置 に 置 く。

3<∼

を >[新 環 境 な ど に ]適 応 さ せ る 、 方 向 付 け る

[to,to、 var(1]。

orientation【 oriellt,()rielltatcの 名 pril形 】

:

名

:

1(新 しい環境

。考 え方な どに対す る)適 応 、順応。 (新 入 生、

新入社員 な どに対す る)方 向付 け、オ リエ ンテ ー シ ョン。

2態 度 3方 位

(の 決定 )[toward]。 志 向。 (を 合 わせ る こと)。 (教 会堂 を)東 向 きに建て る こと 《 聖

壇 を東、人 口を西》。

4(心 理 )見 当識

《自己 と時間 的 。空間的 。対 人的な関係 の認

識》。

5(動 )(ハ

トな どの)帰 巣本能。

早稲 田大学渡辺仁史 研 究室

1996年 度修士論文


審査報 (lF: ` Fヵ 兌8乙 1110り J281J 「長浜 束 L坂

11業 IJl地

J

念モ ニ ュ メ ン ト企画提 案作成 コ ンペ審 査 報 (lF

I記

「長浜市 東上坂 1高

11准 団地 JI記 念 モニ ュ メ ン ト審査委員会

昇

ll l

立命館 大学教授 (長 浜 1打 田 J並 みデザ イ ン委員 会委 員 )

竹山

型

長谷 川弘

│ド

ガ1井

1

珠恵

京都 大学助教授 (同 上 ) llkl都

大阪

││「

環境計 画研究所代表 (同

││「

立 大学り│:常 勤講師 (風 格 あるまちづ

11)

くり長浜市 民会議風格賞審査 委員 ) 沖野

′ イ 長浜市助役 年日

標 記 の コ ンペ 審査 に あた り、 公 JI:か つ 慎 重 に 審 査 しま した 結 果 、 ド記 の 通 り採 用作 ll11を 選 出 しま した ので 報告 します 。

己       ・

応募及び審 査の概 要

74点 の作 品が提 JI期 限 まで に寄せ られ、審査 委員 会 にお いて 応募作 品 の 中か ら応 募要項 の 中か ら応 募要項 に合 致 し、1段 も優 れた作 li占 でかつ 記念 モニ ュメン トと して設 iす るにふ さわ しい [′

と判 断で きるものが選 出 された。

2.審 査 の方法 応募 疎 }す

のす べ て を対象 に、作者 名 を伏 せ た状態で、作 品番

(順 不 │,])を もとに審査 委員 が審 査 にあた った。作 11に つ い

.ニ ュL

Iキ

ては まず 全体 を委 ltの 全員 が 達得lし た ところ、作 古 llの JI来 映 え

ー

に レベ ル差がかな り明確 に認 め られ る ことか ら、第 一 段 階で各 委 員が推薦できる作 品 を抽 JIす る方法 をとった と ころ1(3点 が候 補 と して残 された。 それ ら13作 占 ││の す べ て につ いて 、 審 査委 員 による 合キFを 行 い なが ら順位 付け を進 め る方法で採月l作

│キ

11を 絞

り込む方法 とった。 │IL稲

││1大

学渡辺仁史研究 室

1996年 度修

lf論 文


3.審 査 の結果 審査 にあた って は、デザ イ ンの完成 度や表現 力 にお いて一 定 の水準 に達 して いる ことを前提 と し、主 に次 のよ うな視点で作 品 の評価 を行 った。

(1)テ ーマ 、制作意 図が明確であ る こと

(2)独 創性が あって、新 しい息吹 を感 じること (3)長 浜、湖北 の発展 へ の勢 い、可能性 をは らんでお り、街角 の風 景 として ア ピール しうるもの ゛ 審査 を通 じて、す くれた作 品群 は、従 来各地で作 られて きたモ ニ ュメ ン トの もつ一般 的イ メー ジと共 通す る類 の もの と、これ まで にはない新 しいイ メー ジを打 ち 出 しているもの とに大別 さ れ た。前者は無難 でわか りやす いとい う利点 はあ るが 一 方で、 大 きな イ ンパ ク トを与 え得 な い との危惧がある。長浜市が これ まで進 めてきた まちづ くりが全 国的 にも注 目され る先 端 を行 く もので ある ことを考 え、また見 る人 に新鮮 さを もって 受け とめ られ 、空間に新 しい 力を与 え うるとい う利点 を考 えて、審査委 員会 は後者 を選ぶ ことに した。 そ の よ うな検 討経過 を経 て、数点 の作 品が最 終 選考 に残 さ れ、十分 に議論 がつ くされた上、出席委員 の全員 一 致で作 品番 号 25(馬 渕富夫・山本幹子 両氏 によ る共 同作 品 )を 採用す る こ とと決定 した。

採用作 品は、よそ には見 られな い独 自性 と若 い息 吹 を強 く感 じさせ る もので、モニ ュメ ン トとして全 く新 しい形 態である。 そ の作 品 を通 じて、工 業 と人間の共生、そ して人 間 との共生 と い う 21世 紀 に通 じるテー マ をと りあ げ、 ヒューマ ンなスケー ル と人が参加で きる空間構成 、太 陽 の 光、夜 の光 、といった要 素を取 り入れてユニー クで芸術性の高 い空間の倉J造 にチ ャ レン ジ し、成功 して いる。 なお実施 にあた って は、技術 面や管理面 を配慮す る上での専 門的な協議が望 まれ る。

早稲 田大学渡辺仁史研 究室

1996年 度修士論文


今後デ ッサ ン (企 画提案 )段 階 の この作 品が、よ りよいプロ セス を経 て実施 設 計、事業化 が はか られ る ことによ って、モ ニ ュメン ト設 置 が、その場所 に新 しい意 味 を持 つ ことにつ なが るもの と大 いに期待 され る ところであ る。 以

上

「滋賀夕刊 」 199611/8(水

)

馬渕・ 山本 さん の企画 に 東 上坂 工 業団地 モニ ュメン ト 長浜 市が募集 して いた東 L坂 工業団地記念 モニ ュメ ン トの企 画で このほ ど審査会が開かれ 、応募 54件 (個 人 31、 企業 2

