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GHMB-11 巡礼:春

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「巡礼:春 〜ヴァイオリン、チェロとピアノのために」

人は「今」を起点に、「過去」と静かに対話することによって、己の「未来」を見よ うとするものだと思っています。 作品のタイトルは、『大分西国巡礼歌』と古謡『さくら』を素材としたことによりま す。特定の情景や音を描写することを意図してはいませんが、「過去」と静かに向き合 いながらも、「未来」に向かって歩もうとする人々の姿や苦悩、葛藤が映し出されてい るかもしれません。ただ、私自身、これら二つの「過去」と向き合うことで新たな道を 切り開こうと模索したことは確かです。そういう意味では、ここに映し出されているの は私自身であり、この作品を書くことが私にとっての「巡礼」だったのかもしれません。 (初演時のパンフレットより) 2015 年夏、田村洋彦氏(大分大学名誉教授)から、氏が主宰するグループ『息吹』 のコンサート「ふるさと大分の響き」に作品を出してみないか、と声をかけていただき ました。コンサートの主旨は、 「大分の民謡や大分にまつわる曲を新しいアレンジで披 露する」というものでした。氏から多くの資料をお借りし、作品の核となる楽曲を探し ている中、特に私の目を惹いたのが『大分西国巡礼歌』という歌でした(この歌に惹か れたのは、前年に、 「篠栗四国八十八箇所」として知られる福岡県篠栗町を舞台に『讃 〜吹奏楽のために』という作品を書いていたことも影響しているかもしれません)。現 在、この歌を知る人はほとんどいないのではないかと思います。参考となる音源もなく、 研究者により採譜されただけの歌をどう再生させるか…、大きな課題を自らに課すこ とになりました。 間もなく春が訪れる…そんな時期に開催されるコンサートです。何か春を感じさせ る素材を加えたいとも思っていました。結果、誰もが知る古謡『さくら』をもうひとつ の核として用いることとなります。そして、 『大分西国巡礼歌』と『さくら』に共通の 音階構造(都節音階)に基づくいくつかの音素材を加えて全体を構成しました。 作品の構成は以下の通りです。 序: 『大分西国巡礼歌』と『さくら』を予感させます。 [A]:モノローグ [B]〜: 『お遍路さんの歌』 (都節音階に基づく創作)と『さくら』 [E]:モノローグ [F]〜: 『大分西国巡礼歌』 [H]:モノローグ [ I ]〜:展開部(都節音階に基づく5音音列の提示と展開を含む) [O]:モノローグ [P]:終結


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GHMB-11 巡礼:春 by goldenheartspublications - Issuu