牧歌 〜わすれなぐさの物語 「優しく、柔らかな言葉」でありながら「強い意志」を持った作品を…。 作曲にあたって私はそう思い続けていました。 作曲のきっかけは、2012 年福岡県のとある高等学校吹奏楽部からの依頼によるものです が、 「せりなさん」というひとりの女性との交流がなければ、この作品は違ったものになっ ていたかもしれません。 交流とはいっても、お互いのブログ(利用していたブログサービスはすでに終了していま す)の読者であったというだけであり、時々メッセージのやりとりはするものの、私は彼女 のお姿を拝見したこともありませんし、どこにお住まいかも知りません。 ブログを通じ、彼女が幼少期から深い心の傷を負っていたことが分かったのですが、彼女 が作る詩や、日々の生活を綴った投稿は、「優しく、柔らかな言葉」にあふれていました。 私はそこに、彼女の「生」への強い想いを感じたものです。 この作品は、 「優しく、柔らかな言葉」でありながら「強い意志」を持ったメッセージを 送ってくれた、そして、ブログのタイトルを副題に使うことを快諾してくれた「せりなさん」 に対する私からの個人的なメッセージでもあります。 作品は、冒頭からリハーサルマーク[D]までに主要なモティーフが提示され、[E]以降は それらが展開するという単純な構成です。特別なストーリーを設定しているわけではあり ませんが、英語で付した標語を参考にイメージを広げていただければ幸いです(音の数が多 くなってしまい、演奏していただく方にとってはあまり優しくない作品かもしれませんが …) 。 なお、この作品は依頼主の要望により2本のフルート、オーボエ、イングリッシュ・ホル ンという編成で作曲したものですが、2020 年にフルート、オーボエ、クラリネット、バス ーンという編成に改めました。 演奏時間:約 4 分 40 秒