3)の 中か ら長 浜 市 一の宮町 の早稲 田大学大学 院生・馬漱1富 夫 さん (25)と 、横浜市 青葉 区 の東京芸術 大学大学 院生・ 山本幹 子 さん (25)の 共 同企画が採用 された。 モニュメン トは長浜市東 上 坂町 の国道 365号 線沿 いに今秋完 成 した工 業団地 の東側入 口に設置す るもので、コンペ 方式で企 画 を募集 して いた。 作 品は 「Orier〕 tatior〕 Box/002.6」 と題 された 2.51n四 方 の箱形。厚 さ1セ ンチ の鉄板で造形 し、南北方向に切 断 した 形。 太 陽光 がス リッ ト (隙 間)に 入 り、夜間 はス リッ トが浮 かび上 が るよ うに照明す る。鉄製 のため錆び るが 、これ も作 品 の狙 い の一つ とい う。 馬渕 さん は 「Japan 2牡 t Festival in沼 津」で昨年 、今年 と

2年 連続金賞 に輝 く新進気鋭 の造形作家。山本 さん も同フェス テ ィバ ルで活躍 して いる。 作品は細 部 の設 計 を詰め、 来年完成 を 目指す。制作 費 1000 万以 内。

「近江毎夕新 聞」 199611/8(水

)

採用作 品決 まる 東 上坂工 業 団地 記念 モニュメ ン ト 長浜 市が東上坂工業団地 内 の公 園内 に設置 を予定 している記 念モ ニ ュメ ン トの審査が このほ ど行われ 、応募者 54人 、74作 早稲 田大学渡辺仁史研究室

1996年 度修士論文


品 の 中か ら一 の宮 町、馬渕富 夫 さん (25)と 横浜市 、山本幹子 さん (25)の 共 同作 品 「Orientation Box/002.6」

が選 ばれ

た。審査 は市 関係者や大学教授 な ど5人 で組織す る審査委員会 が テ ーマ や制作意 図が 明確 独創性 が あ る 街角 の風 景 として ア ピール す る な どの視点 か ら各作 品 を評価 し、採用作 品 を決定 した。 制作意 図 につ いて「工業団地 とは場所 と人間が共生 し合 う場 であ り、 従 ってモニ ュメン トも唯の シンボル 性 の強 い見 るため だけの ものよ り身体 のス ケー ル を基 に した体験 できる空間造形 で あるべ きである と思 う」 と話 して いる。 今後 は 両氏 も協議 の和 に加 わ り詳細 を検 討 して い く予定で、 来年 3月 に完成。

作 品名 「Orientation Box/002.6」 (「

Orienta疸 on Box」 とはそ の場所か らの方位 を指 し示 して い

る[Orientation]「 空 間

(BOX)Jで ある と同時 に作 品 の 内部か

ら発 信 さ れ る 光 に よ っ て こ の 場 所 の 現 象 を 指 し 示 す [Orientation]た め の「空間 (BOX)」 で ある とい う意 味である。 「002.6」 はパ ラメー ター (変 数 )に よって 連続的 に形 態が生成 され る状態 の値 を示す もので あ り、 連続 的変形 にお ける この作 品 の形態 の 状態 を数理 的 に指 し示 して いる といえる。)

テ ーマ :ゲ ニ ウス ロキ と身体 の知覚

制作意 図

:

「工 業団地」 とは場所 と人 間 が共生 し合 う場であ り、従 ってモ ニュ メン トも唯のシンボル 性 の強 い見 るためだけの ものよ り身 体 のス ケ ール を基 に した体験 で きる空 間造形であるべ きである と考 え られ る。

早稲 田大学渡辺仁史研 究室

1996年 度修士論文


○形態は 3m立 方 の形態を変形す ることによって生成 される形 態で、地面 と共に切 り刻まれた切断面が南 北 の方位 と平行 に貫 入 している。 ○人 はそ の切 断面 か らアプロー チ し、地盤面 よ り lm下 が った 視点で BOXの 中心 に到達す る。 ○昼 間 は 内部 に太 陽 の運行状態 が 日光 のス リッ トとして入 り込 み、夜 間は内部 の 照 明 (照 明はそ の場所 を通過す る交通 の光量 に反応 して 光 る)に よ り、ス リッ トの形態 だ けが外部 に浮 き上 が る。 ○方位 を表わす ス リッ トの他 に変形 回転 によって 作 り出された ス リッ ト、空 隙 はそ の場所か ら周辺 の場所 を観測す るためのス コープ とな り、場所 の 目印 とな る と共 に場所 を発見す る展望台 として 機能す る。 静的な形態が変形 、切 断 によって 新 たな形態 に変形 して い く途 中 の連続体 モデル の形態が現在 、そ して 未来 へ の可能性 を表 わ して いる と考 え られ る。 さ らに場所 との 一体化 した空 間 を形成 した い と考 え、可能で あ れ ば周辺部 分 との設 置部分 を連続 した形 態 の もの としたい。

「Vingtaine/ヴ ァンテ ー ヌ」 2月 号 滋賀県 の長浜市 に新 しく出来 る工 業団地 の公 園 にモニュメ ン トを作 る ことにな って コンペ が行 われた。設計 案 を募 って優劣 を競 う、設計競技 の ことだ。建築 の 世界で は神聖 かつ熱狂 的な お祭 りと してコ ンペ はある。そ の コ ンペの審査員 の 1人 として 招かれて審査 に参加 した。 とはいえ、コ ンペ といって もモ ニ ュメ ン トの コ ンペ 、建築 の コンペ とはち と様子 が違 うのに気 づ いた。建築 の世界だ とそ の 建物が果 たす べ き機 能が ある。どんなふ うに生活や行為 に対応 して いるかが まず 問題 にな る。こういった ことにつ いては ある 程度客観 的な議論が 可能 だ。つ ま りうま く機能す る ことを暗黙 の 了解事項 として い る。そ の上 で、建築 に込 め られた夢や ら表 現や らが 問われて い くわ けだ。客観 に支 え られ た主観 が 審査 の 土俵 に乗 って くるので ある。 早稲 田大学渡辺仁史研究室

1996年 度修士論文


ところがモニュメン トの コンペだ と、いきな り表現 というこ / ン一. .´

とになる。下手をす ると、おもしろいつまらな い、好 き嫌いの

/ . 一 ・  一.

直観 しか、デシジョンの根拠がな くな って しまう。ま、それは それで とて も重要な観点で、だか らこそ 審査員が十分 に時代 の

¨

風を呼吸しうる感性を持っているかが 問われてくるんだけどね。 でもいきな り表現なのである。機能な しで。これは議論が難 し い。 都市 計画 、ラン ドスケ ー プ、アー ト、行政、さまざまな ジ ャ ンルか らの審査員 は、それぞれの観点 か らの意見 をさん ざん に 戦わ せ た あげ くに、結局全会 一 致で 一 つ の案 を選び 出 した。僕 .

も含 めて、これ こそがかつて な く、また未来 を開 く案 で もある、 、

一

一 一

¨ 一 . .一

.

と審査 員 一 同、意見 の一 致 を見た。

学院生、馬法1富 夫君 と山 本幹子 さんのチーム。並み いる彫刻家

:

し

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や モニ ュ メ ン トの専 門家 を押 しの け て の 勝利 であ る。建築 の

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1等 に選 ばれたのは25歳 の建築 を学ぶ 早稲 田と東京芸大の大

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バ ックグ ラウン ドを持 つ だ け に、応募作 中ほ とん ど唯 一「空間」 を胚胎す る案 であった。新鮮 かつ思 い切 りのよいプ ロジェ ク ト。 若 さの勝利 だ。 ただ若 さとい うのは時 に、いや 社会 に とって 実 に しば しばネ ガテ ィ ブな フ ァクター とな る。今回 も 1等 が決 まって 、最 も危 惧 された のは若 さ、つ ま り経験 のな さで あった。で も経験 は安 心 を生む けれ ど、新 しいテ ク ノロジー と ライ フスタ イル の融合 をめ ざす 今 回 のコンペのね らいにぴ った りの案 は若 さがその底 にほ とば しる彼 らだか らこそ 生み出せ た 。 僕 自身、ど こに勤 めた こ ともな く、実 務経験 もナ シにいきな り建 築 の設 計 をは じめて ものが建 って しまった ものだか ら、何 事 もなせ ばな る、初 めてが 許 されな いな ら人類 に進歩 はな い、 と信 じて いて 、若 い彼 らの処女 作 には 大 いにエール を送 りた い と思 って いる。 長浜市 をは じめ 関係者 一 同 も同 じ気持 ちだ ろう。 来春 には完成 の予定 だ。長浜 に こんな シ ンデ レラス トー リー のモニ ュメ ン トがある ことを、そ して 若 い建築家 の卵た ちの未 来 を、心 の どこかにそ っ ととどめてお いて くれ るととて もうれ しい 。

竹 山聖 (建 築家・京都大学助教 早稲 田大学渡辺仁史研究室

1996年 度修士論 文


GA JAPぶ 25「 pick

up tOday」

/モ ニ ター 上 と現実 の ギ ャ ップ

「長浜市東上坂工業団地 」 E倉 モニュメン嗜ヨ爾自察作理コンペ

■竹 のイ ンスタ レー シ ョン 藤村

ぼ くたちは、建築家 の吉松秀樹 さん、山家京子 さんが一昨

年か ら主 宰 している研究 会 (A■AB。 )の 研究 生です。 馬渕 くん が 去年 、早稲 田大学 の有志 と共 に この イ ベ ン トに参加 して いたの で、彼 か らこのプロジェク トが舞 い込 んで きま した。 馬渕 「ツPAN

Nご FESTⅣ zttL

IN沼 津」とい うイ ベ ン トは、四

年前、磯 崎新 さん、安 藤 忠雄 さん、菊竹 清訓 さんが茶室 を設 計 さ れた 「現代建築家茶室展」の敷地 (沼 津 の御用邸記念公 園 )で 、そ のイ ベ ン トを継承す るかた ちで三年 前 に始 ま りま した。一 昨年か ら公募作 品 を集めた 「竹 の イ ンス タ レー シ ョン・ アー ト展 」 も同 時開催 されたのです。 昨年 は A一 LAB.の メンバー として応 募 し、 作 品 も、設 計者 も制作 も首都 圏 の学生 三 〇人近 くにまたが る複 数 の形で始 ま りま した。 三好

全 体 のコンセ プ トと して、見 えな い漠然 と した 円形 の 空 間

を想定 して います。それ を繋 げるよ うに三 つ のイ ンス タ レー シ ョ ンを配置 しています 。今 回 のイ ンスタ レー ションは、まず初 め に 与条件 と して竹が三 〇本与 え られ ま した。そ の 中で何 を表 現 す る か を問われ たわ けです 。 竹 という単一 の 部材で何が表現で きるか。 ぼ くたちは と りあえず建築 を志 して いる 人間の集 ま りなので 、や は り空間志 向で い こうと全員で合意 したわ けです。 藤村

四人がそれぞれ の コ ンピュー タの前 に散 らば る前 に、この

コンセ プ トが根底 にあ りま した。そ こか ら 一つ一 つ の イ ンス タ レー シ ョンつ くりが 始 まったわ けです 。個 人 の 自由な表現 と、適 度な協調性 を保つため に、一つ のコ ンピュー タにそれぞれ の デ ー タを集めて総合的な検 討 も度 々行 って いま した。 山本

一つ のイ ンスタ レー シ ョンに必ず 二 人が関わるよ うに して、

相互作用 しなが ら全 体 を決 めて いったわ けです。 三好

共 同 で作 業を進 めて い く場合 に何 らかの方法 を決めた 上で

作業 を進 めて いくわ けです が、今 回は二 つ の方法 を元 に作 業 を進 めま した。一つは全 体 か ら部 分 へ 展 開 して い く方法。 もう一 つ は 部分か らの方法です。今 回 は最初 に全 体 を決定す る こと

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1996年 度修 士 論文


一 ‘ ・

最 もプライ マ リーな形態 と して漠然 と した 円形 の空 間を規定 し

一 一   一

ま した。

一﹁一一 ´ 一一 一´ ¨一 ︺ 一 ・一´^ .

か ら始 め ま した。周辺 の 松 林や海 とい った 自然 の要 素 に対 して

応募規 定が単体 の作 品 を求めて い たので、それぞれ単独

馬渕

の作品 として提 出 して い ます。しか し提 出図面 に必 ず 一枚 、共 通 のコンセ プ ト図を貼 つて いたので、一 つ の案 だ け落 とすわ け にはいかな い状 況 に したわ けです。 実 際 に敷地 を見て の第 一印象 は、スケール 感 のギ ャ ップ

藤村

です。ビデ オや写真で見 て いた感覚 と全然違 う。外側 に 囲 まれ るエ レメ ン トが 、CAD上 の 中では削 られ るか ら、そ うい う印 象 を受 けた のか もしれ ませ ん。さらに、実際 に竹 で構成す る と きの施工 上の ギ ャップ も強 く感 じま した 。最終 的 には現場で の 各 自のフ ィー リングで見 か け の形状 を大胆 に変 更 しないと成立 しないわ けです 。 三好

実際 に竹 をい じる感 覚 は、コン ピュー タ画面 の ク リック

操作 とは当然違 うものです 。そのギ ャ ップが逆 に面 白い。結果 として、 竹 の 素材感が作 品全 体 を支配す る ことにな ったのです 。 竹 とい うのは素材 自体 が ダイ ナ ミ ックなテ ンシ ョンを

馬渕

持 って います 。 CAD上 の 仮想空間で形 を決定す る時は、そ も そ も重 力 を想 定 していな いので、力学 とは無関 係 の変形 を しま す。弾力、圧 縮変形 に伴 う形状の規定 に 弱 い。 山本

CAD上

ではカー ブ を八 分割 した 直線 の集合体 として は

認識 します が 、一 定 の長 さの 一つ線分 とは認識 しませ ん。です か ら、コン ピュー タである一 部 を動かす と全体 に影響 が出て し ま う。 藤村

しか し、実際 に竹 に触 ると思 いが けず柔 らか い。敷地 を

実 際に見 に行 ってか ら、竹 ひ ごな ど竹 の 素材感 が判 りそ うな材 料 を用 いた模型 によるスタ デ ィの回数が増 えて きた と思います。 馬渕

現地 で の竹 の設置は、竹 を支え る人、竹 を結 ぶ 人、遠 く

か ら全体 を見 て いる人、とい う完全な分 担制で した。つ ま り、モ ニ ター 状 のViewの 数だけ の 視点 のチ ェ ックが現 場 で必 要 にな る。 三好

丸竹 は地 面 に打ち込 んだ鉄パイ プ に竹 をかぶせ る。割竹 早稲 田大学渡辺仁史研究室

1996年 度修士論 文


の 部分は、地面 を這 って いる竹 の横 材 に針金 で結び つ ける。 藤村

CAD上

の造形 システムを何 とな く覚 えて いるか ら、実

際 の施工作 業 の要領がそれ に呼応 した 形で進 め られ ます。CA

■峰

≦ 曜

D上 での作 業過程 を自分 たちの身体 を使 って、もう一度 反復す る。 馬渕

実際 に 出来上が った三つの イ ンス タ レー シ ョンは、面的

なイ メー ジ も強 いですね 。 藤村

ぼ くた ちは、最 初 に面的な 立 体 を想 定す る ことか らス

ター トしま した。初期 の コ ンピュー タ上のモデル は、細 い線 の 集合 で構成 されたモ ノで はな く、面 モ デル をい じった もので し た。 三好

そ の過程で も、扱 う素材の持 って いる「八割 りした竹 」と

い う意識 は常 に持 つ よ うに心がけて い ま した。 藤村

コ ン ピュー タ上 に竹 で立体 的 に表現す る。それ を複数 の

線分で表現す る とメモ リをす ごく食 い ます。 しか し、面で表現 す ると何十 分 の一の単位 で 使用 メモ リを減 らす ことがで きる と い う実作 業 の 問題 もあ りま した。 山本

脅

:諄

警 ‐

│に て

曲面 に 関 して は CADを 使 っ た 空 間操作 と、 実 際 につ

くっているときの素材感 に対す る意 識 が加わって よ り有機 的な 味 が 出て きた と思います 。 馬渕

:金

コン ピュータを使 っていなが ら一方で、いか に 「いか に

なれ

力 暫了丁 嘉翻

も コ ンピュー タチ ック」なデザイ ンか ら逃走す るか とい うこと

な ら

聾

卜想

も同時 に考 え続 けて います。 藤村

そ う いった制御不 可能な部分 で も、実際 に身体 を使 って

作 業 をすれ ば、すてきな形 が生まれ る ということを実感 しま し た。 三好

単純な反復作業にも拘わ らず 微妙 な差異が生み出され る。

それが非常 に面 白かったです。それ が竹 という素材で空 間 をつ くった 際 に強 く印象 に残 った ことで す 。 馬渕

強 引に こち らで強制 して形を出す こともしませんで した。

手懐 けるとい う感 じ。だか ら、建 築 の 「重量 」 が、全部施 工 時 に 「身体」 に返 って くるのです。

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1996年 度修士論 文


■コンピュー タ 。エ イ ジ 馬渕

CADが

ネガテ ィブな流れで話 が進 んで います が、実際

は どうだ った のか な。 ぼ くたちはモ デ リング・ ツー ル と して主 に使 って いるわ けだ け ど。 山本

素材 の特性 を表現 できる CADを つ くりたいと思 って も、

今 の状態 で は、エ ンジニ アの細分化 が進みす ぎていて、今か ら 建築家側が追 いつ くことはできな い状態 とい うジ レンマが あ り ますね 。 藤村

CADっ

て もとも とコンピュー タが設計 を支援す る とい

う考 え方です よね。非常 にフォーマ ッ ト化 されて しまって いる。 それ に縛 られて いるか も知れない。 山本

で も、 コンピュー タは一つ の デ ィバ イス に一つ の機能 と

固定せず に、一つの デ ィバ イス にた くさんの機能 を持 たせ る こ とが可 能な はずです よね 。 藤村

使 う側 の使 い方 によって機能 を変換 して い く。通信 の場

合 はそれが広 範 に渡 りますが、 CADの 場合 はまだそ の域 まで 達 して いな いのが現状 です。 山本

一つ の デ ィバ イ スが限 られた一つ の機能 しか持 って いな

い。 藤村

そ の一つ の機能 が増 幅され過 ぎて、全 体像 が 良 く判 らな

くな ってい るのか も しれ な い。 山本

コ ン ピュータの性 能 は、一 般 人で も金銭 的 に解 決 で きる

状態 に現在 はな りま した 。周 りを見 て も学生の所有 率が ここ数 年 で急激 に伸 びたのが 良 くわか ります 。 藤村

建築 のためにコ ン ピュータを導入 した とい う経緯 と、生

活 の 中に コ ンピュー タが既 にあった状 態で は大 分違 います 。ば くらの世代 は後者です 。 小手先の設 計手法 の 中 に 取 り入れた のでは、面 白い結果 を生 まない し、根本的な部分 を 変 えて い くことはできな い と思います 。 現状 の CADの 弊害 は、 そ の部分で 出て くるか も しれないで すね 。 馬渕

ぼ くは もうほ とん どギ ャップ を感 じな くなって い る。あ

ま りに も自然 にな り過 ぎて、過 去 の 状態 を気 に しな くな りま し た。 早稲 田大学渡辺仁史研究室

1996年 度修士論文


三好

平面 を重ね るとい う感覚はほ とん ど無 いで すね。最初か

ら立体 をつ くる。模型 を作 っている感 覚 に近 い。 藤村

そ うな るとどこまで 図面が必要 な のか判 らな くな ります

ね。パー ツの組 み合わせ を指示 して、且 つ 、つ く り易 けれ ば、そ れが ベ ス トだ という考 え方 のほ うが良 いか も しれな い。なぜ 図 面 を書 くのか 、なぜ模型 をつ くるか を、もう一度考 える必 要 が あ りますね 。 山本

で も、デ ー タだけだ と相手 とそ の 空間 を共 有す る ことは

難 しい。 ア ニ メー ションで 動か して も全 体 の 構造 は判 らな い。 例 えば、大 きな壁全面のス ク リー ンを使 えば映 像 か ら距離感な どがつかめて 、空間を共有 で きるか も しれ な い。そ のよ うにイ ンター フェ イ スが少 し変 わ れ ば、理 解 度 は深 まる と思 います。 藤村

今 まで は、建築 を理 解 す るとき に、 XYZと い う軸で

切 って、そ の レイヤー で共通認識 として理 解 して いま した。今 は、そ うい う方法 もあるな という程度 ですね 。今後、相手 に私 た ちの意志 を伝 える方 法 は考 えなけれ ば い けな い。 山本

今 は 、ど うやって結 果 が出たか とい う、CAD上 の手法・

操作 を伝 え る と理解す る。 藤村

昔 の 大 工が弟子 に伝 えたような、秘伝書 的な部分 は多 々

あ りますね 。

■着 工 直前 の 記念モニュ メ ン ト 馬渕

この コ ンペ はぼくと山 本 さんのユニ ッ トで参加 しま した。

滋賀県 の長浜市 の 中に東 上坂 工業団地 が 新 しく造成 されて、そ このゲー ト部分 の公園内 に記 念モニュメ ン トをつ くるという昨 年行われた企画 提案 のコ ン ペ です。そ こで ぼ くた ちの案 が採用 され ま した 。総 工 費は上 限 が 一千万 円までで、メ ンテナ ンスが 不要。そ して 施 工 までを作 家 が一括 して 背負 う、そ うい う条件 で した。 山本

外か ら眺 めるモニュメ ン トとい うのが従来 の形で したが、

竹 のイ ンス タ レー ションと 同 じように 中 にはいって 、そ こか ら 外 を眺め る、そ うい う装置 になれば良 い と思 いま した。

早稲 田大学渡辺仁史研 究室

1996年 度修 士 論文


馬渕

そ こで 規定 の三 m平 方 を最大限使 い、ど うい うデザ ィ ン

を施 し、人間 に どうい う体験 をさせ るか の二 点 を、あるパ ラメー ター に置 き換 えて変形 させ て い くわ けです 。具体 的 には、 昼 間 は太 陽 の運行 が連続 したス リッ トによる影 で表現 され る。 山本

また、厚 さ一 〇 mmの コールテ ン鋼 の板 を、切 断面 で溶

接 して、 面 だ けで構成す る。 つ ま り柱や梁 か ら脱却す る意 図が あ りま した。 馬渕

迂 回 しなが ら内部 に連続 した経路 で 内部 を一 体化 した も

のに しよ うと考 えま した。 また、天空 にあわせて 、全 体 が三五 度傾 いて いる。そ の他、 い くつ もや りた い ことは あったのです が 、限 られた 、かな り厳 しい予算 の 中で優 先順位が低 いモ ノは 諦 めざるを得 なかったわ けです。 山本

仲介す る市役所 と、ク ライ アン トで ある市 の 開発公社 で、

この作 品 に対す る解釈 が 分 かれて しま うよ うな曖味なモ ノで し たか ら。 馬渕

建築作 品 として建 築 工 事 と して捉 え るか、 いわ ゆる彫刻

品 としてモ ノを買い上 げる形 で捉 えるかで 、工事 に必 要 な書類 の数が全然違 います。結局 、建築工事 と して捉 える部分が多 く な り、必要 な書 類が膨大 に増 え ま した。 山本

私 たちの間では CADデ ー タのみで設 計 上のや り取 りを

していま した。 上モ ノの鉄 の 部分 をつ くって くれ る鉄 鋼 業者 さ ん は、すで に CADを 導入 して いるので 、 スム ー ズ に連絡で き た のです 。 馬渕

しか し、 コンク リー ト基礎 の部分 は、地元 の工務店 さん

の仕事です。この 部分で コ ン ピュータ化 され てないため に …… 。 山本

私た ちの作 業量が増 え るわ けです。形 が 複雑 な ので、 平

面・ 立面 を細 か く切 って、 何枚 も図面 を用 意 しな けれ ばな りま せ ん。 馬渕

ギ リギ リまで CADで 検 討 していた デ ー タが、そ の段 階

で一旦手書 きに戻 されて しま う。 ほんの少 し全 体 を傾 ける こ と は、 CADで はそれ ほど大 きな 問題ではな いの ですが、手書 き では、す べ て の座標 を拾 い 出す のに時間が膨大 に掛 か るわ けで す。最終的 に、 施工者 の方 々 に形態 を把 握 して もらうまでが大 早稲 田大学渡辺仁史研 究室

1996年 度修士論 文


変で した。 山本

予算 は、今少 しオーバー して い る状況です 。鉄 の加工 に

おいて、溶 接 の仕方が特 殊な のが 大 きな 要 因です 。 この予算 は 普通 の建築か らす る と遥か に小 さい額です 。

馬渕

しか し、 面 のみで構成す る片持 ちの構造 に こだわ って いま した。 この部分 をケチ ると、コ ンセ プ トとのバ ランスが とれな くな る と思 った ので す。 山本

だか ら、裏でボル ト締 めす るな ど、費用 が嵩 む小細工は

避 けて い ます。 最初 は 一 千万だ と、モニュメ ン トだか らかな りのモ ノが

馬渕

できるので はな いか と思 っていた ので す。 しか し、いざ蓋 をあ けると項 目がた くさん出て きて、そ の 数字 を見 る と、す ごい低 予算 だ と感 じます。 ク ライ ア ン ト側 の 前提 は、既完 のモニュ メ ン トを持 って

山本

きて置 くだ け とい う考 えなので、どう して ここまで 面倒 くさい 手続 きを しな けれ ばいけな いのか を、彼 らに分 か りやす く、た くさん説 明 しな けれ ばいけないわ けです。 しか し、見積 では上モ ノはモニ ュメ ン トと して 認識 され

馬渕

つつ も、「ス ロー プ」を持 った 「台座」は建築 だ と認 識 した りし て。こち らは余 り分類す る ことは意識 して いな くて 、通路 と し て も機能 で きる とい うア フ ォー ダンス 的な考 え方 で いるわ けで す。 山本

私 た ちのは四角 くて 、お家 っぼ く見 えるか らか もしれ ま

せ ん。 馬渕

また、問題 が起 こる度 に、呼び 出 され るので 、交通費が

設計料以上 に掛 か って いるか も しれ ませ ん。今後建築 をや るに は一 生つ きまとう問題で しょうね。 山本

今 までの大 学教育 と、今 回 のモニ ュメン トの仕事では急

に会 う人間が変 わ った と思 います。ク ライ アン ト、構造 、基礎 、 材料、加 工 と、会 う人間が今 まで と全 然違 います 。 馬渕

「本 当は学生 さん とはや りた くないんだ 業者 によ っては、

け ど」と、最初 に釘 を打たれ る場合 もあ りま した。(笑 )あ る意 味、お金で動 く構造 に対 してそれ に負 けな いだけのパ ワー と哲 早稲 田大学渡辺仁史研 究室

1996年 度修士論文


学が必要 だ と痛感 させ られ ました。 山本

私 たち の無知な部分 が、す ぐに露 呈 して しま うのです。

馬渕

だか ら今 回は、構造 設計 の TISの 方 々に間 に入 つて も

らわな い と、どうしよ うもなかった部分 があ ります 。私たちで は、適正 値 の 判 断が つか な いわ けです 。 山本

実際 の 施工が始 まって、これで は納 ま らない とい う部分

が絶 対 出て くるで しょうね 。 馬渕

現場監理 は、可能 な か ぎ り、現 場 を往復 します。

山本

工期 は約 二 ヶ月です 。

馬渕

建築 に 関 してまった く知 らな い 人 と、それ とは対照 的 に

本 当に細 か い所 まで知 って いる人 と、今 回はその両端 の人たち を繋がな けれ ばいけない。建築家 の職 能 は本来はそ うな のか も しれ ませ が、そ こに初 めてや るぼ くた ち が放 り込 まれ たので、 大変 と言 えば大変 だった のか もしれ ませ ん。 山本

初 めは誰 に何を聞けば良いのか 本 当に判 りませ んで した。

電話 を前 に して どうしよ うと、そ うい う感 じが強か った と思 い ます。だか ら、審査 員 のバ ックアップ と、それ に伴 う人脈がな か った ら、 とて もできなか った と思 い ます 。 (談 )

撮影 :坂 下智広

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1996年 度修士論文


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1996年 度修 Ilf論 文

│1稲 田 大学渡辺 仁史研究室


08。 「 ⊇ ⊆ 」 (仏 シラク大統領来日記念講演空間イ ンスタレー ション[未 完プ

ロジェク ト案]) 設計期間 :1996年 10/ 共同設計者 :山 本幹子 (東 京芸術大学)

早稲田大学渡辺仁史研究室

1996年 度修士論文


09。

「⊆ ⊇ 」

OapanArt Festiva1 97 in沼 津 ;メ イ ンステ ー ジ &イ ンス タ レー シ ョン)(設 計進行 中) 設計期 間 :1996年 10月 ∼ 施 工 期 間 :1997年 9月 展示期 間 :1997年

10/1∼ 11/15

総合 プ ロデ ュース :勅 使 河原宏 (映 画 監督

/草 月流家元 )

舞台上演 :東 儀秀樹 (宮 内庁式部職楽 部楽師 ) 野村万之丞 (和 泉流狂言方 )他

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1996年 度修士論文


10.「 Hikiyama一 Museum」 設計期間 :1996年 12月 ∼

早稲 田大学渡辺仁 史研究室

1996年 度修士論文


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田 大学 渡辺 仁 史イ リ 1究 室

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修 │:論 文


11.香 港 日本庭園ランドスケープデザイン[未 完プロジェク ト案] 設計期間

:1996年 2月

共同設計者 :川 名哲紀 川 名哲紀

(イ

ンスタ レー シ ョン作家 )

:1945年 東京生 まれ 。1987年 頃か らイ ンスタ レー

ション作 品 をニ ュー ヨー ク、東京、香港 な どで発表 。 1992年 勅使河原 宏 氏 演 出 の オ ペ ラ 「 トゥー ラ ン ドッ ト」 演 出助 手 。

1993年 国際交 流基金 よ リミャ ンマー・ マ レー シアに派遣 され る。 1994年 2月 リレハ ンメリ レ冬季オ リン ピ ック閉会 式 にて 次 期開催地で ある長野市のデモ ンス トレー シ ョンの演 出を手がけ る。 1995年 イ タ リアで世界 中か ら 10人 選 ばれ る ラン ドアー テ ィス トの 1人 に選 出され る。1997年 イ タ リア「ARF SELLA」 にて作品 を発表 。

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12.企 画展・ 空間構 成・ 草 月ギ ャラリー 展示期 間

:1996年 2月

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13JR米 原駅改装プ ロジェ ク ト 米原駅再生 Proposa1 2/15二 Wrapping

Womb/06

琵琶湖を意識 させ ること ■視点

:

○付近住民 (駅 の横断時・ 駅付近) ○山 の上 ○駅 のプラッ トフォーム 旅客 通過・ 停車・ 乗換 0乗 降 通過・駅舎 の形態

停車 0駅 舎 の形態、プラッ トフォーム

換・ プラッ トフ ォーム、機能

乗

乗降・ 機能

通勤・ 通学 ■東西分断 ■鉄道進行垂直方 向の流れ (形 態・ 人間流動 )を 重ね合わせ る こと 人 と鉄道の流れ を重ね合わせ ること 住民 と旅客 駅 と付近 駅 と風 景

(第 二 の地形 として )

■利用形態 ○改札 の存在 ○駅 と駅前地区 との分断 ○乗換駅 待 ち時間の長 さ 駅 内部 に滞在 速度・ 停止・ 速度 比較 ;空 港・ トランジ ッ ト

「テーマパーク」 と読み換える こともで きるあるいはその新た な機能がさらに別 の関係をつ くりだす とい う意味では「ファク トリー 」 と言 い換 え られ るか も しれな い 「旅行 」とい う「シナ リオ [文 脈 ]」 、 「日常」と い う「シナ リオ [文 にス トー リー を書 き加 え るための「

して のス テ ー

早稲田大学渡辺仁史研究室

1996年 度修士論文


シ ョン

ステー ションギ ャラリー 米原駅 を利用す る人の立場あるいは「視点」は以下 のよ うに分 類 されると考 え られ る ○付近 の住民 駅 の横断時 の視点 駅前か らの視点 付近 の山の上か らの視点 ○旅行客・ 通勤者・ 通学者 駅 のプ ラッ トフォームか らの視点 さ らに旅客 には米原駅 に関わ るケース と して さらに通 過・ 停 車・ 乗換・ 乗降 の 4つ に分 け られると考 え られる

通過・ 駅舎 の形態 停車・ 駅舎 の形態、プラッ トフォーム 乗換・ プラッ トフォーム、機能 乗降・ 機能

米原駅 の現状 としては、 ○地域 の東西分断、 ○駅 の機能 と付近 との関係の不在、 ○旅行客 にとって 乗換駅 としての機能 が強 いためにプラ ッ ト フ ォー ムにある程度 の時間滞在 したあとに次 の電車 に乗 って 去って いくといった現象があ り、 そのような人々が地 域 に取 り 込む ことができていない、 ○乗換 の時間が長 いにも関わ らず、 その時間を過 ごすため の施 設 の不在、 といった問題点がある。 そのような現状 に対 して ●今 まで関係性 を持たなかった各 々の「流れ」を重ね合わせる こと

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1996年 度修士論文


具体的には Station Area(ス テーション・エ リア) ■℃melhrk Area(テ ーマパータ・エ リア)

Pronlenade Area(プ ロムナー ド・ エ リア)

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1996年 度修士論文


早稲 目1大 学渡辺仁 史研究室

1996年 度修士論 文


15。

「Urban Acupuncture」

都市 の 「EDGE(あ るいは政 治的構造 の 歴史 )」 を視 覚化す る → 「Kい ヾ きヽ

GAW勺

の通 遇 に意味を付 加す る。

「Invisible Edge」 都市 の見 え ぎるエ ッジ

知覚 によって 経絡す

る空 間

エ ッジ の集合 体 が 自らの知覚 に経絡す る Pllasel l時 間 「距離 (あ るいは歴 史的経 緯 )」 を隔てて 現象す る 「AcupunctureJ(歴 史 的事実 の形態化 )Affordance

Phase2:通 常時 「地」 と して 現象 して い る 「空間」が非常時 「図」 と して現象す る 「Acupuncture」

(Lfe一 五neの 形態化 )

Phase3:様 々 な交通 「経路 」が誘導す る 「Acupuncture」

(都

市 「速度」集積 の形態化 )Affordance

Phase4:向 こ う岸 に応答す る「Acupllncture」

(空 間配列変換

の形 態化 ) Pllase5:「 建築」 と 「土木 (ラ ン ドスケー プ)」 が経絡 (応 答 ) する

Phase6: Phasel、 Phase2:「 時間」配列 の変換 によ って 「EDGE」 を生

成 させ 、「時 の 間」 を 「経絡」す る Phase3、 Phase4:「 空間」配列 の変換 によ って 「EDGE」 を生

成 させ、「空 の 間」 を 「経絡」す る [○ 江戸 の ネ ッ トワー ク として 結 ばれた一 方 で 「本郷台」 の地

形 を不連続 に して いるとい う 「paradcx」 ` ○ 「水害 」 を 防 くために形成 した 「空間」が災 害時 「水」を供 給す るとい う 「paradc刈 の Representation] Phasel+Phase2+Phase3+Pllase4

我 々 は都市 空間 を彿往す る時 において、あ る空 間か らさ らに別 の空 間 に移 動す る際に「NⅣ igation」 を行 って いる (時 に見知 らぬ空 間 を探索 し、時 に環境 に誘導 され る )。 そ してそ のNa■71-

障害者を問わず、都市の「EDGE」 早稲 田大学渡辺仁 史研究 室

1996年 度修士論文


を探 し知覚 して、そ の環 境 情報 をもとに 目的地 へ「経絡 」 して いる。ここで は歴史 的 「paradox」 を持 つ「KANTDA―GAWAl に 「EDGE」 としての空 間 (巨 大な水道 管 としての貯水施 設 と 水害博物館 )を

INSTALLす ることによ り 「時間」「空間」 を

Navigateし 「経絡」す る 「SYSTEM」 を都市 に生成 させ る。

敷地 と して 選 ばれたのはお 茶 の水 の台地 の削 り取 られた エ ッジで あった。そ こに 失 われた地形 の連続性、横 断交 通 を回復 させ る こと、そ して 台地 を分断 して いる神 田川 が 本来水供給 のためにで きた に もかかわ らず 、水害で逆 に 物 を飲み込 んでいって しま うという paradoxに 対 して水害 博物館 と災害 時 に水 供給等 の拠点 とな る施設 の複合機能 が プ ログ ラム された。 また一般 に都市景観 にお いては鉛直 上 向 き方 向 に視線が のび て い くが、 この 計画 にお いては 下 向 きに視線 を誘導す るよ うに意図され た。

早稲 田大学渡辺仁史研 究室

1996年 度修 士 論文


14.ホ テルニュー オータニ・ メイ ンロビーイ ンスタレー ション 設計期 間 :1996年 12月 制作期 間 :19964手 12/30 展示期間 :1996年 12/30∼ 1997年 1/15 共 同制作者 :高 橋耕平 、梅 田太 一 、 中村 君 (以 上東京 芸術大学

1年 )

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1996年 度修士論文


15.DESK TOP COMMUNHY 現在、私 た ちは都 市居住 を考 える うえ において重 大な転換 期 を 迎 えて い る。環境 に対す る概念が 、 コ ンピュー ター ネ ッ トワー クに代表 され る新 しいコ ミュニケー シ ョン・ ツール の 普及 によ り、 着実 に 変化 し始 め て いるか らで あ る。 この新 しい 情報 メ デ ィア の到来 は、ただ単 に情報 の選択 肢が増 えただ けに とどま らない。それ はグー テ ンベル グの印刷 革命 によって 世界 中の言 語文化が定 着 したの と同様 に、環境 や 生活 の概念 の歴 史的な転 換期であ る とも考 え らるだろう。本研 究 は、これ らの新 しいイ ンタ ラクテ ィブな コ ミュ ニ ケー シ ョン・ ツー ル の 出現 によって どのように私たちの環境や空間 に関す る概念や 感覚が変化 して いるのか 、また今後 どのよ うに進 化 して い くのか を探 り、そ の 変化 が都市や居住 に対す る意識 をどの よ うに変 えて い くのか を 考 えるもので ある。 都市や建築 を考 える際、そ の形態や 空 間構成 を分析 しそれ らを 再構成す るシステム を提議する ことが一般的な手法 とな って い るが、そ の 前提 とな る感 覚 が揺 らぎ始 めて いる現在 、形態や 構 成 を論 議す る以前の 問題 を整理 し考 察 す る ことは都市 の未来 を 構想す る うえににお いて 避 ける ことが で きない作業で ある。そ してそれ は、「集合住 宅 Jの みな らず 「都市」とい う言葉そ の も のを考 え直す 作業で もあ る。私た ち は 「建築」や 「都市 Jを 考 え る際に、あ ま りにそ れ らの定 義 を疑 わな さす ぎた。あるいは 疑 う必 要性 を帯びて い なか った。人 間 の 生活か ら建 築や都 市が 生 まれ る とい う原点 に立 ち戻 って、そ の ヴィジ ョンを指 し示す ことか ら、 新 しい都市居住 像 はみえて くるのでは な い だろうか。 物理 的な接 触 を基 本 とす る コ ミュニ ケ ー シ ョンと電子 的な コ ミュニケー シ ョンは、対 峙す るす る ものではな く、これ か らの 生活 の 中で共存 してい くだ ろうと推測 され る。む しろ非接触 的 な コ ミュニ ケ ー ション・ ツ ールが 普 及す ることによって 、接触 型 の コ ミュニ ケ ーシ ョンや よ リヒュー マニ ステ ィックな空間や 環境 に対す る志向は 増大す ると考 え られ るだろ う。 しか し、人

■る快通性のみならず、仮想的な快適 間工学的な側面で規定さす 早稲 田大学 渡辺仁史研究室

1996年 度修士 論 文


性 が認知 され た近未来社会 にお ける理 想 的な空間は、一 見 同様 の構造 を持 っているよ うに見 えなが らも、生活意 識 で は異なる 空間イメー ジを形成 して いる と考 え られ る。この 日 に見 えにく い違 いを可視化 ない しは 記述す ることによって、物理 的な空間 構造が どのよ うにゆがんでい くのか を考 えていかね ばな らない。

それ らを推 し量る基準 として「デスク トップ 。コミュニテ ィ」と い う概念 を導入 したい。 この概念は非接触 型の コ ミュニ ケー ションによってつくられ る人間関係を コ ミュニテ ィと名付ける ことによって 、従来 のコミュニティとの違 いを浮かび 卜が らせ ようとす るものである。 このあくまで仮想的な コ ミュニティ像 を定義 し、その概念につ いて考察す る。またその イメー ジを様 々な切断モデルと して可 視化する ことによって 、近未来社会の居住空間のあ りかたを考 えるプロセス を提案す る ことが本研究 の 目的である。

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1996年 度 修士 論文


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fragile Navigation人間の自己言及構造 by hitoshi watanabe - Issuu